旅限無(りょげむ)

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広がる麻薬禍 その八

2008-11-17 20:33:18 | 社会問題・事件
■警察により一層の努力を願うばかりでなく、大学は教育機関なのですから教職員の皆さんにも時代と実態に合った指導を期待したいところです。ところが、グローバル化の時代となれば玉石混交で人と物が出入りするのは当然なのですが、麻薬常用者を教師に雇っては行けませんぞ。


慶応義塾大学の米国人講師が今年2月、大麻取締法違反(所持)の現行犯で警視庁に逮捕されていたことが分かった。……逮捕されたのは、米国籍のロルビン・サイラス・ポール元講師(41)。……今年2月7日午前、東京・新橋駅近くで、大麻樹脂など約0・6グラムを所持していたとして、愛宕署に大麻取締法違反の現行犯で逮捕された。その後、入管難民法違反(不法残留)の罪でも起訴され、3月13日に強制送還となった。……ロルビン元講師は平成17年4月から逮捕されるまで、同大の訪問講師として英語を教えていた。……
2008年11月5日 産経ニュース

■9箇月間も講師逮捕という事件を隠していたのか?そればかりか不法残留でも起訴されているとは、まるで歌って踊れる楽しい○○パブみたいな話ですぞ。天下の慶応大学も落ちたものだと、世間が笑い福澤諭吉は草場の陰で泣いているでしょう。


天皇、皇后両陛下は8日、横浜市の慶応大日吉キャンパスであった「慶応義塾創立150年記念式典」に出席した。式典には東京都港区の三田キャンパスや大阪などの会場を含めて約1万2400人が参加。天皇陛下はあいさつで「創立150年という、この喜ぶべき節目の年にあたり、慶応義塾と我が国の歴史を併せて顧み、塾の関係者がこれからの日々の歩みにおいても、教育に、研究に、さらなる力を尽くされることを願います」と述べた。
11月8日 毎日新聞

■こんなに厳粛な式典が開かれる1週間前に大麻で学生が逮捕されていたとの報道があり、3日前には講師が国外退去になっていたとの報道です。慶応大学に恨みを持つ誰かさんがリークでもしたのでしょうか?何故か創立150周年の大式典が終わってすぐに早稲田大学の大麻スキャンダルが発覚ですから、まさかリーク合戦に発展しているのかも?


大学生の麻薬汚染は早稲田大学(東京都新宿区)と東京理科大学(同)にも波及した。15日、自宅マンションで大麻を栽培していた早大生1人が逮捕されていたことが分かったほか、オランダから大麻を密輸入しようとした早大生2人と東京理科大の学生1人が逮捕されていたことも判明。10月以降、慶応大学や法政大学の学生による大麻事件が相次いで明らかになっており、大学生の大麻汚染は深刻さを増している。

■一応は名の通った大学ばかりが大麻事件で騒がれていますが、あまり名の知られていない大学や専門学校などは潔白だと考えても良いのでしょうか?麻薬を学生に売り付けようと思ったら、学費がバカ高い私立医大の学生とか、暇を持て余している名前だけ大学の学生を狙うような気がしますなあ。まあ、ちゃんと勉強している医学生ならば薬物の恐ろしさを知っているので麻薬商売はやり難いとは思いますが……。


厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部は8月、大麻取締法違反(栽培)の現行犯で、早大商学部3年の男子学生(21)を逮捕。また、早大生に大麻種子を売ったとして、同法違反幇助の疑いで、品川区西五反田の無職、落合光太郎容疑者(34)も逮捕した。……早大生は8月18日、豊島区の自宅マンションの脱衣所の段ボールの中で、大麻草4本を栽培した。早大生は6月末、落合容疑者から種子10個を1万1500円で購入。「6月上旬に、学校のゼミで(大麻への規制が緩い)オランダの法律や風俗を勉強して、関心を持った。大麻を吸ったことはない」などと供述している。この早大生は9月に起訴され、東京地裁で有罪判決を受けた。

■どうやら、この大麻の「栽培」というのが非常にややこしい話になっているようなのですなあ。

欲しいけど要らないノーベル平和賞 其の壱拾九

2008-11-17 20:32:51 | チベットもの
■民主党には今年の夏8月、「インド政治経済視察 」という政治家としては珍しく名目と内容とが一致した海外視察旅行をした松原仁議員もいます。視察先のインドにはチベット亡命政府が置かれているダラムサラも含まれているのですから、ダライ・ラマ14世と会見するのも視察旅行の本旨に従っているわけです。

民主党の松原仁衆院議員は6日、ダライ・ラマ14世と会談し、中国・チベット自治区における人権をめぐる状況の改善を呼びかけた。松原議員は「いかなる形であっても、政府による自由と人権の抑圧は非難されるべきだ」と述べた。チベット問題をめぐる支援が日本で高まっているとした松原議員。チベット自治区における人々の自由を支援するため、超党派の議員による団体が設立されたことなどを説明した。チベット亡命議会のドルマ・ギャリ副議長は「この危機的状況における、チベットに対する日本の支援と連帯を明確に示すもの」と述べ、「多くの困難がある中で松原氏が訪問したことは、チベット問題支援の力強いメッセージとなる」とした
2008年8月9日 産経ニュース

■鳩山トカゲの尻尾切り釈明から半年以上が経過し、8月6日と言えば北京五輪の開会目前!という緊迫したタイミングでの訪問です。日本のマスコミのほとんどが、この快挙を報道しなかったようです。何せ莫大な放送権料を注ぎ込んだ虎の子の北京オリンピックが迫っていたのですからなあ。そんなマスコミ情報に振り回されていると、いよいよインドのダラムサラで始まった緊急会議の重要性も知らずに過ごしてしまいことになります。恐ろしいことでありますなあ。


チベット亡命政府があるインド北部ダラムサラで17日、亡命チベット人による緊急会議が開幕した。亡命政府が推し進めてきた、チベットの「高度の自治」を求める「中道のアプローチ」が中国政府の強硬姿勢で完全に行き詰まっていることを受け、中国側との対話継続の是非や今後の方針などを協議する。……独立を求める急進派が強硬意見を主張する可能性もあるが、亡命政府側に中国側を懐柔する秘策はなく、新たな方向性を打ち出せるかは不明だ。

■これは大ニュースになるはずなのに、日本では麻生コロコロ首相と小沢クラッシャー民主党代表との密室会談などがトップ・ニュース扱いになっているようです。イラクを勝手な理屈で崩壊させた上にあちこちで虐殺行為を続けている米国ブッシュ政権を「全面的に支持する」と小泉プレスリー首相が言ったことが日本の国是にでもなったのか、相手がチャイナとなったら「触らぬ神に祟りなし」の高度な政治的判断と称する政治家としては自殺行為に等しい思考停止状態になってしまう催眠術にでも掛かっているのか?特にダラムサラでの緊急会議に注目するマスメディアは無いようです。

■「田母神論文」騒動の根幹には村山談話という貧乏政党の党首になったばかりに苦労した老政治家の独り言みたいなコメントが自衛隊を動揺させ苛立たせている現実があるようですが、村山元総理が膝を屈して懺悔したかった相手の地理的規定が不明瞭だったこともあり、チベットやモンゴルあたりの話になると「政府公式見解」という豪勢な衣をまとってしまった村山談話を勘案した場合の外交上の選択肢がこれまた不明瞭になってしまうのは困ったことです。日本に対してもチベット問題の解決に大いなる協力と助勢を期待する言葉がダライ・ラマ法王ご自身の口から何度も出ているのですが、やはり、チャイナの内政問題だから……という言い訳が便利に使われてしまっているようです。


亡命政府代表や世界中の亡命チベット人の代表ら計約500人が参加。自由な討議を促すため、チベット仏教最高指導者、ダライ・ラマ14世は参加しない。協議は22日まで。亡命政府側は、ダライ・ラマが1988年に宣言した「中道のアプローチ」を基本方針に対話に臨んできたが、中国側は一切の要求を拒絶。ダライ・ラマも、対話路線が失敗したことを認めた。
2008年11月17日 産経ニュース

■500人規模の会議となると、議論百出して収拾が付かなくなっても仕方がないのでしょうが、既にダライ・ラマ法王が「失敗」「失望」を表明した北京政府との交渉を、さらなる寛容と忍耐の精神で堪忍自重して継続するのか否か?という単純明快な二者択一が最大のテーマですから、まずは議場をニ分割し議論の中で旗幟を鮮明にしたい慎重派は第三の立場を取って話し合いが始まるのでしょうなあ。さてさて、小さなことながら重大な問題として議論はどんな言語を使って行われるのでしょう?拙著『チベ坊』にも書いた通り、突如として集まったチベット人が正確に意思疎通できる共通チベット語は確率されていないので、ラサ方言語を中心にして簡単な通訳を配置するのか?欧米諸国からの参加者も多いおうですが、まさか英語で会議を取り仕切るのではないでしょうな?!まあ、北京語よりは救いのある次善の策として認められるぎりぎりの線が英語かも?

■不思議なことに先代パンチェン・ラマにしても、今のダライ・ラマ法王にしても、チベット各地の方言しか知らない人達にも話の内容が理解されるという話があります。広大なチベット語文化圏からやって来る信者たちと日常的に接触している間に身に付く特別な発音があるらしいのですが、言葉の不思議と申せましょう。
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欲しいけど要らないノーベル平和賞 其の壱拾八

2008-11-17 16:04:28 | チベットもの
■麻生コロコロ首相に負けず劣らず、言う事が一貫しない民主党の鳩山さんが、昨年の11月にダライ・ラマ法王と会見したのでしたが、民主党宛に以下のような抗議文が送りつけられまして、これが大変な威力を発揮したのか、その後、鳩山さんに限らず民主党の議員はダライ・ラマ法王が来日してもワザとらしく忙しい振りをして避けている節がありますなあ。

日本民主党 御中

11月23日、貴党の鳩山由紀夫幹事長はダライラマと会見し、ダライラマを強く支持すると表明しました。中国側は鳩山幹事長がダライラマと会見し、彼への支持を表明した言論に大変驚き、強い不満の意を表します。

■これが書き出しで、「大変驚き、強い不満の意」などと言われると、日本の政治家の方がその何倍も驚いて反省の気持ちを持つのでしょうか?民主党の中には超党派の「チベット問題を考える議員連盟」の代表を務める枝野議員のような人もいて、今月の来日時にも都内のホテルでしっかり会見し、注目されている17日からインドで開催される緊急会議に招聘されたりもしているようです。師匠であり育ての親でもある田中角栄さん以来のチャイナ利権を継承してる小沢さんが民主党の代表なのですから、お家騒動が起これば反・小沢派の看板にされるのも当然なのでしょうなあ。中国大使館からの抗議文の続きです。


ダライラマは宗教の衣をまといながら、反中国分裂活動を行なう政治亡命者です。今回、日本への立ち寄りの根本的な意図は日本から彼の反中国分裂活動への支持を求め、改善発展しつつある中日関係を妨害し、破壊することです。
 
■昨年の11月下旬の段階で、本当に日中関係が「改善しつつ」あったのかどうかは存じませんが、福田ホイホイ首相の「相手の嫌がることはしない」外交を北京政府が大歓迎したのは確かでしょう。「分裂活動」「妨害」「破壊」と物騒な言葉を並べておりますが、これらはダライ・ラマ法王に言及する場合には必ず使わなければならない作文パーツなので、一つでも書き漏らすと担当者は処断されるような代物です。まあ、判子みたいなものですから大した意味は無くなっているはずなのですが、公式見解を変更するには党内での権力闘争ばかりか内戦さえも覚悟しなければならないお国柄ですから、頑固一徹に先例を遵守していると自縄自縛に陥る危険性もあるわけです。


中国駐日本大使館は今まで、各種の形で数回にわたって、貴党に中国側の関心を表明し、貴党と中国との友好関係を維持するために、貴党の指導者並びに貴党所属国会議員が彼の真相を見極め、中国側の関心を理解し、尊重し、慎重にこの敏感な政治問題に対処し、ダライラマに会わないようと申し入れました。鳩山幹事長は貴党の主要指導者として中国側の関心を顧みず公然とダライラマと会見し、公然とダライラマへの支持言論を発表しました。われわれはこのことに大変理解に苦しみ、遺憾の意を表します。

■「中国側の関心を顧みず……」の前に畳み掛けるように並べられた文言が泣かせますなあ。日本が得意とする八方美人外交は断じて許さない!という脅迫みたいなものですから、多くの日本人はこういう場合は、どちら側とも距離を置いて状況を静観すると称して修羅場から逃げ出すのですが、何も言い返さずに背中を見せれば相手の言い分を全面的に認めたと見なされ、自ら完敗を宣伝しているようなことになります。


中国側は民主党が中日関係の発展を重視する姿勢を賞賛します。貴党の小沢一郎党首は来月上旬民主党大型代表団を引率して訪中することになっています。中国側はこのことを大変重視し、民主党との友好関係を大切にしています。われわれは貴党が鳩山幹事長のダライラマとの会見がもたらした消極的な影響を重視し、中国側のチベット問題における立場を切実に尊重し、今後類似の事が二度とないよう、また、民主党と中国との関係を引続き正しい方向に向かって健全的に発展できるようと厳正に要請します。

中華人民共和国駐日本国大使館   2007年11月26日

■小沢代表のチャイナ贔屓は衆知のことですから、鳩山さんは余程の覚悟をしてダライ・ラマ法王との会見に臨んだはずなのですが……。抗議文にも予告されていた小沢代表の訪中団は12月上旬に北京入りして、選りにも選って12月8日に会議を開いたのでしたなあ。本当は1000人規模で乗り込むつもりが400人になってしまった小沢大訪中団は友好を謳い上げ、何と北京政府の助力で政権交代を実現する腹づもりだったとか……。会議ではダライ・ラマと鳩山との会見について攻め立てられ、「鳩山氏の個人的な会談だ。中国の内政問題なので、チベット独立にコメントする立場にない」と公式に釈明させられてしまったのでした。何だか最近の田母神論文をめぐる自民党と野党との不毛な論争に似ているような気もしますが、鳩山さんは辞職も求められず「退職金を返せ!」とも言われずに済んだようです。それにしても「チベット独立」などという表現は、一体、何処から出て来たのでしょうなあ。

欲しいけど要らないノーベル平和賞 其の壱拾七

2008-11-17 16:03:06 | チベットもの
■世界的な金融危機に対処しようと20箇国もの首脳が集まったのが震源地のワシントンで、すべての原因と責任があるはずの当事者ブッシュ大統領が被告席ならぬ議長席に座っている!既に一時の熱狂から冷めて国民から愛想を尽かされて政権交代が決定したばかりで、どんな顔をしてホワイトハウスを去るべきかを考えると夜も眠れないはずなのに、さすがは反省も謝罪もしない鉄面皮の米国大統領で、今でも自分の政策は正しかったと胸を張っているのが痛々しいやら腹立たしいやら……。

■拡大サミットの議場では、イラク戦争前の国連安保理を髣髴とさせる米国と欧州との対立が目立ったようですが、欧州側の急先鋒はフランスのサルコジ大統領でした。最終的には宣言文をまとめねばならないので矛は収めてブッシュ虐めは控えたようですが、あのイラク戦争もサダム・フセインが石油代金の決算をドルではなくユーロに切り替えようとしていたのが攻撃理由だったという話があるとかで、中東の産油国が雪崩を打ってドルを捨ててユーロに乗り換えるのを阻止し得たことを以って「大勝利」と内心では誇っているかも知れない、そう考えればブッシュ大統領の偉そうな態度も根拠のない去勢とばかりも言えなくなります。

■そんな経済謀略説を広げて行くと、サブプライム・ローンを組み込んだ危険な時限爆弾みたいな証券化商品を大量に売りつけたのも、ユーロの勢いを抑え込むためだったという理屈も立ちそうです。でも、世界の目が経済問題に集中してる隙を見澄まして軍事的な動きが水面下で活発化する危険があるのも忘れては行けません。「田母神論文」ひとつで国会が大揺れするようでは日本の近未来は不安がいっぱいです。

■緊急経済サミットと北京五輪大会に挟まれる格好になったチベット亡命政府と北京政府との交渉は、案の定、何の進展もなく終わってしまったようですなあ。最初から北京五輪を強引に開催するための露骨なアリバイ作りみたいな不純な動機で始まったものですから、それほど期待はしていませんでしたが……。ノーベル平和賞を授賞しているダライ・ラマ法王も持ち前の楽観主義を徐々に封印しつつあるような言動が目立ち始めております。


フランスのサルコジ大統領は13日、チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世と12月6日にポーランドで会見すると述べた。2人は同日のワレサ元大統領のノーベル平和賞受賞25周年式典に出席する。大統領とダライ・ラマの会見は初めて。ダライ・ラマは8月に訪仏したが、サルコジ大統領は中国政府に配慮して、ダライ・ラマと会わず、カーラ夫人が会見した。仏側は当時、12月10日にパリで開催される人権宣言60周年式典の機会に大統領がダライ・ラマと会見するとしていたが、ダライ・ラマ側は式典に招待されていないことなどを指摘し、会見予定がないと述べていた。
11月15日 産経新聞

■就任間もないサルコジ大統領がチベット問題に言及して北京政府を牽制したのは、五輪史上かつてない騒動を巻き起こした世界巡行聖火リレーがフランスを通過する時のことでした。大人の二股膏薬外交で言う事は言って、しっかり根回しと裏取引をしてダライ・ラマ法王側から会見辞退のコメントを出してもらい、自分は北京五輪の開会式に顔を出したのがサルコジ大統領でした。

■ダライ・ラマ法王と会おうとしただけで、北京政府は実にまめまめしく抗議をします。最近では電話をしただけでも激しく抗議するようです。


中国外務省の劉建超報道局長は9月28日、ブッシュ米大統領が今月23日、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世に見舞いの電話をかけたことなどについて「中国内政への干渉で強く反対する」と批判した。……劉報道局長は「ダライ・ラマは単なる宗教的な人物ではなく、長期間にわたって中国の分裂活動に従事している」と述べた。ダライ・ラマは8月に体調を崩しインドの病院に入院、9月初めに退院した。
9月29 産経ニュース

■胆石の摘出手術を受ける前に体調を崩されて、多くの人々が心配していた頃のことです。お見舞いの電話ひとつでも「内政干渉だ!」と騒ぎ立てるのは如何なものか?「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」とも申しますが、一旦、作り上げた共産党製のお話は、絶対に変更しないのが鉄則ですから、その筋書きに抵触するものはノーベル平和賞だろうと米国大統領のお見舞い電話だろうと、いちいち抗議しておかないと党の権威が揺らいでしまうのでしょうなあ。あまり本気になって相手をしていたら切が無いということになるのですが、何故か日本の政治家は与野党問わず、北京政府の抗議には病的に反応する傾向があるようです。

広がる麻薬禍 その七

2008-11-17 00:39:45 | 社会問題・事件
■そして最近の麻薬関連で注目を集めているのが大学生です。

……慶大生による大麻事件。最近、大学生の“大麻汚染”は増加傾向にある。今月初めには、法政大の男子学生5人が警視庁に逮捕されていたことが判明。大麻売買の場所はキャンパスだった。……法政大の事件では、乗用車内で大麻を所持していたなどとして、警視庁少年事件課が、大麻取締法違反(共同所持)などの疑いで、法政大2年の男子学生5人=犯行時はいずれも19歳=を逮捕。もう1人の学生と計6人で、同大多摩キャンパス(東京都町田市相原町)の図書館や会議室の個室で大麻を吸引していた。……

■60年代の学生運動に手を焼いた政府が都内から大学を郊外に移そうと努めたという話もありますが、郊外の新設されたキャンパスは土地が広くて快適な学習環境になった反面で、薬物汚染が広まる死角も拡大したのでしょうか?でも、三田の丘でも都の西北でも同じような事件が起こっているのですから、場所はあまり関係ないのかも知れませんなあ。


……6人のうち2人は6月16日午前1時すぎ、東京都渋谷区円山町の駐車場に止めた乗用車内で大麻を所持していたとして同法違反で渋谷署に現行犯逮捕。所持していた大麻が、5月27日に多摩キャンパスの校舎で経済学部2年の学生から5グラム3万円で買ったものだと分かり、この学生や一緒に吸っていた学生2人も逮捕された。6人は大学のスノーボードサークルの仲間。……

■スノーボード仲間は夏にはやる事が無くなるのか?多摩から深夜の渋谷円山町に出て来るとは、一体、何の用事があったのでしょう?それにしても1グラム6000円とは、報道されている相場から考えると少し高いようですが……。彼らが学ぶ経済学によれば暴利でもないのかも?内定取り消しなどで再び就職氷河期が始まろうとしているのに、麻薬で前科がついたら将来は真っ暗でしょうに。受験を助け学資を工面し続けた親は泣いているでしょうなあ。


……平成16年には、大麻を密輸したり自宅で栽培したりしていた中央大の学生4人が警視庁に逮捕されている。学生は、育てた大麻を高校生に販売していたという。19年には関東学院大ラグビー部の部員が寮で大麻を栽培したとして、神奈川県警に逮捕された。今年に入ってからも、5月に関大生が大阪府吹田市のキャンパスで大麻を密売して逮捕。千葉県の私立大に通う中国人留学生や和光大の男子学生も大麻を所持したとして警視庁に逮捕されている。

■中曽根政権から始まった留学生大歓迎政策も、大学に麻薬を広める遠因になっている可能性がありそうです。インターネットでの海外との取り引きが簡単になっているのもタネの密輸・栽培・販売の原因とも言われているようですなあ。


警察庁のまとめでは、15、16年に大麻の所持や栽培などにより全国で摘発された大学生は100人を超え、17年には63人に減少したが、18年になって73人と再び増加傾向となった。……警視庁が今年1月から8月までに大麻取締法違反容疑で摘発した752人のうち、学生は9・2%を占めていた。覚せい剤取締法違反容疑で摘発された学生が1・3%だったのと比べると、大麻が学生に蔓延している実態が浮かび上がる。警視庁組織犯罪対策部は「注射を打つことが多い覚醒剤などと違い、吸引が中心となる大麻は気軽に手を出しやすい。種を手に入れるのも容易だ」とみている。
10月30日 産経新聞

■注射を使わない強力な薬物もいろいろとあるようですから、こうした氷山の一角をつついた程度の分析では実態はつかめないのではないでしょうか?

広がる麻薬禍 その六

2008-11-17 00:39:00 | 社会問題・事件
■イランは日本にとって重要な石油輸入国でしたからパーレジ国王時代にはお互いに3ヶ月以内なら入国ビザを不要にする取り決めをしていて、何故かホメイニ革命の後もその見直しが行われず報知されていた時期がありました。イスラム革命で経済がガタガタになったイランから、これ幸いに日本に多くの出稼ぎ目的でイラン人が押し寄せた時代があったのです。ダルビッシュ投手の父親がどんな経緯で日本に定住したのかは存じませんが……。

■1980年代後半から東京の上野公園がイラン人だらけになって、偽造テレホン・カードやら大麻・コカイン・覚醒剤などの麻薬類が取り引きされる「名所」になっていたものです。ビザの互恵関係は解消されたものの、当時の旨味を知っているイラン人が日本での武勇伝を吹聴しているのか、今年の夏に逮捕された違法薬物販売を仕切っていたイラン人の親方は「日本人は大丈夫か。はっきり言って心配している」と自分の犯罪を棚に上げて日本人を気遣う供述を残しました。よほどボロイ儲けだったのでしょうなあ。こんな舐めた事を言われた関東信越厚生局麻薬取締部の捜査員はどんな顔をしたのでしょう?

■その麻薬取締部での取調べで、サラリーマンや主婦が白昼堂々と覚醒剤を買っている実態が明らかになったそうで、かつて日本人は「お天道様が見ている」と子供を諭したものですが、いまや太陽の下で堂々と白い粉の取引が行われる時代になってしまいました。10~20代の常連客も多かったと言いますから、突如として凶暴な犯罪に走る若者が東京都内のあちこちに出現するかも知れません。暇を持て余したヒネた不良が悪戯半分に手を出しているのかと思ったら、さにあらず。「頭がさえるから、試験前に買う」勘違いした勉強熱心な学生が常連客になっているのだそうですなあ。

■手を変え品を変えて仕掛けて来る怪しげなダイエット商売の餌食になる女性たちの中に、覚醒剤が最も効果的な「やせ薬」だという困った信仰が根付いているしまっているという話もあります。異様な高揚感やら快感に襲われて食べず眠らずに過ごしていれば、身体はどんどんやつれて萎(しぼ)んで行くでしょうし、最後は脳と骨が融解して廃人への道をひた走る中毒患者になるのですが……。産婦人科や小児科を担当する医師が不足して大変な騒ぎになっていますが、間も無く、麻薬中毒患者を担当する治療医の不足が問題になるのかも知れませんぞ。

■麻薬中毒になると人間関係が壊れると言われますが、親が薬物に犯されている子は逃げ場がありません。


当時中学3年だった和歌山市の少女(16)に売春させたとして、母(36)と義父(47)が児童福祉法違反と売春防止法違反の罪で起訴されていたことが14日、分かった。和歌山地検によると、母親は「携帯電話の料金が払えない。(自分は)昔援助交際をしていた。あんたにやらしても何とも思わん」と少女に言い、売春を強いたという。……2人は07年3月ごろから「電話代が高い。あんたがやったこと。体を売ってでも(代金を)作ってこい」と少女に要求。さらに「ガス屋が取り立てに来る。支払日までに(金を)作れ」……生活費も稼ぐよう強制したという。2人は今年8月に逮捕された。覚せい剤取締法違反(使用)罪でも起訴されている。
11月15日 毎日新聞

■生活費に困っていたのではなくて、夫婦揃って本当は覚醒剤を買うカネが必要だったと思われます。「援助交際」などというマスコミが無責任に流行らせて定着させてしまった未成年者の売春が、こんな親子間の悲しい会話に出て来るというのも困ったことであります。携帯電話の使い過ぎを厳しく注意するのは親の躾の範囲でしょうが、覚醒剤を買って足りなくなる生活費を稼がせているというのは、家庭内暴力の極致とも言えるでしょうなあ。この娘さんの心を癒し、薬漬けの両親を治療するのにどれほどの資金が必要なのでしょう?中途半端に済ませるともっともっと悲惨な犯罪が起こる可能性がありそうです。