温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

湯川温泉 ゆかし潟周辺の源泉めぐり その2

2014年06月13日 | 和歌山県
前回に引き続き、和歌山県那智勝浦町のゆかし潟周辺で湧く源泉を巡ってまいります。


●ゆかし潟の北岸にある垂れ流しのお湯

ゆかし潟北岸の道路沿いには、コンクリブロックが積まれた小屋の残骸が、湖岸の空き地でポツンと佇んでいます。ゴミ収集場のような感じもしますが、「ゴミを捨てないで」と書かれた札が立てられていますから、その手の施設ではないようです。



反対側(湖側)に回ると、塩ビのパイプからドバドバと大量の温泉が吐出され、地面に落ちてから、それこそ湯水の如く湖へと捨てられていました。ここは一部のワイルドな温泉ファンに有名な源泉なんだそうです(それだからこそ、私も辿りつけたのですが…)。パイプ吐出口の右下には、タイル貼りの流し台の残骸も残っています。


 
躯体の内部はこんな感じでして、ハンドルや弁が無い外側だけの手押し式井戸の先にパイプが繋がれています。奥の方はパイプの残骸が落ち葉に埋もれており、荒廃がかなり進んでいるのですが、機械類は見当たらないので、ここの温泉は自噴しているのでしょうね(ただ捨てられているだけの源泉に動力を使うはずありませんよね)。


 
パイプ口に温度計を当ててみると、34.2℃と表示されました。見た目は無色透明で、明瞭な茹でタマゴの匂いと味が感じられる、この一帯で湧く温泉に共通してみられるタイプのお湯なのですが、タマゴ感が比較的強く、湯川温泉「きよもん湯」に近いように思われました。35℃に満たないぬるいお湯なので入浴には適さず、このように捨てられているのでしょうけど、ここってそもそもは何を目的に設けられたのでしょう…。タイルの洗面台の残骸は洗濯用であったものと推測されますが、もしかしてかつては浴場があったのかな。
マニアな方はここでしっかりお湯を浴びていらっしゃるようですが、私はそこまで性根がすわっていませんので、見学のみに留めておきました。


●二河地区の洗濯湯

ゆかし潟の南部に位置する二河地区は、湯川駅が至近にあり、病院などもあって、民家が集まるちょっとした集落となっているのですが、この集落にも複数の源泉が存在し、間断なくお湯が湧いています。
国道42号線沿いにある駐車場の奥には、上画像のような青空洗濯場があり、自噴の温泉が用いられています。


 
上画像とは反対側の、国道側からも撮ってみました。四角い槽周りの足場には滑り止めマットが敷かれており、傍の木には桶・雑巾・洗剤などの洗濯用具類が置かれていたので、いまでも現役なのでしょう。


 
コンクリの槽は小さく浅い造りなので、入浴には適さないでしょう。湯口での温度は37.2℃で、無色透明、茹でタマゴのような味と匂いが感じられました。この源泉も周辺の他源泉と同じようなお湯ですね。温度といい、お湯のクリア感といい、夏に入浴できたらとっても爽快であるように思われますが、ここは地元の方々の生活用ですから、入浴はご法度ですね。


●二河地区の地域住民専用浴場 その1

上の洗濯湯の近くから路地に入って集落の中を進んでゆくと、民家の手前にコンクリブロックを積み上げて造られた小屋を発見しました。お察しの通り、これは地元の方の専用共同浴場であります。周囲は民家が並んでいて、他所者が歩いていると明らかに不審者と勘違いされそうな環境ですし、深入りして面倒なことになるのはイヤなので、残念ながら画像はこれだけしかありません。


●二河地区の地域住民専用浴場 その2

集落の外れにある竹やぶの下でも、怪しい小屋を発見しました。


 
小屋の脇では、下から立ち上がっているパイプより、地面に埋め込まれたヒューム管に向かってお湯が落とされていました。洗濯用のお湯として使われているのでしょうね。温度は34.0℃とかなりぬるめです。



小屋は地元の方の専用浴場と思われ、浴室はちゃんと男女別に分かれており、扉は施錠されていましたが、窓が半分開いていたので、そこから中を覗いてみますと上画像のような造りになっていました。モルタル造りの小屋にコンクリの槽という、実に無機的で狭い空間なのですが、そんな無味乾燥とした浴室には清らかに澄み切ったお湯が注がれていました。誰も居ないのにお湯が投入されているなんて勿体無いのですが、自噴源泉だからこれが当たり前なんですね。羨ましい!
ところでこんなプリミティブなお風呂にボイラーなんて無いでしょうけど、上述のように温度は35℃に満たない相当ぬるいお湯ですから、夏は爽快だとしても、冬はどうするんでしょう? 寒い日にこんなぬるいお風呂に入ったら、間違いなく湯冷めしちゃいますよね。

滞在可能時間の関係で、今回はこれだけしか巡れませんでしたが、ゆかし潟の周辺地域は探せばまだまだ多くの源泉がありそうです。

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2 コメント

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Unknown (あんちゃん)
2014-06-13 21:31:57
 探索お疲れ様です。湯の沸くところには、地元民の風呂その他色々あるものですね。こういったマニアックなところの湯には大変そそられるものがありますね。でも深入りするとK-I殿のおっしゃる通り、不審者・迷惑者扱いされたり、それまではオープンだったものが部外者排除へとなりかねませんからね。マナーをわきまえない変な人もいますからね。
 さて明日はまた箱根の宿でのんびりする予定です。天気はよさそうなので、何年かぶりで大涌谷にでも行こうかと思います。
Unknown (K-I)
2014-06-15 00:09:58
あんちゃんさん、こんばんは。
今頃は箱根でお寛ぎのことと存じます。大涌谷にはジオミュージアムが開館したそうですね。私でしたら、大涌谷で玉子を食べた後は山を下って、姥子の秀明館で神秘的なお湯に浸かりたいものです(といってもローカルルールの問題があるので私のブログで取り上げることは無さそうですが…)。ご存知かもしれませんが、木賀に最近日帰り入浴施設がオープンしたので(元々企業の保養所でした。掛け流しです)、もしよろしければ行かれてみてはいかがでしょうか。
津々浦々、巡れば巡るほど、いろんな温泉に出会えるものですね。

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