まらずもう記者クラブにおいて三賞の選考がおこなわれ、日本まらずもう協会の審判委員とまらずもう新聞の記者による合議の結果、以下のとおり受賞者が決まりました。なお、三賞受賞者がでるのがほぼ2年ぶりということで、審判部も記者クラブも三賞のことを失念しており、一日遅れでの発表となりました。申し訳ございません。
・殊勲賞 該当者なし
・敢闘賞 玉椿(2)
・技能賞 該当者なし
― 三賞は一日遅れでの発表となりました。記者クラブを代表しておわびいたします。
(玉椿) 「いやあ、お互い完全に忘れてたな。すまんすまん」
― けさ、大黒柱事業部長からLINEがあったんですよね。「そういや玉椿に敢闘賞でもやらなくてええんか」って。
(玉椿) 「もらえると思ってなかったんだよね。大関は三賞の対象外だし、大関から陥落した場合も大関経験がない力士より審査基準が厳しくなるからさ。一瞬、え? わし選考対象?って驚いてさ『くれるならもらう』って間抜けな返信しちまったよ
― で、大黒柱事業部長が「敢闘賞ひとつぐらいあってもよくないかね。照ノ富士とかの例と比べても」って言ったことで受賞が決定したんですね。
(玉椿) 「こういう機会もめったにないからね。ありがたくもらっとくよ」
― それにしても今場所は絶好調でしたね。なにがあったんですか?
(玉椿) 「職場でエロ小説を大量に読まされてたのがよかったのかもね」
― うらやましい仕事ですね。
(玉椿) 「べつにいい仕事でもねえよ。給料は安いし、エロ本で勃起してもせんずりかくわけにもいかねえし。蛇の生殺しだよ」
― 我慢してためたリビドーが朝の取組につながったんですね。
(玉椿) 「まあ、そうなんだろうねえ」
― この調子でいくと来場所もたのしみですね。
(玉椿) 「いや、もうエロ本のターンは終わってさ。いまは20年くらい前の自費出版ブームのときの自費出版本をいっぱい読んでる」
― へえ。おもしろいんですか?
(玉椿) 「おもしろくねえよ。老い先短い老人の自叙伝とか、平凡な感性と陳腐な表現にまみれた詩集とか、そんなばっかだ」
― ああ、それはつらそう。
(玉椿) 「たまに、老人の自叙伝がへんなところで終わってて、最後のページに息子が『著者は何月何日に亡くなりました。個人の遺志を尊重して出版に……』みたいな挨拶を書いてたりする」
― うわあ。
(玉椿) 「いちばんきついのは統合失調症っぽいひとが電波な内容を書き連ねた本だな」
― それ、おもしろそうじゃないですか?
(玉椿) 「好きなところで読むのストップできるならいいけどさ、仕事だから最後まで読まなくちゃいけない。わし、読んだ本にメンタルが影響されやすいからさ、感情が揺さぶられて目が回りそうになるんだよね」
― 玉椿関まで統合失調症になったりしないでくださいね。
(玉椿) 「いやあ、けっこうびびってる。発狂って伝染すると思うんだよね。あれを曝露しつづけたらやばい」
― 一時は優勝するんじゃないかって勢いでしたよね。
(玉椿) 「九日目の相撲がすべてだったな。それまで無心で土俵に上がってたのが、優勝を意識した瞬間に集中できなくなった。毛呂乃の千秋楽の相撲と比較したら、完全にわしとは精神力が違う」
●玉椿(7-2)
きのうまで1敗をキープしてトップタイを走っていた玉椿。「もしかして優勝狙えんじゃね?」と色気をだして丁寧にいこうとしたのが裏目に出た。酒ものまず早めに就寝したところ、ふだんのルーティーンと違うことに身体が驚いたのか午前2時に目を覚ましてしまった。さすがに昼間の仕事のことを考えたらここで起床するわけにもいかず、泣く泣く再度就寝。これで優勝争いから一歩後退。
○毛呂乃(14-1)
「おはようございます。今朝撥ね、棒振らす。勃起に十分」。ため込んだものは、やはり千秋楽に飛び出し、棒が激しく震える。射出したことによる自身の揺れが、さらに立つのに十分な刺激となって無限ループ、出してはさらに立ち、そこで出してはさらに立ち。「食らい、手でしたね」。自分を満足させられるのは自分だけ。自らのモノに食らいつき、自らの手でしごく。ひとしきりしごいたあとで、今度は自ら激しくまらをたたく。「棒打って、て立つんです」。どこまでもドMぶりを見せつけ、今度は「金~~!」と金玉を刺激。1差で追いすがる玉椿を振り切って連覇だが、勝つためには自分の相撲に集中、という極意を改めて示すように、自分の世界に浸りきって千秋楽も報道陣は完全無視。
― 二敗目を喫した後にずるずる連敗しなかったのはよかったんじゃないですか?
(玉椿) 「完全に優勝はあきらめたからな。毛呂乃に1差でもつけられたら追いつけるわけがない。それで平常心を取り戻せたかんじだな」
― ご本人としてはお気に入りの相撲はどれになりますか?
(玉椿) 「自分らしい相撲がとれたのは初日と千秋楽だね」
○玉椿(1-0)
きのうはとある女子大の学園祭を冷やかしにいった玉椿。「若い女の子の出す空気を吸うとこっちも若返るからね」とうれしそう。ただ、女子大生側からすれば迷惑な客なのだろう。玉椿が模擬店でたこ焼きを買ったところ、まっ黒焦げのたこ焼きを渡してきた。口に入れたところ食品とは思えない苦さに「あはは、苦いよ。苦い以外の味がしないよ」とマゾヒスト心が刺激されて大興奮。けさもその勢いのまま快勝。
○玉椿(13-2)
YouTubeで赤ちゃん動画を鑑賞するのが趣味という玉椿。「赤ちゃん系YouTuberのピークは10ヶ月から1歳6ヶ月くらいだと思うんだけどさ……」と気持ち悪いことを言いだした。「いち推しの赤ちゃんがもう1歳4ヶ月でさ、ぼちぼち次の推し赤ちゃんも探さないといかんな、と思ってさ。新生児から生後6ヶ月くらいの若手赤ちゃんの動画をいろいろ見てたんだよ。見てるうちに幸せな気分で寝落ちしちまった」と幸福な眠りにつき、けさは気分よく快勝。記者から、赤ちゃん動画を夜中までいろいろ見まくって、なにか収穫はありましたか?と問われると「んー、とある赤ちゃん動画で、抱っこしてる父親の手にタトゥーがちらっと見えてさ、『ああ、きっとこういう親がこどもをポルノ業界に売り飛ばすんだな』って思ったよ。赤ちゃんは口もとからよだれいっぱい出しててかわいかったけど、この子の将来のことは考えたくないね」とのこと。どこから突っ込んでいいかわからないが、最初から最後までひどい話である。
― 来場所には大関とりとの声もありますが。
(玉椿) 「わし、番付編成は完全にノータッチなんだけどさ。先場所は平幕だったろ。来場所10勝で直近3場所33勝ってくらいでは上がれないと思うよ。優勝とかそれに近い成績なら上がれるかもわからんけど。まあそこは大黒柱事業部長の判断だから、あんまり考えないことにしてるよ」
― 玉椿関の受賞インタビューでした。ありがとうございました。
(玉椿) 「おう」