ケーブルを交換されて「大幅な音質アップ」を経験された方もいれば、たいした変化もなく「ケーブルを交換しても効果がない」と実感された方もいる事でしょう。
一般にケーブルの評価をされる時は、基本的な所は一切変更せずに1ヶ所のケーブルを交換して比較をされている事でしょう。これはオーディオ雑誌等で「〇〇ケーブルの比較試聴」等のタイトルでオーディオ評論家諸氏がやられている評価の仕方です。
私もアマチュアの時はこう云う評価方法しか知りませんでしたから「マネ」をしていました。
シリウスケーブルを開発した頃から前述の評価方法に非常に疑問を持ち始めました。
何故なら1時間や2時間の比較試聴では「聴こえない部分」が非常に多いと云う事と、その時に「良い」と評価されるケーブルは、「現状使っているケーブル」と似たようなグレードのモノが良く聴こえるバランスになる事に気付いたからです。
例えばAクラス(最高グレード)、Bクラス(中級グレード)、Cクラス(初級グレード)とケーブルを分けて考えて見ましょう。
Cクラスのケーブルを使っている方が、上述A、B、Cクラスのケーブルの比較をした場合、A・Bクラスのケーブルはバランスを壊します。グレードの差が大きいほどバランスを壊します。ですからこの時はCクラスのケーブルが良く聴こえます。・・・「高級ケーブルは効果がない」と結論されるでしょう。
Bクラスのケーブルを使っていますと、Aクラスのケーブルではバランスを崩し、Cクラスのケーブルでは「物足りなさ」を感じて、やはりこの場合はBクラスのケーブルが最も良く聴こえると思います。
Aクラスのケーブルを使っている方の場合は、A・B・Cクラスの性能を的確に識別できます。正しい判断が出来る可能性が高いです。
「各A・B・Cクラスのケーブルを使っている方」と区別しましたが、これは「システム総合としてのグレード」です。
私の判断の仕方は「より良いケーブル」を聴きとる事を考えています。現状のケーブルの中に1ヶ所ケーブルを交換した場合の評価では「音数」と「質感」を優先して評価します。「バランス」は後から付いてくるのを承知しています。(経験から)
ケーブルは「伝送ロス」の少ないケーブル程優秀と考えていますので、「音数」は非常に重視します。現在使用しているケーブルより「良いケーブル」を探すのが目的ですので(グレードアップ)「音数が多い」はその証左なのです。
ただし、この場合は現状のケーブルとアンパランスな状態となりますので「さまざまな負の症状」も出て来ます。特に「ふん詰まった音」が出てきた時は「皆さんはがっかりされる」でしょうが、私は未知の可能性に歓喜します。
「本当に優秀なケーブル」(現状使っているケーブルよりグレードの高い)の見分け方として、「音数」と「ふん詰まり感」を持っているモノほど「優秀なケーブル」と思います。絶対的なモノの見方です。
交換後の初期症状として「バランスが悪い」、「音がふん詰まっている」等の症状が出ますがこれは使って行くに従い、他の部分が馴染みだしバランスが取れて行くとともに不具合が取れて行きます。この期間が約3ヶ月程はかかると見ておいた方が良いでしょう。
ケーブルの比較試聴をしますとすぐにその「成果」を欲しがるのが常です。誰しも同じと思います。単純な比較では大きな落とし穴が有ることも事実です。