Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

管球パワーアンプ STC-4033Lシングルアンプの音質対策

2015年06月18日 | ピュアオーディオ
ケーブル(配線)による「伝送ロスの極小化」の為に、電源ケーブル・ラインケーブル・SPケーブル・SP箱内配線・SPユニット内配線と対策して来て、アンプ内配線も視野に入って来ました。2008年当時の状況です。先日の写真で紹介したSTC#4033シングルアンプの対策を時系列にご紹介します。



写真のアンプがSTC#4033Lと云う「傍熱型3極管」を使ったシングルアンプです。整流管:5U4G(ムラード)初段管:オスラムNH4(3極管)次段管:NHL4(3極管)と云う古典管を使っています。



入手したのが2008年6月頃だったと思います。地方に居るとパーツを集めるのが大変なので、既に出来上がって中古で某オクに出ていたモノをセレクトしました。上の写真と下の写真は入手当時のオリジナルの状態です。


手に入れた状態では、各真空管は劣化が激しくそのままでは使えない状態でした。全ての真空管を探して交換して、やっと出発点に辿り着きました。この状態では「電源ケーブル」と「内部配線」でノイズを拾っていて、質感は好ましかったのですが、SN比が悪くて使い物になりませんでした。おまけに各部にトラブルを抱えている状況でした。まず1番目は「オイル漏れ」。大きなオイルコンが2個使って有り、ここからオイルが漏れている様でしたので、オイル漏れを止める事から始まりました。オイルコンに対策してもまだオイルがジワーッと漏れています。その原因を突き詰めていくと「電源トランス」が「湿式」になっていて、内部にオイルが充填して有ります。その1番端子からジワーッと油がしみ出ていました。ようやく原因が判り、電源トランスを新品に交換しました。古いトランスだったので、メーカーではすでに廃番、やっと新品を探して交換しました。なかなかタイムリーに探せる状況でもなく時間だけがかかりました。2番目は「底板が無い」状況。これも4mm厚の特殊板材で作りました。端子類も全てやり直し・・・・。



上の写真が第一次対策。内部配線を「ブルースーナー」に交換しています。入出力の端子類も高級品に交換し、XLR端子を追加しています。SP端子もより大きなケーブルを使える様に交換しています。(2008.9月時点)



上の写真は2011年7月時点の第2次対策の写真。内部配線を「ブルースーナー」から「特殊銀線仕様」に交換途中です。ケーブル(配線材)の性能が高ければ高いほど「音質アップの効果」が高くなる事に他なりません。太さ・硬さ的に「特殊銀線仕様」辺りが自分には限界に思える。材質的にもっと高価な金属(コバルト・金等)を使えばもっと「伝送特性」は改善できると思うがコストの面で手が出せない。





第2次対策が完了した写真です。内部配線を全て「特殊銀線仕様」に交換が終わり、SP端子も最高級の端子に交換しています。対策完了は2011年8月です。このアンプを入手して既に4年の月日が経っていました。当該アンプは2008年に球を全て交換して既に9年近くなります。まだ球の交換をしていません。現在もノイズ一つなく正常に動作しています。内部配線の交換でSN比の改善効果が素晴らしく、低域に使っているレビンソンNo431と同等以上の静けさを持っています。

ブルースーナーケーブルも特殊銀線仕様もどちらもスーナーケーブルを使っています。硬くて太い内部配線ですので、お話では「交換」の二文字で表せますが、実際の作業は「コツコツ」積み上げなければ到底完了出来るモノでは有りません。一般に使われている配線なら1時間も有れば十分ですが、この作業には3週間程(8Hr×20日/回)かかっています。・・・足かけ4年もの歳月をかけて対策し現在に至っています。

「伝送ロスの極小化」の為とは言え、実際に作業をするのは大変です。でもその効果はやったモノでないと判らない世界です。こうやって内部配線を交換したアンプが9台有ります。どれも手放す事はないと思います。良いアンプだと思ったら自分が使えるように徹底的に対策して行く事が「思い入れ」に繋がって行きます。真空管アンプは当時の3極管が良いですね。


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