いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

文明観の見えない中国。 missing civilized view

2010-09-21 20:14:20 | 日記
 (1)中国というのは、不可解な国だ。世界三大文明の発祥地のひとつであっても、文明観
(civilized view)が伝わってこない。以前は、国民10億人と膨大な国土のスケールから、
「顔の見えない国家」とも言われて、現在でも国家首脳の一見無表情を装う顔の表情からは
なかなか真意が伝わってこない。

 共産革命から、一転、開放改革路線に転嫁すると、経済原動力となる現在統計国民13億
人と膨大な国土が機能、順化して著しい経済成長を続け、今や日本を抜いてGDP世界第二の
経済国となるのが確実な国勢だ。
 EU(欧州連合)からは、著しい経済成長を続ける中国の国家担当者の「物言い」が経済成長
の段階と期を同じくして、高飛車になってきて、中国との関係づくり、対応、対話に戸惑ってい
るとの話も伝わってくる。

 (2)中国が開放改革路線に転嫁して、GDP実質成長率7~10%の高い経済成長を続けなけ
ればならない大きな理由のひとつに、13億人の国民と膨大な国土問題があるのは間違いな
いだろう。現在も中国では都市部と農村部との経済、生活、社会の格差問題が国民の不満と
して底辺にある。

 統制はされているとは言え、ネット社会の中国では国民の生活意欲、レベル、インバランス
は、即時に広く拡大して、開放された国民意識のコントロールは安定国家の命題である。
 経済成長を持続することによる国民生活のレベル向上(つまり欲求対応)は、13億人と
いう過剰な国民キャパシティ(capacity)をコントロールする手段だ。

 国民、国土の過剰キャパシティ(surplus capacity)という現実問題が、文明観を国是(方針)
から奪う要素だ。場合によっては、その目を国外に向けさせて過剰な国民の意識を規制する
こともある。

 (3)日本が「1895年」から領土とした東シナ海の尖閣諸島近海の日本の排他的領海内で
起きた中国漁船と日本の海上保安庁巡視船との衝突事件。中国漁船が進路を日本巡視船
に向けて衝突した(報道)事件で、海上保安庁は中国漁船と乗組員全員を逮捕して勾留し、
その後の取調べの後、船長以外、漁船と乗組員は中国側に引き渡した。船長は現在も取調
べのため日本側に勾留中。

 (4)東シナ海の尖閣諸島近海は、1968年の国連調査で天然資源(石油、ガス)の埋蔵が
確認されて、「1971年」には中国、台湾はともに領有権を主張しだしたトライアングル(triangle)
海域だ。
 国際条約、過去の実効支配経緯から日本の領土であることは、揺るぎないと考えられる。

 (5)さて、中国漁船と日本巡視船の衝突事件。自国領域内と主張する中国の後押しがあって
の漁船の強行手段が見える。当初は、中国の主張する排他的領海内だとして中国も調査船を
現地に派遣して抗議を示したが、その後、調査船も引き返して、現場海域、国政レベルでは沈
静化の方向に向かっていた。

 ところが当然ながら刑事事件として取り扱う日本は、当初は漁船、乗組員全員を勾留して取
調べ、現在も船長を勾留して取調べを継続し、これに対して政治決着を目論んでいたと見られ
る中国がたび重なる強硬な対抗手段に出た。中国国内の反日抗議行動を配慮してのものだろ
う。

 閣僚レベル交流停止など「国政」レベルでの交渉なら、話の糸口はあったかもしれないが、
中国は民間交流の延期、中止を次々と打ち出して、事態はエスカレート一方で「国民」レベル
での拡大混乱を招いている。

 (6)「国民」レベルでの混乱となると、国民感情にゆき渡り、事態が勝手に増幅し巨大化、長期
化することが懸念される。中国は、国家事業成功を期して上海万博を開催中で、その関連事業
にも影響を与えて、中国の民間レベルへの問題拡大の意図がわからない。

 少々乱暴で、無秩序、大人げない対抗措置となっている。日本は、法制上、事実関係(現場の
ビデオ映像)を理論的、段階的に丁寧に説明する機会を持ち、事態の収拾を急ぐ必要がある。
 中国は、ベトナムとの排他的領海内問題でベトナム漁船をだ捕しており、また公海上とは言え、
沖縄近海で潜水艦を海上に浮上してのデモ航海を見せるなど現実的に東アジアでインパクトを
発信している。

 三大文明発祥地としての中国の文明観(civilized view)の聡明さが見えない。

 

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