■何事も正直であることは人として賞賛されるべきなのですが、事が深刻で正直になるのが遅すぎた場合は逆に罪深いことになるようであります。しかも見え透いたウソを混入させて誤魔化そうとすると「醜態」と悪口を言われることになります。
枝野幸男官房長官は25日午前の記者会見で、東京電力福島第1原発1号機への海水注入が菅直人首相の言動を受けて中断したとされる問題で、東電が海水注入の準備を政府側に事前に報告していたことを認めた。……3月12日午後6時から首相官邸で開かれた会議について「東電から『海水注入の準備をしているが時間がかかる』という報告を受けた」と指摘。さらに「それに先立って、経済産業省原子力安全・保安院にそのような趣旨の報告があったことは報告を受けている」とも述べた。……
■今でも菅アルイミ内閣の原発事故対応の初動段階での動きに関してましては多くが闇の中に隠されていますが、政府と東電との間で責任の擦り付け合いに決着がつかない内は誰にも真相は分からないのでしょうなあ。炉心溶融を認めるのに2箇月間もの時を要したのも、責任問題を棚上げして東京電力の存続が決めるのに、放射能汚染問題も被災者救済も横に置いて菅アルイミ首相の延命と政府内の調整に手間取ったからに違いない!全電源喪失に至った実態が判明したのも東電がメルトダウンを認めたのと同時なのですから、菅アルイミ首相と東電が腹の中では罵り合いながらも、結局は手に手を取って一緒に延命しましょうね、という話がまとまったのでしょう。しかし、補償問題を引き起こす大規模な放射能汚染を恐れてベント作業が遅れ、せっかく減価償却が終わった旧式のポンコツ原子炉で荒稼ぎできると皮算用していたのに「廃炉」に直結する海水の注入に躊躇している間に水素爆発を起こしてしまった舞台裏は絶対にうやむやにしてはなりませんぞ。
首相はこれまで、東電の海水注入について「報告が上がっていないものを『やめろ』『やめるな』と言うはずがない」と国会で答弁しており、矛盾が明らかになったといえる。枝野氏は、首相の言動について「まったく矛盾していない。首相は『実際に水を入れ始めた』という報告をまったく聞いていないということだ」と反論した。
2011年5月25日 産経ニュース
■「海水注入したらどうなるの?」「爆発するかもね」と原子力に凄く詳しい総理大臣と一体何に詳しいのかさっぱり分からない原子力委員会の委員長とが真意が分からない問答をしていたとか、首相がまた激怒して怒鳴り散らしているとの忖度情報が流出して原子炉が破裂するよりアルイミ首相に怒られて会社が潰されるのが怖いとて気を利かせて東電は注入を停止させたとか、いろいろと状況証拠から事実関係が垣間見えて来たようですが、弁護士上がりの枝野官房長官の見事な弁護が煙幕となって、またしても菅アルイミ首相は逃げ遂せると安心して用も無いのにフランスはパリに飛んで行ったそうな……。世界中のエネルギー戦略が大きく揺らぎ始めるほどの衝撃を与えた大事故の後始末も出来ないのに、これが同じ政党の政策なのか?!と世界中がきっと唖然とするようなエネルギー政策の大転換を白々しく国際会議の舞台でぶち上げるとかしないとか……。原発依存度を50%にするぞ!と大見得を切った前の首相は世界有数のウラン鉱石輸出国のカザフスタンを訪問していたのは先週の事でした。
■海水注入を「止めろ」と言ったのか言わなかったのか、野党第一党の党首と総理大臣が、そんな悲しい水掛け論を1時間以上も続けていたそうですが、枝野官房長官の「矛盾しない」という強弁弁護でも菅アルイミ内閣の危機管理能力の低さは隠蔽できそうもないようです。福島第1原発1号機への海水注入に関する経緯を確認しておきましょう。
「いよいよ検証の時期に入った。ここは覚悟を決めなければならない」細野豪志首相補佐官は22日のフジテレビ番組で、海水注入中断問題に関連してこう述べた。省庁幹部も「いかに官邸が情報を止め隠してきたか。全部国民に克明に明らかにすべきだ」と事故調に期待感を示す。21日の政府・東電統合対策室の記者会見などによると、東電が3月12日午後7時4分に1号機に海水注入を始めたという情報は、官邸には届かなかった。だが複数の政府高官が証言する。「首相が『聞いていない』と激怒した」。首相は海水注入が再臨界を引き起こす可能性があると知人に言われたようで、海水注入を主張する官僚を怒鳴りつけたという。首相の問題行動は、部下である官僚や政府組織を信用せず、安易に外部に「セカンドオピニオン」を求めることだ。
■橋洋一氏が何処かのテレビ番組で言っていましたが、官僚は常に「新しい情報」を上げるように訓練されているので、首相が聞く話は初耳であるのは当然なのだそうですなあ。いつも「俺は聞いてないぞ!」と怒鳴り散らしている菅アルイミ首相は官僚の仕事をご存じないまま総理大臣になってしまったのかも知れませんなあ。アルイミ首相が聞きたいのはゴマすり御追従とウソでもいいから褒め言葉だけなのでしょう。これまでの敬意から誰も褒めてはくれませんから、それも人情としては理解出来るのですが……。
「首相が再臨界について心配していたのは事実だ」細野氏は22日の番組でこう認めた。細野氏らは首相が直接指示して、海水注水を中断させたとの見方は否定するが、首相の言動が東電側に「首相の意向」として伝わった可能性がある。「首相が誰かから『海水にホウ酸を入れてもしようがない。むしろ有害だ』と聞いた。原子力安全・保安院も東電も『ホウ酸が必要』と訴えたが…」と官邸筋は語る。結果的に3月12日午後7時4分の海水注入時や、同8時20分の注入再開の際には、中性子を吸収し再臨界防止に有効な「ホウ酸」は投入されなかった。首相が外部の声に頼り判断を遅らせたとの疑惑は絶えない。……
■会議や本部を20以上も立ち上げて「情報」を混乱させて指揮系統を混乱させ、学者をぞろぞろと参与に引き立てて官邸内に百家争鳴状態を作り出し「判断」を自ら遅らせる工夫を一所懸命にやっていた菅アルイミ首相の本心は、絶対に責任は負わない!というリーダーとしてはあるまじき姑息な自己保身だったことは衆知の事実となっております。
……東電の清水正孝社長は5月2日の参院予算委員会で、3月12日の海水注入指示の時間を「真水停止(午後2時53分)の前」と証言。この日は官邸に東電幹部もいた。首相が本当に海水注入を知らなかったとしたら、初動時に、首相がほとんど状況把握できていなかったことになる。首相は、3月15日に自衛隊による空中放水の検討を指示する際の打ち合わせでも外部意見にこだわった。首相「ところでホウ酸は粉末で入れるのか液化して投入するのか」
事務方「…」首相「答えられないのか。俺の知っている東工大(首相の母校)の教授と議論してから来い」……
2011年5月23日 産経ニュース
■「政治主導」を掲げて自分で作った奇怪な官邸システムが見事に機能不全を起こして情報は錯綜し、首相は首相で苛立ちを隠そうともせずに怒鳴り散らして八つ当たり、最後は誰も情報を持って来なくなる。東電本社に乗り込んだり、フクシマ第一原発に自衛隊ヘリで飛んで行ったりしたのも官邸が頭脳として機能しなくなっていたからでしょう。全力と万全を常套句にしている菅アルイミ首相の顔を見るたびに「無力の全力」「無策の万全」と一人呟いてしまいます。嗚呼
枝野幸男官房長官は25日午前の記者会見で、東京電力福島第1原発1号機への海水注入が菅直人首相の言動を受けて中断したとされる問題で、東電が海水注入の準備を政府側に事前に報告していたことを認めた。……3月12日午後6時から首相官邸で開かれた会議について「東電から『海水注入の準備をしているが時間がかかる』という報告を受けた」と指摘。さらに「それに先立って、経済産業省原子力安全・保安院にそのような趣旨の報告があったことは報告を受けている」とも述べた。……
■今でも菅アルイミ内閣の原発事故対応の初動段階での動きに関してましては多くが闇の中に隠されていますが、政府と東電との間で責任の擦り付け合いに決着がつかない内は誰にも真相は分からないのでしょうなあ。炉心溶融を認めるのに2箇月間もの時を要したのも、責任問題を棚上げして東京電力の存続が決めるのに、放射能汚染問題も被災者救済も横に置いて菅アルイミ首相の延命と政府内の調整に手間取ったからに違いない!全電源喪失に至った実態が判明したのも東電がメルトダウンを認めたのと同時なのですから、菅アルイミ首相と東電が腹の中では罵り合いながらも、結局は手に手を取って一緒に延命しましょうね、という話がまとまったのでしょう。しかし、補償問題を引き起こす大規模な放射能汚染を恐れてベント作業が遅れ、せっかく減価償却が終わった旧式のポンコツ原子炉で荒稼ぎできると皮算用していたのに「廃炉」に直結する海水の注入に躊躇している間に水素爆発を起こしてしまった舞台裏は絶対にうやむやにしてはなりませんぞ。
首相はこれまで、東電の海水注入について「報告が上がっていないものを『やめろ』『やめるな』と言うはずがない」と国会で答弁しており、矛盾が明らかになったといえる。枝野氏は、首相の言動について「まったく矛盾していない。首相は『実際に水を入れ始めた』という報告をまったく聞いていないということだ」と反論した。
2011年5月25日 産経ニュース
■「海水注入したらどうなるの?」「爆発するかもね」と原子力に凄く詳しい総理大臣と一体何に詳しいのかさっぱり分からない原子力委員会の委員長とが真意が分からない問答をしていたとか、首相がまた激怒して怒鳴り散らしているとの忖度情報が流出して原子炉が破裂するよりアルイミ首相に怒られて会社が潰されるのが怖いとて気を利かせて東電は注入を停止させたとか、いろいろと状況証拠から事実関係が垣間見えて来たようですが、弁護士上がりの枝野官房長官の見事な弁護が煙幕となって、またしても菅アルイミ首相は逃げ遂せると安心して用も無いのにフランスはパリに飛んで行ったそうな……。世界中のエネルギー戦略が大きく揺らぎ始めるほどの衝撃を与えた大事故の後始末も出来ないのに、これが同じ政党の政策なのか?!と世界中がきっと唖然とするようなエネルギー政策の大転換を白々しく国際会議の舞台でぶち上げるとかしないとか……。原発依存度を50%にするぞ!と大見得を切った前の首相は世界有数のウラン鉱石輸出国のカザフスタンを訪問していたのは先週の事でした。
■海水注入を「止めろ」と言ったのか言わなかったのか、野党第一党の党首と総理大臣が、そんな悲しい水掛け論を1時間以上も続けていたそうですが、枝野官房長官の「矛盾しない」という強弁弁護でも菅アルイミ内閣の危機管理能力の低さは隠蔽できそうもないようです。福島第1原発1号機への海水注入に関する経緯を確認しておきましょう。
「いよいよ検証の時期に入った。ここは覚悟を決めなければならない」細野豪志首相補佐官は22日のフジテレビ番組で、海水注入中断問題に関連してこう述べた。省庁幹部も「いかに官邸が情報を止め隠してきたか。全部国民に克明に明らかにすべきだ」と事故調に期待感を示す。21日の政府・東電統合対策室の記者会見などによると、東電が3月12日午後7時4分に1号機に海水注入を始めたという情報は、官邸には届かなかった。だが複数の政府高官が証言する。「首相が『聞いていない』と激怒した」。首相は海水注入が再臨界を引き起こす可能性があると知人に言われたようで、海水注入を主張する官僚を怒鳴りつけたという。首相の問題行動は、部下である官僚や政府組織を信用せず、安易に外部に「セカンドオピニオン」を求めることだ。
■橋洋一氏が何処かのテレビ番組で言っていましたが、官僚は常に「新しい情報」を上げるように訓練されているので、首相が聞く話は初耳であるのは当然なのだそうですなあ。いつも「俺は聞いてないぞ!」と怒鳴り散らしている菅アルイミ首相は官僚の仕事をご存じないまま総理大臣になってしまったのかも知れませんなあ。アルイミ首相が聞きたいのはゴマすり御追従とウソでもいいから褒め言葉だけなのでしょう。これまでの敬意から誰も褒めてはくれませんから、それも人情としては理解出来るのですが……。
「首相が再臨界について心配していたのは事実だ」細野氏は22日の番組でこう認めた。細野氏らは首相が直接指示して、海水注水を中断させたとの見方は否定するが、首相の言動が東電側に「首相の意向」として伝わった可能性がある。「首相が誰かから『海水にホウ酸を入れてもしようがない。むしろ有害だ』と聞いた。原子力安全・保安院も東電も『ホウ酸が必要』と訴えたが…」と官邸筋は語る。結果的に3月12日午後7時4分の海水注入時や、同8時20分の注入再開の際には、中性子を吸収し再臨界防止に有効な「ホウ酸」は投入されなかった。首相が外部の声に頼り判断を遅らせたとの疑惑は絶えない。……
■会議や本部を20以上も立ち上げて「情報」を混乱させて指揮系統を混乱させ、学者をぞろぞろと参与に引き立てて官邸内に百家争鳴状態を作り出し「判断」を自ら遅らせる工夫を一所懸命にやっていた菅アルイミ首相の本心は、絶対に責任は負わない!というリーダーとしてはあるまじき姑息な自己保身だったことは衆知の事実となっております。
……東電の清水正孝社長は5月2日の参院予算委員会で、3月12日の海水注入指示の時間を「真水停止(午後2時53分)の前」と証言。この日は官邸に東電幹部もいた。首相が本当に海水注入を知らなかったとしたら、初動時に、首相がほとんど状況把握できていなかったことになる。首相は、3月15日に自衛隊による空中放水の検討を指示する際の打ち合わせでも外部意見にこだわった。首相「ところでホウ酸は粉末で入れるのか液化して投入するのか」
事務方「…」首相「答えられないのか。俺の知っている東工大(首相の母校)の教授と議論してから来い」……
2011年5月23日 産経ニュース
■「政治主導」を掲げて自分で作った奇怪な官邸システムが見事に機能不全を起こして情報は錯綜し、首相は首相で苛立ちを隠そうともせずに怒鳴り散らして八つ当たり、最後は誰も情報を持って来なくなる。東電本社に乗り込んだり、フクシマ第一原発に自衛隊ヘリで飛んで行ったりしたのも官邸が頭脳として機能しなくなっていたからでしょう。全力と万全を常套句にしている菅アルイミ首相の顔を見るたびに「無力の全力」「無策の万全」と一人呟いてしまいます。嗚呼