■最後にチャイナの脅威を日々感じている国の中から、インドの報道を見てみましょう。ベトナムなどからは、怒りのこもった落胆の声が上がっているようですが……。
日本が中国人船長を釈放したことについて、インドでも「日本は中国に屈した」との見方が広がっている。また、中国との間で国境問題を抱えるインドにとって、漁船衝突事件での中国の出方は、“中国脅威論”を改めて裏付ける材料の一つと受け止められている。25日付のヒンドゥスタン・タイムズ紙は社説で、日本が船長を逮捕したことに対する中国の反応を、「狂乱に近い」と表現。その上で、「将来の大国(中国)の成熟度は、急成長する力とは反比例しているとの感触をさらに強くさせた」とみる。そして、中国があまりにも多くの国と対立していることから、世界の安定に対する中国の姿勢の見極めが必要になると指摘する。
■本当なら「狂乱」状態の人物を遭遇した場合は、さっと身を引いて災厄に巻き込まれないようにするものですが、既に貿易関係の比率が……とか、経済依存度が……、などの畑違いの御託宣が先行して、通り魔か薬物中毒のヤクザみたいな相手を前にして「立ち止まって我慢しろ!」と言っているのも同然の意見を述べる人を多く見かけるのはどうしてでしょう?
■最新の工業技術には欠かせない希土類の9割を一国に依存していた事実にも驚かされましたが、その輸入相手がチャイナだったと知って仰天した人もいたのではないでしょうか?そして、何となく竹島を譲ってしまっている日本の外交姿勢を知っている人は、尖閣だけは死守する覚悟など最初から日本政府に無いと思っていたでしょう。政権交代して誕生した新政権が日米関係を破壊しても構わないと考えている首相と、大訪中団を率いて写真撮影会に感激する幹事長が実権を握るような政府になるとは予想もしなかった人も多いことでしょう。
■政権交代を好機として国民も時代の節目を客観的に見詰める努力を始めるべきなのかも知れません。自民党よりはマシかと思った民主党政権がもっと悪かったのは国民として不幸なことではありますが、これから急いで経験を積んで「学べば、学ぶほど」少しずつマトモな綱領を持つ普通の政党になるかも知れませんし、政権与党を経験したことでアホらしくなって民主党を飛び出す有能な?政治家が増えるかも知れませんので、解散総選挙を待ちながら誰が何を言い、何をするかを注視していましょう。
中国が強硬な姿勢を強めていることについて、ジャワハルラル・ネール大のG・V・ナイドゥ教授は、「インドの国益も脅かされかねない」との認識が改めて明確になったと指摘。その上で、「日本やその周辺国と連携して、中国を除いて、個々の地域的な政策を全体の政策に発展させることが、インドにとっても長期的な利益につながる」と主張する。
2010年9月25日 産経ニュース
■カースト制度という問題を抱えているインドですが、ガンジーやチャンドラ・ボース、そしてパル判事など「先の大戦」を見直す絶好の教材になる人物を排出した国でもありますから、「中国を除いて」という新たな視点で日本も戦略を練り直してみるのも、よい訓練になるかも知れませんなあ。
■まだまだ、尖閣衝突事件の余波はあちこちに火種をばら撒き続けるでしょうが、このシリーズはこの辺で終了としましょう。
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雲来末・風来末(うんらいまつふうらいまつ) テツガク的旅行記
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日本が中国人船長を釈放したことについて、インドでも「日本は中国に屈した」との見方が広がっている。また、中国との間で国境問題を抱えるインドにとって、漁船衝突事件での中国の出方は、“中国脅威論”を改めて裏付ける材料の一つと受け止められている。25日付のヒンドゥスタン・タイムズ紙は社説で、日本が船長を逮捕したことに対する中国の反応を、「狂乱に近い」と表現。その上で、「将来の大国(中国)の成熟度は、急成長する力とは反比例しているとの感触をさらに強くさせた」とみる。そして、中国があまりにも多くの国と対立していることから、世界の安定に対する中国の姿勢の見極めが必要になると指摘する。
■本当なら「狂乱」状態の人物を遭遇した場合は、さっと身を引いて災厄に巻き込まれないようにするものですが、既に貿易関係の比率が……とか、経済依存度が……、などの畑違いの御託宣が先行して、通り魔か薬物中毒のヤクザみたいな相手を前にして「立ち止まって我慢しろ!」と言っているのも同然の意見を述べる人を多く見かけるのはどうしてでしょう?
■最新の工業技術には欠かせない希土類の9割を一国に依存していた事実にも驚かされましたが、その輸入相手がチャイナだったと知って仰天した人もいたのではないでしょうか?そして、何となく竹島を譲ってしまっている日本の外交姿勢を知っている人は、尖閣だけは死守する覚悟など最初から日本政府に無いと思っていたでしょう。政権交代して誕生した新政権が日米関係を破壊しても構わないと考えている首相と、大訪中団を率いて写真撮影会に感激する幹事長が実権を握るような政府になるとは予想もしなかった人も多いことでしょう。
■政権交代を好機として国民も時代の節目を客観的に見詰める努力を始めるべきなのかも知れません。自民党よりはマシかと思った民主党政権がもっと悪かったのは国民として不幸なことではありますが、これから急いで経験を積んで「学べば、学ぶほど」少しずつマトモな綱領を持つ普通の政党になるかも知れませんし、政権与党を経験したことでアホらしくなって民主党を飛び出す有能な?政治家が増えるかも知れませんので、解散総選挙を待ちながら誰が何を言い、何をするかを注視していましょう。
中国が強硬な姿勢を強めていることについて、ジャワハルラル・ネール大のG・V・ナイドゥ教授は、「インドの国益も脅かされかねない」との認識が改めて明確になったと指摘。その上で、「日本やその周辺国と連携して、中国を除いて、個々の地域的な政策を全体の政策に発展させることが、インドにとっても長期的な利益につながる」と主張する。
2010年9月25日 産経ニュース
■カースト制度という問題を抱えているインドですが、ガンジーやチャンドラ・ボース、そしてパル判事など「先の大戦」を見直す絶好の教材になる人物を排出した国でもありますから、「中国を除いて」という新たな視点で日本も戦略を練り直してみるのも、よい訓練になるかも知れませんなあ。
■まだまだ、尖閣衝突事件の余波はあちこちに火種をばら撒き続けるでしょうが、このシリーズはこの辺で終了としましょう。
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