超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

さんかれあ 第6話「あなたに…出会えたから」 感想

2012-05-11 02:49:52 | アニメ





萌えシチュからの卒業。





千紘はこれまで「死んだ女の子」っていう属性に夢中になってた訳ですけど
いざ蓋を開けてみたら・・・むしろ理想とは逆に寂しくなる一方っていう現実があって
それって一つの成長だったり大人の階段をのぼったって事だと思うんですよね。
実際に死んだ女の子を眺めていたら
過ごしていたら
自分とは違う存在に、ずっと一緒にいれないっていう事実に困惑して動揺して、寂しくなって・・・
萌えシチュエーションどころかリアルに憂鬱になるくらいに救われない感情と報われない顛末が待っていて
当初のバカみたいに明るい千紘は今はもういない訳ですけど、でもその分・・・
一緒にいて、一緒に笑って、服も着替えもよく考えて
普通の恋人みたいに街を歩いているだけで少し満たされている彼女がそこにいて。
本人はずっと悩んでるけど、その実礼弥も礼弥で少しずつ希望は叶い始めてるとも思える仕掛けで
そんな微笑ましいラブコメ模様と共に、切なさも十分に垣間見れるような
センチメンタルなコメディ回でした。
今回は礼弥の体は永久にはもたないって事が明かされた重要回でもあった訳で
ますます悲劇的なオチしか浮かばないんですけど、だからこそ「これからをどう過ごすのか?」っていうのが重要で
その辺の描写や変遷に大いに期待したくなるような良回であり、感情に作用するおセンチ回でもあり
観ていて寂しい気分にもなったけど
でもその中で笑い喜ぶ彼女の笑顔にも嬉しさをもらったような。
ある意味では死を求める事に対してのアンチテーゼにもなってる構造の作品なのかも。


一方で、蘭子さんとの確執・・・っていうか三角関係も生まれ始めましたね。
予定調和といえば予定調和なんですが、それでも複雑そうな彼女の表情は印象的で
しかも次回は蘭子回が来る!って事で関係も加速しそうで楽しみです(笑)。
その辺はバックボーン待ちなんですけど
ただ一つ個人的に思うのは、礼弥を幸せに、救ってあげられるのって正直千紘くらいしかいないので。
ゾンビ以外のものに夢中になってる、って言われた時彼心の中でツッコミましたが
本質的には礼弥を生きた人間として扱いたいって考えている訳なので、
結局その言葉は正しいと思うんですよ。
それまでゾンビゾンビうるさかった彼が、今やむしろアンチゾンビ的な視点で彼女を観ているっていうのは
初期と比べて真逆で面白いなあって思うのと同時に、彼の心身の成長も感じさせてくれて。
それらを考慮してしまうと
彼女の介入って他のラブコメと比べても随分厳しそうだ。
でも、だからこそグッと来るエピソードに期待してしまうのだけれど(笑)。
丁寧な展開に、正しく少年誌的な成長も垣間見れて
派手さはないけれど良いエピソードだったと思います。何気に、キスした/してないの描写が良かった。
ああいうのは普通に設定を忘れてニヤニヤしてしまいますね(笑)。更なる盛り上がりにも期待をしつつ。






しかし、礼弥は本当に不安定に描かれていますねえ。
時折ゾッとするあたり、何気に手加減のない作風だと思う。





最新の画像もっと見る

コメントを投稿