旅限無(りょげむ)

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菅アルイミ政権の炉心溶融 其の伍

2011-04-27 11:16:43 | 政治
菅直人首相は26日の衆院予算委員会で、在日韓国人男性から受けた献金の返還について「弁護士が私に代わって(献金を)返した。こっそりやったとかではない」と説明した。首相は在日韓国人男性から自身の資金管理団体「草志会」に104万円の献金を受け、東日本大震災発生直後の3月14日に返金した。首相は返還の経緯について「弁護士が当事者(在日韓国人男性)と会い、公的な文書で国籍が日本でないと確認した」と語った。小野寺五典氏(自民)への答弁。
2011年4月26日(火) 毎日新聞 

■ご自身も地震・津波の被災者である小野寺議員は誰よりも被災地の実情を知っている立場の人ですから、本来ならこんな馬鹿馬鹿しい質問をしている場合ではなかったのですが、3月12日の朝に福島原発に乗り込んだ際に所轄大臣や次官は連れず、写真やビデオの撮影要員を自衛隊ヘリに同乗させていた危機感の薄さを指摘したことに続いて、よりによって3号機の建屋が爆発した3月14日という忌まわしい日に、前原前外相より多額の献金を外国人から受けて大震災直前まで進退窮まっていた管アルイミ首相が全国民の視線が爆発に集中しているタイミングを狙っていたかのように「こっそり」返金していた行為が、小野寺議員には納得し難いものだったのでありましょう。この質問を受けた段階でも、自分は献金主が外国人だと知らなかったと白を切り続けている管アルイミ首相ですが、震災前には各種週刊誌が献金した人物が相当の有名人であることや管アルイミ首相との濃密な付き合いから、首相が外国人だとは知らなかったはずはない!という状況証拠が積み上がっていたのでした。昔は得意だった「政治とカネ」の問題が自分の身に降り掛かったら、未曾有の災害を巨大な煙幕に利用して返金し、発表したのは1箇月近くも過ぎた4月8日、しかも「秘書が、秘書が」みたいに「弁護士センセイが、弁護士が」を連発した答弁は見苦しいだけでありましたなあ。


「政府は『想定外』という言葉をよく使うが、想定外といって政治が逃げることは断じて許されない」西岡武夫参院議長は26日、都内のホテルで講演し、東日本大震災や東京電力福島第1原発事故への対応をめぐり、菅直人首相や枝野幸男官房長官が「想定外」と連発したことに強い不快感を表明した。放射性物質を含む汚染水が事前通報なしに海に放出された問題については「国際的な犯罪だ」と断言。政府に震災や事故関連の会議が乱立したことにも「大きな方針は首相が示すべきだ。会議に丸投げすべきではない」と苦言を呈した。首相との面会を直前にキャンセルされたことも暴露。「聞く耳を持たないのは残念だ」と語った。
2011年 4月27日(水) 産経新聞 

■直近の民意である統一地方選の結果も世論調査の結果も、自分に都合の悪い内容だったら平然と無視してしまう管アルイミ首相ですから、ずっと耳の痛い苦言を参議院から発し続けている西岡議長の顔など見たくもないでしょう。「雑談」の相手になってくれて偶にはヒントもくれる参与に囲まれて精神安定を図っているような状態の首相が、理路整然と責任を追及する論客の西岡議長と対談などしようものなら、しょぼしょぼしている目から大量の涙が噴出し、口からは決して為政者が言ってはならない泣き言や八つ当たりが流れ出して収拾がつかなくなるでしょうからなあ。

■管アルイミ首相が「聞く耳を持たない」だけでなく、最も政府の真摯な言葉を待ち焦がれている被災者の皆さんの方が首相の言葉に聞く耳を持たなくなっているのは政治の悲劇と申せましょう。国会集中審議で首相が吊るし上げられている横で民主党内では「管は嫌いだ!」の薄汚れた怨念の旗を立てて「勉強会」が開かれた由。震災からの復興や原発事故の収束に関する「勉強」ならば分かりますが、勉強した内容は菅政権の邪魔をして苦境に追い詰めて総理大臣を辞めさせる方法だったようです。確かに現政権は絶望的に無能で混乱しておりますが、それは民主党という綱領も作れない寄り合い所帯の政党に染み付いている体質が原因ではないでしょうかな?

■勉強会では発起人の山岡賢次副代表が「座して死を待つわけには行かない!」と気勢を上げ、「国民の皆様が私の言葉に対して聞く耳を持たないなった」と言い残して辞任した前の総理大臣は「ポストを求め過ぎ、自らの仲間だけで行動し、国民の声が見えなくなっている」とか言ったそうですが、鳩山サセテイタダク政権の時から民主党の終わりは始まっていますし、鳩山サセテイタダク内閣も決して国民の声がよく見えていたとは誰も思っておりますまい。こうして民主党は身内の泥仕合を続けながら事故崩壊して行くのでしょうなあ。東日本の海岸も国会も同じで、残骸や瓦礫は大急ぎで片付けなければ被災地の復興も日本の政治の建て直しも出来ません。

福島県富岡町と川内村の住民が避難する郡山市の「ビッグパレットふくしま」。視察に訪れた菅直人首相は……午後1時半すぎに到着。バスから降りて出迎えた避難者に手を振りながら足早に館内へ。……
「何もできない。はっきりしない。何とも殺風景な男だったなあ」
「牛20頭を放して避難してきた。今さら来られてもねえ。本当は言いたいことがいっぱいあったんだけど」と冷ややかに首相一行を見つめた。
「にらみつけてやった。先見性がない首相だから原発を止められないのよ。福島県民をなめるな」
「……首相はみんなのそんな気持ちを分かっているのかしら」
首相は避難所の1区画で富岡町民と“対話”を行った。首相に詰め寄る人はなかったが、「すみませんって言うだけだったな」「首相に言っても何も変わらない」と感想は冷ややか。
他の区画は無言で握手だけして立ち去るケースが多かったという。80代の女性は「ニヤニヤして握手されたが、『頑張ってね』『体は大丈夫ですか』って言ってくれた方がよっぽどうれしかった」。
首相はこのあと、陸上自衛隊が実施している仮設浴場に立ち寄るなどして、記者団のインタビューに応じたが、地元記者の「県民の言いたいことは」という質問に対し、明確な謝罪の言葉はなかった。
2011年4月21日 産経ニュース 

■天皇皇后両陛下が細かい気遣いをなさりながら続けておられる慰めと元気付けの視察と比べられたら、政権の支持率がどんどん下がることを管アルイミ首相に教えてあげる人が居ないのか、最初から聞く耳を持たない首相は既に見限られているのか?かつてのお遍路パフォーマンスで苦境を脱した成功体験が窒息しそうな官邸で居た堪れなくなると頭の中にフラッシュバックして来て、居ても立ってもいられなくなって視察に飛び出してしまうのか?どちらにしても被災者の皆さんにとっては迷惑なだけでなく精神衛生上もよくない影響を及ぼすだけの視察などは止めて、少しは実のある法案をてきぱきと作って成立させて欲しいものでありますなあ。

空っぽな首相会見 其の七

2011-04-25 08:03:55 | 政治
■菅アルイミ首相は「自治体の皆さんともこの間、かなり丁寧にお話をして」と言いますが、「世界の100人」に選ばれた南相馬市長は正確な情報が入らず、現地の実情を政府に伝える方法も無かったと怒っているのですから、この「丁寧にお話」というのは解せない話であります。福島県知事を始め被災地の首長さん達は、この一言に激怒しているのではないでしょうか?誰も褒めてくれないから自分で自分を褒めて慰めたい気持は分からないではないのですが、公式な会見の場で倒錯的な自己弁護は慎んだ方がよいでしょうなあ。 

「……いろいろな課題がありますので。また、いろいろなことが進んだ後に、また新たな問題が生じてきているのがこの1カ月余りでありますので、どのような展開になると、すべて私が予測することは残念ながら不可能であります。しかし、東京電力の出した工程表は、私はしっかりと、国も含めて取り組めば、十分実現可能なものだと。このように考えております。さらに言えば、想定されるあらゆる事象に対しても、あらかじめ、こういう事象が生じた場合に、どうすべきか。まあ、こういったことについても、いろいろ、同時並行的に検証なり検討をしております。そういうやり方で、何とかこの工程表の中で、物事が進むように、全力を挙げるというのが政府の立場であります」…… 

■「東京電力が出した工程表」という言い方を繰り返している菅アルイミ首相は、先に「二正面作戦」の司令官としての立場を明言していたのですから、本来ならこの工程表は首相自身が発表して政府が責任を持つ意志を明確にすべきだ、と指摘する声があります。山ほど本部や会議を作ってしまったのも、参与を掻き集めるのも、東電に事故処理を丸投げして責任を押し付けてしまうのも、最終的な責任を一切取らないという菅アルイミ首相の悪い癖が引き起こしている悲劇のように思えます。「同時並行的に検証・検討」などという綱渡りみたいな作業を菅アルイミ内閣が出来るのか?「あらゆる事象」などとここでも抽象的な表現で逃げているようですから、とても復興に向けて政府が動いているとは思えませんなあ。


「復興構想会議の方には、6月末を一つのメドに考え方をまとめていただきたいということはお願いをしてあります。そのことと、それを踏まえてどのような形で、どのような規模の第2次補正を組むかということは、やはり、その内容などを含めてですね、その時点、あるいは、それに至る過程のなかで考えるべきことだと思っております。ですから、今の段階でそのメドが6月だから、国会をどうするという、そこまではまだ考えていないというか、まだその段階ではない。まずはこの国会で、1次補正と関連するいろいろな法案と、もともと、国会に提案しているいろいろな従来の課題を、しっかりとですね、国会で議論し、成立をさせていただくことが、まず今の課題です。その後について、今まだ申し上げる段階ではないと思います」 

■この会見の後、ガソリン価格に関する「トリガー条項」の凍結を巡って民主党内では骨肉相食む醜い権力闘争が始まってしまいました。何かと言うと「野党の皆さんの協力」に逃げ込む菅アルイミ首相ですが、正直に「小沢グループの皆さんの協力」を求めるのが先ではないでしょうか?党内で喧嘩ばかりしていて「危機の中の危機」を乗り越えられる筈もないのですから、まして大連立だの救国内閣だのと破れた大風呂敷を広げても誰も話しに乗っては来ないでしょう。「1次補正と関連するいろいろな法案」という最初の関門さえ無事に通過出来そうもない政府は、何がなんでも辞めない総理大臣に引きずり回されて疲れ果ててしまうかも知れません。既に財源問題で内閣不一致との報道も出始めているようですから、1次補正予算の成立を花道にして首相を辞任させるという話も現実味を帯びて来ましょうし、「6月末」に提出される復興構想会議の結論を受け取る首相は誰なのか?が民主党内で最大の議題になり兼ねない不穏な連休になりそうです。その間に東北の桜は悲しく散り、故郷から引きずり出されてしまった人たちは忘れ去られてしまう不安に耐えねばならなくなりそうです。

■国家の危機に首相を交代したら国際的な信頼が失われるぞ!という脅し文句もそろそろ賞味期限が過ぎてしまったようですから、政治家を選ぶ目がこれまでになく鋭くなっている有権者が天井知らずに増えている今こそ、解散総選挙の好機なのかも知れません。菅アルイミ内閣の存続を純粋に願っている人はほとんど居なくなっているようですからなあ。長々と付き合って読んで来た今回の首相会見が、菅アルイミ首相の最後の会見になるかも?
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空っぽな首相会見 其の伍

2011-04-24 07:40:50 | 政治
■ここから質疑応答になるのですが、相変わらずの暖簾に腕押し、蛙の面に水の状態だったようです。 

「まず実施本部のあり方については、過去の色々な例などは調べております。そのあり方そのものを含めてですね、できることなら野党の皆さんとも協議をして、形作って参りたいと。……呼びかけについては、連立を組んでおります国民新党の亀井代表の方から、自分もそうした、自由民主党や公明党など各党の皆さんが参加する形が望ましいと思うけれども、私に対して菅はどう思うか、ということを聞かれまして、いや、それは、そういう形が取れるものなら大変ありがたい。その方向に向けて亀井国民新党代表がご努力を頂けることは大変ありがたい。このように申し上げているところでありまして、そういうことを受けて、亀井代表がいろいろとご努力をしていただいていると、このように理解を致しております」…… 

■苦しい時の亀井頼み、苦し紛れの大臣増員について「バカ足すバカは、やっぱりバカ」と揶揄され、「菅が悪くても被災者に罪は無い!」とずばり言われても、野党対策を丸投げできるのは亀井代表しか居ないのでありましょう。民主党の幹事長は何をしているのでしょうなあ?


「……この大震災、加えて原子力災害事故ということで、それぞれ政務三役、これまでの平常時といいましょうか、大震災発生以前の仕事に加えて、大変、大きな仕事を抱えて、正に不眠不休でそれぞれ頑張っていただいております。そう言った意味で、現在の大臣やあるいは政務官、あるいは副大臣、補佐官というものは、法律で定員が決まっておりますので、できることなら、もう少しその定員を増やさせていただいて、それぞれの問題にさらに有能な方にそうした立場で加わっていただきたい。こういうことを考えております。その意味で、内閣法の改正について、自民党や公明党、各党の皆さんにもこの間、幹事長などを通してお話をしているところであります。まだ実現しておりませんが、ぜひとも、ご理解を頂ければと、こう思っております」

 「また、たくさんの本部があっていろいろ分かりにくいのではないかというご指摘があります。私は基本的にはですね、2正面作戦をやらざるを得ない状況にあるということについては、ぜひ、まずご理解を頂きたいと思います。つまりは、地震、津波というその自然災害、これに対しては緊急災害対策本部、法律に基づいて義務付けられたものを設置致しました。一方で、原子力の重大事故に対しても原子力災害特別措置法によって、法律で義務付けられた本部を設けました。それぞれの本部、一部に被災者支援などでダブる部分もありますけれども、例えば、補償の問題や色々な避難の問題のあり方については、それぞれ違った制度や違った意味を持っておりますので、そういう意味で、2つの大きな本部を設け、それぞれの下に、例えば避難のため、あるいは補償のため、それぞれのある意味での実行部隊を設けたところです。…… 

■この国難に際して仕事をサボっている役所は外務省を筆頭に数知れず、それもこれも首相になる前に「役人はオオバカ」と発言し、公約だった「政治主導」の意味を履き違えて独裁者気取りで何でもかんでも一人で抱え込んで自縄自縛状態になってパンクした菅アルイミ首相の下手くそな一人芝居が原因であります。新しい情報を持って説明・報告に来る官僚に「俺は聞いてないぞ!」と怒鳴り散らしてばかりいる菅アルイミ首相は自ら情報入手の手段を失い続けております。首相が知っている事ばかり報告していたら、何も新しい動きは出て来ませんから、複雑な「二正面作戦」の指揮を執ることなど夢のまた夢。


その名称が本部という形で重なっている関係もあって、あるいは皆さん方に複雑に見ているかもしれませんが、基本は2つの本部の下のいろいろな課題を取り組む、まあチームというか、プロジェクトチームのようなものと、このように理解を頂ければ、分かりやすいと思っております。それに加えて、党としてのいろいろな活動もありますので、その党の本部は、内閣の本部とは性格を異にいたしております。しかし、いずれにしても、かなり多岐にわたっておりますので、また、時期によっては状況が変わって参りますので、もう少し整理ができないかということで、現在、(枝野幸男)官房長官のところで整理をする方向で調整をしていただいております」……」 

■口が裂けても「組織を作り過ぎました」とは言えない首相は、組織の調整は官房長官に丸投げ。まるで玩具箱をひっくり返して後片付けできない馬鹿ガキみたいなものです。結果的には組織が濫立してしまいましたが、要は自己保身のためにポストを餌に勢力を拡大して党内抗争を少しでも有利にしておこうと思っただけのことで、その証拠に連日の会議が続いているのに何も具体的な対策が提案もされないし実行もされておりません。「船頭多くして船山に登る」とあちこちから皮肉られておりますが、少なくとも船を操る資質と能力がある人が参加しているのが前提ですから、菅アルイミ内閣丸に乗船しているのは乗客ばかりのような気がするのですが……。

空っぽな首相会見 其の四

2011-04-23 15:47:45 | 政治
■先日、海外の新聞、たったの7紙だけに遅すぎる「感謝のメッセージ」を掲載した菅アルイミ首相は、在外公館で情報発信の仕事をサボっているエライ役人達を叱り付けたとも聞きません。尖閣暴走衝突事件で開き直った「柳腰外交」の影響がこんな所にも残っているのかも知れませんが、日本は震災・原発事故の後、外交的に黒星が続いている原因は、外交らしい外交を行なったことのない未熟な政治家が総理大臣をやっているからなのでしょうなあ。 

「前回の会見において、過度ないろいろな催し物の自粛をやめて活気を取り戻すことが被災地の支援につながるということを申し上げました。しかしまだ一部には、自粛ムードが続いているようであります。そんな中で、私も視察に訪問しました(岩手県)陸前高田市では数百人のみなさんが集まる花見会が催されたと聞いております。がれきの中から見つけ出した太鼓が演奏されて被災者を元気付けたと聞いております。こうした集い、お祭りは古くからの地域の絆を強め、活気をもたらす上で、大変大事な行事であると思います」…… 

■ご自身が率先垂範して花見大会でも春祭りでも、何でも大々的に行なって見せたら宜しい。それが出来ないのは、やるべき仕事をしていない我が身を知ってか知らずか、国民から大変な反感を買ってしまうことを鋭い?嗅覚と皮膚感覚で知っているからではないでしょうかな?まして、挙党体制でイベントの開催を仕掛けたりすると、あちこちから造反グループが待ってましたとばかりに欠席者が続出し、別の場所で批判大会が始まってしまうこともきっとご存知なのでしょうなあ。海外向けのメッセージにも掲げられた「絆」の一文字を、こんな所に挿入していますが、漢字を使うチャイナでは「絆」は単なる物理的な結び付きの意味しかなく、日本語を知らない多くの人民は意味を曲解して腹を立てているという報道がありました。前の総理大臣と同様、今の総理大臣にも外務省は使いこなせないようです。


被災地では今後、仙台の七夕祭り、盛岡さんさ踊り、相馬野馬追など、こうした中ではあるけれども、いやこうした中であるからこそ、今年も開催する。そういう地域がどんどん出てきております。その勇気に敬意を表し、日本全国でこれらのお祭りを応援して参りたい。このように思っております。多くのみなさんが応援の気持ちを持って接している中で、一部に思いやりに欠けるような対応があるという指摘がありますが、そうしたことがないようにお互いに気をつけて参りたいということも国民のみなさんにお願いしておきたいと思います」…… 

■短い夏を精一杯楽しむための伝統的な祭りが多い東北ですが、このままでは菅アルイミ首相の元には一通も招待状が届かないでしょう。歯を食いしばって悲しみを忘れて祭りを楽しもうと努力している人たちの心が、一転、政府に対する憎悪を思い出してしまったら祭りの熱狂がどんな方向に暴走し始めるか分かりませんから、うっかりニヤニヤ参加などしていたら菅アルイミ首相の身に何が起こるか分かったものではありません。早く、被災地から心からの感謝と敬意を以って招待される有能なリーダーが日本に現れて欲しいものでありますなあ。きっと天皇皇后両陛下が御参加になれば、各地で万歳の声が満ちるに違いないのに……。


「来週からはまあ、連休で、今年は観光に出かけるのは控えようといわれている方も多いかもしれません。しかし、できることなら先ほど申し上げましたように、この東日本、東北におけるいろいろな催し物に参加をするために出かける。あるいはそうした地域で採れた野菜やあるいはお酒を買い、いろいろな民芸品を買って、それらの地域を元気付ける。中にはボランティアとして応援に行こうという方も多いのではないかと思います。どうかこのゴールデンウイークがそうした被災地のみなさんを元気付けるそういうゴールデンウイークになるよう、それぞれの立場で考え、行動していただくことを期待をいたしまして、私の話ということにさせていただきます」 

■こういう細々した事を熱心にねちねちと語るところが市民運動出身の総理大臣の本領発揮ということなのでしょうが、こんな事は担当大臣や官僚から発表させるなり、具体的なキャンペーンの形を取って実行されるべき項目であります。野菜・酒・民芸品などと国民に媚びるように、こんな物の名前だけは具体的で、政府として作らねばならない法律や条例の方は何一つ出て来ない。応援して貰った現地の業者は多少は喜ぶでしょうが、官邸でこんな事ばかり考えているのか?と疑問を持たれたら逆効果でしょうなあ。

空っぽな首相会見 其の六

2011-04-23 14:56:20 | 政治
 「……第1次の補正予算については、いわゆる国債ではなくて、従来のいろいろな支出項目を振り替えたり、そういう形で、提案を、概算の提案を致しております。その次の本格的な復興のための第2次の補正というものは相当の規模になるであろうと。……復興作業を進める上で、財源がないから作業が始められないといったことは決して望ましくありません。そういった意味では、必要な財源は一義的には、国債などの活用も含めて、そうしたものに充てていくということが必要になると思います。その前に、そうした国債などについて、どういう財源で、いつごろまでに償還をするのか。そういうことが、大きな議論として存在していることは、私も承知を致しております。……復興構想会議でも、いろいろと既に意見が出ているようでありますので、これからの議論に待ちたい。この場合には、将来に対するいろいろな見通し、あるいは、マーケットがどのように日本の国債市場を見ているか。そういったことも含めながら、しっかりとした議論をして参りたい。このように考えております」 

■実験を握って政府を動かしているのは財務省だと白状しているような答弁です。わざわざ「消費税」という言葉を避けて「財源」としか言わない。既に『マニフェスト』で謳った無駄使いの排除と特別会計の抜本的見直しによる財源の捻出という自慢の?秘策が破綻しているのですから、約束したバラマキ政策を実行するなら財務省の入れ知恵に乗って消費税の引き上げを模索するしかありますまい。経済音痴と言われている菅アルイミ首相が「国債市場」の動向にまで言及して、国債の暴落を回避するためには大増税が必要だという話に何としても持ち込みたい財務省の熱心な「御説明」が続いていることが覗えますなあ。何もしなかったけれど震災と原発事故を利用して消費税を引き上げた総理大臣として歴史に名を残そうと腹を括ったのか?
 

「……いろんな支援に対するお礼の意味を込めた広告を、各国の新聞などに掲載をお願いしました。まず、私の書いた文章を、各国の新聞に寄稿致しまして、かなりの新聞などが、それを載せてくれております。その中で、日本というこの国が、たとえば食べ物などにおいても、危ない物は市場には出していない。そういったことを含めて、その安全性について理解を求める、そういったことも行っております。これからもさらに、そういった外国から来ていただくことによる発信も大変ありがたいわけですけれども、もちろん、わが国自身のいろいろな機会を通しての発信を強く進めて参りたい。こう思っております」 

■感謝のメッセージを掲載したのは「かなりの新聞」ではありません。震災から1か月の2011年4月11日付けの外国紙に掲載されたのは事実ですが、翻訳された言語はたったの五箇国語で、国際英字紙「インターナショナル・ヘラルドトリビューン」、米紙ウォールストリートジャーナル、英紙フィナンシャル・タイムズ、韓国の朝鮮日報、中国共産党機関紙の人民日報など7紙は有料広告として掲載。その後、シンガポール。ベトナム、ミャンマーから「無料でも掲載したい」との申し出があったと報道されています。今回の震災(人災)に対して支援を申し出てくれたのは「142カ国・地域及び39国際機関」と外務省の公式HPに出ております。
送られた物資・寄付金を見れば、どうして7紙だけなんだ?と首を傾げてしまいます。

■この件につきましては、4月15日のラジオ文化放送で佐藤優氏が怒りの解説をしておりましたなあ。ロシアの日本大使館は築地からマグロの大トロを空輸させる金は惜しまないのに、菅アルイミ首相の感謝メッセージを新聞に掲載するカネは出し惜しむ!とのことでした。他の国々の出先機関を似たようなものなのでしょう。少なくとも外交に関しては、菅アルイミ内閣の「政治主導」は有名無実。菅アルイミ首相を震源地とする風評被害はこれからも退陣まで続きそうですし、海外の出先機関が正確な情報を広める努力をする可能性は非常に少ないと思われます。従って、これからも出所不明のトンデモ情報が世界中を駆け巡り続けるのでしょうなあ。

■海外雑誌の「世界に最も影響力をもつ100人」に選ばれたのが菅アルイミ首相ではなく、政府の無策を嘆き日本政府でなく世界に向かって救援を訴えた南相馬市長だったという事実の重さが菅アルイミ首相には分からないようです。
 

「……福島第1原子力発電所から20キロの範囲については、かなり早い段階で避難区域という形で指定を致しました。これは基本的には、その中に行っていただくと、健康上の問題が生じる可能性があるので、避難をしていただきたいという要請であります。それに対して、今回の警戒区域は、法律に基づくという意味で、確かに法律上の罰則規定といったものがありますけれども、基本的な考え方は、この範囲は住民の皆さんの健康や安全を考えると、避難をしていただいていなければならないという考え方では、特に変わったわけではありません」 

■地形も風も考慮せずに地図上にコンパスで描いた20キロ圏には、それ以上大きくすると避難者を収容する場所も支援する予算も足りない!と総務省あたりの泣き言が受け入れられたという本末転倒の話が隠されていると某週刊誌がすっぱ抜いております。日本に限らず世界中からガイガーカウンターを掻き集めて正確な汚染状況を迅速に調べてデータ化して公表するという作業を怠ったばかりに、世界中から疑惑の目で見られてしまった日本の信頼を取り戻すのは難しいかも知れません。20キロ圏が1箇月余で30キロプラス北西部へと危険地域が広がるというのは不思議な話であります。事故が収束に向かっているのなら安全圏が徐々に広がって行かねばなりません。突然の指示に困惑している現地の人たちにとっては「一から危険だったんだ?」という疑問が消えないでしょう。


「実際にはですね、この間は、自分の家に帰っておられた方もある程度おられたようでありますけれども、基本的にはそのことは、説得してですね、いきたい。法律があるからすぐに何か強硬な規定、そうしたものを、規定をですね、適用して、強制力を行使するということではなくて、基本的には説得をするという形で対応したい。今日、原子力安全・保安院長とも、そういう話を致しました。……その地域に住んでおられる皆さんが、一時的に自宅に戻って、必要なものを取り出してくることができるような、そういう態勢を今から順次進めて参りますので、……確かに家畜とか、ペットとか、そういった問題もあり、本当にご不便をかけ、あるいはご迷惑をおかけしますけれども、自治体の皆さんともこの間、かなり丁寧にお話をして参りましたので、今申し上げたようなこともご理解いただければ、多くの住民の皆さんにとっては、そうした形の方が安心できる形ということでご理解いただけるものと思っております」 

■東電もそうですが「御迷惑」という言葉を使ってもよいのでしょうか?子供が隣近所の窓ガラスを割ったとか、壁に落書きしたような他愛の無い話ではないのですから、他の言葉を使えないものか?と謝罪の場面を観る度に思います。何百年も暮らしていた「場所」を失うかも知れない。偶々、東電の原発が近くにあったというだけで、自分の故郷がチェルノブイリと並んで歴史に刻み込まれることになった。それが「御迷惑と御心配」なのか?どうも言葉が現実と乖離しているような気がしてなりませんなあ。

空っぽな首相会見 其の参

2011-04-23 14:54:35 | 政治
「そして、この2つの危機に対して、同時に、この危機を解決していくことが、今、私たちに求められておりますし、もっと言えば、この復興ということは、大震災を契機に、多くの国民が、自分たちが何とかしなければという思いを強くしていただいている。その思いを本当に力に変えて、この復興をバネにして、もともとの危機を含めて、2つの危機を乗り越えていく。つまり、日本再生が東日本の復興を支え、一方では東日本の復興が日本の再生のさきがけとなる。こういう形で推し進めてまいりたいと考えております」…… 

■震災と原発事故の危機を首相が(現場で邪魔することではなく)先頭に立って解決すべき時は「今」ではなく1箇月以上も前のことでした。この40余日の間、総理大臣は何をしていたのでしょうなあ?「復興をバネにして」既存の危機も解決するとは、随分と虫の良い皮算用であります。そんなことが出来たら凄いことでありますが、それを実行できそうな人が民主党内には見当たりません。「日本再生が東日本の復興を支え、一方では東日本の復興が日本の再生のさきがけとなる」という無内容な名調子は、菅アルイミ首相自身ではなく作文の上手な役人が思いついたような印象がありますなあ。

■「多くの国民が、自分達が何とかしなければ」と切羽詰った思いに駆られているのは、首相・政府が何もしないからであります。「その思い」が自分に向かって牙を剥かないように、倒閣や反政府の方向ではなく復興のための「力に変えて」しまえば、自分の政権は安泰という稚拙な計算かも?


「……マクロ経済面を含めた今後の日本再生の全体的方針を提示をするため、まあ連休明けには、本日も朝、行いました、経済の見通しを立てる会議を通して、全体の方向性もお示し、大きな方向性をお示しできるようにしたい。このように考えております。そして、こうした復興構想会議の努力やマクロ経済の見通しなどを踏まえて、いよいよ復興そのものを実施していく態勢、仮称ではありますけれども、復興実施本部というものを検討しなければなりません。この大きな復興には、自由民主党や公明党など各党のご協力が不可欠だと考えております。この復興実施本部について、ぜひともこうした自民党公明党はじめ、各政党のご協力をお願いしてまいりたいと考えております」…… 

■復興予算とマクロ経済政策とをどさくさ紛れに貼り合わせれば、出て来る答えは消費税の上積みと各種の実質的な増税だけでしょう。それを国難・危機を便利なバネにして野党にも責任を押し付けてネジレ国会を乗り切ってしまおうと菅アルイミ首相は財務省のシナリオ通りに踊って吼えているとしか思えませんなあ。


「そして、今回の大震災で亡くなられた皆さん、私はその皆さんが声なき願いを、私たちに強く伝えていただいているように思えてなりません。それは、生き残った皆さんが、私たちが、力を合わせてすばらしい日本をつくってほしい、こういった願いだ、このように思っております。私自身、この大震災のときに総理という立場にあった、一つの宿命だと受け止めておりまして、こうした亡くなられた皆さんの、その願いを実現するために、私に持てるすべての力を、全身全霊振り絞ってその実現に向けて頑張りたい、この気持ちを改めて強くいたしているところであります」  

■菅アルイミ首相にとっては「宿命」かも知れませんが、うっかり政権交代を実現させてしまった有権者としては、「悪夢」であり「不運」であります。日本の憲政史上最悪最低の首相と言う不名誉な地位が確定していた鳩山サセテイタダク前総理が、今となっては本当の最低最悪ではなかった!という恐ろしい事実に気が付かされた国民は、日々、絶望感を強めて得体の知れない不安の中で苛立ち、楽しくない生活に耐えております。被災地でもない場所でも重苦しい将来への不安が渦巻いているのですから、被災地で愚かな政府に翻弄され続けておられる皆さんの御心痛は如何ばかりかと悲しい怒りがこみ上げるのであります。
 

「……各国からのわが国に対する支援、あるいは激励は続いております。先日はクリントン・アメリカ国務長官がわざわざお見舞いと表敬に立ち寄っていただきました。昨日はオーストラリアのギラード首相が来られ、明日、オーストラリアの救援隊が救援活動を行った地域に自ら足を運んでいただく予定になっております。本日はOECD(経済協力開発機構)のグリア事務総長とも意見交換をいたしました。こういう皆さんが、わざわざこの時期、日本に駆けつけていただいて、激励をいただく、そして日本は必ず再生する、そういう強いメッセージを世界に発信していただく。さらには日本でいろいろな地域を視察をすることを通して、日本が決してある部分を除いては安心して外国人も来ても大丈夫なんだ、いろんなものを食べても大丈夫なんだ、そういうことを発信していただいていると思っておりまして、特にそうした発信がわが国を助ける本当に大きな機会になる。改めて感謝を申し上げたいと思っております。いずれにしても、そういったみなさんの期待に応えて、原発事故も含め開かれた形で国際社会と共同して復興と再生を進め参りたいと思います」 

■開いた口が塞がらない!対外的な情報発信は菅アルイミ首相の重要な役割であります。それを外国の要人に丸投げして感謝していてどうするのでしょう?そもそもクリントン国務長官が来日したのは決して「表敬」の意味などありません。表敬とは敬意を表するという意味ですから、原発事故の発生当初、米国からさまざまな助言や援助の申し出を受けながら事態の深刻さを過小評価し続けて事故を巨大な政治的人災に変えてしまった愚かな総理の、一体、どこに敬意を表わすべき要素があるのでしょう?米国務長官としてはオバマ政権が進める原発政策が受けるダメージを最小限に抑えることと、東アジア地域における米軍の存在感が増したことを周辺諸国に念押しするために来日したに違いないのですから、「お見舞い」などという軽々しい行動ではないでしょう。

空っぽな首相会見 其の弐

2011-04-23 14:54:01 | 政治
「また、この間で、復旧が次第に進んできております。仙台空港の再開、東北線の全線開通など、着実に前進しております。さらに本日は、第1次補正予算の概算を閣議決定をいたしました。来週、がれき処理など復旧のための補正予算を国会に提出し、連休中には成立できるよう、努力をしたい。さらに、震災関連の法律も順次、国会に提出してまいりたい。こう考えております」…… 

■高速道路の復旧作業の早さに多くの国民が驚き、日本の原発はボロだけど土木技術は世界一なのか!と畑違いの感動を覚えた向きもあったかも知れません。しかし、既存の道路を補修する作業は新設するより遥かに簡単だそうで、何より今回は入札競争などの手続きが一切省略されて、国家が費用を後払いすると保証してくれて技術と要員が用意できる企業が緊急に談合・分担し、世に日を継いであっと言う間に復旧作業が終了したそうです。緊急時の土木作業を後払いで保証する制度はあるけれど、被災地に近い観光地の宿泊施設を借り上げて、過酷な避難所から避難弱者に移って貰う制度は無いらしいのが不思議で、余震や放射能を心配する民心を更に追い立てる悪質で無責任な風評が荒れ狂って東日本の観光地は経営難に陥っている一方で、各地の避難所は過密ストレスが蔓延しているという奇妙なアンバランスを一挙に解決するための緊急予算が出ない!

■「補正予算」の成立を自慢げに語っている菅アルイミ首相ですが、紙くず同然の『マニフェスト』に羅列されたバラマキ政策を温存したまま、年金予算を取り崩して人質に取って近い将来の消費税増税への道を拓いてしまった責任をまったく感じていないようですなあ。そして、現時点で「震災関連の法律」が一本も作られていない!という重大な事態には言及せず、震災から2箇月も経つことになる「連休明け」あたりにポツポツ法律を作ろうかなあ、と言っているわけですから、連休前に辞任して貰わないと震災後1年経っても復興の光は見えないなどという恐ろしいことが起こるかも知れません。


「当面、仮設住宅の整備が大きな課題であります。各県で仮設住宅の建設を精力的に進めていただいておりまして、感謝いたしております。政府も資材確保などに全力を挙げており、自治体が場所を決めて、提供できる場所を決めていただいて、その中で作業を急ぎたいと思っております。5月末までには3万戸を完成させたい。まあ、最終的には仮設住宅、あるいは借り上げ等を含めて、10万戸を避難される方に提供できるようにしていきたいと、こう考えております」…… 

■仮設住宅の問題は、日本国内には資材の備蓄が無い!と心配されていたようですが、資材は国内の増産や輸入で十分に用意できたと思ったら、菅アルイミ首相が他人事みたいに指摘している「提供できる場所」が無い!という致命的な問題に逢着しているとか……。緊急事態に対処するには私権を制限する政治的決断が必要で、震災の後、あちこちで名前が挙がっている後藤新平が関東大震災に際して断行した首都改造も、「地主との戦い」から始まったそうですから、仮設住宅を建てる用地は立法府が作り出さねばならないのです。それが自分の仕事だと菅アルイミ首相は御存知ないのかも知れません。


「また、こうした復旧が進む中で、復興の議論も本格化してきております。14日には復興構想会議の第1回目が行われ、あすは第2回目となります。6月末をめどに、この復興構想会議で復興の道筋、あり方について、ご提言をまとめていただくようにお願いをいたしております。復興は単に元に戻すという復旧ではなくて、素晴らしい未来を作るという復興であってほしいと、そのことも多くの皆さんと共有している考えだと思っております」…… 

■現時点で被災地の現状を視察した上で「素晴らしい未来」などという能天気な文言を口にできる神経が分からん!一体、今の日本の何処に菅アルイミ首相と「考えを共有している」人がいるのでしょうなあ?構想会議の目的は震災復興ではなくて「政権復興」だと見抜かれている上、座長に「増税」を口走らせるわ、原発事故に関しては沈黙を強いるわ、会議の裏側に潜む邪心が図らずも露呈する滑り出しで、最終的な「構想」がまとまるのは年末?!そんなに悠長な「復興」などあるものか?!と真面目に腹を立てても仕方がないようで、所詮は自分の任期を会議終了の年末まで引き伸ばすために、少しでもマスコミが取り上げたくなるような有名人を掻き集めて「菅、辞めろ!」の声を「構想」話で押し潰そうというだけの話。どうせ提出される「構想」も、参考にさせて頂きますとか何とか言われて、官邸内のダンボールにでも放り込まれてお仕舞い?


「この復興を考えるうえで、私はさらに、今回の大震災、原発事故、この危機が、1つの危機ではなくて、危機の中の危機だ、このように位置づけをいたしております。つまりわが国は、この20年余り、経済的にも成長が低迷し、社会的にも自殺者が、なかなか3万人を切らないといったような多くの課題、社会的な、ある意味での危機を経験しつつあったわけであります。そうした中に、この大震災、原発事故という危機が、まさに発生した。危機の中の危機の発生、このように捉えてまいりたいと思います」…… 

■「危機の中の危機」だそうです。これでまた一つ、御本人は気が利いた歴史に残る名言のつもりで大仰に喋ってみせて誰も覚えていない菅アルイミ首相の無内容な語句コレクションが寂しく増えたというだけのこと。「一つの危機ではな」い事など、日本の小学生でも知っておりますし、大人の中では「一人の危機」だと考えている人も多い筈です。そして出ました!「ある意味での危機」。出口の見えないデフレ経済は、ずっと前から日本の危機だと言われておりましたし、自殺者が減らない社会状況も多くの人が心を痛めていた問題です。震災が誰かさんのヘマの御蔭で「人災」に転じてから、どれほどの被災者が政府の無策ぶりに絶望して自殺者の数を積みましたことでしょう?!これは「ある意味の危機」ではなく「菅の危機」でありましょう。それにしても菅アルイミ首相が官邸に籠もってやっている仕事は「危機の中の危機」などという文言を捻り出すことぐらいなのか?

空っぽな首相会見 其の壱

2011-04-23 11:45:47 | 政治
■一国の首相が記者会見で何を語ろうとも、もう誰も聴こうとしない。会見があったこと自体、ほとんどの国民は知らない。その多くは知りたくもないのかも知れません。大震災の発生から政治的には何の区切りもついていないのに、1箇月目という虚弱な理由で会見を開いてみたものの、何も語るべき事柄が無かった菅アルイミ首相があれから10日余を経て、性懲りも無く?記者会見に臨んだのだそうであります。正副官房長官は同席せず、NHKも中継しなかった金曜日の夕方、会場となった首相官邸には何とかの一つ覚えの「全力」の二文字が何度も虚しく響いていたそうな……。以下、2011年4月22日の産経ニュースが発信した菅アルイミ首相の内容でありますが、どうやら、やはり、首相の交代はないようですなあ。

「前回、大震災発生から1カ月目の記者会見を行いました。それから約10日たちまして、この間にさらに前進したこと、さらには、これからの方針、方向性について、私のほうから国民のみなさんにご説明をしたい。今後もそういう形を取れればと思っております。まず昨日、福島県を訪問いたしましたが。その中で被災者の方に何人もお会いしましたが、一番耳に残った言葉がありました。それは『私の家は今、アメリカよりも遠いんですよ。アメリカなら十数時間で行くことができるけれども、私の家には何週間も、場合によったら何カ月もかかっても帰れないかもしれない。なんとか早く帰れるようにしてほしい』。その言葉が、一番耳に残った言葉でありました。なんとしても、この原子力事故によって家を離れなければなくなっているみなさんが、1日も早く自分の家に戻れるように政府として全力を挙げなければならない。改めてそのことを強く感じた次第であります」…… 

■「前進したこと」など有ったのか?と聊かぎょっとするような気楽な発言に続いて「私のほうから国民のみなさんにご説明」という今回の未曾有の天災が世にも恥ずかしい政治的人災へと転換させてしまった元凶の「俺が、俺が」の愚かで危険な姿勢は変わっていないことを自白してしてしまった菅アルイミ首相は、「今後もそういう形」を続けると恐ろしい宣言までしてしまいました。嗚呼。「アメリカから遠い」のは被災者の帰れない御自宅だけでなく、原発事故に対する日本政府の対応能力も同様でありましょう。そして、何の具体性もなく無責任な印象しか与えられない「全力」が飛び出してしまいます。


「こうした中、昨日、警戒区域を設定し、本日は計画的避難区域と、緊急時避難準備区域を設けたところであります。この措置は住民の皆様の安全、健康を最も重視して決断をしたところであります。……特に警戒区域というのは、いわゆる原子力発電所から20キロ圏内において、基本的には避難をすべての人がしている。中には避難所、窃盗などがあるのではないかという心配もあります。そういった中で今回、警戒区域といった形で法律的にその中には入れないという位置付けにしたわけであります。それと同時に、中に住んでいる皆さんには一時的に家に立ち寄ることができるような、そういう形をこれから順次、計画的に進めてまいりたい。着の身着のままで避難された方が一時的に家に戻って必要なものをとってくることができるような、そういう対応をしてまいりたい。このように思っております」…… 

■「避難所」と「窃盗」の間が開いているので文意が混乱しておりますが、「窃盗などがあるのではなか」などと最高責任者として正確な情報を持っていないことを白状してしたのは大失敗。こんな不確かな発言を聞かされる甚大な窃盗被害を受けている数多くの避難民の皆さんは救われません。「原子力に物凄く詳しい」首相は被災地の治安維持も被災者の健康問題も、ずっと失念していたとしか思えません。1箇月以上も無法者達を野放しにしていた自分の責任など、まったく感じていないのは明らかであります。何のために現地視察を重ねていたのやら……。


「福島原発事故の今後についてでありますが、すでに17日に東電から今後の見通しについて、工程表が提示をされております。政府としては、この工程表を予定通り実現する。ステップ2は、ステップ1の3カ月に加えて、さらに3カ月から6カ月となっておりますけれども、できることならなるべく短い期間の間にそれを実現をする。そうすれば、その中から避難した皆さんに対して、どういう形で戻ることが可能なのかを提示することが、ステップ2が終わった段階に立ち入ればできるのではないかと、このように考えているところであります」…… 

■既に事故を起こした原発内の映像を米国製のロボットが撮影して公開、週刊誌を先頭に原発内での作業に当たる人たちの過酷な実態も詳しく報道されておりますから、専門家の間でも疑問や問題点をあれこれ指摘されている東電の「工程表」を丸呑みにしたばかりか、勝手に「なるべく短い期間」などと残酷なことを言い出してしまう菅アルイミ首相は、「特攻隊」と自嘲しながら人海戦術に参加している現場の作業員の苦境をご存じないのか?非常手段の危険なベント作業を陣頭指揮するつもりで現場に乗り込むような人だからこそ、他人の痛みや苦しみは分からないのでしょうか?東電の勝俣会長でさえも「一つの目安だ」と逃げ道を作っている工程表は机上の計算通りには進まないだろうと各方面から見られている現実を無視して、自分の政権維持のために前のめりになるのは止めて欲しいものです。

■『週刊文春』4月21日号に「東京電力「福島第一原発」の反乱」という内幕記事が掲載されていました。4月7日に始まった格納容器への窒素注入作業を巡って、免震棟の責任者である吉田昌郎所長がテレビ会議で東電本社に並ぶ「評論家」達に怒りを爆発させたという4月4日からのドラマが再現されております。現場スタッフの安全を第一に、事故を起こした原発を最悪の事態に陥らせない困難な作業を指揮している所長が「それでも窒素封入をやれと言うなら、オレたちは、この免震棟をから一歩も出ない!ここで見ている!」と東電本社の対策統合本部に対して反抗したという事件を、菅アルイミ首相は知っているのか?工程表には作業員が重大な事故に遭う危険性は織り込まれていないようですから、深刻な被曝事故が起こった場合でも、菅アルイミ首相は「早くやれ!」と冷酷に命じるのか?!

民主党はこれから花盛り? 其の四

2011-04-22 14:12:54 | 政治

新党改革の舛添要一代表は20日の記者会見で、東日本大震災の復旧・復興をめぐる与野党合同の「復興実施本部」(仮称)への同党参加について「慎重に検討せざるを得ないが、既存の組織を使ってやれるのならやればいい。そんな無駄なことをやる必要はない」と否定的な考えを示した。舛添氏は「屋上屋を架す会議を作るのは失敗する人たちのやることだ」と指摘。「そういうものを作ったり構想するひまがあったら、今の政府がしっかり動けばいい」……「こういう大事な時に司令官を代えていいのかという意見もあるが、そのままでは戦に負けるのならば司令官を代えるべきだ」と菅直人首相の退陣を要求した。
2011年4月20日 産経ニュース 

■「失敗する人たち」がずっと政権に居座っていることに多くの国民は絶望しておりますし、残念ながら舛添代表が期待する「既存の組織」も「今の政府」も、どちらも「しっかり動く」可能性は無さそうだと思っております。原発事故への対応を次々と誤って現地を大混乱に陥れることばかりしている政権が「復旧・復興」など出来ようはずはないと誰でも思っているのではないでしょうか?遅まきながら風を読み間違える舛添さんでも「司令官を代えるべきだ」と言い出したのですから、いよいよ菅アルイミ内閣の命運は尽きかけているようですなあ。


菅直人首相は21日午後1時前、福島県田村市の避難所である総合体育館を出た。「もう帰るんですか」「無視していくんですか」。首相に向かって同県葛尾村から避難している夫婦が呼び止めた。首相は「ごめんなさい。そういうつもりはありませんでした」と謝った。呼び止めた夫婦は「生後4カ月の孫を抱えている。この子たちは、これからなんです。先の見えない不安を抱えながらながらやっているんです」と泣きながら訴えた。首相は「子供たちのためにも全力を尽くしてやっている」と答えた。
2011年4月21日 産経ニュース 

■救国内閣を作ろうと奔走している亀井静香さんが、菅アルイミ首相の個人的趣味?で閣僚を更に3人増やそうとした時に「バカたすバカは、やっぱりバカだ」と言ったそうですが、菅アルイミ首相が繰り返す「全力を尽くして」発言が虚しいのは、無力な者が全力を振り絞っても何も出来ないという道理に国民が気付いてしまったからなのかも知れません。御自身も自分の「無力」を知っているからこそ、大臣を増やし会議・本部を濫造し、参与を掻き集めたりしているようにも見えます。何をしているのかは一切語らず、ひたすら「全力」を繰り返す首相の言葉はもう誰の心にも響きません。そもそも行政府のリーダーが重要な仕事が山積みになっている官邸を抜け出して被災地を訪問しても何の意味もありません。仮に阪神淡路大震災の時の村山内閣が震災後40日間で14本の特別法を成立させていた先例を超える実績を作っているのなら、その法律が実施されている様子を視察するのも宜しいでしょう。しかし、菅アルイミ内閣はまだ1本の法律も作れず、「こども手当て」がどうのこうの、紙くず同然の『マニフェスト』がどうのこうのと方向違いの小田原評定を繰り返しているだけなのですから、首相の現地視察は後ろ向きの暇つぶしにしか見えません。被災地の桜の花を愛でるような愚かなパフォーマンスをしなかっただけでも良かったのかも?


民主党の小沢一郎元代表が「菅降ろし」に向け具体的な動きを見せ始めた。21日にはガソリン価格高騰時に揮発油税を引き下げる「トリガー条項」を凍結する菅直人首相の方針に強い不快感を表明。退陣論は首相支持勢力にも徐々に拡大しており、小沢氏が同調を示唆した内閣不信任案の可決に向けた環境整備が着々と進んでいる。
「そんなことになっているのか…。ガソリンの値段が上がることは、被災地からすれば困るな」小沢氏は21日、個人事務所で小沢グループ議員からトリガー条項凍結の説明を受け、こうつぶやいた。同条項は、民主党がマニフェスト(政権公約)で掲げた揮発油税などの暫定税率廃止の代替措置として小沢氏の主導で導入された。しかし、東日本大震災からの復興財源として、菅内閣が凍結方針を示したことに小沢系が強く反発。大谷啓衆院議員ら数人が抗議のため関係法案を審議する22日の衆院総務委員会の欠席を宣言し、執行部は委員交代を余儀なくされた。…… 

■『週刊文春』の最新号には玄葉国家戦略相が震災直後のガソリン不足の折、自分の選挙区にタンクローリーを大量に送り込んで2度に渡って自分の政治力を誇示した疑惑が書かれておりますが、被災地の多くは一家に自動車3台も珍しくない日常生活を送っていたはずですから、政府が「逃げろ!」「家にいろ!」「やっぱり逃げろ!」などと勝手な指示を出してもガソリン不足に泣いて動くに動けない二次三次被害を受けて困ってしまいますから、少なくとも避難生活者にはガソリンを無料で使えるような特別措置を取るべきでしょうなあ。返す返すも「原子力に物凄く詳しい」総理大臣を持ってしまった国民は不運でありました。


……不信任案は約90人のグループ全員が賛成すれば可決するが、小沢氏は政策批判を通じて、さらに同調者を広げる戦略とみられる。小沢系以外の議員も、「菅降ろし」の激化に備え始めた。21日の前原誠司前外相の議員グループ(凌雲会)会合ではこんなやり取りがあった。
稲富修二衆院議員「ご迷惑をおかけしてすみません」
前原氏「迷惑なんてかかっていないよ。どんどんやったらいい」
稲富氏ら1年生有志45人は19日、「国難に立ち向かうための勉強会」を発足させた。凌雲会や野田佳彦財務相のグループ(花斉会)に小沢グループも加え、45人を集めた派閥横断の会合が「菅降ろし」とからめて報じられたことを謝罪した稲富氏を、前原氏はすかさず笑顔で激励した。首相はこれまで、党内の「小沢アレルギー」を自らの求心力維持に利用してきた。だが、震災対応に右往左往するうちに、逆に「菅アレルギー」が広がり、公然と不信任案への同調論が広まる事態を招いている。…… 

■いよいよ「壊し屋」の本領を発揮する時期が到来か?と背筋に寒いものを感じた菅アルイミ首相は居ても立ってもいられずに東北の避難所を視察するという名目で、本当は自分自身が「避難」したかったのかも?


一方、メールマガジンで首相を批判した桜井充財務副大臣は21日の記者会見で「辞めろとは一言も言っていない」と釈明したが、直接の上司の野田氏からは電話で「筆が滑りすぎないように」と注意を受けただけだったことも明かした。民主党の輿石東参院議員会長も21日の会見で、小沢氏の首相批判について「一日も国民が安心できる態勢をつくらなければという思いがあるのだろう」と理解を示した。……実は輿石氏は20日夜、都内で自民党の麻生太郎元首相と会談していた。「菅首相のままでは経済や復興はおぼつかない」麻生氏の主張に、輿石氏は深くうなずいたという。
2011年4月22日 産経ニュース 

■クラッシャー小沢は自分に従う者達こそが「本物の民主党」だと周囲の同調者達に言ったそうですから、ここで菅アルイミ首相を追い落として支持率急降下中の泥船政権から一刻も早く逃げ出して、次の選挙の時には「自分は本物の民主党だ」と言える保険を欲しがる議員が党内に増殖しているのかも知れません。政権政党として民主党が重ねた失政の責任は、そう簡単に許されるものとは思えないのですが、政党助成金を握っている党が消滅することなど考えたくもない議員たちは、少しでも菅アルイミ政権から距離を取って時を稼ぎたいのでしょうなあ。


米誌タイムは21日、毎年恒例の「世界で最も影響力ある100人」を発表し、東日本大震災の被災地、福島県南相馬市から動画共有サイト「ユーチューブ」を通じて住民の窮状を訴えた桜井勝延市長がその一人に選ばれた。桜井市長は動画で「(福島第1原発事故で)屋内退避措置の中にいる市民は兵糧攻め的な状況に置かれている。ご支援をお願いしたい」と呼び掛けた。同誌は「彼の訴えは世界中で反響を呼び、能率の良さで知られる国が弱い立場の市民の力になれなかった現実を多くの人に考えさせた」と指摘した。また、宮城県南三陸町の公立志津川病院で、津波が迫る中、入院患者を階上に避難させ、診療を続けた医師、菅野武さんも選出された。このほか、オバマ米大統領や、内部告発サイト「ウィキリークス」創始者ジュリアン・アサンジ氏、リビア最高指導者カダフィ大佐の次男セイフイスラム氏らも名を連ねた。
2011年4月22日(金) 時事通信 

■本来なら、国民の先頭に立って未曾有の天災に挑む日本の総理大臣が選ばれて然るべきところ。東日本大震災が起こるまで誰も知らなかった?南相馬市の市長が選ばれる裏には、我が国の首相にまったく情報発信能力が無い!という悲しい現実が隠れておりましょうなあ。「本当の民主党」を自称するクラッシャー小沢なら、もう桜井市長に次の選挙の出馬を打診しているかも知れませんが、政府はどんどん被災者から離れて行くだけの政争にはうんざりであります。
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民主党はこれから花盛り? 其の参

2011-04-22 14:12:14 | 政治
■本来なら二大政党制の常として政権与党が失政を続ければ、野党第一党の支持率が急上昇して与野党間で活発な議論が繰り広げられるはずなのですが、野党らしさを身に着ける前に自民党はすっかり野党ボケになっているようで、政権を失った原因の究明するでもなく、新しい国家像を示すでもなく、復興事業と原発政策の利権を餌に大連立を持ちかけられるともぞもぞと悪い虫が動き始めるようでは、たとえ地方選挙で民主党が見るも無残な敗北を喫したとしても華々しく政権に返り咲くことはなさそうです。

自民党は19日、「全議員・選挙区支部長懇談会」を26日に開き、菅直人政権下での「大連立」不参加を正式表明する方針を決めた。また、平成23年度第1次補正予算成立後に、首相問責決議案を参院に提出することも検討。東日本大震災後、「復旧優先」を理由に政権への協力姿勢をとってきたが、統一地方選の民主党惨敗などを受け、「倒閣」路線に回帰した。…… 

■「復旧優先」を理由に菅アルイミ内閣を1箇月以上も支えてしまったのなら、それを反省してからでないと「倒閣」運動は国民に理解されそうにありません。統一地方選の結果待ちだったのなら、原発事故の深刻度を「レベル7」に引き上げる発表を選挙後に引き伸ばした菅アルイミ政権と五十歩百歩でありましょう。おそらく地方選の後半でも民主党は敗北するでしょうが、それは決して野党第一党の手柄でもなければ政権奪回への期待を意味するものではありますまい。谷垣総理大臣を待望する声など何処にも湧きあがっておりませんし、自民党内からもそんな声は出ていないのですから、今の日本には政権を担える責任政党も政権交代を正々堂々と要求できる野党第一党も存在していないことになるのは実に悲しいことであります。


谷垣禎一総裁と大島理森副総裁らは19日朝、都内で会談し、政府の1次補正予算案は財源に問題があるとの認識で一致した。自民党は当初、がれき処理などが中心の1次補正予算案の早期成立に協力する方針だったが、財源に基礎年金国庫負担分が流用されることなどを理由に反対姿勢に転じ始めていた。その後の緊急幹部会では「財源で民主党からの歩み寄りがない以上、1次補正に反対せざるをえない」(参院幹部)との意見が噴出。基礎年金国庫負担分流用の根拠となる国民年金法改正案に反対する方針で一致した。また、従来は問題なしとしていた補正予算案の歳出についても、組み替え動議を提出する検討に入った。…… 

■ここに出て来る「基礎年金国庫負担分流用」というのが曲者で、菅アルイミ首相が先の参院集中審議の席上、片山虎之助議員(たちあがれ日本)に「復興の道筋をつけたら首相を辞めるのも選択肢の一つだ」と質問されたのに対して「復旧・復興と、財政再建の道筋をつけられたら政治家として本望だ」と答えて、辞めろ!辞めるもんか!の口喧嘩をして見せたのでしたが、これは単純に地位に恋々としている菅アルイミ首相が本音を漏らしたというだけではなくて、すっかり政権を丸呑みにしている財務官僚達の悪賢い手品を本気で始めるという宣言だった可能性があるようです。

■莫大な費用を要する「復旧・復興」と一見相反する「財政再建」とを結び付ける発言は奇異に聞こえますから、どちらも途方も無い時間を要する大仕事を終わらせるまで、ずっと自分は総理大臣を続けたいなあ、と寝言を言っていたのではなく世界一の速度で高齢化が進む日本の有権者層から票を掻き集めるのに最も有効な年金制度を人質に取って「復旧・復興」という錦の御旗を突き立てて第一次補正予算を強引に成立させておいて、それでも予算が足りない!という理由で消費税を引き上げ、たとえ「復旧・復興」の期間が終わっても予め大穴を開けておいた「基礎年金国庫負担分」の穴埋めが必要だ!と言い立てれば、消費税を高止まりさせたまま恒久財源化が成功するという恐ろしい火事場泥棒政策が隠されているようでありますなあ。

■手品のタネが国民に周知徹底される前にと、慌てて4月22日に怪しい歳出規模4兆0158億円の「11年度1次補正予算」を閣議決定してしまう御手並みは、菅アルイミ内閣らしくありません。原発事故が更に悪化したら本当に東日本が潰れてしまう可能性は残っていますが、このまま菅アルイミ政権が続いたら日本国全体が潰れてしまうかも知れませんぞ!


……(自民)党税調幹部会では、政府が2次補正以降の財源とする「復興再生債」の償還財源に消費税を含む増税を検討していることにも「この時期の増税は景気を冷え込ませ復興を遅らせる」との認識で一致した。党執行部は24日投開票の統一地方選後半戦で民主党が再び惨敗すれば菅政権が窮地に追い込まれるとみている。このため、谷垣氏は26日の全議員懇談会で、大連立は菅政権の延命につながるだけだとして対決姿勢を鮮明にする方針だ。自民党国対幹部は19日、「首相に辞任の意思がない以上、内閣不信任案や首相問責決議案の話にならざるを得ない」と明言。1次補正成立後の5月上旬から中旬に提出する可能性に言及した。……国民新党の亀井静香代表は19日、「菅がダメでも被災民には罪はない」という口説き文句で与野党合同の「復興実施本部」(仮称)への参加を野党に呼びかけたが、快い返事は一つもなかった。
2011年4月20日(水) 産経新聞 

■自民党にも見透かされている消費税を引き上げる謀略めいた菅アルイミ内閣の財政政策は、本来の財政論議を停滞させてしまうでしょうし、復興予算の財源論も迷走させる二重の悪影響が出て来そうであります。菅アルイミ首相はお得意の「悪いのは野党だ!」と強行突破を試みるかも知れませんが、頼みの国会における「数」が党の内部崩壊によって不足するかも知れない風向きのようです。

民主党はこれから花盛り? 其の弐

2011-04-20 15:42:56 | 政治
民主党はこれから花盛り? 其の弐■大和心を象徴する桜の花は人々を束の間の夢心地にして潔く散り、葉桜の薄緑色は夏が近いことを教えてくれるものですが、民主党の菅ザクラは必死に枝(野)にしがみ付いて意地でも散らないつもりのようです。誰も褒めてくれないからと、参議院の集中審議で白昼夢のような「国民からの評価」を自画自賛してしまうくらいですからなあ。散らぬなら、散らして見せよう!と相談する寄り合いが永田町近辺で開かれ始めている由。さてさて、国難を乗り切るためには菅ザクラを無理やり散らすのがよいのか、造花にして天井から宙吊りにして実権の無いお飾りに徹して貰うのがよいのか……。先日、「カイワレの神通力」を頼まれて福島県選出の渡部最高顧問と並んで胡瓜とイチゴをぱくぱく食べていた菅アルイミ首相の姿を見てふと思ったのは、ぶら下がり取材を拒否して逃げ回るより、毎日毎日、各種制限が解除された生産物を卓上に並べて、産地の名前を連呼しながらパクパク食べてゴクゴク飲むパフォーマンスに徹して見せれば、いつも口中は野菜や牛乳や魚でいっぱいで質問には答えられないという大義名分も出来ましょうし、今の無力な総理大臣として役立つ唯一の方法ではなかろうか?という妄想でありました。

……衆院議員会館の一室で15日、「打倒・菅」のシナリオがひそかに練られた。
「あちらとこちらの対抗戦になってはいけない。中間派も糾合しなければ…」
集まったのは小沢氏に近い山岡賢次副代表、田中真紀子元外相、鳩山氏側近の中山義活経済産業政務官ら中堅・ベテラン議員9人。田中氏は「今の政権は本当にダメだ」と吐き捨てた。倒閣を目指す火の手はあちこちで発生している。首相に批判的な川内博史衆院議員は15日、「国民との約束を守り、震災復興を実現する会」を立ち上げた。小沢、鳩山両氏に近い国会議員46人が出席し、マニフェスト(政権公約)を見直す中で財源を捻出し編成された平成23年度第1次補正予算案に対する不満や首相退陣論が噴出した。…… 
■政権交代を願った有権者は、既に史上最悪の宰相と定まった鳩山サセテイタダク首相の半年間を経験してからは、「政権は本当にダメだ」と身に染みて分かっておりますので、どうせ反旗を翻すのなら大震災の前、少なくとも最初の水素爆発が起こった直後ぐらいには始めて頂きたかったですなあ。あれから何人の被災者が地震や津波から逃れられた命を失政によって失ったことでしょう。


山岡氏らは今月下旬に「総調和の会」を発足させ「菅降ろし」に同調する議員を結集させる考えだ。……衆院1年生有志は19日に「国難に立ち向かうための勉強会」を発足させる。中心メンバーは中間派の石津政雄、小沢氏を支持する「北辰会」の空本誠喜、前原グループ(凌雲会)の稲富修二、野田佳彦財務相のグループ(花斉会)の岡田康裕ら各氏。特に空本氏は北辰会の中心メンバーで、稲富氏は前原氏の子飼い。両者が手を握る意味は大きい。…… 

■クラッシャー小沢を筆頭に「菅降ろし」というと名前が出て来る政治家に共通するのは東日本大震災に関連して政治家として目立った活動をしていないことではないでしょうかな?「勉強会」を発足させる1年生有志議員の皆さんも、この1箇月余の期間、一体、何処で何をしていたのか分かりません。まさか小沢流の選挙向け限定活動を地元に張り付いて続けていたのではありますまいな?!クラッシャー小沢自身も1度だけ岩手県に入ったものの被災地には足を踏み入れず早々に戻って来たということですが、菅アルイミ内閣の失政を糾す気があったのなら、これまでにも多くの機会があったはずなのですが……。


原発事故の現場、福島県南相馬市が選挙区の石原洋三郎衆院議員が15日の党代議士会で「首相は『長期戦を覚悟して事故処理に臨む』と言ったが、むやみに長期戦になるのなら即刻退陣していただきたい」と声を上げると、拍手が湧き起こった。……原口一博前総務相は原発事故について「日本には放射性物質を外部に出さない技術があるのになぜ使わないのか。その決断ができないなら総退陣すべきだ」と語った。…… 

■4月18日(月)に放送されたテレビ朝日の『TVタックル』に自民党の河野太郎と一緒に出演した原口議員は前の週に引き続き日本の原発政策の闇と問題点について、ちょっとだけ話していましたが、遮蔽技術や総退陣にまでは言及していなかったようです。河野議員は『週刊現代』4月30日号の「原発反対の私が受けた嫌がらせの数々」という記事の中でテレビ朝日の『報道ステーション』に出演した折の事も含めて東京電力の嫌がらせネットワークの長くて執念深い「腕」のことをぶちまけておりますが、さすがにテレビ朝日の番組ですから別の話をしていました。


首相を支えてきた渡部恒三最高顧問も民放番組の収録で、先月19日の首相と自民党の谷垣禎一総裁の電話会談について「(首相は)自民党総裁室へ行って『私は副総理で仕える。谷垣さん、総理を引き受けてくれないか』と言っていたら断られなかった」と語った。…… 

■最初から「副」に格下げされることなど毛頭考えているはずもない菅アルイミ首相に関して、後知恵にもならない「策」を語っても後の祭りにもなりますまい。ご意見番だの黄門様だのとマスコミは便利な尊称?を与えているようですが、今の民主党内に渡部最高顧問の話を傾聴する議員は皆無なのではないでしょうかな?もしも、暴れん坊の菅アルイミ首相に党の最高顧問の席を上手に譲って総理大臣を辞めさせられたら渡部恒三の名は国難を救った大政治家として残ったかも知れませんなあ。


昨年から続く党内抗争は「親小沢」VS「反小沢」の構図だったが、今や党内は「反菅」一色に染まろうとしている。こうした動きを、海千山千の自民党ベテラン議員が黙って見ているはずがない。
「今、内閣不信任案を出したら民主党はどうなるのかね」
14日朝、国会近くのホテル。自民党の伊吹文明元幹事長は鳩山氏に探りを入れた。「不信任はまだ早いでしょう」と鳩山氏。だが、同席した平野博文元官房長官が「被災者を考えれば協力しなければいけないが限界だ。首相は官邸メンバー全員とうまくいっていない」と訴えると、伊吹氏は小さくうなずいた。
谷垣氏は、首相が国民新党の亀井静香代表とともに検討している「復興実施本部」(仮称)への参加を拒否することを決めた。……
2011年4月16日 産経ニュース 

■亀井代表も良い面の皮になりつつあるようで、少し可哀想にもなりますが郵政民営化問題という重荷を背負っている限りは国民新党が躍進するのは難しいと思われます。政治家としてのキャリアと官僚の動かし方に精通していると評価が高い亀井さんですが、菅アルイミ首相と組んでいる限りは常に貧乏籤を引かされて、いよいよ政権崩壊となれば骨折り損の草臥れ儲けでしかなかったなあという結果になる可能性が高そうです。菅アルイミ首相を辞めさせて誰なら原発問題を解決できるんだ?!と玄葉国家戦略相は吼えていたそうですが、今となっては誰でも菅アルイミ首相よりはマシなのではないか?と切り返せそうな気がして来るから困ったことであります。

民主党はこれから花盛り? 其の壱

2011-04-20 12:05:51 | 政治
■関東地方の桜は悲しく咲き誇って静かに散り始めております。あちこちで東北の酒を酌み交わして遠い北の被災地を少しでも元気付けようと、名もない庶民は心を痛めながらも酒の勢いと桜の美しさに、今の日本を導けない政府に対する実に大人しい抗議の態度を示しているようであります。開花宣言の指標となる靖国神社の桜が開く前から、素人寄せ集め集団の民主党政権は、実に不思議な後ろ向きの姿勢を強めつつ、何を考えているのかは分かりませんが、菅アルイミ首相を先頭にせっせと「足踏み」運動をしていたのでした。政治家・政府の足踏み運動とは、「会議」のことであります。

■民主党は3月11日、党本部に「民主党東北地方太平洋沖地震対策本部」を設置して全議員で全党を挙げて取り組む!と宣言したのに、3月23日には「東北地方太平洋沖地震災害復旧・復興検討委員会」の初会合を国会内で開催。翌24日の昼には、「東北地方太平洋沖地震対策本部」(本部長・岡田克也幹事長)の第2回総会を国会内の講堂で開催……。と名前だけは立派な看板がこれ以降もどんどん濫立し続けまして、よほどマニアックな政治記者でも雨後の竹の子、梅雨時のカビみたいに並んだ「対策本部」やら「会議」やらの全貌は分からないとも言われてるくらいで、そもそも、菅アルイミ首相御自身が自分が引き籠っている官邸の下に馬鈴薯・薩摩芋みたいにぶら下がっている急増組織の名前も全体的な構図も分かっていないだろう、と冷笑的に報道される始末であります。どさくさ紛れに現行の法律で許される枠いっぱいに、3月13日という非常に重要なタイミングで蓮舫・行政刷新相に「節電啓発担当大臣」を兼務させるわ、辻元清美・代議士を引っ張り出して災害ボランティア担当の首相補佐官に任命するわ、どう見ても有権者を馬鹿にした人気取りバフォーマンス人事を思いつきて強行して、世界中に原発事故に対して真剣に取り組む気などさらさらない!という恐ろしいメッセージを発した菅アルイミ首相でありました。あれから1箇月余、二人の女性政治家は何をしたのでしょう?


菅直人首相が各党に参加を呼びかける東日本大震災の復旧・復興のための「復興実施本部」(仮称)について、自民党の小池百合子総務会長は15日、「非常に疑義を感じる。会議ばかり作り、魂を入れないでどうするのか」と批判した。同本部は政府の「復興構想会議」がまとめる提言の実施機関として来週にも設置。本部長の首相と全閣僚、各党1人ずつの代表者で構成される。……岡田克也幹事長は14日、「詳細は分からない」と述べたが、本部長代行に内定している国民新党の亀井静香代表は15日、「非常事態でみんなが心を合わせて力入れなければいけない時に、政権与党の幹事長が何をやっているのか」と批判した。
2011年4月15日 産経ニュース 

■政権与党だった自民党の悪口が一番上手い政治家を神輿に担いで貧乏臭いコップの中の嵐を続けた末に、オカアチャン基金で子分を養っていた鳩山サセテイタダク首相が誕生し、その後継には子分がほとんど居ないハッタリ・パフォーマンスでしぶとく生き残った菅アルイミ首相が「小沢が嫌いな奴はこの指に止まれ!」と政策とはまったく関係のない怨念エネルギーを求心力に変えて仙谷ノーコメント前官房長官の暗躍協力によって代表選の票を掻き集めて当選したのでしたが、落選したクラッシャー小沢元代表との票差は極僅かなものでありました。この僅差がトラウマとなって民主党は大震災前から分裂・対立含みになって、怪しげな検察審査会なる小さな組織が下した無茶な結論を過大に評価して党員資格停止を言い渡し「小沢斬り」に大成功?!岩手県を拠点としているクラッシャー小沢の怨念でもありますまいが、三陸沖は大地震と大津波で壊滅し、無為無策の政府に失望した国民は数多くの菅アルイミ内閣の失政に耐えて助け合いの運動が展開されております。「ひとつになれ、日本!」の掛け声が民間に満ちているというのに、民主党内は挙党体制には程遠い内輪揉めを続けておるのであります。

■元々、党としての綱領も作れない吹き溜まりの寄り合い所帯ですから、国難に臨んでも一致団結して歩調を合わせて救援・復興に尽力できないのは分かってはおりましたが、手足となって働くはずの議員は妙に暇そうで、頭脳となるべき首相は官邸に引き籠り参与という名の家庭教師を次々に雇って自習中。緊急を要する重要な仕事は本部や会議を濫造して丸投げしたまま、大震災から1箇月余りの期間で菅アルイミ首相が実行したのは「東日本大震災」という名称を決定したことだけかも?名称が「東日本」全域を示しているというのに、首相の頭と官房長官の口は原発事故の対策だけに占有されて数週間、その間も今でも大津波には襲われなかったものの巨大な地震で壊滅的な被害を受けた地域も数多いという事実をマスコミが報道しないからなのか?菅アルイミ内閣の視界からはすっぽり抜け落ちているのが気になりますなあ。


民主党の桜井充財務副大臣(参院宮城)は19日付の自身のメールマガジンで、菅直人首相の震災対応に関連し、「首相を交代させろという声が出てくるのは当然のこと」などと首相を厳しく批判した。……政府内に対策本部や会議が乱立していることについて「目的や権限を具体的に議論していない組織だけを増やしているから混乱し、十分に機能しない」と指摘。「基本的な動作ができていないことが民主党政権の問題だ」と断じた。18日の参院予算委員会での首相の答弁に関しても「何か言われると、必ず自分の正当性を主張する。自分の非を認めると責任論につながると思っているのかもしれないが、反発を招くだけ」と苦言。その上で、「今後も首相を続けていくなら、もう少し歩み寄る姿勢を見せてほしい」と求めている。
2011年4月20日(水) 時事通信 

■「今後も首相を続けていくなら」と仮定形を使うなら期限を切って「第一次補正予算が成立するまで」と言って欲しかったですなあ。どうせ結論は聞き置くだけで無視されるに決まっている復興構想会議を立ち上げ、東京電力には現場で危険な作業を強いられている人達の安全を考慮しない工程計画を発表させ、3箇月・9箇月と不気味に長い居座り予告とも思える長期計画を入手した菅アルイミ首相は、本気で任期満了まであと2年半、下手をしたらその後の続投まで考えているかも知れませんぞ。18日の参院集中審議での自己保身・責任逃れの答弁は耳を疑うようなものばかりでしたからなあ。その審議の中で濫立する会議や本部の名前を全部言えるか?!と野党に攻められて見え透いた話のすり替えで逃げ回る総理大臣は滑稽でさえありました。


菅直人首相は19日、民主党の田中慶秋衆院経済産業委員長らと首相官邸で会い、東日本大震災と福島第1原発事故への政府の態勢について「全体的ないろいろな組織の見直しをしたい」と述べ、20以上の組織が乱立する現状を見直す意向を示した。田中氏によると具体的な内容には言及しなかったという。会談で田中氏は「組織ばかり作ればいいものではない。半分はだいたい同じメンバーだ。分かりやすくスピードのあるシステムを作るべきだ」と述べ、首相は「その通りだ」と応じたという。…… 

■あら?!前日の集中審議で公明党の加藤修一議員から「会議名を全部知っていますか?」と質問されて、「言えるわけねえよ!」などの下品な野次と怒号が議場に渦巻く中で「決して無責任に作ったわけではなく、(地震津波と原発事故の)二正面作戦にならざるをえなかった」と20以上もの会議・組織の数は決して多過ぎないと主張していたのに……。


震災や原発対応に当たる政府組織は「本部」だけで六つに及び、それぞれの下に「会議」や「チーム」が乱立。滝野欣弥官房副長官は19日、記者団に「非常に広がりの大きい震災なので、やむを得ない」と説明したが、官僚からは「ほとんど各省が取り組み状況を話すだけで終わり。報告ばかり求め、責任は取らない」と不満が漏れている。
2011年4月19日(火) 毎日新聞 

■菅アルイミ首相の政治姿勢が如実に反映した組織群のようであります。「報告ばかり求め、責任は取らない」という点は主語を入れ替えても誰も分かりませんぞ。それにしましても「非常に広がりの大きい震災」だからこそ、指示系統は単純明快で効率的なものでなければなりますまい。被災地からの連絡や要望が錯綜した組織群の中に絡め取られて行方不明になってしまうようでは被災者はいつまで経っても救われません。そしてまた、菅アルイミ首相は組織の再編成もしないまま福島県内の避難所を現地視察に出掛けて行くのであります。

悲しい話 

2011-04-15 16:03:48 | 歴史
■大震災からの復興が政治課題に上って来たようですが、相も変わらず菅アルイミ首相の延命目的のパフォーマンスの臭いがぷんぷんしているのは困ったものであります。すぐにやるべき事が次々に先送りされ、事態は復興に向けて改善されるどころか、どんどん悪化しているばかりのように見えるのは単なる気のせいばかりではなさそうです。大津波と原発事故によって生活の基盤である家族や仕事を失い頼るべき地域社会も崩壊してしまった人たちに、一刻も早く希望の光を見せてあげるのが政治の仕事だと思うのですが、またまた「20年は帰れないだろうなあ」などと首相が言ったの言わなかったのと、言うべき事を言わず言わなくてもよい事やら絶対に言っては行けない事をぽろりと言ってしまう首相を担いでいる政権与党の皆さんも大変なのでしょうが、それで振り回される被災者の皆さんは本当に可哀想であります。

……福島県から千葉県船橋市に避難した子供が「放射線がうつる」などと言われ、いじめられたとする電話が同市教育委員会にあったことが14日、市教委への取材で分かった。市教委は、避難者の気持ちを考えて言動に注意するよう児童、生徒への適切な指導を求める通達を、市内の小中学校など計83校に出した。市教委は通達で、大人の不安が子供に影響しているとし、同様のいじめを防止するためには、保護者に対する“指導”も必要と指摘している。…… 

■乱暴に「東北人」と一括りにして、苦難に耐える姿を意図的に賛美して海外メディアの報道に便乗して、不自然な美談を拵えてしまったマスコミにも罪はありそうです。被災した現地の治安は日を追うごとに悪化しているのが実態らしく、窃盗やこそ泥の類が増え続けて現地の警察があちこちで厳戒態勢を布いているという話の方がリアリティがありますし、逸早く現地に取材した週刊誌は現地の厳しい状況や悲しい実態なども早い段階から報じており、その中には某避難所で原発事故を避けて逃げて来た福島県の母子を「牢名主」気取りで避難所を仕切るオジサンが、理由も言わずに門前払いしてしまったなどという悲しい話もありましたなあ。放射線の恐ろしさが一人歩きして素人の妄想で膨れ上がり、まるで感染力の強い疫病か何かと混同している人も多いのが実情で、仮に被曝していても外部ならば簡単に除染できましょうし、不幸にも内部被曝してしまった場合、放射性物質の害を受けるのは本人のみで、阿弥陀如来の後光のように体の外に放射するようなことはないというのに、支援しなければならない人を排除したり差別するなどもってのほかであります。放射線は「うつる」ものではない事ぐらいは周知徹底させておくべきでしたなあ。

■原発は安くて安全で地球に優しいなどという宣伝に使った至近と労力の万分の一でも、放射性物質に関する正しい知識の啓蒙に使うべきだったのでしょうし、「最悪の事態」についても情報を公開して一般人の素朴な疑問や不安に丁寧に対応する姿勢があったら、コスト優先で安全対策を怠るような電力商売は改善されていたかも知れませんぞ。


船橋市教育委員会によると3月中旬、福島県から避難してきた小学生のきょうだいが市内の公園で遊んでいたところ、その話し言葉を耳にしてアクセントの違いに興味を持った船橋市在住の子供が「どこから来たの?」と質問。きょうだいが福島と答えたところ「放射線がうつるぞ」などと言い、質問した子供を含め、数人の子供が一斉に逃げ出したという。きょうだいは泣きながら帰宅。この様子を見ていた住民が市議会議員を介し、市教委に連絡した。現在、福島県内から船橋市内に避難している児童、生徒は計36人。市教委が出した通達は指導に当たっては「思いやりを持って接し、温かく迎える」「避難している人の気持ちを考えて言動に注意する」など避難している子供たちへの配慮を要請。…… 
■教育委員会の仕事は「言動に注意する」ように通達することより、学校を通じて地域住民や生徒達に正確な知識を伝えることではないでしょうかな?子は親の鏡とも申しますから、被災者や避難した人達に対する理解が大人も子供も足りないのかも知れません。何の根拠も無い原発の安全神話を鵜呑みにして信じることと同様に、原発事故や放射性物質に関する間違った思い込みを振り回すのは慎むべきでありましょう。見知らぬ土地で言葉も習慣も違う環境に溶け込もうとしている子供たちは、さぞや心細い思いをしていることでしょうに、面白半分に苛めてしまう馬鹿ガキ達には大いに教育が必要でありますが、所詮は日本人のレベルはそんな物で、世間の風は冷たいと身を以って学んで逞しく育って行くのも一つの人生かも知れません。この御一家は福島市に戻ってしまったとの報道もあるようですから、この兄弟は一生涯、千葉県船橋市の人達を忘れないでしょうなあ。特に船橋市の子供たちが愚かで性格が悪いというわけでもないでしょうから、遠く九州にまで避難している人達は日本のあちこちで似たような体験をしている可能性が高いと考えた方がよいのでしょう。


市教委は「大人の不安が子供たちに影響を与え、冷静な対応が取れなくなる恐れがある」と、原発事故に関する日頃の保護者の言動などが子供に影響を与えている可能性を指摘。保護者と連携した対応の重要性も強調した。また、市教委はいまのところ、新学期を迎えた小中学校から、福島県から編入してきた児童、生徒に対するいじめの報告はないとしている。
一方、“大人社会”でも福島県民が不当な扱いを受けるケースは続いている。厚労省によると「福島から来たと話したらホテルや旅館での宿泊を拒否された。どうすればいいのか」「旅館を経営している者だが、福島から来た客を宿泊させて大丈夫か」などの問い合わせがあった。福島県は3月17日から24時間対応の「放射線に関する問い合わせ窓口」を開設。これまで風評被害に関する相談は数百件に上っており、県は国に対し、正確な情報発信を要請している。だが、現状は続々と寄せられる相談の対応に追われる日々が続いているという。
2011年4月15日(金) スポーツ報知 

■団結やら協力を説教がましく宣伝しているのは「エーシー♪」ですが、日本にはなかなか克服できない馬鹿馬鹿しい差別問題があるのは事実ですから「日本は一つのチームだ!」などと言うのは絵空事・綺麗事だと誰もが知っているでしょう。しかし、数年前の完治したハンセン氏病患者が根も葉もない理由で差別された事件とまったく同じ構図の拒否反応が宿泊施設で起こっているというのは実に悲しいことであります。多額の義捐金やさまざま寄付行為が盛んに報道されている裏側で、何が起こっているのかを冷静に知る必要がありそうです。莫大な金額の寄付も現地に入ってボランティア活動も出来ない身なればこそ、被災地の生産物も避難して来た人も温かく迎えて接して行きたいものであります。
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計画停電の後は計画的避難 其の弐

2011-04-12 14:00:46 | 社会問題・事件
東京電力の清水正孝社長(66)は11日、震災後初めて福島県を訪問し、福島第1原発の事故対応に当たっている関係者に謝意を伝えた。しかし、訪れたのは県庁内に政府が設置したオフサイトセンター(対策拠点)だけ。同県の佐藤雄平知事(63)とは会わなかった。謝罪を拒否されたと説明したが、同知事は「来ると聞いてない」と話すなど、食い違いも生じた。放射能のため、避難所生活している住民からは「福島に来たのになぜ謝罪に来ない」と怒りの声も広がった。…… 

■一説には勝俣会長というとてもエライ人の御指名で社長になったというのですから、清水社長という人の資質は何となく分かります。「資材調達とコスト削減」での実績が認められたと言われているようですが、「原発は安全だ!」の宣伝文句には「原発は安上がりだ!」という怪しい文言が必ず付いていたものでしたが、地球温暖化問題が出てからは不思議と耳にしなくなりましたなあ。それにしても、事故発生から1箇月、それが何の意味がある時間だというのでしょう?東京電力としては何かの記念日か節目に当たると思っているのでしょうか?まさか、事故の深刻度が世界一の「レベル7」になった記念に福島県を訪問したのではありますまいな?!


震災から1か月たち、めまいと高血圧のため入院していた清水社長が、やっと公の場に姿を見せた。記者会見では、何度も頭を下げ「大変申し訳ない気持ちでいっぱい」と繰り返し、午後2時46分に1分間の黙とうをささげた。だが、避難所で謝罪することもなく、そのまま東京へとんぼ返り。県職員からも「いまさら何しに来たんだ」と冷ややかな声がもれた。佐藤知事は県庁で職務中だったが、会わなかった。清水社長は「おわびするつもりでいたが、不在とのことなので(知事室前で秘書に)名刺だけ置いてきた」と説明。だが、そのわずか10分後の定例記者会見に臨んだ佐藤知事は、きょとんとした顔で「社長が来るとは聞いておりません」と話した。佐藤知事は3月22日に、社長からの謝罪申し入れを断ったことを明かしているが、今回は申し入れなしでの訪問だったようだ。震災から1か月に合わせての初訪問に、関係者や避難者からは「計算高い」「空気を読めないのか」などとの疑問の声が続出。これに対し、清水社長は「節目というのは大事だと思った」と釈明した。…… 

■「節目」とは何でしょう?1箇月という長い長い苦しい日々に耐えている人達にとって、何の節目になると言うのでしょう?東京電力の社内スケジュールにだけ「節目の訪問」が書き込まれていただけのことならば、余りにも酷い話であります。


放射線による農作物の被害を受けている農家や避難者たちが最も知りたいのは、事態収束の見通しだが、清水社長は「それは一刻も早くとしか言えない」と事故発生当時と同じセリフを繰り返すばかり。自身の進退については「(東電の)創業以来の危機。(事態を)収束することが私の責務だと思う」と否定した。36分間の記者会見では「対策拠点の訪問よりも、避難者への謝罪が先ではないか」との質問も飛び交ったが「それは近々に。調整する」と話すにとどめ、被災者を安心させるようなコメントは、最後まで出なかった。東電の広報担当は、11日夜の会見で、清水社長が直接、県民らに謝罪に出向かなかったことについて、「マスコミのぶら下がり取材、画面を通じて、おわびの気持ちを伝えさせていただいた」と釈明した。この日朝の時点で、福島に行っても、知事に面会できないことは分かっていたという。 

■最初から県知事に会わずに済むと踏んで現地に入ったのなら、この動機は相当に不純で悪質ですぞ。自分は超一流独占企業の社長だから、福島県のトップにしか会わないぞ!とでも思っているのか、放射性物質の汚染で生活の糧を失った農家や酪農家、風評被害で廃業に追い込まれそうな多くの人達に会わずに県庁から東京にとんぼ返り、社員が死闘を続けている原発にも素通り!まあ、こうした社長の行動が東京電力という会社の本性を余すところ無く晒しているのではありますが……。


「何で今さら」。福島第1原発事故で11日、政府が新たに「計画的避難区域」の対象にすると発表した福島県の飯舘村や葛尾村、浪江町の全域と川俣町と南相馬市の一部。住民らはこれまで高い放射線量の中で不安な生活を続けていた。避難の指示もなく「安全」と言い続けた政府が、事故から1カ月もたって出した、あいまいな指示。「国に裏切られた気分だ」。怒りと悲痛な声が上がった。1カ月をめどに避難するように求める計画的避難区域に指定された飯舘村。11日午後、村役場で開かれた説明会では住民から強い訴えが飛んだ。「補償はどうなるのか」「いつ戻ってこられるのか」……村内で働く女性(52)は「『大丈夫、大丈夫』と言いながら結局避難させるのか。これだけの地域が避難対象になったら、福島県はなくなってしまうのではないか」と政府の対応への不満を口にした。「計画的避難区域」と、屋内退避や自主的避難を求める「緊急時避難準備区域」の両方に一部が指定された福島県南相馬市は「情報を収集しているところ」と対応に追われた。……
2011年4月11日(月) 産経新聞 

■気象庁の予測データを隠し、放射線量の測定もしないまま機械的・事務的に地図上に同心円を描いて避難しろ!家から出るな!安全だ!と不正確で大雑把な事ばかり言い続けておいて、その杜撰な対応の後始末も検証も反省もしないまま30キロ圏外に「計画的避難区域」を設定するとは、菅アルイミ内閣は毎日毎日「会議」を開いては国民を不安に落としいれ混乱させる最悪の方法を練り上げたいるのか?!と思えてなりません。何の見通しも「計画」も持たない自らの罪と無能を自覚しないまま、これ以上「無計画」な対策を濫発するのは止めて頂けないでしょうか?出来れば菅アルイミ内閣の「計画的総辞職」を早く発表して貰えると助かります。
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計画停電の後は計画的避難 其の壱

2011-04-12 13:59:58 | 社会問題・事件
■停電する地域が不平等だ!停電の予告と中止で生殺しだ!など電気の利用者側からは「無」計画停電だと悪口を言われ放題だった計画停電が一旦は終了し、節電が国民的運動になり東京都知事選挙でも石原知事の口から「自動販売機とパチンコ止めろ!」の怒声が上がるほど電気の無駄遣いを見直す気運が高まっている中で、何としても大停電を回避するために電気使用量の総量規制や割り当て制が検討されているようですが、いよいよ猛暑の夏を迎える東京電力の縄張り内は暑さ対策の話題が沸騰中。独占企業としてぬるま湯に浸かっていた結果が大停電か利用者の節電か?の二者択一とは、何とも割り切れないものがありますなあ。

■些細な事ですが、テレビ朝日の某番組で石原都知事の聊か乱暴な節電提案発言から「パチンコ」部分を削除して放送していたようですが、あれは大事な大事なスポンサー様への気遣いだったのでしょうか?もしもそんな下種の勘ぐりが図星ならば、原子力発電の事故が発生して暫くの間、テレビを筆頭に大手マスコミの腰が引けていた後ろ暗さを思い出すような話であります。地震騒ぎで吹き消されてしまった機密費問題と記者クラブ制度の癒着問題を忘れず、政府・東電・保安院の恐るべき癒着の実態と重ねて怒り続けていた方が良いかも知れません。


チェルノブイリ原発事故と同等の「レベル7」に国際評価尺度が引き上げられた福島第1原発事故。「いまさら引き上げても」「何かが変わるわけでもない」。前日の政府方針で計画的避難区域に指定され、朝から避難の準備をしていた住民からは、怒りと不安の声が聞かれた。……飯舘村の会社員、長島光宏さん(26)は「いまさら引き上げても引き上げなくても、まだ事故は収まっていないし、村の放射線量は高いまま。その上、計画避難の話が持ち上がって非常に先が見えない状況に不安を感じる。いつになったら村で安全に住めるようになるのか」と不安を訴えた。無職、庄司開さん(61)は「安全だと言い続けてきて今度は想定外と言い続けている。はらわたが煮えくりかえる思いだ。この事故で何百万人もの人に迷惑をかけているのに、今さらごめんなさいでは済まない。2度目の爆発のときからものすごく大変なことになっているというのは分かっていたはず。村は振り回されているし、俺たちも相当被曝(ひばく)していると思う」と怒りをぶちまけた。…… 

■庄司さんが仰る通り、多くの国民は水素爆発後の映像を見た瞬間にチェルノブイリを思い出して、枝野官房長官の作文朗読会見を真面目に聞かなくなっていたはずです。スリーマイル島原発事故と同じくらいだと政府と大手マスコミが足並み揃えて一種の大キャンペーンみたいな金太郎飴報道を繰り重ねていた間でも、数が違う!規模が違う!深刻度が違う!と極度の違和感が視聴者・読者の間には広がっていたのではないでしょうか?「ただちに健康に影響を及ぼすレベルではない」という理解不能の決まり文句を繰り返す一方で、3キロ→5キロ→10キロ→20キロ→30キロと同心円が根拠不明のまま膨張し続けて行ったのでありました。まるでそこに人間の暮らしが無いかのように……。

■その中でも食料・水・薬・燃料の手当てもせずに「屋内避難」を指示する政府と、放射性物質で汚染された水を大量に海に流してからシルトフェンスを張る東京電力の遣り口は瓜二つでありますぞ!そして今回は保安院が最悪の「レベル7」と発表するのと同機するように政府は「計画的避難」を決定したというのも、両者が同じ穴の狢だと白状しているようなものでありましょう。


……飯舘村と同様に計画的避難区域に指定された県川俣町の主婦、佐藤寛子さん(38)は「チェルノブイリと同じレベルと聞いても、何が同じなのか分からず、ぴんとこない。政府はもっと丁寧に説明してほしい」と当惑気味に話した。福島市の観光関連会社社員、根本隆司さん(55)は「ショックです。世界中の人々が福島とチェルノブイリを同じ目で見るようになり、観光客が誰も来なくなったり、福島県人が差別されたりするのが心配」と不安げな表情を浮かべた。
2011年4月12日(火) 産経新聞 

■あの「チェルノブイリ」という地名と「フクシマ」が並び称されるようになるのか?!これは世界史が変わることを意味しましょうし、日本の歴史が激変すると同時に国際的な地位が急落して行くことになるでしょう。事故発生後の初動には原発行政と原発商売とのどす黒い癒着構造による自己保身に汲々としていた疑惑が日々濃くなっているのですから、日本を滅ぼそうとしている犯人を炙り出すのは難しくなさそうなのですが……。