(1)臨時国会が召集されて本格論戦が始まった。安倍首相は来年の統一地方選をにらんで、地方創生と女性が輝く社会を前面に出した臨時国会を目指す。
消費税の10%引き上げ、TPP交渉、エネルギー、介護、医療、少子高齢化、社会保障、集団的自衛権の行使容認による日米防衛指針と重要政治課題が目白押しの中で、もちろん重要な政治課題ではあるが地方創生と女性が輝く社会というソフト路線を打ち出した。
初日の所信表明演説(belief manifestation)は、成果、成功例を盛んに引き合いにしてわかりやすい平易な内容にしてはあるが、まるで散文(prosaism)を読むように心に留まるものはなく、よくあるように観光地での名所案内、名物特集、話題記事を読むように終始して、安倍首相の政治決意のほどがよくわからない所信表明となっていた。
(2)所信表明演説は施政方針演説と違って具体的な政策課題中心ではなく取り組むテーマのら列で概論(general remarks)ではあるが、それにしても冒頭のこれからの重要政治課題を一切素通りしてあまりに粗野にして焦点がぼけた中身の脆弱(ぜいじゃく)なものだ。
最初の①災害に強い国づくりでは豪雨土砂災害、大雪災害に触れただけで、地震、とりわけ現在進行中の火山噴火対策には触れずに焦点があいまいになった。
(3)地震対策は福島第一原発事故収束、被災地除染、復興全体の遅れの中で、次の②復興の加速化で避難指示の解除の成果ばかりを強調してみせた。避難者にとっては被災地の生活環境整備の遅れからこれからの生活不安も大きく、帰宅をためらう家族も多く被災者の意識と避難指示の解除はインバランス(imbalance)のままだ。
被災者の意識に寄り添った復興の加速こそが求められて、その決意表明こそ首相の役割だ。
(4)今回の臨時国会での主要テーマである③地方創生では観光立国、個性を生かすとして、地方で活躍する篤志家の成功例を引き合いにして「やればできる」と「まち・ひと・しごとの創生」を目指す国会にすると強調した。
地方で個性豊かな発想による経済活動を展開する地方人はすばらしいが、同じような成功例は地方の経済パイの許容量(capacity)からいくつも望みようもなく、パラドックス(paradox)としてそういう人が増え続けば狭い経済パイの奪い合いで地方経済の足を引っ張る懸念も考えられる。
(5)地方創生をいうならば一部地方篤志家の成功例だけではなく、地方主権、分権構想による地方(自治体、住民)が自らの意思決定による財政、税制計画にもとづく「まち・ひと・しごとづくり」を全面支援する政府の決意こそが必要なことだ。
首相の視点のズレ具合だ。
(6)④地球儀俯瞰(ふかん)外交に続き、⑤成長戦略の実行では女性が輝く社会として、国、地方、企業などが一体となって女性が活躍しやすい社会を目指すというが、女性役員の数の情報公開を義務付けるでは市場の失望も大きく不評だ。
もっと女性も自らの意思で意欲で男性と競合する自立社会づくり構想、発想が必要だ。法制化までしての男女機会均等化社会が叫ばれながら、必ずしも実行されていない現状改革の放置解消から確実に着手することだ。
(7)成功例にほだされて夢も希望もあるほど国民は単純無垢ではない。国民権利を拡大(規制緩和)して自主、自発的成長を支援する決意こそが政府に求められる。
消費税の10%引き上げ、TPP交渉、エネルギー、介護、医療、少子高齢化、社会保障、集団的自衛権の行使容認による日米防衛指針と重要政治課題が目白押しの中で、もちろん重要な政治課題ではあるが地方創生と女性が輝く社会というソフト路線を打ち出した。
初日の所信表明演説(belief manifestation)は、成果、成功例を盛んに引き合いにしてわかりやすい平易な内容にしてはあるが、まるで散文(prosaism)を読むように心に留まるものはなく、よくあるように観光地での名所案内、名物特集、話題記事を読むように終始して、安倍首相の政治決意のほどがよくわからない所信表明となっていた。
(2)所信表明演説は施政方針演説と違って具体的な政策課題中心ではなく取り組むテーマのら列で概論(general remarks)ではあるが、それにしても冒頭のこれからの重要政治課題を一切素通りしてあまりに粗野にして焦点がぼけた中身の脆弱(ぜいじゃく)なものだ。
最初の①災害に強い国づくりでは豪雨土砂災害、大雪災害に触れただけで、地震、とりわけ現在進行中の火山噴火対策には触れずに焦点があいまいになった。
(3)地震対策は福島第一原発事故収束、被災地除染、復興全体の遅れの中で、次の②復興の加速化で避難指示の解除の成果ばかりを強調してみせた。避難者にとっては被災地の生活環境整備の遅れからこれからの生活不安も大きく、帰宅をためらう家族も多く被災者の意識と避難指示の解除はインバランス(imbalance)のままだ。
被災者の意識に寄り添った復興の加速こそが求められて、その決意表明こそ首相の役割だ。
(4)今回の臨時国会での主要テーマである③地方創生では観光立国、個性を生かすとして、地方で活躍する篤志家の成功例を引き合いにして「やればできる」と「まち・ひと・しごとの創生」を目指す国会にすると強調した。
地方で個性豊かな発想による経済活動を展開する地方人はすばらしいが、同じような成功例は地方の経済パイの許容量(capacity)からいくつも望みようもなく、パラドックス(paradox)としてそういう人が増え続けば狭い経済パイの奪い合いで地方経済の足を引っ張る懸念も考えられる。
(5)地方創生をいうならば一部地方篤志家の成功例だけではなく、地方主権、分権構想による地方(自治体、住民)が自らの意思決定による財政、税制計画にもとづく「まち・ひと・しごとづくり」を全面支援する政府の決意こそが必要なことだ。
首相の視点のズレ具合だ。
(6)④地球儀俯瞰(ふかん)外交に続き、⑤成長戦略の実行では女性が輝く社会として、国、地方、企業などが一体となって女性が活躍しやすい社会を目指すというが、女性役員の数の情報公開を義務付けるでは市場の失望も大きく不評だ。
もっと女性も自らの意思で意欲で男性と競合する自立社会づくり構想、発想が必要だ。法制化までしての男女機会均等化社会が叫ばれながら、必ずしも実行されていない現状改革の放置解消から確実に着手することだ。
(7)成功例にほだされて夢も希望もあるほど国民は単純無垢ではない。国民権利を拡大(規制緩和)して自主、自発的成長を支援する決意こそが政府に求められる。