いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

世界のオザワと、もうひとりの。 world wide ozawa and more one

2010-09-06 19:44:26 | 日記
 (1)指揮者の小澤征爾さん(75才)は、ちょっと落ち着かないしかし一目でいかにも好奇
心旺盛な目をして、いつ見ても音楽少年の若さを感じさせる。初期の食道がんの治療後、
職業病の腰痛を抱えて、なお音楽少年の若さを感じさせるのだから、クラシック音楽に賭
ける気持ちは計り知れない無限のものがあるのだろう。

 小澤さんは、ボストン交響楽団、ウィーン国立歌劇場の音楽監督にウィーンフィル、ベル
リンフィルハーモニーオーケストラの定期的な指揮と、クラシック音楽の本場で日本人指揮
者として活動しながら、その間、日本でも恩師の齋藤秀雄さんの意志を継いだサイトウ・キ
ネン・フェスティバルを毎年、松本市で開催して、同時に夏休みを利用して日本のクラシッ
ク音楽を目指す若者にもガイダンス(guidance)を実施して、本職の指揮活動のほか世界、
日本のクラシック音楽の興隆に幅広く積極的に関与している。

 今年も昨日、松本市で開催中のサイトウ・キネン・フェスティバルで指揮をとった。最初に
事情説明の上、病後と腰痛ということもあり指揮台にはイスも用意され、時折そこに腰かけ
ながらチャイコフスキーの弦楽セレナード第1楽章だけ7分間の指揮をとった。

 拳(こぶし)を握って手を折り曲げて指揮をとる力強さ、情熱は「世界のオザワ(world wide
ozawa)」を彷彿(ほうふつ)とさせるに十分な気迫だった。今後は、腰痛の治療に専念して
来年からの本格的な指揮活動に備えるという。

 小澤さんには、好きなように、好きなだけ、思いどおりにクラシック音楽、オーケストラ、指
揮とかかわってほしい。小澤さんがこれまで世界に残してきた計り知れない活動の軌跡(locus)
を考えるのなら、これが当然のすべての人の思いだ。
 昨近の酷暑に政治、経済、社会で停滞した日本に、小澤さんの登場でまた新しい風が吹き
込んだ。

 (2)そこで、たけなわの民主党代表選、興味もないがちょっと気になる論評を見た。もうひとり
のオザワ(前幹事長)の政治とカネ。
 ジャーナリストが、いつまで政治とカネか、ウンザリするというものだ。「捜査のプロの検察が
必死になって捜査しての不起訴」(当ジャーナリスト)で終わりというコメントだった。そうだろう
か。

 確かに、いつまでの政治とカネの問題かというのはあるが、前幹事長の政治権力を行使す
る手段としての政治資金の不透明性は、①土地購入資金の妥当性、②億単位の記実不載の
会計責任者任せの関与否定で明らかであり、そもそも「言った」、「言わない」の証拠不在の
の世界に検察を引き込んでの不起訴だ。

 「捜査のプロの不起訴」論は、前幹事長の主張と同じで、しかしそれで国民の多くは納得は
していない。国会の場でも国民に理解を得るような説明責任は果たさずに、問題をみだりに
長期化させているのは前幹事長そのものだからだ。

 従来の手法のように、政治とカネの問題をうやむやにするような不透明感は、断ち切る必
要がある。いつまで政治とカネか、を早く断ち切るのは、当事者の善良な説明責任にかかっ
ている。

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