eラーニングの現状と展望

ネットラーニングHD、ネットラーニング、WIWIW、Phoenix Consulting、各代表取締役 岸田徹

eラーニングにおけるナレーション

2009-06-09 13:01:55 | eLearning
eラーニングで、ナレーションをどう考えるのか、考えをまとめる機会がありました。

結論からいえば、わたしたちは、eラーニングコースのなかで、ナレーションはあまり必要性がないと考えています。実際に、ネットラーニングのコースに音声のナレーションをいれていることはほとんどありません。

その理由は、以下のとおりです。

まず、音声の速度は、読む速度よりもかなり遅くなります。ナレーションをきいていても、目はずっと先を読んでいることが多く、まどろっこしくなります。
同じ内容を学習するのに、教室よりもeラーニングのほうが短時間で済むといわれる理由のひとつは、この読む速度と音声の速度とのちがいにあります。

つぎに、自分で考えながら自分のスピードで読みたいという学習者の要望もあるからです。学習ポイントによっては、ゆっくり考えながらすすめたいところもあります。

さらに、職場ではイヤホンが必要であり、必ずしもその環境がないことも理由です。

また、ナレーションがあるほうがコストがかかったり、また、修正・改定のときに音声までとりなおすという負荷もあります。

音声は、それが必須であるときのみ活用しようとわたしたちは考えています。

以上の考えから、ご要望でナレーションをつける場合にも、ON/OFFのボタンで、選択できるようにしている場合が多いのが現状です。学習者が選択できるようにしています。



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1 コメント

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「eラーニングにおけるナレーション」についてのコメント (eラーニングコンテンツ制作者)
2009-06-13 20:07:34
いつも興味深く読ませていただいております。

私はある会社で eラーニング・コンテンツの制作をに従事している者です。

岸田様の eラーニングにおけるナレーションについての考え方、とても参考になりました。

私が知っているところでも、「オフィスの自席でヘッドフォン(イヤホン)をするのに抵抗がある」などの理由で、コンテンツの音声を聞くのが気が引けるというケースもあるようです。また、一方では、「テキストと絵だけのコンテンツでは、内容が充分に理解できない。本と変わらない」というコメントも聞きます。

eラーニング・コンテンツの中には、レクチャーを収録した内容を eラーニング用にアレンジして提供する形態もあり、一概に「eラーニングに音声は必要ナシ」とは言い切れないと思いますし、ナレーションには、プレゼンテーション・チャートでは表現しきれない「行間」をフォローするという役割もあると思います。( もっとも後者は、プレゼンテーション・チャートの作成テクニックを向上することでカバーできることかもしれませんが... ) また、その分野で有名なタレントやテクニカル・パーソンのレクチャーを eラーニング化する際は、音声 ( ビデオ ) をコンテンツに入れないと、そのコンテンツにバリューが出ないというケースもあります。

いずれにせよ、最終的には、岸田様がブロクにも書かれておられますように ON/OFF ボタンで、学習者に音声の要不要を選択させるというのが、最終的な解決策だと思います。とはいえ、その場合には、ナレーションが必要なユーザーのために、ナレーションを用意しておく必要はありますね。

まとまりの無い内容、どうかご容赦ください。

今後も興味深い内容を期待しております。
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