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初場所を振り返って(下)

2011-02-01 06:00:00 | まらずもう新聞編集部のまらずもう分析

十両の土俵では、明烏、月乃猫がともに無念の負け越し。明烏は必殺の女の子モードに加え、縞パンという新技も披露、幕内で勝ち越せば技能賞確実という相撲で館内を沸かせたが、なかなか白星には結びつかず。通算敗北数で玉椿を抜き歴代1位となるが、これもひとつの勲章、休場することも幕下落ちすることもなく、毎場所十五番取り続けた結果である。月乃猫は稽古総見時から調子が上がらず心配されていたが、場所前に仙台へ出げいこ。大枚はたいてツワモノ相手に2番の充実した稽古を重ね場所に臨んだものの、仙台で精力を使い果たしてしまったか、入門以来初の負け越しとなってしまった。

幕下では「部下を巻き添えにして強さをアピール」という、ベタなラスボスぶりを発揮した兄弟子・毛呂乃のせい途中休場となってしまった飛埒王。十両は一歩遠のいたが再起を期待したい。その幕下では、幕下付出で今場所デビューしたモンゴル出身、蒼狼と、幕下筆頭にまで番付を上げ十両昇進を狙う汚痔の山が壮絶な優勝争い。両者譲らず6連勝、優勝をかけた最後の一番で軍配は蒼狼に上がったが、見ごたえのある相撲だった。両者ともに来場所は十両。この戦いは来場所も続く。特に汚痔の山は50歳にして進境著しく、若々しい取り口を披露。快進撃を続ける汚痔の山に、「7戦だから勝てるのではないか、15戦戦えるのか」とその実力に懐疑的な評論家も、場所前までは存在した。だがこの初場所、十両を見据えた汚痔の山は6日間連日で相撲を取り、6日とも勝って見せる、という実力をもって評論家を黙らせた。志も高く「一場所でも早く幕に上がりたい」「三役を目指す」と意気軒高。今年は汚痔の山の年になるかもしれない。

三段目では、2場所連続で6連勝しながら最後の一番を落としてきた池男王子が悲願の初優勝。千秋楽、イケメンゆえにダニー浜田の霊に取りつかれ、男子を掘る夢を見るという苦しい展開ながらもみごとに勝利。来場所はいよいよ幕下。入門以来、着実に番付を上げ続けている王子。番付枚数も、収めた成績も、前場所より下がったことは一度もない。

序二段では優勝候補最右翼の家満がまさかの1敗。入門以来の連勝記録は摩羅の川の10と並ぶ1位タイにとどまり、記録更新は成らなかった。しかし来場所は三段目昇進が確実。同期生陸奥里は3連敗から盛り返して4連勝、勝ち越しを決めた。両玉国は残念ながら千秋楽に負け越したが、来場所も序二段に残れそう。

序ノ口では先場所全敗だった今濡が突如狂い咲きの61敗。優勝まであと一歩と迫る大活躍。関係者も「強いんだか弱いんだかわからない」と評価の定まらない今濡。序二段に上がる来場所も好成績を挙げ、評価を固めたい。また、平成前期の名力士・奈良行訓氏が送りこんだ栗ノ花も、5番しか取れなかったものの41敗の好成績。来場所序二段の優勝争いは今濡対栗ノ花といったところか。また勝ち越しは成らなかったものの44歳の新弟子・萬海が34敗と健闘。この競技、続けていれば強くなれるらしい。初土俵はわずか1勝だった玉椿、大関に上がり負け越しても番付が落ちない今場所は「自然体で取る」と宣言していた。場所中だからと言って策を弄せず、ただ目覚めたときに確認するだけ、という淡泊な相撲を取りながらも今場所は10勝。相撲を取り続けることで、勝つための技量が備わるのはもちろんだが、体だけに任せていても力がつくことを立証した好例である。デビュー場所で3勝の萬海、稽古次第で将来への期待も、まらもどんどん膨らむはずだ。

 

毛呂乃の全勝優勝で幕を閉じた初場所。場所後の大関昇進で、ようやく地位が実力に追いつきつつあり、1横綱2大関時代に突入するまらずもう界。だが番付最上位あくまで雲虎。横綱として、来場所こそは栄冠の奪還なるか。さらに前頭上位には12勝を挙げ敢闘賞を受賞した最年少・摩羅の川が食い込んでくる。相撲ぶりはまだまだつまらないながらも、ヨメに虐げられつつ相撲にいそしむという型を固めつつあり、侮れない。これに虫歯から復帰してくる朝乃立が加わり、次回春場所は3月開催。汚痔の山、蒼狼、家満らの存在もあり、この1年で番付上位も大きく変動するかもしれないまらずもう、今年も目が離せない。

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