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森羅万象 ~ 歩く印象派

追悼 大橋巨泉氏 逝く(毎日新聞記事より)

2016年07月21日 00時25分54秒 | Rock 音故知新

<大橋巨泉さん死去>テレビ育て…硬軟自在、「反骨」示す

毎日新聞 7月20日(水)11時10分配信

 

前田武彦さん(右)が大橋巨泉さんと2人で司会を務めたテレビ番組「ゲバゲバ90分!」は人気を集めた=1969年10月

 テレビ文化を育てた巨星が落ちた。12日、82歳で亡くなった大橋巨泉さんは、番組司会などで活躍。豊富な語彙(ごい)とユーモアでスタジオを盛り上げ、社会を斬り、昭和を代表するテレビマン、文化人として駆け抜けた。


 ◇評伝

 ♪シャバダバシャバダバ--。

 軽快な女声スキャットで始まるテレビ界初の深夜ワイドショー「11PM」(日本テレビ系)は衝撃的だった。それまでテレビではタブー視されていたマー ジャン、競馬といったギャンブル系の遊びや、釣り、ゴルフ、ボウリングなどのレジャーが次々登場した。カバーガールがにっこりほほ笑み、当時15歳の由美 かおるが歌って踊る清潔なお色気路線も魅力の番組だった。

 「俗悪番組」とたたかれながらも1965年11月から90年3月まで25年続き、そのうち20年間、司会を務め番組の顔となったのが大橋巨泉さんだった。

 当初は構成作家として参加した。「夜でなければできないものを」と相談を受けて作ったのがマージャンのコーナー。「非難ごうごうで1~2回で終わると 思っていたら、もっとやろうとなって、お前が司会もやれと。裏文化、サブカルチャーを初めてマスメディアに乗せた存在価値があったと思います」。99年秋 に放送された一晩だけの復活特番の直前、あの笑いを含んだ陽気な声で誇らしげに語った。

 「お色気番組の元祖」と言われがちだが、巨泉さんの真骨頂は、落首や狂歌のように、軟派番組の中に政治や社会への批判を突きつける硬派企画を挟み込んだ反骨精神だ。

 従軍慰安婦や公害、返還前の沖縄の現実といった硬派ネタから、ストリップ、UFO、超能力、アングラ芝居などの軟派ネタまで取り上げた。「僕は、日ごろ新聞の社説を読まない人に、政治や経済の問題に興味を持ってもらおうとシリーズを続けたんですよ」とも明かした。

 もう一つ、テレビ文化を豊かにした功績がある。「クイズダービー」「世界まるごとHOWマッチ」(ともにTBS系)を、軽妙洒脱(しゃだつ)なスタジオトークを生かして、家族で楽しめる良質な娯楽番組に育てたことだ。

 17年前のインタビューの最後に、こう話していた。「当時のイレブンでは、人が取り上げていないもの、他でやっていないものを次々とやった。今のテレビ の堕落の原因は、そこが欠けていることにあると思いますよ」。愛するテレビへの遺言となった。【元毎日新聞編集委員・網谷隆司郎】

 

※私的には巨泉氏が司会をされた「ビートポップス」という番組の功績も大だったと思います。

ビ、ビ、ビッ、ビートポップス♪ Yeah!

合掌


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