温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

夜間瀬温泉 日新乃湯

2013年03月18日 | 長野県

1年近く前のことですが、湯田中温泉から木島平へ北上する途中にある夜間瀬(よませ)温泉の日帰り入浴専門施設「日新乃湯」を利用したときのことを書き綴らせていただきます。善光寺平を一望する高台に建てられたログハウス風の施設でして、冬になればスキーヤーで賑わいますが、訪問時はスキーシーズンではなかったため、夕方にもかかわらず、かなり空いていました。
建物の前には、まだ建立されて間もないものと思しき「妙法七福神」が並べられており、また付近にはドーム状の仏舎利もあって、辺りには宗教的な匂いが漂っているようでした。



外観同様に館内もぬくもりが感じられるログハウス調です。フロントにて料金を支払い、階段を下りて浴室へと向かいます。なおフロントと同じフロアには休憩スペースが設けられていました。
内湯にはタイル貼りで長方形の浴槽がひとつ据えられ、シャワー付き混合水栓が6基設置されています。洗い場には石鹸こそ備え付けられているものの、シャンプー類はありません。


 
底より立ち上がっている塩ビのパイプからは、浴槽のお湯の鮮度をキープするに十分な量の源泉が注がれており、その槽から惜しげもなくオーバーフローしています。湯船に張られているお湯は無色透明ながらほんのり赤みを帯びており、おそらく湧出時点では完全な無色透明だったものが、大気中へ放出されることによる圧力低下や温度低下などによって濁りが発生しているんだろうと思われます。お湯が溢れてゆく床の流路は赤く色づいており、湯口のまわりは赤黒色に、特に湯口直下は真っ黒に濃く染まっています。また湯面と接する浴槽側面のタイルには、析出の付着によって赤色を帯びた小さな庇が形成されていました。

湯使いは完全放流式で加水加温循環消毒なし。ちょっと熱めの湯加減で、入浴中に肌をさすったときに得られた浴感はキシキシといったところ。キリっとした鮮度感が素晴らしく、多少のぼせても長湯したくなるような、非常に気持ちの良いお湯でした。
お湯を口にしてみますと、鉄気と焦げたような黒ゴム感、遅れてタマゴ的な味や匂いが感じられます。とても単純温泉とは思えないような、いろんな要素を擁している個性的な知覚ですね。



見晴らしの良い場所に建てられているにもかかわらず、露天風呂は塀に囲まれているため、残念ながら景色は望めません。岩風呂風のレイアウトですが浴槽自体はコンクリ造で、底がとても滑りやすく、平衡感覚が先天的にヘッポコな私は何度かコケそうになってしまいました。
こちらも完全放流式の湯使いで、その供給口は2つあり、ひとつは隅にある岩の湯口。そして…


 
もう一つはこの湯枡でして、一旦源泉をここに落としてから竹筒で浴槽へと流し込んでいます。枡の縁には手桶が置かれているので、本来は上がり湯なのかもしれません。
外気の影響か源泉投入量の問題か、露天のお湯は内湯よりも若干湯温が低く、味も匂いもややパワーダウン(特に焦げたゴム感は喪失していました)、鮮度感もやや衰えているようでした。お湯のコンディションは内湯の方が明らかに良好なのですが、ちょっとした違いで感触に違いが表れてしまうのですから、かなり繊細なお湯なんでしょうね。でも、露天エリアでは高原の爽快な空気で火照った体をクールダウンできますし、内湯の熱いお湯が苦手な方でも、露天でしたらどなたでも入れるでしょうから、それだけでも露天の存在価値は十分にあるでしょう。
夜間瀬温泉には日帰り入浴ができる施設がいくつかありますが、お湯の質を重視するなら、ここが一番ですね。


単純温泉 51.5℃ pH7.5 溶存物質851.1mg/kg 成分総計874.7mg/kg
Na+:146mg(59.73mval%), Ca++:71.3mg(33.39mval%), Fe++:0.34mg(0.11mval%),
Cl-:266.0mg(69.6mval%), HCO3-:172.4mg(26.2mval%),
H2SiO3:149.3mg, CO2:23.6mg,

長野県下高井郡山ノ内町坂原7024
0269-33-8222

11:00~22:00 月曜定休(祝日の場合は翌日)
500円
ロッカー(100円有料)あり、ドライヤーなし

私の好み:★★★
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする