いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

取るべき社会責任もある。 take the responsibility

2010-09-17 19:51:37 | 日記
 (1)「検察」の権力を笠に着た「犯罪」ともいう、厚労省職員の偽証明書発行による郵便料金
割引制度の不正利用、利得事件は、証言証拠の信ぴょう性が疑われて裁判証拠にも採用され
ずに、指示したとされる元局長の無罪を地裁が言い渡した。

 あってはならない、社会の公正、正義観を根本からくつがえす「検察の犯罪」だ。信頼回復には、
事態のプロセスについて第三者による公正で公平な事件構図の検証、情報公開が必要だ。
 厚労省元局長の起訴事実については不実が証明されて、当然のごとく終始無実を主張した元
局長の姿勢、検察と対峙した法廷闘争に各方面から賞賛の声を聞く。

 無実の信念が根底にあったからこその無謀な検察権力に屈しない毅然とした姿勢が保てたの
だろうが、裁判費用の負担、160日間に及ぶ拘置生活の理不尽な苦痛には当然お気の毒では
済まないものがある。今後、手続きに従って原状回復がなされる。

 (2)法廷闘争により無罪判決を勝ち得た姿勢に対する各方面からの賞賛の声に、厚労省は「そ
れなりのポスト」で現場復帰を検討し、多くはその現場復帰を支持するものだ。
 ところが、それでは事件は一体どうして起きたのか、防げなかったのか。裁判で明らかになった
事件の構図のとおり、一係長の独断で偽証明書が作成、発行されて該当しない団体により郵便
料金割引制度が悪用され、不正利用(利得)が起きたことの「責任」は、厚労省組織全体の公正
性、機能性欠如にもあり、やはり問題解明の十分な検証と改善の開示が必要だ。

 責任とは、組織として職員の不正をチェックする機能が働らかずに、制度が悪用され間接的な
不正利得が見過ごされて、国の機関として国民の信頼、社会の公正、正義を損なった社会的
責任(social responsibility)だ。
 その組織の責任者でもある元局長の本事件にかかわる社会的責任は、重いものがある。厚労
省がポストを考え、多くが現場復帰を望む声はすぐには理解できない。

 もとより、元局長の社会復帰は望むとろだが、犯罪としての無実にかかわらず本人、組織がそ
の社会的責任の全体を明らかにしてからの元の現場復帰を考えるべきで、普通は改善現場では
問題検証による新体制でスタートするものだ。特に判決後の厚労省の対応には、責任感の欠如
が残る。

 (3)検察の犯罪は、捜査能力の劣化と合わせて基本から見直される必要があり、当事者能力
での解決は考えられずに、第三者機関での公正で客観的な検証によるリ・スタートが求められ
る。検察能力の劣化の焦(あせ)りが、さらに結果主義の妄想に取りつかれての、やみくもな権
力志向を増長した。
 検察が社会正義の象徴という神話の奢(おご)りを、自ら裁判で立証したのだ。

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