旅限無(りょげむ)

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世界も我が身も食い尽くす 其の壱拾四

2006-04-30 23:39:32 | 外交・情勢(アジア)
■沿岸部からちょっと奥に入ればまともに電気も通っていない地域が広がっている13億人の生活ですから、全土で使っているエネルギーの総計は先進国に比べれば小さな数値になるのは当たり前なのです。しかし、それでも広大な国土に散らばる都市だけでも電気・ガス・水道の社会インフラを整えて維持し、自家用車も急増して行くと予想されるので、もしも、「自給率90%」を維持したとしても、輸入する「10%」は恐るべき数量となるでしょうなあ。今は宇宙空間のスペースシャトルから見下ろせば、チャイナの夜は小さな星のように幾つかの大都市が点々と光っているだけですが、これが帯状に広がり、何箇所かが面となって煌々と輝き始める時、世界中のエネルギーを掻き集めても間に合わないのではないでしょうか?

…「石炭資源も豊富で、水力発電はこれまでの3倍以上の規模の開発が可能。原子力発電が発電量全体に占める割合も2%以下にとどまっている」「今後も大規模なエネルギー開発が可能だ」などと説明。海外からの資源輸入が急増していることをめぐって高まっている批判をかわした。その上で、「経済の発展方式を転換させ、資源を節約し、環境を大事にする社会を築いていく」との意気込みを示した。サーチナ・中国情報局 - 4月20日

■「三峡ダム」の大工事は有名ですが、エジプトのアスワン・ハイダムの建設と同じように、下流の農地が砂漠化したり水不足と水質汚染が広まる危険性が高いと心配されています。黄河も長江も、ダム建設に適した場所は遥かに西の奥地だけですから、そんな場所にダムを並べても沿岸部が必要とする電気を供給するには、膨大な送電設備が必要ですし、長距離の送電では避けられないエネルギー・ロスを考えれば、気が遠くなるようなコストが掛かりそうです。どう考えても世界一の原発大国にならざるを得ないでしょうから、米国のメーカーは涎を垂らして注文を取ろうと蠢いているそうですなあ。

■一体、どんな未来を胡錦涛さんは描いているのやら、皆目、見当も付きませんが、ちょっとしたヒントになるような記事を見つけました。


中国マクドナルドは2006年4月から都市部にある店舗の営業時間を24時間に延長した。……客足は鈍く、関係者の中から「24時間営業は維持できない」との声も聞こえる。中国ではライフスタイルの多様化などを背景に24時間営業の店が徐々に増えている。しかし天津市内のマクドナルド店舗の例では、深夜に来客数が店員よりも少ない時があり、店は閑古鳥が鳴いている……中国で最初の24時間営業の書店「思考楽書店・浦東店」が上海市に03年3月にオープン……店舗面積は5000平方メートルで、内装は木目調のおしゃれなつくり。ベンチやカフェが用意され、深夜でもリラックスして本を選ぶことができるような環境だった。開店当初は午前0時から午前6時までに約100人の客が訪れ、特にバレンタインデーには、80席あるカフェが満席……サイン会や音楽会を行って集客に力を入れた。同書店の何根祥・総経理は「浦東地区はサラリーマンの集まる場所。昼間は忙しいので書店に行けないという人も多い。夜遊びが好きな若者もやってくるだろう」と自信ありげだった。しかし05年3月で閉店を余儀なくされた。

■簡単に開店しては短期間の内に誰も居なくなる。そんな事が繰り返されるのを誰も不思議にも思いません。どんな経営戦略や市場調査をしたのか素人目にも不安になるような場所に、まったく場違いな店が突然開店しますが、客が少ないなあ、と通り掛かるたびに心配している間も、特に改善策を試みるわけでもなく、案外、あっさりと撤退するようです。開店資金を金融機関から借りていた場合、大変な事になるのではないか?と心配していたものです。最貧地域ならば、安普請の小さな店ですから踏み倒して夜逃げされても、銀行が傾くような事は無いでしょうが、それでも数が多くなれば取り付け騒ぎが起こるでしょう。そして、地価の高い大都市の事業となれば、借入金は莫大なものになるはずです。


上海銀行や交通銀行などから借りた返済不能のカネは少なくとも5000万元に達したとの情報もある。夜間の収入は全体のわずか10%を占めるに過ぎなかった。年間の売上高は1200万元だったが、家賃が450万元もかかっていた。何・総経理は「家賃の売上高に対する損益分岐点は12%だったが、実際には32%にも達して重荷だった」などとコメントした。

■度胸が良いと言うべきか、向こう見ずと言うべきか、表現に迷いますが、博打のように事業を起こしては破産することの繰り返しでは、銀行は立ち行くはずは有りません。現地の噂によると、莫大な情実融資が焦げ付いて破綻の危機に追い込まれている銀行が沢山有るのだそうです。損失補てんやら公金注入やら、まともな報道機関が無いチャイナでは、金融機関のスキャンダルが表沙汰になる事は無いようです。ハンバーガー・ショップの物真似くらいなら可愛いものですが、自国の治安状況を考えずにATMを平気で設置している銀行が増えています。勿論、日本で荒稼ぎしている建設現場から盗んだ重機を利用した凶暴な窃盗が標的にするようなヤワな設置状況ではないので、そう簡単に強奪は出来そうも有りませんが、やる時にはやってしまう思い切りの良さが、あの国の泥棒には有りますからなあ。


スーパーマーケットでも24時間営業へ向けた挑戦が続いた。タイ大手のロータス(LOTUS)は上海市の浦東地区にある楊高南路店で05年9月中旬から24時間化を実施した。中国の大規模スーパーマーケットでは初めての試みとなった。当初は客の入りも多く、05年9月27日付の上海商報は「売り場には昼間と変わらないくらい客が来ている」と紹介。6つあるレジの前にも長蛇の列ができていたという。売上が好調だったのは飴や点心類。鮮魚は不調で24時間化開始から2日間で1匹も売れず営業を中止した。夜間の売上高は24時間化導入から2日間でも1日当たり約1万元に達するのがせいぜいで、昼間の20万-30万元と比べると少なさが一目瞭然だ。ネックとなったのは、買い物に来る交通手段が限られていたこと。最終のバスは23時頃でなくなってしまい、夜間の無料送迎サービスも実施されなかった。従業員数を昼間の3分の1程度に減らして営業したが万引きが続出。24時間営業の初日だけで万引きで16人が捕まった。

■夜中も明るい照明を点けて商品を無防備に陳列していれば、明かりに吸い寄せられる蛾のように泥棒が集まるのは当たり前ですし、交通手段が整っていても、夜中に大量の商品を持ってよたよた歩いていたら、家まで無事で着ける保証など有りません。


24時間化開始から数カ月間は黒字も赤字もほぼ同じという状態で推移したが、7カ月後には24時間化が中止となり、営業時間は22時30分までに戻った。午前0時を過ぎると客足がほとんどない状態だった。ロータスでは上海市にある系列のスーパーマーケット13店でも05年1月1日から24時間化を実施したが、1カ月も持たずして24時までの営業へと短縮された。だが24時間化への参入は続いている。北京市の朝陽区に05年9月、24時間営業の画廊ストリートがオープンした。画廊18店が参加し、長さは1キロメートルに達する。ガードマンを24時間常駐させ、防犯システムを近くの派出所と結ぶなど盗難対策に力を入れている。また広州市では化粧品販売の専門店が05年10月から24時間営業を開始した。

■根本的に大きな間違いを犯しているとしか思えない無謀な計画があちこちで進められている様子が分かります。日本や米国で修行した自称コンサルタントが暗躍しているのではないでしょうか?


このように中国では24時間営業に向けた試みが進められている。しかし書店やスーパーマーケットがいずれも「近未来都市」ともいうべき上海市の浦東地区で失敗に終わった。一方、24時間営業のコンビニエンスストアは成功事例が多い。天津市のケースでは店舗面積を100平方メートルとすると初期投資額が25万元程度で済むという。売上総利益率が25%に達するところもあり、3年で初期投資が回収可能だとされる。書店やスーパーマーケットの試みはコンビニエンスストアの成功に触発されたものと考えられるが、消費者からは受け入れられなかった。…サーチナ・中国情報局 - 4月20日

■治安の問題、金融機関の闇、そこにエネルギー問題まで絡んで来ますから、近代化が進むチャイナの表面に目を奪われていると、トンデモない事になりますぞ!一般家庭の驚くほどに頑丈な玄関ドアと複数の錠前、平屋となれば高い塀とその上に植え込んだ尖ったガラス片、元々、客が商品に手を触れないように配置されていた店舗、それらを考えれば、コンビニ店の暗い将来も簡単に予想できそうです。巨大な冷蔵・冷凍庫や豪華な照明に掛かるエネルギーを、どうやって賄う心算なのか……。

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世界も我が身も食い尽くす 其の壱拾参

2006-04-30 23:39:00 | 外交・情勢(アジア)
■再び胡錦涛さんの外遊に話題が戻ります。

中国の胡錦涛・国家主席は24日、モロッコに到着、モハメッド6世国王と会談した。中国製品の市場開拓が狙いとみられる。25日付で新華社などが伝えた。胡・国家主席は、中国とモロッコの国交樹立以来48年間、両国が交流を深め、経済・貿易面での協力関係を強化してきたことを強調。モロッコが「一つの中国」政策を取っていることを高く評価した。……両国は新しい発展時期に突入しているとして、友好的な協力関係をさらに発展させるために以下3点を提唱。
 1.両国政府や政党間の交流を深め、両国の友好的な協力関係を全面的に推進する。 
 2.貿易規模を拡大し、科学技術や通信、農業、エネルギー資源の開発、工事請負、人材の育成などで協力を強化、両国間の企業の相互投資を奨励する。
 3.教育や文化、衛生、観光などの分野における協力関係を強化し、芸術フェアや展覧会といったイベントをこれまで以上に増やすことで、民間交流を促進する。

■何とも軽いフットワークで動き回ったものです。「国交樹立48年」などと言う切りの悪い中途半端な時期に、有力な石油資源が有るわけでもないモロッコに何しに行ったのか?と訝(いぶか)しんでいると、この記事はちゃんと謎解きをしてくれていました。


それに対してモハメッド6世は、「中国の長期にわたるモロッコへの支援に感謝の意を表明するとともに、中国の経済、社会発展による成果を高く評価する」と述べた。その上で、胡・国家主席が提唱した3点に賛同し、モロッコ側は漁業や観光、文化、インフラ整備などについても中国側と協力していきたいとの見解を示した。2005年における中国とモロッコ間の貿易額は前年比約28%増の14.84億ドル。01-05年における貿易額の伸び率は年間平均で35%に達した。近年、ハイテク製品や機械設備などが中国からモロッコに大量に輸出されている。また中国企業のモロッコでの投資が急増。03-05年に中国企業はモロッコの鉄道や水利施設の建設といった分野で2.9億ドルの工事請負契約を結んだ。モロッコはインフラ整備への投資を強化しており、今後中国企業に大きなビジネスチャンスが到来するとみられる。サーチナ・中国情報局 - 4月25日

■各方面から集まる経済援助にちゃっかり便乗して少ないながらも根気強い援助を続けておいて、しっかり自国製品を売り込み、大規模な土木工事まで受注しているのですなあ。日本や台湾から輸入した部品を組み込んで作ったコンピュータを安値で売り捌く商売で、着々とイスラム圏に影響力を強めているのですなあ。モロッコは欧州と目と鼻の先の場所に有る国ですから、これからも欧州やアフリカ諸国を歴訪する時に、ちょっと立ち寄るには誠に便利な場所ですなあ。アフリカ歴訪の前に訪れた米国で胡錦涛さんが切って見せた啖呵を確認して終わりにしましょう。


…胡錦涛・国家主席はワシントン州・シアトル市で企業代表などと会食に臨み、「中国はエネルギーの生産大国で、自給率は90%を超えている」などと述べた。原油価格の高騰などの原因がエネルギーを浪費する中国にあるという指摘に反論したものと思われる。20日付で中国新聞社が伝えた。……「中国では経済発展に伴って、エネルギー需要も増大している。しかし中国はエネルギー生産大国でもある」「エネルギー自給率は90%を超えており、石油について中国人1人当たりの消費量は米国人の8分の1だ」と主張した。

世界も我が身も食い尽くす 其の壱拾弐

2006-04-30 23:38:04 | 外交・情勢(アジア)
■韓国が熱心に占領を続けている竹島に調査船を出すの出さないのと空騒ぎが起きましたが、喉元過ぎれば誰もが忘れて太平楽の春の日々に戻りましたが、日本の領海は北から南までぐるりと紛争問題に取り囲まれている事を忘れては行けません。胡錦涛さんが米国を訪問する直前には、20日間も外務省が放置していた中国外交部から一方的に突きつけられたトンデモない通知書が問題になりました。尖閣諸島周辺に日本側がまったく接近できなくなるような内容だったのですが、確認を取ったら経度と緯度の数値が入れ替わっていただけの事で、珍しく中国側が素直に謝罪?訂正して一件落着したのですが、何だか柔軟な外交姿勢を米国に示す材料にされたような具合で、強硬姿勢で臨む予定だったブッシュ大統領の邪魔をしたような事になりましたなあ。

日本最南端の領土である沖ノ鳥島の水没を防ごうという「サンゴ増養殖技術検討委員会」が18日、東京都内で会合を開いた。これに対して25日付の新華社は他メディアを引用し、「なぜ日本はサンゴ礁を島にしようとしているのか」と題して日本側の動向や中国側の主張を詳しく報じた。沖ノ鳥島は海水による侵食が進み、水没する可能性が高いとされる。「サンゴ増養殖技術検討委員会」は水産庁が設置した専門家による委員会で、沖ノ鳥島の周囲のサンゴを増やすことで侵食を食い止めることを検討している。新華社の記事では「沖ノ鳥島」を「沖ノ鳥礁」と表現し、東京から南西に1740キロメートルの海域にあるサンゴ礁帯だと紹介。満潮時には水面からの高さがわずか70センチメートル程度になってしまい、面積が10平方メートル足らずの2つの岩礁があるだけと伝えている。

■戦前には領土意識が割りとはっきりしていた日本でしたが、それが戦後の国境線交渉の相手が、太平洋を挟んだ遠い米国だった事もあり、少々乱雑な議論も有ったようです。ソ連との交渉はお話にならないくらいにめちゃくちゃでしたが、米国も所詮は他人事なので厳密に境界線を規定しようとする気が無かったような印象が有ります。竹島を勝手に取り込んだ李承晩ラインが飛び出して来るくらいですから、本当は腰を据えてソ連、韓国、中華人民共和国と交渉を重ねなければならなかったのですが、相手の事情も有った上に、どうも日本の外交は本分を忘れているような「仲良し話」専門になってしまいました。その後の「200海里」時代、新・海洋法時代へと時が移る中で、気が付いたら沖ノ鳥島が波風で随分と浸食されているのを放置していた事に気が付いて慌てて護岸工事をしたのでした。


さらに「1987年からは285億円を投じて護岸工事を行うなど、日本は沖ノ鳥礁を拡張する工事を継続してきた」と説明。東京都小笠原村の管轄内であることや日本最南端の島であることを示す碑が立っていることも報じている。また「周辺海域ではカツオ、マグロ、イカなどの水産資源が豊富で、海底にはマンガン資源がある」などとし、「日本の狙いは200キロメートル内の周辺海域を自らの排他的経済水域(EEZ)に取り込むためだ」と論じている。記事では今回の検討委員会について、周辺海域でサンゴの卵20万-30万個を採取し培養したあと、07年夏ごろに海域に戻すことを承認したとも付け加えている。その上で「中国政府は一貫して友好的な話し合いを通じてこの問題を処理しようと求めてきた」「日本も責任ある政治大国として、客観的かつ公正な態度で問題に対応してほしい」と主張している。なお、沖ノ鳥島をめぐり台湾側も5月の漁業交渉を前に「島ではない」などとの見解を示している。
サーチナ・中国情報局 - 4月25日

■領土が話題になってしまえば「友好」などは後ろに引っ込んでしまうのが近代国家の流儀です。さすがに文字通りの絶海の孤島である上に、日本政府が大規模な工事をした後ですから、強引に上陸して見せる愚か者も居ないようですが、「島じゃない」とねちねちと言われ続けるのを放置していると、国際会議のメンバーに対する根回しが進んで日本政府がバカを見ることも心配しておかねばなりません。現実に、竹島には日本国旗を掲げた調査船が近づけなくなるのに大した時間は掛からなかったのですからなあ。東京都知事の石原慎太郎さんはテレビ局のカメラを引き連れて沖の鳥島に上陸して見せましたが、竹島で漁民が大変な苦労していた島根県を地盤としていた故・竹下元総理大臣は何をしていたのでしょう?後を継いでいる青木さんも、別に目立った発言もしないようですなあ。選挙民が住んでいない島は、多くの政治家にとっては価値が無いのでしょうか?

世界も我が身も食い尽くす 其の壱拾壱

2006-04-30 23:37:23 | 外交・情勢(アジア)
■悪い冗談の一つだと思っていた「世界の工場」というホラ話も、少しずつ大きくなっているようです。

中国の民間自動車メーカーである奇瑞汽車(チェリー)は24日、ロシアのカリーニングラード州で自社ブランド車をラインオフしたことを発表した。まもなくロシア市場に投入される見通し。26日付で新華社が伝えた。今回ラインオフされた自社ブランド車は、奇瑞汽車の部品と技術を用いてアフトトル社で組み立てられたもの。2006年に1.5万台を組み立てる計画だ。駐ロシア中国大使館の大使館参事官である王俊文氏は、奇瑞汽車のロシアでの自社ブランド車ラインオフについて、「中露両国の自動車分野における全面的な協力が始まったことを意味する。両国間の経済・貿易関係は更に発展していくだろう」との見方を示した。

■日本からの技術移転と、怪しげなデッド・コピー同然の自動車ですから、売り付ける相手は限定されるのでしょうが、かつての米ソ冷戦を演じた旧ソ連は戦車や装甲車を大量に作ったのに、外国に売れる自動車もオートバイも生産しなかったのです。ロシア人自身がその理由が分からないと当惑しているのですから、民生品を改良したり開発する心が欠けているとしか思えません。メイド・イン・チャイナの自動車を買わされる方も売る方も、あまり輝かしい未来を見る事はないような気がしますなあ。日本と韓国から、合法・非合法取り混ぜて輸入された中古車が道に溢れているロシアですから、ぴかぴかの新車がどれほど売れるのやら……。


奇瑞汽車国際公司の張林・総経理は、「奇瑞汽車とアフトトル社は提携交渉からラインオフまでを6カ月以内で完了し、非常に効率の良い協力関係を構築した。両社は今後、更に提携を強化していく」と述べた。アフトトル社は、「中国のパートナーは柔軟で実務的であり信用を守る。製品の品質も高く競争力もある」と高く評価している。

■「柔軟」で「実務的」で「信用」を守って、製品も良い品質で競争力が有るとは、一体、何処の話なのだろう?と首を傾げてしまいますなあ。そんな商売も製品も見た事がないロシアの会社だからこそ口に出来る思い切った台詞のような気がします。


近年、中国では国内自動車メーカーの海外進出が加速している。特に欧米市場への進出に意欲を示しており、奇瑞汽車は米国に合弁会社を設立し、07年には25万台を米国市場に輸出する計画。フランクフルトやデトロイトでのモーターショーに出展して話題を呼んだ吉利汽車も、08年に米国市場に進出することを明らかにしている。サーチナ・中国情報局 - 4月26日

■サンヨー電機と提携したハイアール社の家電製品も、連想コンピュータも、何だか尻すぼみ状態のようですが、米国に自動車を売り込むというのは、世間知らずと言うべきか、夜郎自大と言うべきか、万一売れ行き不振になったからと言って、民族差別やら「正しい歴史認識」などを持ち出して因縁を付けるような事は止めて欲しいものです。家電製品でも自動車でも、重要な部品は全て輸入に頼って組み立てと販売だけで稼いでいる段階なのですから、余り無理をしない方が良いでしょうなあ。

世界も我が身も食い尽くす 其の壱拾

2006-04-30 23:36:26 | 外交・情勢(アジア)
■核各技術が闇で取り引きされているという事は、それと逆方向に闇の資金が流れていなければなりません。

中国国内でのマネーロンダリング(資金洗浄)などを規制する「反マネーロンダリング法」の法案審議が25日、全国人民代表大会(全人代)常務委員会の会議で始まった。法案には、口座保有者に対する管理強化のほか、監督義務が生じる機関の範囲拡大などが盛り込まれている。北京娯楽信報が伝えた。05年後半から香港、澳門(マカオ)を舞台にしたマネーロンダリング疑惑が次々と報じられ、国際的な批判が高まっていることもあり、中国政府や中国人民銀行が対策強化を打ち出していた。

■北朝鮮の将軍様が巨額の「お小遣い」を溜め込んでいた銀行は、間違いなくマカオという北京の支配下に有る場所に有るのですから、
当局には管理責任が有ります。銀行自体にも、それを経営している者にもまったく言及しないで、将軍様だけを悪者にして済む話ではありません。こうして、「マネーロンダリング法案」がやっと審議され始めた事を見ただけでも、これまで野放しにされ、誰かさんが大儲けしていた秘密が暴露されたようなものです。麻薬も偽札も、自国内に持ち込まれているというのに、北京政府が怒りを露にしないのは何故でしょう?マカオの銀行で発覚した将軍様の闇資金にしても、まったくコメントが出て来ないのは何故なのか?


法案で注目が集まっているのは、反マネーロンダリング対策の義務が生じる機関に、銀行、証券会社、保険会社などの金融機関のほか、不動産販売会社、貴金属店、オークション企業、法律事務所、会計事務所などの「特定非金融機関」も組み入れられていることだ。マネーロンダリングの手口が広がっていることを考慮しての方針とされる。このほか、一定の条件を満たす公務員の口座開設にあたっては身分照会を強化し、資金の往来についての監督を行う。マネーロンダリングが汚職の温床になっているとの指摘があり、国民からの疑念をかわす目的があるとみられる。
サーチナ・中国情報局 - 4月26日

■法律と刑罰は、その対象となる犯罪行為が現実に存在する事が前提です。そう考えれば、銀行・証券会社・保険会社・不動産会社・貴金属店などが闇のカネを洗浄していた事になりますし、何と!法律事務所も会計事務所も結託していると白状したようなものですぞ!こういう国と商売の取り引きやら大金が絡んだ契約を結ぶというのは、なかなか勇気が要りますなあ。伝統的な「地下銀行」の実態などは誰にも分からないそうですから、そんな国にドルが貯まっているのですから、連邦準備委員会も枕を高くして眠れませんなあ。

世界も我が身も食い尽くす 其の九

2006-04-30 23:35:41 | 外交・情勢(アジア)
■世界最大のエネルギー供給国となったロシアと国境問題を解決した勢いで、共同軍事演習を実施するわ、北朝鮮問題とイラン問題では見事に連携して見せるわ、気味が悪いほどの親密振りのチャイナとロシアが日本の西と北に覆い被さって来ます。ロシアに反旗を翻しかけたウクライナは天然ガスという生命線を脅迫材料に使われて屈服した影響で、欧州諸国がロシアに対する不信感を強めているそうです。いざとなったら形振り構わず脅迫する本性は変わらない事を改めて知ったというわけです。その直後に行なわれた、スター時代そのままの化石のようなベラルーシ選挙は、クレムリンの多大な支援によって世界が唖然とするような強権的な手法で共産党の大勝利に終わったのでした。

1986年に発生したチェルノブイリ原子力発電所の事故から20年を迎えるのに当たり、中国政府は同原発があるウクライナ政府に対して、1000万元(約1億4334万円)の無償援助を行うことになった。26日付で中国新聞社が伝えた。25日には中国・駐ウクライナ大使館の高玉生・大使や同国のヤツェニューク経済大臣らが出席して調印式が行われた。この中で高・大使は「事故で被害を受けた方々にお悔やみを申し上げる。中国は他国と共に事故の後遺症を取り除くことに力を注ぎたい」などと述べた。一方、ヤツェニューク大臣は「中国政府の長年にわたる援助に感謝している。今回の援助はリハビリセンター建設や汚染地域の保全などのために使いたい」と謝意を示した。なお中国・駐ベラルーシ大使館でも18日、事故の被害者を招いて食料品の贈呈式が行われた。サーチナ・中国情報局 - 4月26日

■これから原発を並べる計画を持っている北京政府は、チェルノブイリの悪夢をこうして最大限に利用して、原子力の平和利用を大いに宣伝しているのでしょう。世界中から反感を買った選挙の後味の悪さが残っているベラルーシにも、イデオロギーを超えた人道援助を行なうという芸の細かさ、お見事です。日本では事故の隠蔽が連続して原発は技術的な問題よりも、企業と人間の問題で長期エネルギー計画が迷走していると言うのに、情報を独占的に管理している1党独裁体制の国家は、原発と雖も好き勝手に動かせます。チェルノブイリの大事故でも、情報は3日間も封印されゴルバチョフ書記長の手によって公開は決定されたものの、一次は真の原因を隠してしまおうとしたそうです。そんな話が出て来るのに、国家の崩壊と20年の歳月が掛かるような国が、原発やら核弾頭ミサイルを持っているというのは、何とも物騒な事です。

■旧ソ連から何者かが盗み出して、今も見つからない核兵器が世界の何処かに隠されているのは確かなようで、廃棄物まで含めれば、どれほどの放射能で汚染された物質が流出しているのやら、誰にも分からないとも言われています。北朝鮮やイランが核兵器を開発している事など、ずっと前から分かっていたどころか、技術者は設備を提供していた疑いさえ有るロシアとチャイナが、チェルノブイリにかこつけて、核物質の安全管理や平和利用を宣伝するのは悪い冗談でしょうなあ。核の闇市場の一端が表に出たと思ったら、パキスタンのカーン博士と言うマッド・サイエンティスト一人が犯した狂気の犯罪、という事で幕は下ろされてしまったようです。彼に指示をしたのは誰なのか?闇ルートに参加していた国々との交渉をしたのは誰なのか?そして、一番得したのは誰だったのか?何も解明されていはいません。

世界も我が身も食い尽くす 其の八

2006-04-30 15:28:54 | 外交・情勢(アジア)

■食用油の需要が天井知らずに増加しているのは、肉の消費量が増えるからだと考えられているので、痩せた土地から生産される穀物は、家畜の餌になるか、その肉を炒める食用油になるかで、カロリー換算では膨大なロスが出ているわけですなあ。油で炒めた肉料理にはビールがぴったり!という理屈で、更に穀物が原料に回されるのです。黄砂が北半球を覆いつくすほど舞い上がる砂漠化問題を抱える国の麦畑を想像すれば、原油の次に値上がりするのは小麦ととうもろこしに違い無い、と簡単に理解出来ます。


北京にも力を入れている「アサヒビール」は北京市で5.4%(「サントリービール」は北京市は0.0%)の支持を得た。収入別で、大都市圏に力を入れている日系メーカーは高所得層の人気を集めている。年齢別では20代がネックのようだ。「サントリービール」は30代で2ケタの支持を集めているのが特徴。また、「サントリービール」は女性より男性に人気がある。ビールに限らず、日系に関する調査項目では必ずといっていいほど女性の回答が男性を上回るもので、今回の「サントリービール」のようなケースは非常に珍しい。それほど地元「上海」に密着しているともいえる。…
サーチナ・中国情報局 - 4月27日

■日本製ビールが売れている裏では、膨大な数の国内ビール会社の食い合いも展開されています。有名なハルビン・ビールや青島ビールなどは地元にしっかり根付いていますし、それ以外の地域でも地元の醸造会社が沢山有ります。技術提携や資本提携も広がっているようですから、日本製ビールの人気が高まるのに対抗するには、ビールを飲む人の絶対数を増やさねばなりません。一体、何処から大量の材料を調達する心算なのでしょう?


中国の一般消費者の好きなビールブランドは、全体としては「青島(チンタオ)ビール」。ただし地域差などは顕著で、北京市では地元の「燕京ビール」が圧倒的で、上海市では「バドワイザー」の人気があることが分かった。……インターネット調査を実施したもので、調査期間は2006年1月24日から2月7日まで。北京市、上海市、広東省、遼寧省、四川省を中心に、一般消費者男女2000人から有効回答を得たもの。ビールを「飲めない」人以外を対象に好きなビールのブランドを聞いたところ、「青島ビール」が68.0%と圧倒的。やはり全国ブランドとしての「青島ビール」の人気は根強いようだ。そのほかでは、「藍帯ビール」「バドワイザー」「燕京ビール」が3割台。「燕京ビール」は北京市以外の地域では極めて低いものの、北京市では実に8割近くに達している。……

■「燕京ビール」は共産党のお墨付きを貰っている接待用の高級ビールが看板ですし、「青島ビール」はドイツの置き土産を上手に守り育てています。


上海市では「青島ビール」よりも「バドワイザー」が多い。広東省では地元ビール(日系企業も含む)の人気が根強いが、そのなかでも「藍帯ビール」の人気は圧倒的。収入別では、高収入層の「バドワイザー」人気が目立つ。年齢別では、年齢が高くなるほど「青島ビール」の人気が高くなる。
サーチナ・中国情報局 - 4月26日

■上海と北京との意識が随分と違う事が良く分かる資料ですが、バドワイザーの人気度から米中関係の裏側が透けて見えるような気もします。どんな銘柄のビールを飲もうが、ビールに合う肴(さかな)を考えてみれば、チャイナの食糧供給力がパンクするのは目に見えていますなあ。伝統的な牧畜地帯では、共産党が強行した「囲い込み」と「過放牧」が原因で、驚異的な勢いで砂漠化が進んでいます。下流では深刻な水不足に苦しみ、水質汚染もひどくなる一方です。問題のビール業界も、ビールの搾りかすや産業汚水を処理する設備が無いので、河川と海の汚染と富栄養化がどんどん進み、エチゼンクラゲが良く育っています。日本政府はチャイナの環境汚染対策を名目にして、これからも資金と技術を援助するのだそうです。何でも日本にやらせる悪い癖を直さない限り、食糧問題も環境問題も絶対に解決などされないでしょうなあ。

世界も我が身も食い尽くす 其の七

2006-04-30 15:28:05 | 外交・情勢(アジア)
■石油問題から食糧問題に移ります。

中国の胡錦濤国家主席は29日、中東・アフリカ4カ国を歴訪し各国とエネルギー分野での連携拡大に合意した。中国の原油調達先のイラン情勢が不透明感を増す中、成長を維持する生命線である石油などの資源確保と調達先の拡大を先導した格好だ。だが、中国の新たな「エネルギー囲い込み」に米国から警戒感が上がっている。
毎日新聞 - 4月29日

■既にエネルギー資源を投機材料にし始めているチャイナ資金の動きを米国だ制御するのは不可能です。イランの核武装問題でも、ちゃかり調停役になって上手に立ち回っている北京政府の動きは、外務省が無い日本から見ると羨ましい限りです。米国がチャイナ包囲網を完成させるのが早いか、チャイナが包囲網を破って網の外側に複数の抵抗拠点を確保するか、ブッシュ政権最後の大仕事がこの世界最大のオセロ・ゲームです。包囲網のヘソに当たるのが沖縄基地で、目と耳となるのが列島各地の在日米軍基地で、頭脳が厚木に設置される本部という事になります。日本は自分で決断する前に、国土が前線基地になってしまっている事実を意識しないと、米国との交渉事もこんがらがって喧嘩になる危険が有ります。

■余り報道されないようですが、チャイナの食糧問題は環境問題と相俟って非常に深刻です。


中国の一般消費者のビールブランド認知度で、上海一極集中のサントリー、サントリーの知名度が低い北京や広東ではキリンやアサヒが若干数値を上げているなどの傾向がみられた。サントリーの強さが男性の人気に支えられたものであることも明らかになった。これはサーチナ総合研究所が、新秦商務咨詢(上海)有限公司(上海サーチナ)が運営する「新秦調査」消費者モニターを通じてインターネット調査を実施したもので、調査期間は2006年1月24日から2月7日まで。北京市、上海市、広東省、遼寧省、四川省を中心に、一般消費者男女2000人から有効回答を得たもの。日系3社(サントリー、アサヒ、キリン)では、「サントリービール」が上海で5割を大きく超える支持を集めているが、上海市では「サントリービール」に限らず、日系の人気は高い。逆に「サントリービール」支持者がゼロの広東省では、「キリンビール」「アサヒビール」は苦戦しているようだ。両者とも前面に社名は出さないものの、広東現地資本などと提携して事業展開していることがある程度の結果に結びついているといえよう。

■「発泡酒」だの「第三のビール」だの、外国から見たらビールなのかビールじゃないのか、さっぱり分からない商品まで開発してシェア争いをしている日本のビール会社が、チャイナ市場でも食い合いを演じているというお話です。日本のビール会社は、ホップの含有量や麦汁の比率を調整して税金を逃れる必死の努力をしているのですが、豆を使おうと他の穀物を使おうと、酒類の原材料は立派な「食糧」です。昔から、「米を飯のままで食べるなんて勿体ない!」と酒飲み達は文句を言い、「御飯を酒にしてしまうなんて勿体無い!」と下戸は言う。ソ連が崩壊した時にはウォッカ製造用に大量の砂糖が闇取引されて、深刻な砂糖不足に襲われた事が有りますし、エコロジーの視点から穀物を家畜飼料に使う無駄は長年に亘って指摘されています。チャイナは北半分は小麦文化で南は米文化ですから、地酒の原材料もこれに従うことになり、コーリャンやとうもろこしがこれに加わります。

世界も我が身も食い尽くす 其の六

2006-04-30 14:55:50 | 歴史
■産経新聞の記事には、もっと詳しい数字が掲載されていました。

アフリカ最大の産油国、ナイジェリアのオバサンジョ大統領は26日、首都アブジャで中国の胡錦濤国家主席と会談し、中国側が鉄道や発電所などのインフラ整備のため40億ドル(約4600億円)の投資を行う見返りに、5月に予定される石油開発の入札で、油田4カ所の開発許可の優先権を、中国国営石油会社、中国石油天然ガス(CNPC)に与えることで正式に合意した。世界第2位の石油消費国である中国は、石油開発のパートナーとして、ナイジェリアとの関係を重視しており、同国訪問は2004年に続いて2度目。
■日本の首相や外相はナイジェリアを訪問した事が無いのではないでしょうか?世界に冠たる「省エネ」技術で次の荒波も乗り切って見せる心算なのかも知れませんが、柳の下に泥鰌が三匹いるかどうかは分かりませんぞ。


BBCテレビによると、4カ所の油田のうち二カ所はナイジェリア南部の海岸沿いにあり、2カ所は隣国チャドとの国境に近い内陸部にあるという。海岸線だけでなく、内陸部もきわめて危険な地域とされ、石油開発は容易ではないとの見方も出ている。ただ、周辺のアフリカ諸国は、今回の調印をきっかけに、中国の経済的な進出が、さらに加速するとの見方を強めている。これに関連し、ストロー英外相は26日、ロンドンでの講演で、すでにアフリカの49カ国に700社以上の中国企業が進出していると指摘した。産経新聞 - 4月28日

■英国では外相が情報を公開して警鐘を鳴らしているというのに、日本では「最初はグー、サイトーケン」の報道ばかり、その後はホリエモンの追っかけ騒動が続いていたようですが、どうかしていますぞ!米中がナイジェリアで激突でもしたら、沖縄問題にまで波及するのですから、もっと日本のマスコミも注視して貰わないと、いざという時に寝耳に水の大騒ぎになるでしょう。


サウジアラビア国営石油会社のサウジアラムコは23日、中国石油化工(シノペック)と共同で福建省と青島で行っている製油所プロジェクトが、計画通りに進んでいることを明らかにした。またアラムコは、2010年までにシノペックに日量100万バレルの原油を供給することにコミットしていると述べた。アラムコによると、中国の胡錦濤・国家主席によるサウジ訪問に際し、22日にリヤドで覚書が調印された。サウジは2005年、中国の原油輸入量の17.5%(日量44万3600バレル)を供給し、最大の原油供給国だった。
ロイター - 4月24日

■米国との関係を少しでも薄めて国内の原理主義運動を抑え込みたいサウジ王家としても、チャイナとの商売は渡りに船という所でしょうが、新疆ウイグル地区のイスラム原理主義組織が大規模に弾圧されでもしたら、アフガン戦線での戦友だったアルカーイダが黙っては居ないでしょうなあ。テロリストが内陸ルートを通って福建と青島の石油プラントを爆破するような事件を起こすかも知れません。そうなれば、米中露が手を結んで対イスラム戦争を仕掛ける構図になりますなあ。勿論、日本は米国の「後方支援」に組み込まれているのですから、否応もなく「参戦」することになりましょうなあ。そんな大問題は、小泉政権の次に丸投げ先送りでしょうから、これからの任期満了まで、得体の知れない話が日米間に出たり消えたりするでしょう。

世界も我が身も食い尽くす 其の伍

2006-04-30 14:52:31 | 外交・情勢(アジア)
■資金と技術は迂闊な日本から導入できたら、次は生産活動に必要な資源を確保しなければなりません。米国はチャイナのお客様ですが、アフリカや中東の国々を相手にする時には買い手に回るので、国内問題を抱えて国際的に孤立感を深めているようなヤクザな国は絶好の交渉相手です。

26日からナイジェリアを訪問している中国の胡錦涛・国家主席は同日、首都アブジャでオルシェグン・オバサンジョ大統領と会談した。胡・国家主席は、エネルギーや電力、インフラ整備などの分野で協力関係を構築することや、マラリアなどの疾病撲滅に向けた連携を強化していくことを提唱、オバサンジョ大統領も全面的に賛同した。27日付で新華社が伝えた。

■「インフラ整備」「疾病撲滅」と美辞麗句が並びますが、自分の国の方が最優先なのではないですかな?と日本の外務省は聞かないようです。社会インフラ・貧困・疾病が日本からODA予算を引き出す口実なのに、その援助をだらだらと貰う一方で、アフリカではサンタクロース役を演じている、まったくしたたかな外交でありますなあ。勿論、最大の懸案は「エネルギー」資源の確保であることは疑いも無い話です。


胡・国家主席は、「中国とナイジェリアが国交を樹立して以来35年間、国際情勢や各国の国内情勢には大きな変化があったが、両国関係は一貫して前進してきた」と評価。中国がナイジェリアとの関係を重視していることを強調した上で、農業やエネルギー、電力、通信、インフラ整備などの分野で協力すること、金融機関の協力をサポートすることやマラリアや鳥インフルエンザなどの疾病撲滅に共に取り組んでいくことの他、開発途上国が別の途上国を支援する「南南協力」を促し、共に途上国の正当な権益の維持に取り組んでいくことを提唱した。

■援助を受けている国から援助を受ける国、これは最悪のサイクルです。火を噴いている中東地域では、裏玄関からしか足を踏み入れない北京政府ですが、次に火を噴くと心配されるナイジェリアには正面玄関から入っているようです。石油資源を買い入れておいて、支払いには武器・弾薬のバーターを当てる。欧米諸国がやっている悪どい商売をチャイナもしっかりと真似し始めているようです。ナイジェリアがメイド・イン・チャイナの地雷で埋め尽くされる日が間も無くやって来そうです。勿論、その除去作業は日本の資金で行なわれるのが慣習になっています。

 
それに対してオバサンジョ大統領は「両国関係の発展に向けた提唱に感動した」と全面的に賛同。中国がマラリアや鳥インフルエンザの撲滅の他、鉄道、水力発電所の建設などに関して支援を行っていることに対し感謝の意を表明した。2005年における両国の貿易総額は前年比29.6%増の28.2億ドル。中国からナイジェリアへは機械、家電製品、小型発電設備、医薬製品などを輸出しているが、中でも機械、電力設備の輸出が対ナイジェリア輸出製品の47%を占める。また中国は3000万ドル以上の資金を投入してナイジェリアに30社以上の三資(独資、合資、合作)企業を設立。二輪車に関しては、中国産のものがナイジェリア市場の90%以上を占める。一方で、ナイジェリアは鉱物資源の産地であり、1.38億人の人口を持つ巨大市場。エネルギーや機電製品を中心とした両国の貿易は今後さらに拡大するとみられる。サーチナ・中国情報局 - 4月27日

■日中関係を削除してしまうと、こんなに良い事尽くめの目出度い記事になるのですなあ。主要国の首脳や蔵相が集まって、原油価格の高騰を心配しているというのに、高値の元凶と名指しされているチャイナは良い気なものです。後々、武器でバーター取引するつもりならば、どんなに原油が高くなっても、それだけ沢山の武器を売りつければ良いだけの話なので、御当人は平気の平左でしょうなあ。

世界も我が身も食い尽くす 其の四

2006-04-30 14:00:44 | 外交・情勢(アジア)
■銭が入って来たら、次は投資先が問題になります。毛沢東時代に建設された集合住宅が次々と壊されて、ヒューザー・姉歯もびっくりするような「張りぼてビル」がにょきにょきと建っているチャイナの沿岸都市部で、土地のバブルが限界まで膨らんでいます。

中国の一般消費者に住んでみたい、住み続けたい都市を聞いたところ、「北京」と「大連」が突出。主要調査対象地域となった北京市、上海市、広東省、遼寧省、四川省以外の都市では「青島」「昆明」「桂林」「三亜」が上位にきた。主要調査対象地域以外の都市はいずれも風光明媚で、中国国内でも人気の都市であるのが特徴。……インターネット調査を実施したもので、調査期間は2005年12月7日から12月14日まで。北京市、上海市、広東省、遼寧省、四川省を中心に、一般消費者男女2000人から有効回答を得たもの。

■厳格な戸籍法が生きているチャイナでは、移動も居住地選択の自由も有りませんから、何だか消費者の妄想を膨らませるだけの悪趣味なアンケート調査のようにも思えますが、「住みたい都市」というのは土地投機に最適の場所という意味に解釈した方が良いでしょう。


今後住んでみたい、住み続けたい都市を聞いたところ(三つ回答)、「北京」「大連」がそれぞれ3割を超え、「上海」「青島」「広州」「昆明」「桂林」「三亜」が2割を超えた。「住み続けたい」という回答、つまり現住所の回答が多いのも特徴で、「北京」「大連」「上海」「広州」などが多くなるのは自然といえる。北京市のモニターでは「大連」が多い。

■あちこち根回ししないと転居出来ないのですから、こういう結果になるのは当然です。それでも、許されている居住地域内でも転売に有利な物件に富裕層が殺到するのは当たり前、列挙されている都市に続々と建つ新築マンションの多さを思いますと、チャイナ版ヒューザー問題が勃発する日が気になりますなあ。


…月収3000-3999元の中間層だけでは、「北京」より「大連」のほうが多くなっている。月収6000元以上の富裕層では圧倒的に「上海」が多い。40代では「北京」が、30代では「大連」が多い。女性の「上海」人気が目立ったのも特徴。……上海展覧センターで開催された第18回上海モデルマンション展…低価格マンションが多くの人の関心を集めた。サーチナ・中国情報局 - 4月28日

■日本でも「低価格マンション」と呼んでいた物件が人気を博し、小嶋社長のヒューザーが建設したマンションは、業界団体から表彰までされていましたなあ。「低価格」は「手抜き」と同義だと日本人は学びましたが、チャイナはこれから学ぶのです。ご用心、ご用心。それにしても、日本の森ビルが上海に建設しようとしていた超高層ビルが、地盤沈下の激しさで建設を断念しようとしたのに、何処かからの強力な圧力で工事を再開したというニュースが有りましたが、その後、どうなっているのでしょう?東京都も関東ローム層という分厚いスポンジの上に高層建築物を並べているのですが、上海は長江河口の巨大なデルタ地帯ですからなあ。どちらが得か、よく考えねばなりません。

■比較的信頼の置ける上海の物件を手当てし終えたチャイナ資金は、バブル崩壊後に暴落した日本の都市圏を買い漁っているという噂も堪えません。総研の会長はタイを中心とする東南アジアの工場から建設材料から事務用品まで仕入れて、会員に売りつけていたそうですが、タイの企業の多くは華人・華僑が経営しているのですから、本国との太いパイプが無ければ商売が順調に進むはずもなく、日本のマスコミは何かを怖れて、耐震偽装事件がチャイナに波及しないように報道しているように見えます。チャイナ利権は自民党の一部と公明党に独占されているのですから、問題を追及したら「偽メール」どころの騒ぎでは収まらないでしょうなあ。日本列島で土地転がしの旨味を知った人達が、チャイナで同じ事をやっているだろうと想像するのは簡単で、現地のビジネス・パートナーは党と軍の幹部でなければ身動きが取れないに決まっています。

■日本で100兆円を超える「大穴」を空けた大失敗に懲りない人々が、チャイナにも「大穴」を空けるのを止める手段は無いでしょうなあ。チャイナを震源地にするバブル崩壊が日本の銀行にまで波及したりしたら、また日本政府は税金を注入するつもりでしょうか?

世界も我が身も食い尽くす 其の参

2006-04-30 13:50:50 | 外交・情勢(アジア)
■天災と人災を繰り返す歴史の中で、常に餓死との戦いに明け暮れていたチャイナに、(聞いたことも無いような)日本製のダイエット商品を宣伝するテレビCMが増えています。日本と同じく、本物かどうかも分からない欧米の「医学博士」が発明した怪しげな痩せる機械なども盛んに宣伝しています。勿論、今でも極貧生活の中で飢餓や栄養失調に怯えて暮らす数億人の人民が存在しているのは確かなのですが、この両極端の現象は無気味です。そんな引き裂かれた貧富の格差が広がる中で、ブランド品を買い漁る人が増えています。日本の娘さん達が欧米の白人娘に憧れて「白くなる薬品」を顔に塗りたくるように、何故かチャイナでは「本物の日本製化粧品」が大人気です。最後で最大の市場だと思い込んだ有名企業は先を争ってチャイナでの販売に心血を注いでいるので、商品名やブランド名だけは良く知っている人が増えました。

23の世界的なファッションブランドを挙げて、日中両国の一般消費者に対して持っているブランドを聞いたところ(「知っている」と答えたブランドだけを表示)、ほとんどのブランドでは中国と比べて日本のほうが持っているという回答が多くなったが、「シャネル」「ピエール・カルダン」は中国のほうが多かった。…中国では「シャネル」「ピエール・カルダン」の認知度がほかと比べて突出している…。日本では多くの消費者にとって高級ブランドを「知っている」ことと「持っている」ことはまったく別のことであるが、中国ではそれらがほぼ等しい関係にあるといえよう。国民全体に高級ブランドが認知されている成熟市場としての日本と、まだ一部の人にしか認知されていない発展途上の中国との違いだろう。

この調査結果に関する分析には疑義が有ります。聞き取り調査の限界で、「持っている」と答えた人の所持品を実際に検証出来ないでしょうから、単なる見栄による回答である可能性を考えないと、大きな勘違いをする事になります。人の良い日本人の多くは、正直に答えていると思われる数値が示されていますが、どうもチャイナ側には正確な情報を提供しようなどと考えない、相当に個人的な意地や見栄が透けて見えるような気がしますなあ。


中国のほうが持っているとした割合が多くなったのは「ピエール・カルダン」のほか、「シャネル」「ダンヒル」「アルマーニ」「クリスチャン・ディオール」。日本の消費者が多く持っており、中国の消費者があまり持っていないものは、「バーバリー」(日本39.1%、中国9.0%)、「ラルフ・ローレン」(日本25.9%、中国2.5%)など。

■経済成長が止まっている欧州から、世界的なブランドを持っている企業はチャイナ市場に殺到している実態が見えるようですが、アヘン戦争を仕掛けた英国や、北京の宮殿に放火して略奪をしたフランスの製品を喜んで買っているチャイナの「正しい歴史認識」にも興味は尽きませんなあ。


今回の調査は、マイボイスコムが日本で、サーチナ総合研究所が中国で、それぞれ調査を行ったもの。両国の国情の違いを両者で検討した上で調査票及び調査設計を調整し、06年4月3日から7日まで、基本的に同一の調査票をもとに両国で同時にインターネット調査を実施、サンプル数は日本側が1029人、中国側が1050人。……中国のアパレル製品の貿易総額は05年に前年比17.9%増となる1346.3億元に達し、中国の貿易全体に占める割合は9.5%に達している。日本は中国にとって米国に次ぐ第2位の輸出先。
サーチナ・中国情報局 - 4月28日

■日本政府が無責任に煽ってチャイナに生産拠点を移した中小企業の多くは、貴重なノウ・ハウを吸い取られた揚げ句に泣く泣く日本に戻った例が多いようですし、草の根ボランティアでせっせと技術を無料で教えてくれる日本人はどんどん増えています。知的所有権などまったく考えない人達が、日本の100円ショップやら安売り衣料品店に大量の商品を納入しているわけですが、元々、その技術は何処からやって来たのか?と検証しておいた方が良いでしょうなあ。その点、欧米諸国はしっかりしていますぞ!


米通商代表部(USTR)は28日、米通商法スペシャル301条(知的財産権侵害国の特定・制裁条項)に基づく年次報告書を発表した。米製品の海賊版が出回る中国を厳しく批判、海賊版の拠点となっている地域を「根城」と名指しし、世界貿易機関(WTO)提訴も辞さず改善を迫る姿勢を表明した。毎日新聞 - 4月29日

■パクリ商売をやっている違法操業の元を辿って行けば、共産党の大幹部やら人民解放軍に行き着くのですから、ブッシュ大統領に叱られる胡錦涛さんも大変ですなあ。本気で摘発したら、国内のほとんどの工場は閉鎖、最後には軍閥が割拠して内乱になるでしょう。売れる物は何でも売るのです。まがい物や違法商品は、買う方が悪いのだ!と信じ込んでいる国をWTOに加入させたのはクリントン大統領でしたなあ。

世界も我が身も食い尽くす 其の弐

2006-04-30 13:29:28 | 外交・情勢(アジア)
■次なる御題は多過ぎる人口に関係するお話です。

広東省・東莞市では2005年8月から10人以上の子供が行方不明になっている。同市では02-03年にかけて児童誘拐事件が連続発生したことなどから、父母ら約50人が25日、子供を探そうと「捜索委員会」を設立した。大洋網などが伝えた。行方不明になっているのはいずれも大朗鎮という地域に居住している子供たちで、生後2日(失踪当時)の赤ん坊も含まれている。大多数が男児で半径1キロメートルの範囲内に住んでいた。祖母が孫をトイレに連れて行き戻ったところ、もう1人の孫の姿が忽然と消えてしまったパターンや、産院で生後2カ月の子供を見ず知らずの女に連れ去られたパターンが伝えられている。地元の警察では捜査員約20人からなる専従班を設けて子供の行方を探している。残された家族の中には、子供の顔写真や身体的特徴、着衣、連絡先などを記したビラを作成した人もいる。捜索委員会に加わった人の中からは「子供の顔はみな知っている。一致団結して子供を捜そう」との声も聞こえてくる。

■人命や子供に関する意識が、日本とチャイナとはまったく違うという点を考えないと、こうした記事の意味が分かりません。営利誘拐事件も発生しているようですが、もっと直接的な恐ろしい目的で人を誘拐する輩が沢山いるのです。ソ連の許されざる条約破りの南下進撃に際して起こった悲劇の一つが、「中国残留孤児」問題ですが、子供が大好きだから日本人の母親から幼子を受け取っただけではない事情が、チャイナには有ります。子供でも孫でも、自分の墓と財産を守る男の子孫を可能な限り沢山得ておく必要が有るチャイナでは、いざとなったら他人の子供を奪ってでも自分の墓守にする必要性が有るようです。それも男子にしか墓守の資格を認めないのが儒教の伝統なので、男子は何人でも欲しい。「一人子政策」が命じられても、あらゆる手段で男子を得ようとする国です。勿論、伝統的な道教の極致には、自分の肉体の病を癒す特効薬は、他の人間の同じ部位(臓器)だという信仰も有りますから、薬の材料や健康食品として赤ちゃんを扱う場合も現実に存在します。


中国では子供の人身売買が後を絶たず、05年12月にはイタリアなどに売られる寸前の子供約100人がスウェーデンで保護されるというケースも報告されており、東莞市で失踪した子供の安否が気遣われる。サーチナ・中国情報局 - 4月28日

■自分の墓守にするか、「健康食品」にするか、それを我慢して東洋に憧れるアホな白人の養子に売り飛ばして儲けるか、どちらに転んでも利益になるわけでしょうなあ。まだ、幼児ポルノは発達していないようですから「輸出先」で待ち構える変態商売に利用される可能性が考えられます。しかし、近々、現地で「制作」した犯罪映像を米国や日本に売りつけるようになるでしょうなあ。その種の趣味を持っている客の中には「国際的」な興味を強く持っている人も居そうですから、おぞましいコレクションを楽しみたい輩が客になりそうです。何せ、「56民族皆家族」のお国柄ですから、変態趣味の日本人の中から「アジアは一つ」などと岡倉天心を曲解して全民族の娘さんを制覇するぞ!などと思い込む馬鹿者が出て来そうなのが心配です。勿論、映像商品では我慢出来なくなって、間も無くエイズ大国になると予想されているチャイナで、無謀な遊びにうつつを抜かして、後々、日本列島に好からぬ「お土産」を持ち帰るような日本人が出ない事を祈るばかりです。

■それ以上に気になるのは、日進月歩で技術が向上する臓器移植の分野で、身体の小さなドナーが圧倒的に不足しているという事実です。不幸な子供が多いのは確かですが、それでも保護する大人が近くに居る乳幼児の事故死する確率は低いと思われます。そうなると、ドナーを何処から調達するのか?という大問題が日々大きくなっているはずなのです。随分前に、フィリピンの刑務所で二つ有るはずの腎臓の一つを摘出された罪人が沢山居る!というスクープも有りましたが、少年院や乳児院で臓器を取られた子供が見つかった話はまだ聞きません。臓器移植や延命治療に関する法律も定まらない日本が、うやむやの内に上客になっていたりすると、後で大騒ぎになるでしょうから、今の内から注意していた方が良いでしょうし、世界一の人口を抱えている国にドナーを求めるのなら、それに相応しい法体系と医療体制を整えておくべきでしょうなあ。

世界も我が身も食い尽くす 其の壱

2006-04-29 12:51:44 | 外交・情勢(アジア)
■民主党のスットコドッコ議員の大チョンボを豪腕・小沢さんが巻き返せるか?などという、世界の誰もが注目していない千葉と埼玉との県境で、「最初はグー、サイトーケン」を延々とテレビが流し、その裏話を得意げに新聞が書き立てている間に、胡錦涛さんは(仮想)敵地の米国本土に乗り込んで、精一杯のパフォーマンスを繰り広げましたぞ!我が国の総理大臣が、英国仕込み?の変な英語を駆使してブッシュ大統領とキャッチ・ボールをした姿などを報道したのは、日本の「お昼のニュース」ぐらいのものでしたが、胡錦涛さんが訪問先に選んだ場所、会った人、口から吐き出した発言は細大漏らさず世界中に配信されていましたなあ。その頃の日本のマスコミは、ビール・ケースに小沢さんと森昌子さんが載ったとか載らないとか、どうでも良い話に国民の目を引き付けていたのでした。

■その間に世界は間違いなく北京を中心にして、ぐるりと回転したのですぞ。陰謀趣味に悪乗りすれば、韓国と日本が(結論は始めから分かっている)竹島問題で波風立てて見せたのは、北京政府をバック・アップするための猿芝居だったのではないか?などと、馬鹿馬鹿しい妄想を抱かせるような空騒ぎも起こったのでした。マカオのヤクザ銀行の口座が閉鎖されて北朝鮮が困っている!今こそ経済制裁の絶好の機会だ!などと、他人のフンドシで相撲を取る算段をする話を得々と語っている人もいるようですが、本当に困っているのはチャイナの北京政府です。御巣鷹山に散った旅客機が、最後まで耐えた「ダッチ・ロール」は、垂直尾翼を失うという有り得ない犯罪的な手抜き修理が原因で起こった事故でしたが、今の胡錦涛さんは国内の矛盾と対立で発熱している危機を凌ぐ為に、火を消す水の代わりに、資金と石油エネルギーを投入し続けねばなりません。言い訳用のボーイング機から米国に降り立った時、ちょっと白っぽい顔色に見えた胡錦涛さんの表情は、実は蒸気機関車の罐(かま)に必死で石炭を投げ込み続ける機関員と同じ様に、見えない煤(すす)で真っ黒になっていたのです。

■山籠りを終えてネットを見れば、続々とチャイナの「ダッチ・ロール」を証明する記事に溢れているのに驚いています。


国土資源部、国家工商総局は27日、連名で「国土土地使用権出譲合同補充協議(国土土地使用権譲渡に関する契約の補充協議書)」を発表した。遊休状態の土地の増加を食い止めることが目的だ。28日付で新京報が伝えた。「補充協議」は土地の使用権譲渡に関する契約に盛り込む内容を指示したものだ。契約は土地を提供する地方政府等と、土地の使用権を求める企業等の間で結ばれるため、この「補充協議」によって、土地の使用権を得た側は一定の制約を受けることになる。

■小難しく書いていますが、要するに「土地転がし」は止めろ!という無理な注文です。チャイナの博打文化の根深さと豊かさと凄まじさを知っていれば、日本で起こった土地バブルの伝説に有り金全部賭けても平気だと言う人々が沢山いるのがチャイナです。政府と成金との複雑怪奇な関係を強引に法律で縛ったりすると、エライことになるのは分かってはいるのに、外聞も有るので法律を整備し始めたという事でしょうなあ。


「補充協議」の核心となる部分には、契約に投資総額や着工の期限を明記し、使用権を得た側が土地の3分の2以上を放置していたり、投資金額が契約の25%未満だった場合、さらに無断で工事を1年以上中断した場合には、土地を提供した側に「閑置費(遊休費)」を支払うことを、契約に盛り込むことが指示されている。中国では競争入札方式による土地の使用権譲渡が奨励されている。北京市の場合、2005年における政府からの土地使用権譲渡に関して、35%の案件は競争入札によるものだった。

■無人の荒野を切り売りしている話ではありませんぞ!奇妙な権力が発動されれば、あっと言う間に更地になってしまう、バブル時代のヤクザさん達が見たら泣いて悔しがるような「地上げ」が易々と実行されるのがチャイナです。


競争入札方式が奨励されているのは、土地使用権の譲渡に関する不正を防止するためだが、一方ではプロジェクト推進に関して確固たる意志を持たない企業が入札し、落札してしまうケースの存在が問題になっている。「ライバル企業には落札させたくない」という意識が強すぎることも、こうした「矛盾」が発生する大きな原因だという指摘がある。

■遠い昔、日本国の官僚制を作り上げる時に大活躍したのが「遣唐使」のエリート集団だった事を懐かしくも恐ろしい思いで想起しますなあ。ちまちまと「談合」を取りまとめている日本の御役人は、チャイナの弟子の末裔なのでしょう。


使用権の譲渡という形で提供される土地の多くは農地だった土地であるため、遊休地の存在は都市計画の障害になるだけでなく、農地を無意味に減少させたことを意味する。特に大都市の周辺は、もともと地味が肥えており農産物を売りさばく市場も近いという、条件のよい農地が多いだけに、遊休地の増加は政府としても看過できない問題になっている。サーチナ・中国情報局 - 4月28日

■こんな騒動は、随分昔から起こっているのです。もしかすると、中曾根政権時代に「10万人留学生誘致計画」などという狂気の政策が実施された時に来日した初々しく見えた北京政府選抜の留学生達が、しっかりとバブル時代の「地上げ」を目撃、調査、解析して帰国した成果なのではないか?と詮索したくもなります。すっかり好々爺になりおおせた中曾根さん御自身が、地元の高崎駅周辺の土地利権を統括する立場に有ったようですから、バブルの序曲は間違いなく中曽根さんが演じたのでしょうなあ。「後の政権がバカだった」というような発言をしている中曾根さんも、「あんなに大事になるとは思わなかった」と言っている宮澤さんも、世界でも稀に見る深刻な土地問題を歴史的に抱え込んでいる日本という島国の宰相としては力不足だったと、今頃になって気付いていも遅いのでしょうなあ。それを開き直って逆手に取れば、田中角栄になれるという仕掛けです。

憂鬱な連休が始まる 其の参

2006-04-28 20:32:19 | 社会問題・事件
■幼児でなくても、日本の女性を変に誤解している外国人がいるようですから、気楽に海外旅行に出かけるのも考え物です。今でも「イエロー・キャブ」などという不名誉な名称が生きているのでしょうか?海外に出掛ける前にも危険が有るようです。

東京都千代田区の在日インド大使館で、インド人の30歳代の男性職員が神奈川県在住の女子大生(19)にわいせつな行為を強要したとして、警視庁が強制わいせつ容疑で逮捕状を取得し、外務省が同大使館に対し、この男性職員を「受け入れ難い人物」として通告していたことが27日分かった。この職員は今年1月に帰国している。……警視庁組織犯罪対策2課の調べでは、女子大生は昨年9月上旬、ビザ申請のため同区九段南のインド大使館を訪れた際、男性職員に個室に通され、わいせつな行為を強要された。女子大生はその後、インドに旅行し、帰国後の今年2月下旬、同庁に告訴相談に訪れた。同課が捜査した結果、告訴相談の裏付けがほぼ取れたため逮捕状を取得し、大使館側に実況見分を要請したが、回答はないという。…「外交関係に関するウィーン条約」では、捜査権が及ばない大使館で働く職員についても、外交官と同様、本国への召還などを求める「受け入れ難い人物」として通告する規定がある。
読売新聞 - 4月28日

■この種の犯罪では、詳しい犯行の内容は公表されないので、何がどうなったのやら、さっぱり分かりませんが、ビザの申請に行って「個室」に連れ込まれるのは変だと考えねばなりませんし、そんな屈辱的な思いをして交付されたビザを持って、ちゃんとインド旅行に出掛けているというのは解せませんなあ。事件は昨年の9月で、告訴が今年2月、容疑者は1月に帰国している、この時系列には謎が残ります。インド大使館員と被害者との間に、特別な事情は無かったのかどうか、続報が無ければ得心が行かない奇妙な事件ですなあ。何にしても、ビザの申請に行って個室に引き摺り困れないように注意するのは当然ですが、大和撫子の脇が甘い面も有るかも知れません。


28日午後1時35分ごろ、東京都練馬区石神井町の西武池袋線石神井公園駅構内で、韓国人武装スリ団とみられる数人の男と、乗客がもみ合いになったと駅前の交番に届け出があった。警察官が駆けつけ、これまでにスリ団とみられるグループのうち2人の身柄を拘束した。
読売新聞 - 4月28日

■数ある韓国スリ団も、この頃「腕」が落ちているようですなあ。スリではなくて、強盗に変身する物騒な連中が増えています。強力な武器を携行しているそうですから、怪我人が出なかったのは何よりでした。「韓流」などとハシャイでいると、泥棒稼ぎにやって来る韓国武装スリ団に舐められるかも知れません。政府は竹島を強奪するかと思えば、山の訓練所で鍛えた出稼ぎスリ団は電車内の財布を掠め取ろうとする。これではなかなか仲良くできませんなあ。連休を利用して韓国の観光旅行を計画している人も多いのでしょうが、善人ばかりの国は無いので、くれぐれもご注意を願います。

■連休ともなれば、少しぐらいはハメを外して冒険する少年達もいるのでしょうが、年齢相応の範囲にとどめておいて欲しいものです。深夜まで遊び歩いているのは、未成年の身分ならば許されない事ですから、親に叱られるのは当然です。


北海道警函館中央署は28日、就寝中のタクシー運転手の父親(60)を包丁で刺したとして殺人未遂の現行犯で、函館市内に住む道立高校3年の少年(17)を逮捕した。少年は容疑を認めており「父親に帰りが遅くなったことを怒られ、かっとなってやった」と供述しているという。調べでは、少年は28日午前1時20分ごろ、自宅の市営住宅で寝ていた父親の右胸を包丁で刺し、殺害しようとした疑い。父親は3週間のけがをしたが命に別条はないという。同じ部屋に寝ていた母親(58)が気付いて110番、函館中央署員が少年を取り押さえた。共同通信 - 4月28日

■最近、自分の非を責められても素直に謝る言葉を持たない日本人が増えているようです。「逆ギレ」などと言う新しい表現が市民権を得ていますから、「恥の上塗り」という言葉は死語になっているのかも知れませんなあ。怒られて当然の事をしたら、謝り方をみっちりと考えねば人間をやって行けません。警察のお世話になるような違法行為をしておいて、警察官に食って掛かるような恥ずかしい大人が増えると、やはり、子供達はしっかりと真似するようになります。恥ずかしい事は、大人でも子供でも、同じように恥ずかしいのですから、連休を利用して、「恥ずかしさ」について話し合ってみるのも良いかも知れませんなあ。ちょっとテレビをつけると、腐るほどの「恥ずかしさ」が満ち溢れているようですから、教材には事欠きませんなあ。皆様は、どうぞ、素敵で安全な連休をお過ごし下さい。

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