Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

STUDER A730やD730のセッティングについて

2016年01月04日 | ピュアオーディオ


CDPの古い機器の代表としてSTUDER A730・D730が有ります。業務用機器で往時はスタジオやFM曲で盛んに使われていました。写真のブツはD730ですが、A730とサイズはほとんど変わりません。写真の様に上面からCDの取り出しが出来る様になっています。音質的には「アナログに近い質感で、中域が充実していて彫が深く、エネルギー感が有り、音の線が太いSTUDERサウンドを聴かせてくれます。このスタイルが気に入って使っていらっしゃる方も多いと思う。しかし、このスタイルには問題が有る。CDを回転させるモーター軸が斜めになっている関係で、「ゴギング」(片すり)が起き易いのです。重力の関係でCDの荷重が斜め下にかかる関係で、モーター軸が楕円に摩耗して行きます。長く使えば必ずトラブルが出て来ると推測できます。毎日使って聴いていると、このCDPが回転する時、ちょっと違和感を感じる様になって来ました。



本来モーター軸に対して垂直に使用するのが、原理的に摩耗が少ない最良のセッティングだと思う。べニア板で枠を作成して「水平」にして鳴らしてみました。水平にする事でCDPの回転時の違和感は消えましたが、安っぽい音になりました。台の材質が起因しているのではないかと思い、そこで「無垢の木材」を加工して「水平設置」を試してみました。写真の様に「無垢の木材をドリルとノミでくり抜いて」作成し質量を確保しました。この辺のノウハウは「電源トランス」を作成した時に、べニア板→純木材にした時の音の変化(激変)を知っていたからです。材質もいろいろと試してみました。(何セットも作り比較試聴しました)ヒノキ・桂・ケヤキ・スプロース・カヤと作りましたが、本カヤ材が一番響きが良く感じられました。そこで色々調べて見ると、「碁盤」の最高級品は「カヤ材」で有る事が判りました。それも「碁を打つときの音が一番良い」からだそうです。



カヤ材でも十分な厚みが必要です。せめて150mm以上の厚みが欲しい処です。自分の愛用品は175mm程有ります。木材が伐採されて乾燥が終わり、碁盤にされていたモノを加工しました。樹齢は300年以上、伐採されて100年くらいは経っていて、乾燥も充分で変形やひび割れの心配ないものです。A730をセットする時に「振動」を吸収させる為に「本革を2mm厚」にしてフローティングしています。10mm×20mmの本革を2枚折にして8か所でフロートしています。これで殆ど振動の影響を受けなくなりました。



本カヤ材くり抜きケースに収めた状態です。べニアの板材で枠を作って水平化していた時とは別物の音質です。非常にぬけが良く、響きが良く載り(音が分厚く)、しかも音の余韻がスーっと消えていきます。1枚目の写真に有るオリジナルの使用例とは次元の異なるサウンドに変身しました。金額的には倍額のCDPに変身したようなサウンドです。

このケースにした最大の目的は「長寿命」です。一般にA730等のCDPは寿命が「3年」と云われていますが、この水平化スタンドを使い出してから「故障知らず」でほとんど毎日5時間以上聴いていますが、10年使っても何ら問題なく使えています。私のA730は北海道のFM局で使われていたモノを譲っていただいたのですが、全オーナー曰く「3年に1度はピックアップ交換をしないといけない」と云われていました。その為、予備のピックアップも所有していますが、全く使う必要を感じません。古い機器でも、自分で創意工夫して長くしかも良い音質で使えるようしています。


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3 コメント

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15年使っています (D730)
2017-01-15 01:23:24
斜めで使っても、壊れませんね。
D730 (しき(トレイル))
2017-01-15 09:12:05
D730さん コメント有難うございます。

プロ用ですので頑丈だと思います。しかし、水平にした時の方が音の精度が高くなります。またモーター軸が片減りして故障したら交換等が大変になります。「転ばぬ先の杖」として水平にして使う事をお勧めします。
15年使ってます (D730)
2017-01-15 22:06:50
ありがとうございます!
了解です!
水平で使ってみます。
サブのMr2も、水平にしてみます。