オールドゲーマーの、アーケードゲームとその周辺の記憶

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1991年のセガ(後編)

2023年07月16日 18時55分54秒 | メーカー・関連企業

前回も申しあげたとおり、この総合カタログが頒布された1991年9月は、日本の「バブル景気」が終焉を迎えた直後になります。従ってこの総合カタログ掲載されている製品はそのバブルの最中に開発されたものと言うことになります。3ページ目と4ページ目では9機種のマスメダル機と、同じく9機種のシングルメダルが掲載されています。

1991年に頒布された総合カタログの3ページと4ページ。

総合カタログだけあって、現在販売中の機種には新旧が入り混じっています。まずはここにある9機種のマスメダル機と、同じく9機種のシングルメダルのリリース年を記録しておこうと思います。

■1988年
ワールドダービー

■1989年
ビンゴサーカス
ゴールデンウェーブ
M3001
M3002
M4001

■1990年
エキサイティングブラックジャック
M3003
M4002
M5001

■1991年
ロイヤルアスコット
ダービーデイ
ゴールデンナイト21
ロイヤルクラブ
M3004
ブリックス
ティンカーベル(?)

■1992年
カリビアンブール

旧型機が多く含まれる理由としては、もともと稼働期間が長いメダルゲーム機が買ってすぐに旧型機になってしまうようではオペレーターとしては安心して購入できないという事情もあることでしょう。

なお、これらのうちカリビアンブールのみイメージイラストですが、マーキーには「CRAP CARD」と描かれていることから、この時点では開発中であることが窺われます。実際、カリビアンブールがリリースされたのは1992年のことです。あまり成功作とは言えなかったように思いますが、モナコのカジノにも設置されたと聞いています。

次は5ページ目と6ページ目です。

1991年に頒布された総合カタログの5ページと6ページ。

5ページ目はプライズ機が並んでいますが、プッシャーの「スターバースト (STARBURST)」とシングルメダル機「雀夢」、それにシングルメダルの汎用筐体「リベラルキャビネット」がはみ出しています。

「スターバースト」は海外製のプッシャーですが、製造元がよくわかりません。ワタシの手元には2種類のフライヤーがありますが、一つは英国、もう一つは米国の会社が頒布しています。

スターバースト(STARBURST)のフライヤー2種。上はイングランドの「K. W. SYSTEMS」社によるもので、下は米国ニュージャージー州の「COIN CONSEPTS」社によるもの。

「雀夢」はイーグル社製の麻雀ゲームですが、同様の内容のゲームが他社からも出ていました。一体この辺はどうなっているのか、全くわけがわかりません。

プライズ機のうち「ドリームパレス」はゆっくりと回る回転台の上に筐体があり、客はこの回転台に乗って、筐体と一緒に回りながらゲームをしました。実に全くバブルの世情にマッチした、大げさな機械ですが、やることはUFOキャッチャーで、この当時の景品の上限価格は500円に過ぎないものでした。

6ページ目には、キディライドといくらかのカーニバルゲーム、それに両替機が記載されています。この辺りはワタシは詳しくありませんが、キディライドにCRTモニターを載せるようになったのはこの頃からだったように思います。

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3ページ目。

4ページ目。

5ページ目。

6ページ目。

バブル崩壊以降、日本の景気は右肩下がりとなっていくのですが、バブル時の「毎日がお祭り」のような狂騒状態を忘れられない多くの日本国民は、以前よりも「安く、近く、短期間で(安・近・短)」楽しめるレジャーに流れていきました。ゲームセンターはその格好のスポットであったため、ゲームセンターは世間の「不景気」の気分に反して活況を呈し(関連記事:ロンゴロンゴ(sigma, 1993):最もバブリーなロケーション)、今となっては夢のような日々がこの後数年の間続くのでした。


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2 コメント

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Unknown (Liner)
2023-07-24 16:27:20
個人的にカリビアンブールは良作だったと思ってます。
元はヨーロッパ方面にあったBouleをメダルゲームに沿うように改題していて、計算してみるとナチュラルできちんとペイが作られているし、単一数字賭けに42倍というルーレットを超える配当を付けているという魅力もあるし、赤黒に相当する1st/2ndHIGHベットは100枚を超える前ゲーム的中があると、その全額(*上限1000枚とか、あったかもしれません)をどちらかにライドできるというライドベットルールを備えていた(締め切りまでに選択決定しない場合は自動的にコレクトとなる)など、意外に小技が光るマシンでした。
サテライト各ベットの状況が締め切り後に簡易的にメインモニタ(リアプロ)にチップ表示されるというのも、このマシンが初じゃないか…?(後にプレイヤーのベットが簡易的にセンターに表示されるのは「SUPER DICE CRAPS」と「ROULETTE CLUB」でも行われた)なお、1st/2ndHIGHに100枚以上のベットが入ると表示がチップではなくPlaque(四角型チップ)になるという仕掛けもありますし、ゲーム決着時に不的中チップが画面外にぶっ飛んでいくといった演出もありました。
そんなわけで個人的にセガ過去の名作リストがあったら絶対に入れておきたい、そんなマシンなのでありました。
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Unknown (nazox2016)
2023-07-24 22:01:07
Linerさん、コメントをありがとうございます。カリビアンブールは、おっしゃる通りカジノの雰囲気をよく再現していたと思います。ただ、1回のゲームでボールを2回投入したのでゲーム時間が長くなるところは欠点であったように思います。もしリメイクするなら、ゲーム時間の短縮が望まれると思います。
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