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森羅万象 ~ 歩く印象派

ロックライブ葬で清志郎さん送る 密葬に約110人が参列

2009年05月06日 07時15分54秒 | Rock 音故知新
以下は2009.5.4 19:32 産経新聞より
2日にがん性リンパ管症で亡くなった歌手、忌野清志郎さん(享年58)の葬儀・告別式が4日、東京・下目黒の羅漢会館で密葬として営まれた。前夜のしめやかな通夜から一転、RCサクセションの名曲「雨あがりの夜空に」など15曲が流れる中、司会者が「愛し合ってるかい!」「もう一発いくか!」と絶叫する“ロックライブ葬”となった。

 密葬は冒頭から異例の展開だった。司会に起用されたのは、レコード会社で長年、清志郎さんの宣伝を担当し、現在もフリーとして清志郎さんのライブやイベントなどで“絶叫調”の司会をしてきた高橋康浩さん(46)。「盛大なる拍手と喝采(かっさい)をお願いします。フォーエバー! いまわのきよしろー!!」と叫び、「今日はボスのためにライブのような告別式を行います」と宣言した。

 赤いバラなど明るい色の花で彩られた祭壇の中、ピンク色で縁取られた遺影がほほえむ。「暗いことが嫌いだったので、明るく送り出そう」という遺族や親しい関係者の希望で、清志郎さんの楽曲を大音量で流し続ける中、映画での共演で親交があった大竹しのぶさん(51)をはじめ、竹中直人さん(53)、細野晴臣さん(61)、トータス松本さん(42)、RCのギタリスト、仲井戸麗市さん(58)ら約110人が参列した。

喪主あいさつでは、夫人の栗原景子さん(53)は「本人も2回目の完全復活を目指して頑張ってまいりましたが、夢はかないませんでした。まだ気持ちが混乱しております…」と涙で声を詰まらせた。

 出棺時には、清志郎さんの事実上最後の歌声とみられる「Oh!RADIO」が繰り返し流れる中、「キヨシロー、サンキュー!」「また会おうぜ!」と、別れを惜しむ参列者の声が葬儀場にこだました。

>以下は東京新聞2009年5月6日「筆洗」より

 バラの花びらがちりばめられたひつぎの中には、ギターのピックとともに自転車に乗るときのウエアも納められていたという。自転車好きの故人をしのんでのことである
▼<自転車はブルースだ。底ぬけに明るく目的地まで運んでくれるぜ>。著書『サイクリング・ブルース』では、この人ならではの言い回しを楽しむことができる。五十八歳で亡くなったロック歌手の忌野(いまわの)清志郎(きよしろう)さん。一昨日、親交の深かった知人らが参列し、葬儀が営まれた
▼『雨あがりの夜空に』など数多くのヒット曲を持つだけでなく、派手な衣装やどぎついメーク、そして何よりも「愛し合ってるかい?」の決めぜりふで世間に知られていた
▼自転車とは一見、意外な組み合わせなのかもしれない。九年ほど前に「雪山でなだれに巻き込まれた息子を、八十歳の父親が吹雪の中を捜し回って救出した」とのニュースを耳にしたのが、自転車にのめり込むきっかけだった
▼何と<自分には、子どもを助けられるだけの、そんな体力が備わっているのだろうか。ならば自転車で試してみよう>と思い立ったのである。自転車に乗る姿から「カッコイイぜ、オヤジ!」と思わせ、威厳を保つ願望もあったようだ
▼本人は「甘かった」と残念がっていたが、そんなことはあるまい。ロック歌手、自転車愛好家、父親として十分にかっこいい生き方だった。


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