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大内力先生が亡くなられた

2009-04-22 21:37:39 | 読書/新聞/映画など
4月18日、東大名誉教授の大内力先生が亡くなられた。もう90歳になられていた。

大内先生に日本経済論を教えていただいた。

貴重な教えをいただいたとともに、大内先生の国家独占資本主義論には、納得いかない点もあった。29年世界恐慌の後、資本主義はケインズ的な政策によって延命をはかってきた。そこにおいて、現在の恐慌的な局面とおなじように、国家の経済への介入がきわだった。大内先生は、それを、資本主義のあらたな段階ととらえ、理論化された。

当時、略して「国独資」という言葉がよく使われた。しかし、結果的に見ても、資本主義のあらたな段階という定義はあたらなかった。

先生の日本経済論は、対米従属論を否定し、自立した日本経済を分析しようとするものだった。それは、正しい観点だった。そして、戦後の高度成長を、日本資本主義の「戦後性」と「後進性」から説明された。それでは、「戦後性」と「後進性」をこえたあとの日本資本主義の分析ができない。さらに、いわば日本資本主義を真空のなかにおいて、資本主義の世界的な経済編成のなかで分析する視野に欠けていた。

当時、鈴木鴻一郎東大教授の世界資本主義論は国民経済の意味を見落とし、大内力東大教授は、一国単位の国民経済にこだわり、国を単位とする世界経済編成を無視するところがあった。

そういえば、1965年ごろ、大内先生の日本経済論のご講演で、「戦後性」と「後進性」による日本資本主義分析の方法論を批判しご質問したことがあった。300名ほどの聴衆がいたと思う。わたしにとっては、満足できるお答えをいただけなかった。

宇野弘蔵、大塚久雄、大内力、鈴木鴻一郎、隅谷三喜男、遠藤湘吉、武田隆夫、玉野井芳郎などの先生から、夢中になって経済学を学んだ。すばらしい恩師たちです。

*大内力先生の本を再読するために、さっそく注文しました。




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