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瀬戸内寂聴『釈迦』

2010-02-21 21:12:52 | 読書/新聞/映画など
立松和平の『道元』を読んだのに触発されて、五木寛之の『親鸞』、つづいて、瀬戸内寂聴の『釈迦』を読み終わりました。

これは、瀬戸内さんしかかけない釈迦です。シャカ族の王子が城も家族もすてて出家し、亡くなるまでの人模様。女性の心、瀬戸内さん自身が尼僧である心で書かれている。

「渇愛は、人間の煩悩の中で一番激しいもの・・・限度を知らない」(p37)この本では、「渇愛」は、キーワードのひとつです。

釈迦は言われる、「人の心の苦しみは、煎じつめれば、肉欲という煩悩にしぼられてしまう。」(p92)

釈迦の弟子が言う、「出家して30年以上の毎日、世尊(釈迦)から聞かされた法話や講話の中味は、この世の無常を認める覚悟であった。・・・愛別離苦、生老病死という人間の苦の話・・・」「人は死ぬために生まれたのだ」(p207)

「生きるということは出逢いだ」(p134)

この本の最後は、釈迦の言葉で結ばれている。
ーーーこの世は美しい
     人の命は甘美なものだーーーーー     (p248)

瀬戸内寂聴『釈迦』(新潮社、2002年11月15日刊、1900円+税)

瀬戸内寂聴さんとは、5時間ぐらい話をしたことがあります。京都嵯峨野の寂聴庵で、2回各1時間ほど。そして、車の助手席に瀬戸内さんが乗って、2人で夜の国道1号線の往復3時間。
ちょうど寂聴さんが出家してまもないころ。50歳代のなかごろだったでしょうか。とくに車の助手席では、ずっとあっていない寂聴さんの家族のこと、女の性、出家した気持ちなど心の内を語っておられた。自分をさらけだしながら、作家としての取材もされていたのかなとも思います。当時、わたしは、30歳代後半だったように記憶しています。

瀬戸内寂聴さんの『秘花』も読み始めています。世阿弥の話です。



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