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肥満:増加すると温暖化加速?! ロンドン大試算

2009年05月06日 19時44分53秒 | 1年かけてダイエット
 肥満の人の割合が全世界で欧米並みに高まると、10億人当たりの温室効果ガス排出量は二酸化炭素(CO2)換算で最大10億トン増えるとの試算を、英ロンドン大衛生熱帯医学大学院がまとめた。食料生産に必要なエネルギーや、車の燃料消費の増加が原因。04年の世界の人為起源による温室効果ガス排出量はCO2換算で約490億トン。肥満の増加は温暖化を加速するといえそうだ。英の疫学専門誌電子版に発表した。

 体重が増えると体の維持や活動のため、より多く食べねばならず食料生産の需要が高まると考えた。また、車1台に同じ人数が乗っても燃費が悪化するほか、徒歩が体の負担になるため車の利用が増えると想定。そのうえで、BMI(体格指数)30以上の肥満人口が3.5%だった英国の70年代の「適正体重社会」と、2010年に予測されている肥満人口40%の「太り過ぎ社会」の温室効果ガス排出量の差を試算した。

 その結果、太り過ぎ社会では適正体重社会より食料生産に必要なエネルギーが10億人当たり19%増え、排出量も年2.7億~8.1億トン増加した。車では燃費の悪化と利用頻度が上がり、排出量は年1.7億トン増加。太り過ぎでの増加分は4.4億~9.8億トンと推計した。

 06年の日本人男性の平均BMIは23.39、女性は22.47と、まだスリムだが、米国では3人に1人、南太平洋の島ナウルで6割がBMI30以上と推定され、各国で太り過ぎ社会が到来している。

 研究チームのフィル・エドワーズ博士は「健康体でいることが温暖化抑制にもなる。自転車利用の促進、都市部への自動車乗り入れへの課金、野菜の摂取など肥満予防と温暖化対策の両方に効果のある施策を推進すべきだ」と指摘している。【大場あい】

 ▽栗山進一・東北大准教授(公衆衛生学)の話 BMI30以上の人が4割を占める社会は、世界的には予想されている。仮定に基づいた研究だが、健康と温暖化の関係を考える上で意義がある。

毎日新聞 2009年5月6日 9時59分


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