二畳庵庵主の戯れ言

一輪の桜に従い野に。ついに2015年、人生の第三ステージの場・高知に立つ。仁淀川に魅せられたオヤジの戯れ言日記。

記憶2

2010-02-07 11:16:26 | 徒然に想う
小五郎が久しぶりに道に出て走り回っている。お母さんが洗濯物を干している。

「おはようございます。元気ですね」「ほら、今日は学校が休みだから、たまには」

小五郎ことノアは、野良の豆柴を母親に東村山で生まれた。お母さんの友人が、このままだと親子で薬殺されてしまうから、代わりに引き取ってと。来た当初から母犬はなかなか心を開けない。結局、あるときふといなくなって、三日目。お母さん、ゴミ捨てに出て、変わり果てた姿を見つけた。目と鼻の先、あともうちょっとで家なのに。供養して、お骨を庭の一角にハンカチに包んで埋めてあげている。

必ず、小五郎、鎖を外してもらうと母親の眠っている所に行くという。

「憶えているもんですね」「小五郎がもう10才を過ぎているから、ずっと昔の話しなのに。覚えているもね」

動物は忘れてしまうと誤解していた。




今日の一枚:お母さんと別れ、直ぐに桜の木。この寒さ、この風の強い中、パンと胸を開くようには行かないか。趣くまま蕾を開かせる。