■国会が訳の分からない馬鹿騒ぎをしていても、国土の安全を守っている皆さんには、笑いながら見物している暇は無いようです。
自衛隊と在日米軍が23日から3月3日までの日程で実施している図上演習「キーン・エッジ」(日米共同統合指揮所演習)で、北朝鮮と中国を事実上の「仮想敵」としていることが27日、明らかになった。防衛庁、自衛隊は公式見解で「中国脅威論」を否定しているが、演習では両国の軍事行動を想定し、ミサイル防衛や海上警備行動などの円滑化に主眼を置いている。今回の演習は、3月末からの陸海空自の統合運用に向け、統合任務部隊の命令・情報伝達や在日米軍との連絡調整の円滑化を図るのが主目的。部隊の動きや命令、情報の流れをコンピューター画面上で演習している。
■図上演習ならば大した費用は掛からないのですから、平壌に出向く前準備の段階で、米国に頼み込んで対北朝鮮の日本海の海岸部を守る図上演習くらいやっておけば良かったのです。列島越えの「人工衛星」打ち上げ用ロケットが飛来した時に、「もしも、あれが核弾頭を持った弾道弾だったら」という仮説を立てて計画を練って見せるくらいのデモンストレーションは必要でした。本物を用意していても、「今度も人工衛星だぜ」と言われたら、米軍に言い付ける事しか打つ手が無いのではないでしょうか。米国が前衛で、日本は後衛に回るのは分かり切っている事ですから、単独で外交交渉をすれば舐められるのは当たり前ですなあ。
関係者によると、演習シナリオ上では、日本を「青国」、米国を「緑国」などと国名を色で表している。まず「紫国」(北朝鮮)の弾道ミサイルへの燃料注入の動きを米国が探知した事態を想定。日米が警戒態勢に移行し、日本海で在日米海空軍や海自イージス艦などが監視体制を強化。「茶国」(韓国)でも緊張が高まる中、空自輸送機による韓国からの邦人輸送のため命令、連絡などを演習している。
■やっぱり、「米国が探知」なのですね?これでは、米国が意地悪をして教えてくれないような恐ろしい事は願い下げですから、米国が買え!と言ったら危ない食べ物も我慢して買わないと行けないようですなあ。偵察衛星を贅沢なロケットもろとも海の藻屑にしてしまう日本ですから、情報は米国頼みが続きそうです。
さらに、朝鮮半島の動きに合わせ、東シナ海で「橙(だいだい)国」(中国)の海軍艦艇や潜水艦、空軍偵察機などの活動が活発化、日中が領有権を主張している無人島に中国の民間人とみられる一群が不法上陸、周囲に不審船が出現する事態を想定。官邸や海上保安庁、警察への連絡調整を演習する。
■尖閣諸島の奪還作戦も織り込まれているとは、なかなか勇壮な図上演習ですぞ!南の海で猛特訓中の特殊部隊が投入されるのでしょうか?でも、日本の民間人が対抗して上陸するような想定は無いのですなあ。
次の段階では、同島周辺で中国の海軍艦艇、潜水艦の活動が報告され、領海侵犯が確認されたと想定。海自は海上警備行動に移行、周辺で警戒中の艦艇や航空機などの部隊が一斉に対処行動に移る。陸自も島の侵攻に対処するため西部方面隊の部隊投入を準備、空自も中国の航空侵攻に対し、本土からF15数個飛行隊を那覇基地と宮古島市の下地島空港に移動展開する作戦準備命令を出すことを訓練する。
■やっぱり特殊部隊が投入されるのですなあ。島国のくせに、明治以来、海兵隊を本気で装備しなかった変な国でしたが、島の奪還を命じられても対応出来る部隊が、着々と整備されているとの話を聞くと心強くなります。でも「準備」ですね。「準備」。敵を欺くにはまず味方からというわけですね。
陸海空自がそれぞれ有事への対処要領を定めた「平成17年度防衛警備計画」では、中国、北朝鮮を「脅威対象国」とし、日本への侵攻の可能性について中国は「小さい」、北朝鮮は「ある」と認定している。しかし、防衛庁、自衛隊は外交上の影響に配慮し、「中国を脅威とみなしているわけではない」(2月16日、守屋武昌事務次官)との立場を堅持しており、今月15日に「中国は沖縄の自衛隊にとって脅威」と発言した空自幹部が口頭注意されている。
■この空自幹部は、民主党の前原代表の代わりに叱られたのでしょうなあ。京都大学で高坂先生の教えを受けたわりには、外交と国内の人気取りを混同する程度の「お坊っちゃん」ですから、自衛官が身体を張って誤魔化さないと行けません。本当に手の掛かる野党第1党の党首さんですなあ。憲法9条の改正が先なのに、それを飛ばして「現実的な脅威」などと、何処の国を相手にしても政治家が言っては行けません。余りに当たり前過ぎる話なので、生前の高坂先生も京都大学のゼミでは仰らなかったのでしょうなあ。でも、受験秀才というのは、言われた事はどんどん覚えますが、試験に出ない「常識」を知らないという弱点が有りますからなあ。政治は「常識」の積み重ねですから、受験秀才には向かない職場と言えそうです。
今回の演習で北方有事(赤国=ロシアによる侵攻)は想定外とされ、ロシアの脅威が相対的に低下、中国や北朝鮮の脅威が増しているとの認識を改めて裏付けている。今回の演習シナリオについて自衛隊幹部は「一切明らかにできない」としている。
産経新聞 - 2月28日
■これだけ詳しく記事にしているのに、「明らかにしない」というのは面白いですなあ。ロシアはチェチェン問題に手を焼きつつ、イランを何とか利用しようと必死ですし、西から迫る「民主化」の大波を止めるので精一杯ですから、中国や北朝鮮が短気を起こしても、他人事として国連あたりに、「困ったもんだ」と訴えて済ますでしょう。沿海州の領土が少しでも現在の北朝鮮に食い込めるような気配が見えたら、いそいそと暗躍し始めるでしょうが、天然ガスを使った「恐喝商売」の方が面白いので、日本海の隣国が何をしようと、関係ないでしょう。
■それでも、北方領土に開いた大きな穴は塞がりそうもないのですから、対ロシア外交の建て直しが急がれます。佐藤優さんを追い出してしまった外務省は、もう耳も腕ももがれたも同然でしょうから、とても心配です。イランに夢中になっている間に、ロシアに対する次の手を用意していて欲しいものです。ルーブルの闇両替で「裏金」のかさ上げなどしている場合ではありませんぞ!というわけで、日本の大穴は、やっぱり外務省の中に開いているという事のようです。自衛隊が埋めようにも、米国をダシに使わないと何も出来ないのですから、この穴を通って様々なポンコツが出て行き、有り難くない物や人がどんどん入って来るのでしょうなあ。
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自衛隊と在日米軍が23日から3月3日までの日程で実施している図上演習「キーン・エッジ」(日米共同統合指揮所演習)で、北朝鮮と中国を事実上の「仮想敵」としていることが27日、明らかになった。防衛庁、自衛隊は公式見解で「中国脅威論」を否定しているが、演習では両国の軍事行動を想定し、ミサイル防衛や海上警備行動などの円滑化に主眼を置いている。今回の演習は、3月末からの陸海空自の統合運用に向け、統合任務部隊の命令・情報伝達や在日米軍との連絡調整の円滑化を図るのが主目的。部隊の動きや命令、情報の流れをコンピューター画面上で演習している。
■図上演習ならば大した費用は掛からないのですから、平壌に出向く前準備の段階で、米国に頼み込んで対北朝鮮の日本海の海岸部を守る図上演習くらいやっておけば良かったのです。列島越えの「人工衛星」打ち上げ用ロケットが飛来した時に、「もしも、あれが核弾頭を持った弾道弾だったら」という仮説を立てて計画を練って見せるくらいのデモンストレーションは必要でした。本物を用意していても、「今度も人工衛星だぜ」と言われたら、米軍に言い付ける事しか打つ手が無いのではないでしょうか。米国が前衛で、日本は後衛に回るのは分かり切っている事ですから、単独で外交交渉をすれば舐められるのは当たり前ですなあ。
関係者によると、演習シナリオ上では、日本を「青国」、米国を「緑国」などと国名を色で表している。まず「紫国」(北朝鮮)の弾道ミサイルへの燃料注入の動きを米国が探知した事態を想定。日米が警戒態勢に移行し、日本海で在日米海空軍や海自イージス艦などが監視体制を強化。「茶国」(韓国)でも緊張が高まる中、空自輸送機による韓国からの邦人輸送のため命令、連絡などを演習している。
■やっぱり、「米国が探知」なのですね?これでは、米国が意地悪をして教えてくれないような恐ろしい事は願い下げですから、米国が買え!と言ったら危ない食べ物も我慢して買わないと行けないようですなあ。偵察衛星を贅沢なロケットもろとも海の藻屑にしてしまう日本ですから、情報は米国頼みが続きそうです。
さらに、朝鮮半島の動きに合わせ、東シナ海で「橙(だいだい)国」(中国)の海軍艦艇や潜水艦、空軍偵察機などの活動が活発化、日中が領有権を主張している無人島に中国の民間人とみられる一群が不法上陸、周囲に不審船が出現する事態を想定。官邸や海上保安庁、警察への連絡調整を演習する。
■尖閣諸島の奪還作戦も織り込まれているとは、なかなか勇壮な図上演習ですぞ!南の海で猛特訓中の特殊部隊が投入されるのでしょうか?でも、日本の民間人が対抗して上陸するような想定は無いのですなあ。
次の段階では、同島周辺で中国の海軍艦艇、潜水艦の活動が報告され、領海侵犯が確認されたと想定。海自は海上警備行動に移行、周辺で警戒中の艦艇や航空機などの部隊が一斉に対処行動に移る。陸自も島の侵攻に対処するため西部方面隊の部隊投入を準備、空自も中国の航空侵攻に対し、本土からF15数個飛行隊を那覇基地と宮古島市の下地島空港に移動展開する作戦準備命令を出すことを訓練する。
■やっぱり特殊部隊が投入されるのですなあ。島国のくせに、明治以来、海兵隊を本気で装備しなかった変な国でしたが、島の奪還を命じられても対応出来る部隊が、着々と整備されているとの話を聞くと心強くなります。でも「準備」ですね。「準備」。敵を欺くにはまず味方からというわけですね。
陸海空自がそれぞれ有事への対処要領を定めた「平成17年度防衛警備計画」では、中国、北朝鮮を「脅威対象国」とし、日本への侵攻の可能性について中国は「小さい」、北朝鮮は「ある」と認定している。しかし、防衛庁、自衛隊は外交上の影響に配慮し、「中国を脅威とみなしているわけではない」(2月16日、守屋武昌事務次官)との立場を堅持しており、今月15日に「中国は沖縄の自衛隊にとって脅威」と発言した空自幹部が口頭注意されている。
■この空自幹部は、民主党の前原代表の代わりに叱られたのでしょうなあ。京都大学で高坂先生の教えを受けたわりには、外交と国内の人気取りを混同する程度の「お坊っちゃん」ですから、自衛官が身体を張って誤魔化さないと行けません。本当に手の掛かる野党第1党の党首さんですなあ。憲法9条の改正が先なのに、それを飛ばして「現実的な脅威」などと、何処の国を相手にしても政治家が言っては行けません。余りに当たり前過ぎる話なので、生前の高坂先生も京都大学のゼミでは仰らなかったのでしょうなあ。でも、受験秀才というのは、言われた事はどんどん覚えますが、試験に出ない「常識」を知らないという弱点が有りますからなあ。政治は「常識」の積み重ねですから、受験秀才には向かない職場と言えそうです。
今回の演習で北方有事(赤国=ロシアによる侵攻)は想定外とされ、ロシアの脅威が相対的に低下、中国や北朝鮮の脅威が増しているとの認識を改めて裏付けている。今回の演習シナリオについて自衛隊幹部は「一切明らかにできない」としている。
産経新聞 - 2月28日
■これだけ詳しく記事にしているのに、「明らかにしない」というのは面白いですなあ。ロシアはチェチェン問題に手を焼きつつ、イランを何とか利用しようと必死ですし、西から迫る「民主化」の大波を止めるので精一杯ですから、中国や北朝鮮が短気を起こしても、他人事として国連あたりに、「困ったもんだ」と訴えて済ますでしょう。沿海州の領土が少しでも現在の北朝鮮に食い込めるような気配が見えたら、いそいそと暗躍し始めるでしょうが、天然ガスを使った「恐喝商売」の方が面白いので、日本海の隣国が何をしようと、関係ないでしょう。
■それでも、北方領土に開いた大きな穴は塞がりそうもないのですから、対ロシア外交の建て直しが急がれます。佐藤優さんを追い出してしまった外務省は、もう耳も腕ももがれたも同然でしょうから、とても心配です。イランに夢中になっている間に、ロシアに対する次の手を用意していて欲しいものです。ルーブルの闇両替で「裏金」のかさ上げなどしている場合ではありませんぞ!というわけで、日本の大穴は、やっぱり外務省の中に開いているという事のようです。自衛隊が埋めようにも、米国をダシに使わないと何も出来ないのですから、この穴を通って様々なポンコツが出て行き、有り難くない物や人がどんどん入って来るのでしょうなあ。
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