
以下は「たいやき」のレポート。(写真がないのが残念!)
某月某日(水)、雅叙園にて「中国料理の食卓作法」に参加しました。
1. 座席について
中国の席次の定め方は、西洋の場合とちょうど正反対です。西洋では、主人側の座席に近いほど位が高いですが、中国では、主人側の座席から遠いほど位が高くなっています。
西洋では親しさを、中国では礼節を重んじています。
一番北の奥の位置が主客となり、次に、東側を第1座、西側が第2座となり、入口を背にして主客と相対する席が、主人の座るところとなります。
しかし、部屋の入口によっては必ずしも、そのとおりにはならないので、主客席が南面にならなくても、入口からいちばん遠い席を上位とすればよいのです。
2. 乾杯について
西洋料理での乾杯は、片手でグラスを目の高さまでかかげますが、中国料理での乾杯は両手でお茶
碗を持ち上げます。また、「乾杯」ではなく「かんぺい」と言います。
3. 宴席の進め方
主人は、まず自分が料理を少しとってから、皆に進めます。これは、毒殺の多かった昔、主人自ら
が食べてみせる毒見の意味が含まれていました。主客が箸をつけた後は、あとは各自が自由に食べま
す。(隣の人が箸をつけてから自分が食べるようにすると良い。)
料理を自分の皿にとるときは、一応軽めに取り分けます。全部の人が取り分けてなお余分があれば、
好きなだけ食べられます。しかし、好きなものだからとたくさんとると、あとの人の分がなくなり、
また、自分の皿に食べ残すのは、はなはだ、見苦しいものであります。
回転台は右回りが基本となります。右回りの回転台を反対に回すことは絶対のタブーです。
中国料理では、取り皿はテーブルに置き、持ち上げてはいけないことになっています。
4. 料理の名前
中国料理の名前は調理法・主素材・副素材・切り方・形と表現法・産地名・香菜から成り立ってい
ます。例えば、青椒肉絲(チンジアオロウス/豚肉とピ-マンの細切炒め)の場合、「青椒肉」は主材料を指し、「絲」は切り方を指します。
5. 中国四大料理
(1)四川料理
中国での一般的な呼称は川菜と言います。
一般には山椒(花椒)や唐辛子などの香辛料を効かせる辛い中華料理として知られています。(四川省は、中国全土のほぼ中央に位置し、高い山々に囲まれた大盆地が中心を占めています。肥沃な土地がもたらす農産物に恵まれている反面、海から遠く隔たっているので海産物には恵まれず、そのため香辛料や薬味によって変化を持たせる調理法が発達しました。その代表的なものが魚香です。野の幸・山の幸に海の味を持たせようと工夫されています。)
痺れるような辛さを意味する「麻辣(マーラー)」を味の中心にしており、中国の他の地方の料理に比べて香辛料を多用します。これは四川省や重慶市の湿度が高く夏と冬の寒暖の差の大きい気候が関係しているとされています。地域性を反映し海産の食材は少なく、野菜、鳥獣肉、穀類を主体としていますが、近年は海産食材も徐々に取り入れられています。
干焼明蝦・麻婆豆腐・宮保鶏丁などが代表的料理といえます。
(2)上海料理
滬菜ともいいます。
中国東部、揚子江下流一帯と東シナ海沿岸の上海・揚州・蘇州・杭州などの料理を代表します。この地域は、天候温暖、地形も海・河・湖と変化に富み、食材料も豊富な所です。特に水が豊で、淡水産・海産ともに魚介類が豊富で優れたものがあり、味は素材の持ち味を生かした淡白なものと、濃厚で甘辛い煮物が特徴です。調理法は、紅焼・清蒸などが多用されます。特に小籠包や上海蟹・紅焼獅子頭・清蒸黄魚などが代表的料理といえます。
(3)広東料理
粤菜とも称され、中国南部の広東地方、及び広東人の居住地区で食べられている料理です。
広東語である飲茶やワンタンが英語でも日本語でもそのまま外来語として使われていることからも分かるように、世界中に最も広まった中華料理です。
「飛ぶものは飛行機以外、四つ足は机以外、泳ぐものは潜水艦以外」と言われているほどさまざまな物を食材に使用しており、温帯~熱帯の移行部にあたるため温暖な気候で育つさまざまな野菜、海に近いために多用される海産物を中心として、燕の巣、ふかひれ、イヌ、ネコ、蛇、果てはセンザンコウからゲンゴロウといった他では珍しいものまでが広東料理の食材として市場で売られています。調理上の特徴は、野菜などの持ち味を生かした、薄味の炒め物が基本ですが、土鍋で煮込む(ポウ)や、ふかひれや燕の巣などを、原型をとどめないほど煮込んだ鍋(_ ウォク)料理などもあります。
また、ヨーロッパの進出や香港、マカオの存在により、西洋料理やインド料理、マレーシア料理などの技法が持ち込まれました。これらの結果、「蛋撻 タンターッ」と呼ばれるカスタードクリームのエッグタルトのような菓子や、パクチョイのクリーム煮、「中式牛柳 ジュンセッガウラウ」と呼ばれる中華風ビーフステーキ、ハトシなどの折衷料理が生まれた。また、カレー粉、トマトケチャップ、沙茶醤(サテソース)といった各国の調味料も積極的に使用される。
(4)北京料理
北方系の宮廷料理を代表するものです。首都北京の宮廷料理を中心に発展してきた料理で、京菜ともいいます。
特徴としては、宮廷料理であったため、手の込んだ繊細な、そして見栄えのする料理が多いです。また華北であるため、米や魚よりも小麦粉や獣肉を多用しています。東西交流の証しとして、ナンやジンギスカン鍋をベースとした清真料理(イスラム料理)も盛んであり、北京ダックを焼く窯も、インドのタンドールや中東や中央アジアでパンなどを焼く窯に似ています。
6. まとめ
今回の中国料理食卓作法では、普段口に出来ない貴重な食材を食べる事が出来、とても良い経験が出来ました。特に「上海蟹のみそを使ったスープ」は濃厚でありながら、みその味がしかりとしていてとても美味しかったです。「大きな肉団子の煮物」は肉団子が柔らかく、ジューシイで口の中でとろけてしまい、どうしたらこんなにも柔らかい肉団子が作れるのか、と不思議に思いました。
感想:雅叙園でこんな勉強やってるとは知らなかった。