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映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

黙秘  Dolores Claiborne 1995

2009-07-20 | 映画 ま行
いよいよ来る7月22日、日本各地で部分日蝕が見られるようですね。
鹿児島県南部では46年振りに皆既日食が観測できるとかで、悪石島には観光客が押し寄せ、
水不足が深刻だとか。
上陸せず、日本各地から訪れる船の予想は170隻。
日蝕観測用のメガネやプレートは既に完売状態とか。

そんな話題について話していたところ、
「日蝕が出てくる映画があったよ」
「確かキャシー・ベイツ主演」
「スティーブン・キング原作だった」と聞き、興味がわいて早速DVDをレンタルし見てみました。

スティーブン・キング原作は「ミスト」以来。
意外にも(なんて言ったら叱られそうですが)「ミスト」にすっかり魅せられたので
「黙秘」にも期待!


                

   黙 秘   Dolores Claiborne

                


原題の「Dolores Claiborne」というのはキャシー・ベイツ演じる主人公の名前です。
アメリカ映画には主人公の名前だけの題名映画って結構ありますね~。
「エリン・ブロコビッチ」「マイケル・クライトン」「マイケル・コリンズ」etc
「M・コリンズ」はアイルランド独立運動の英雄、「エリン・・・」も実在の人だからわかるけれど、
「M・クライトン」は有名作家のクライトン氏ではなく、邦題「フィクサー」の原題で
ジョージ・クルーニーが演じた架空の弁護士、
そして「ドロレス・クレイボーン」は普通のおばさん。
この題名聞いても「何のこっちゃ?」としか思えないよ。

ただドロレス Dolores(愛称:ローラ、ロレッタ、ロリータ)って名前には
「聖母マリアの悲しみ sorrow of the Virgin Mary」って意味があるらしく、
名前を冠した題名からどんな映画か西洋人には伝わるものがあるのかもしれない。

 < ストーリー >
 
アメリカメイン州の小島。
富豪未亡人ヴェラ殺害容疑でメイドのドロレス(キャシー・ベイツ)が拘留された。
ニューヨークで記者として活躍中のドロレスの娘セリーナは、匿名のFAXで事件を知り、
久しぶりに故郷に帰る。
保釈された母と家に帰ったセリーナだが、二人の間には溝があった。
かつてドロレスは、夫からひどい扱いを受けながら、娘の学費を稼ぐ為
低賃金で厳しいヴェラにこき使われていた。
20年前日蝕の日に、夫ジョーが事故で死亡したが、マッケイ警部はドロレスが殺したのではと
疑い続けていた。
過去と現在の二つの事件のが絡み合い、次第に過去の真相が明らかになってゆく。


いやぁ、非常に見応えのあるサスペンスドラマでした。
キャシー・ベイツはメチャクチャうまい!
20年の時が交錯しながら話は進んでいくのだけれど、若いドロレスと年を取ったドロレスを
見た目、仕草、表情全てを見事に演じ、「撮影当時この人何歳だったんだろう?」と
思ってしまいました。
勿論メーク技術の助けもあるだろうけれど、若いドロレスにも全く違和感がないのです。

ひたすら娘を思い、娘を守るために戦う母の、そして社会的弱者たる女性の物語。
ドロレスと娘セリーナの関係を軸に、
ドロレスと夫ジョー、富豪夫人ヴェラ、二つの事件を追うマッケイ警部。

夫からの暴力、言葉の暴力に耐え続けたドロレスにも許せない一線があり、それを超えた夫。
冷たい雇い主に見えたヴェラも悲しみを抱え、いつしかドロレスに心を開き、
「所詮この世は男の社会。でも、事故は悲しい女のいい友達になりうるのよ」と語る。

Sometimes being a b**ch is all a woman has to hang onto.
  時として悪女になることが女の生きるよすがとなる。

こういう台詞を、ストーリーを、男であるキングが書くってことに驚かされました。
男性にとっては、これはホラーですよ。

日蝕ってやはり「何か悪いが起こる」ということを暗示させるイメージが残っているんでしょうね。

20年前の事件の真相が明らかになってゆく過程で、世紀の日蝕ショーもクライマックスを迎える。
         
悪石島同様、多くの人が、船が、日蝕を見ようと島に押し寄せる。
日蝕を待つ胸の高まりが、もう一つの出来事に対するドロレスの緊張の高まりと相まって
見ているこちらまで鼓動が早くなる感じで、手に汗握っちゃいました。

母の愛は深し。

「ミスト」同様、脚本は原作と異なる所もあるらしいけれど、キングも脚本に満足しておられるとか。
脚本のトニー・ギルロイって・・・
マット・デイモンの「ボーンシリーズ」3部作の脚本、
前出「フィクサー」では監督・脚本を手がけアカデミー賞にノミネートされていた方だったのですね。
本年度公開されたラッセル・クロウ主演の「消されたヘッドライン」の脚本も手がけておられます。
見とくんだった・・・。

なんてブログを書きながらケーブルテレビをつけたら・・・、
これまたスティーブン・キング原作の「グリーンマイル」放映中で、思わず見入ってしまいました。
以前に見た映画でも見直すと新たな発見があるもんですね。
キングの凄さを再確認しました。

「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン」でキムタク演じる人の痛みを引き受ける男と同様、
「グリーンマイル」の黒人の大男ジョン・コフィーもキリストのイメージであり、
ジョン・コフィーって名前はイニシャルJ・Cでジーザス・クライストJesus Christと同じ
だったんだ~と今さらながら、納得しました。
ジョン・コフィからの連想で、似た名前ジョン・コナーを思い出しました。
「ターミナーター」シリーズのジョン・コナーもイニシャルJ・C
彼も人類の救世主って宿命を背負った名前だったのね。

ジョン Johnって名前は西洋人の名前として最も馴染みがあるけれど、ヨハネの英語読み・・・
キリスト教の知識があれば洋画の理解は深まるんだろうなぁ・・・。



* 注意 *
日蝕観測は専用のメガネがないと目を傷めるそうです。
昔言われた、黒い下敷きとかすすをつけたものとかじゃあダメらしいです。




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