(1)昨年末からの北朝鮮による核実験の強行、ミサイル発射を受けて、国連安保理では米国、日本などが北朝鮮制裁決議を求めて協議を進めているが、いまだに有効な決議が実現していない。
その間にも北朝鮮は米韓軍事演習や日中韓外相会議開催にあわせて弾道ミサイル発射をくり返して、飛行距離を伸ばして潜水艦からの発射も行ったとみられて迎撃体制の盲点ともなって、ミサイル発射をくり返すたびに精度をあげているといわれる。
(2)安保理では中国が対話による解決を主張して制裁決議に反対しているために、安保理制裁決議はすっかり暗礁に乗り上げてしまっている。
中国の対話主張には、北朝鮮が求める米国との直接対話路線も視野に入っているのではないのかと勘ぐられるが、制裁決議の難航は北朝鮮の思うツボでもある。
安倍首相は北朝鮮のミサイル発射は安保理決議の重大違反行為だと非難しているが、そもそも安保理決議など遵守する気もない北朝鮮相手に安保理決議を持ち出しても意味のない話だ。
(3)北朝鮮が目指すのは米国との直接対話で存在感を世界に示して、交渉権、能力を誇示して国力回復に引き込む狙いが感じ取られるものだ。
唯一の支援国中国も対話路線で北朝鮮の立場を援護して、国連安保理が打つ手のない中でミサイル発射能力の精度をあげるという、なかなかしたたかな北朝鮮外交ともいえる。
(4)北朝鮮に対する見方としては、金第一書記の絶対権力、党独裁主義国家として国内の政治権力を完全掌握して、多くの一般国民は恐怖政治に支配され貧困、生活苦の中にあるという観念ばかりでない、中国の支援影響力をテコにして国際社会を手玉に取るしたたかさも警戒しなければならないことがわかる。
そもそも国内情勢は国営放送以外に情報統制が敷かれてまったく掴(つか)めることができずに、全容がわからない不気味さ(uncanny)がある。
北朝鮮の立ち回りのよさにかく乱されるしたたかさは、この情報統制の不気味さが背景で、北朝鮮の思うツボでもある。
(5)そこえきて今回北朝鮮は中距離弾道ミサイルを発射して日本のEEZ内に落下させ、さらに潜水艦発射弾道ミサイルを発射して(報道)、日本ではこれに迎撃体制をとることができずに常戦時のような常時ミサイル迎撃体制の必要性も検討されている。
国連安保理では日米が中心になって報道機関向けの北朝鮮非難声明の採択、発表を目指したが、これまでは反対してきた中国がようやくこれに同調して発表にこぎつけた。
(6)9月に中国で威信をかけたG20首脳会議が行われるため、議長国として成功に向けて国際協調、協力関係を示す必要があったといわれている。
ま、いうならこれまでの経緯からはいやいやながらも北朝鮮非難声明に同調したということだろう。
こういう中国の態度が北朝鮮制裁に向けてどういう意味があるのか大いに疑問で、中国としては対話路線の主体性に傷がつくばかりで、マイナス効果も大きいはずだ。
(7)南シナ海埋め立て領域化でも近隣諸国の訴えで仲裁裁判所の違法判決が示されて、国際社会から履行を求められている。
経済と比較して、政治、外交での失点(lost point)が目に付き、安定性の基盤に不安がつきまとう。
北朝鮮がこの足元をみてますます挑発行為を拡大させていくのか、中国が対話解決で制御できないことになればその責任も大きい。
その間にも北朝鮮は米韓軍事演習や日中韓外相会議開催にあわせて弾道ミサイル発射をくり返して、飛行距離を伸ばして潜水艦からの発射も行ったとみられて迎撃体制の盲点ともなって、ミサイル発射をくり返すたびに精度をあげているといわれる。
(2)安保理では中国が対話による解決を主張して制裁決議に反対しているために、安保理制裁決議はすっかり暗礁に乗り上げてしまっている。
中国の対話主張には、北朝鮮が求める米国との直接対話路線も視野に入っているのではないのかと勘ぐられるが、制裁決議の難航は北朝鮮の思うツボでもある。
安倍首相は北朝鮮のミサイル発射は安保理決議の重大違反行為だと非難しているが、そもそも安保理決議など遵守する気もない北朝鮮相手に安保理決議を持ち出しても意味のない話だ。
(3)北朝鮮が目指すのは米国との直接対話で存在感を世界に示して、交渉権、能力を誇示して国力回復に引き込む狙いが感じ取られるものだ。
唯一の支援国中国も対話路線で北朝鮮の立場を援護して、国連安保理が打つ手のない中でミサイル発射能力の精度をあげるという、なかなかしたたかな北朝鮮外交ともいえる。
(4)北朝鮮に対する見方としては、金第一書記の絶対権力、党独裁主義国家として国内の政治権力を完全掌握して、多くの一般国民は恐怖政治に支配され貧困、生活苦の中にあるという観念ばかりでない、中国の支援影響力をテコにして国際社会を手玉に取るしたたかさも警戒しなければならないことがわかる。
そもそも国内情勢は国営放送以外に情報統制が敷かれてまったく掴(つか)めることができずに、全容がわからない不気味さ(uncanny)がある。
北朝鮮の立ち回りのよさにかく乱されるしたたかさは、この情報統制の不気味さが背景で、北朝鮮の思うツボでもある。
(5)そこえきて今回北朝鮮は中距離弾道ミサイルを発射して日本のEEZ内に落下させ、さらに潜水艦発射弾道ミサイルを発射して(報道)、日本ではこれに迎撃体制をとることができずに常戦時のような常時ミサイル迎撃体制の必要性も検討されている。
国連安保理では日米が中心になって報道機関向けの北朝鮮非難声明の採択、発表を目指したが、これまでは反対してきた中国がようやくこれに同調して発表にこぎつけた。
(6)9月に中国で威信をかけたG20首脳会議が行われるため、議長国として成功に向けて国際協調、協力関係を示す必要があったといわれている。
ま、いうならこれまでの経緯からはいやいやながらも北朝鮮非難声明に同調したということだろう。
こういう中国の態度が北朝鮮制裁に向けてどういう意味があるのか大いに疑問で、中国としては対話路線の主体性に傷がつくばかりで、マイナス効果も大きいはずだ。
(7)南シナ海埋め立て領域化でも近隣諸国の訴えで仲裁裁判所の違法判決が示されて、国際社会から履行を求められている。
経済と比較して、政治、外交での失点(lost point)が目に付き、安定性の基盤に不安がつきまとう。
北朝鮮がこの足元をみてますます挑発行為を拡大させていくのか、中国が対話解決で制御できないことになればその責任も大きい。