いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

不戦の誓いと8月。 an antiwar oathe and August

2016-08-14 20:03:43 | 日記
 (1)昨日、夕方街を歩いていたら、突然家の門あたりで火を焚(た)いて何かをつぶやく老婦人が目に入った。この猛暑の中、アイスクリームの芯のような小さなものを焚いて、その前に座り込んで何かをつぶやいている。

 一瞬びっくりしたけれども、すぐにお盆の迎え火をやっているなと思った。今でもこんな風習を実践している人が各地でもみかけるのだろう季節だ。

 (2)8月6日の広島原爆の日から9日の長崎原爆の日に15日終戦記念日と、日本で最も苦しくも熱い9日間を過ごす。
 戦後71年は、1945年の憲法制定により不戦の誓い(an antiwar oathe)からスタートしたが、自衛のための専守防衛の戦力強化、相手国に侵略の意図を持たせないという集団的自衛権の行使容認から、憲法改正により国防軍化構想(安倍自民党草案)にまで時代を逆回転、遡(さかのぼ)り始めさせている。

 (3)5月の憲法記念日には平和憲法維持を主張するグループと自主憲法制定で戦後政治体制の打破を目指すグループとが集会を開いて、この日はまるで戦前時代に戻ったのではないのかの錯覚さえ覚える不気味さに包まれる。

 憲法改正、自主憲法制定で戦後政治体制の変革を目指す安倍政権は、今は経済政策中心の政治体制で国民の安定的な支持を集めている。
 一方で安倍政権に賛同する日本会議なる伝統的な日本思想を背景とする集団組織は、神社氏子組織を動かして憲法改正、自主憲法制定への国民的運動、署名集めを全国的に展開して、安部首相の目指す憲法改正論議を後押しする母体となって活動を進めている。

 (4)5月の憲法記念日で憲法改正、自主憲法制定を唱える日本伝統的思想グループが、同一の日本会議として安倍首相、政権の憲法改正論議を社会運動として支える背景だ。

 憲法改正、自主憲法制定の論理は、戦後の平和憲法は米軍占領下による押し付け憲法であり、日本国自らの手による憲法制定が主権国家としてあるべき姿であり、これにより真の独立国家を勝ち取らなければならないというのが趣旨だ。

 (5)彼らにとっては屈辱的な戦後政治体制が続いており、戦後政治体制からの脱却こそが求められる優先課題ということになる。
 それがどうして屈強な軍隊、軍事力を保持して首相に権限、権能を集中して強い独裁的政治体制をつくりあげることにつながるのか、戦前回帰、戦前はよかったとの独壇場的あこがれ論にしか聞こえない、移らないように思える。

 (6)自主憲法制定ということによる屈強な軍隊、軍事力保持(仮に自民党内一部にある核兵器保有論など)となれば、これまでの日米安保、軍事同盟関係の見直しは避けられずに、周辺国の警戒感は増幅して悪循環の連鎖を招くから、行き着く先はどうなるのか、また1945年の悪夢を見る思いだ。

 (7)今社会は日本の伝統的思想、歴史的習性を背景に深く静かに潜行している教条主義がある。8月15日に平和の意味、意義に思いを巡らしたい。
 平和とは戦争のない世界だ。

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