令和5年3月20日(月)、山形市内の空は雲一つない青空でした。遠くの大朝日岳と月山がキラキラと輝くような白い美しい姿です。
「うわー、背炙り峠から見たかったあ」
翌日も晴の天気予報でした。早速、朝食もとらずに村山市の林崎方面へ出かけました。このところ、パソコンでの作業で毎日が忙しくて、畑沢へ行けませんでしたし、このブログへの投稿もおざなりでした。この機会に挽回しなければと意気盛んです。まして、雪の峠から朝日山系を撮影するのは初めてです。
「今まで撮ったこともない素晴らしい写真ができる」期待で胸は膨らんでいました。林崎から県道29号線に入り、中沢地区の道玄に駐車です。そこから先は除雪されていません。
ここからは山スキーにしました。ゴム長だけでも歩けるのですが、少し雪に沈みます。bindingは半世紀前のジルブレッタ。まだ使えます。
しばらく登るとゲートが見えました。当たり前ですが、通行止め。
雪面に何やら獣の小さい足跡。見慣れているイノシシやカモシカのそれではありません。
「自宅に帰ってからネットで調べれば分かるだろう」
その後、自宅で調べましたが、全く分かりません。アナグマのような、ニホンザルのような。何なんでしょうね。
今度は分かります。イノシシが冬の飢餓状態で切土法面を掘った跡です。法面が毎年、崩されます。道路管理にも、鳥獣駆除が必要な時代になっています。是非、道路行政も農林行政と協力して駆除に頑張ってもらいたいものです。不適切な工事よりも、ずつと適切な行政です。
ところで、イノシシが荒らした場所はあちこちで見られました。
鬱蒼と繁った杉林に囲まれた道路の雪が消えています。路面に水が流れていることから、天然の消雪道路になっていることが分かります。ここは沢で、常に水が流れます。無雪期に道路の端を見ると、沢の水が流れるヒューム管が見られます。それが枯れ枝や落葉で詰まってしまい、水が道路上に溢れたものでしょう。
よく見ると、溢れた水を排水するはずのグレーチング(矢印)も杉の落ち葉で塞がれています。ましてや路面よりも僅かに高くて、隙間の狭い暗渠の蓋ならば水が入りませんし落ち葉で詰まってしまいます。排水できる訳がありません。融雪期の排水を暗渠に頼っても無理であることは、再々、私が繰り返していることです。しかし、既に路面は舗装されていますので、路面が雪解け水で侵食されることはありません。問題は路面の水を一か所に集めないで、谷側の路肩に適切に処理することです。絶対に掘り起こした法面に流しては駄目です。侵食されます。この場所の谷側の法面は、掘り返しは行われていませんので、大丈夫でしょう。
いよいよ、目的地に近づきました。中沢地区がビューポイントとしていた場所です。そのポイントを写しました。遠くに甑岳です。ビューポイントとは、そこから美しい眺めを見ることができる所を意味していますが、天邪鬼は逆にそのポイントを写したのです。
やっとたどり着いたビューポイント。朝日山系をパチリ。残念ながら、絶景にはなりませんでした。晴天ではあるのですが、うっすらと霞んでいます。秋のカラッとした青空とはほど遠い空でした。それでも、中沢地区の早春を撮れました。いい写真でした。この日、畑沢で聞いた話によると、前日も尾花沢市内はカラッとした晴ではなかったそうです。同じ日でも山形市内と尾花沢市内の空は、かなり空模様が違っていたようです。とすると、この日の眺めは、これでも上々だったのでしょう。
ビューポイントから方向を変えて山腹を見ると、斜めに走っている白い線が見えます。さては、新たな古道を見つけたかと、思いたいのですが、過去に森林の伐採等の際に傷つけた作業道のようです。近年、伐採の際には重機による作業道作りが当たり前のようになっています。これが急傾斜地ならば、弱い火山灰状の凝灰岩の土壌は、脆くて地滑りを起こしてしまいます。
ここも同じです。
道玄側に下山して、畑沢へ向かうときに、荒楯付近から東の山並みが見えました。特徴的な二瘤状の荷鞍山です。国土地理院の地形図には二ツ森と書かれています。昔から呼ばれてきたの荷鞍(にぐら)そのままです。
畑沢では例年よりもかなり雪解けが進んでいますが、それでも田んぼの積雪は1 mぐらいは残っています。
土手には福寿草が花びらを拡げていました。
今年、初めて県道沿いの杉の枝が落とされていました。ここ数年は積雪で杉の枝が折れたり、幹そのものが折れることが多発しています。太い幹が折れて道を塞ぐことも何回もありました。事前に枝を落として、杉が倒れるのを防止しているようです。なるほど、人口減少と高齢化が進んでいる現況では合理的な判断です。
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