■先の記事中にあった「08憲章」が発表されたのは昨年12月のことでした。
中国人学者や作家ら303人が共産党の一党独裁を批判し、人権擁護などを求めて署名した「08憲章」と題する声明が10日、インターネット上で発表された。世界人権宣言の採択60周年に合わせて出されたもので、中国で大勢が実名で公然と一党独裁を批判するのは異例。署名したのは、故趙紫陽元党総書記のブレーンだった鮑※(※=杉の木を丹に)氏、天安門事件で息子を亡くした丁子霖氏ら。
2008年12月10日 時事通信
■何かと周年が大好きなチャイナらしく「世界人権宣言」採択60周年という大義名分を見つけたのでしょうが、本音は北京五輪大会を開催した年だったからではないでしょうか?IOCと外国メディア向けに発表した民主化公約が、大会の終了と共にすっかり忘れ去られた頃に国内から「忘れていないぞ!」というメッセージを打ち出したかったのでしょう。それにしても世界を驚かせるニュースでした。同憲章はチャイナの現状レポートとしてもよく出来ているようです。機会があったら熟読してみたいと思いますが、これが蟻の一穴となってあちこちから独裁反対の声が漏れ出して来るのを誰も止められないでしょう。第二次天安門事件の時には、戦車を投入する目的地がはっきりしていましたが、ネット上のサイトとなりますと、戦車も兵隊も送り込めませんからなあ。正に「人の口には戸は立てられない」の諺通りであります。
……「08憲章」は23日、署名者が6191人となった。同憲章の起草者の一人で拘束された著名反体制作家、劉暁波氏を「救う」署名も8460に達した。インターネット上で見られる現況報告などによると、当局は署名者に対し署名の理由や背後関係についての調査を進めている。同憲章は今月10日に発表され、署名者は19日に5000人近くに達していた。……当局がネットに対する規制を強化……こうした措置に関係者は、署名のためのメール送信先を増設して対抗している。
■世界中が見ている目の前で、モグラ叩きやイタチごっこを演じるのは五輪大会開催国としての面子が丸潰れでありましょう。あの史上最大の「聖火リレー」は何だったのでしょう?通過国にも多大なる迷惑を掛けて強行された国威発揚の大イベントも、結局は史上最大のヤラセだったことを自白してるようなものですなあ。露骨な逮捕・拉致・監禁などの得意技が仕えない当局としては、さぞや切歯扼腕の思いでしょうが、断固とした措置が取れずに困っている時に、新たな「洗脳拒否」声明が登場したのですから、これは泣きっ面に蜂。
一方、フランス通信(AFP)によれば、サルマン・ラシュディ、ウンベルト・エーコ両氏を含む世界各国の著名作家や学者らが、劉暁波氏の即時釈放を求める書簡を胡錦濤国家主席に送った。
2008年12月23日 産経ニュース
■ラシュディさんの名前が登場!北京政府と仲良しのイランが死刑判決を出している作家ですが、イスラム世界では最も民主化されていると言われるイランとしては、宗教と関係のない話でラシュディさんの悪口を言うわけにも行かないでしょう。どこの国でも言論弾圧を賞讃するような時代ではないという事かも知れませんなあ。隣の北朝鮮あたりが「断固賛成!」などと言い出しそうですが、まったく助けにならない上に、後々、高く付きそうですからお呼びじゃないでしょう。
米政府系の自由アジア放送(RFA)は25日、中国共産党宣伝部がこのほど、国内メディアに対し、民主派の学者らが同党に人権擁護を要求した声明「08憲章」に関する取材禁止などを指示したと報じた。……宣伝部は「08憲章」署名者への取材のほか、署名者の原稿掲載を禁止。自ら署名した一部の記者は既に上司から「やり過ぎるな」と警告されたという。ただ、あるメディア関係者は「08憲章は支持者があまりに多く、完全に統制するのは不可能だ」と話している。2008年12月25日 時事通信
■共産党にとってはとんだクリスマスのプレゼントになったわけですなあ。日本ではビートたけしの「赤信号、皆で渡れば怖くない」という毒ガス川柳が有名ですが、チャイナの街角では無意識に実行されている現実の現象です。党批判も皆でやれば怖くないのかも?でも、天安門広場に集まった学生達も、最初は数の多さと支持者の声に自信を深めていたのですから、御用心、御用心。
中国人学者や作家ら303人が共産党の一党独裁を批判し、人権擁護などを求めて署名した「08憲章」と題する声明が10日、インターネット上で発表された。世界人権宣言の採択60周年に合わせて出されたもので、中国で大勢が実名で公然と一党独裁を批判するのは異例。署名したのは、故趙紫陽元党総書記のブレーンだった鮑※(※=杉の木を丹に)氏、天安門事件で息子を亡くした丁子霖氏ら。
2008年12月10日 時事通信
■何かと周年が大好きなチャイナらしく「世界人権宣言」採択60周年という大義名分を見つけたのでしょうが、本音は北京五輪大会を開催した年だったからではないでしょうか?IOCと外国メディア向けに発表した民主化公約が、大会の終了と共にすっかり忘れ去られた頃に国内から「忘れていないぞ!」というメッセージを打ち出したかったのでしょう。それにしても世界を驚かせるニュースでした。同憲章はチャイナの現状レポートとしてもよく出来ているようです。機会があったら熟読してみたいと思いますが、これが蟻の一穴となってあちこちから独裁反対の声が漏れ出して来るのを誰も止められないでしょう。第二次天安門事件の時には、戦車を投入する目的地がはっきりしていましたが、ネット上のサイトとなりますと、戦車も兵隊も送り込めませんからなあ。正に「人の口には戸は立てられない」の諺通りであります。
……「08憲章」は23日、署名者が6191人となった。同憲章の起草者の一人で拘束された著名反体制作家、劉暁波氏を「救う」署名も8460に達した。インターネット上で見られる現況報告などによると、当局は署名者に対し署名の理由や背後関係についての調査を進めている。同憲章は今月10日に発表され、署名者は19日に5000人近くに達していた。……当局がネットに対する規制を強化……こうした措置に関係者は、署名のためのメール送信先を増設して対抗している。
■世界中が見ている目の前で、モグラ叩きやイタチごっこを演じるのは五輪大会開催国としての面子が丸潰れでありましょう。あの史上最大の「聖火リレー」は何だったのでしょう?通過国にも多大なる迷惑を掛けて強行された国威発揚の大イベントも、結局は史上最大のヤラセだったことを自白してるようなものですなあ。露骨な逮捕・拉致・監禁などの得意技が仕えない当局としては、さぞや切歯扼腕の思いでしょうが、断固とした措置が取れずに困っている時に、新たな「洗脳拒否」声明が登場したのですから、これは泣きっ面に蜂。
一方、フランス通信(AFP)によれば、サルマン・ラシュディ、ウンベルト・エーコ両氏を含む世界各国の著名作家や学者らが、劉暁波氏の即時釈放を求める書簡を胡錦濤国家主席に送った。
2008年12月23日 産経ニュース
■ラシュディさんの名前が登場!北京政府と仲良しのイランが死刑判決を出している作家ですが、イスラム世界では最も民主化されていると言われるイランとしては、宗教と関係のない話でラシュディさんの悪口を言うわけにも行かないでしょう。どこの国でも言論弾圧を賞讃するような時代ではないという事かも知れませんなあ。隣の北朝鮮あたりが「断固賛成!」などと言い出しそうですが、まったく助けにならない上に、後々、高く付きそうですからお呼びじゃないでしょう。
米政府系の自由アジア放送(RFA)は25日、中国共産党宣伝部がこのほど、国内メディアに対し、民主派の学者らが同党に人権擁護を要求した声明「08憲章」に関する取材禁止などを指示したと報じた。……宣伝部は「08憲章」署名者への取材のほか、署名者の原稿掲載を禁止。自ら署名した一部の記者は既に上司から「やり過ぎるな」と警告されたという。ただ、あるメディア関係者は「08憲章は支持者があまりに多く、完全に統制するのは不可能だ」と話している。2008年12月25日 時事通信
■共産党にとってはとんだクリスマスのプレゼントになったわけですなあ。日本ではビートたけしの「赤信号、皆で渡れば怖くない」という毒ガス川柳が有名ですが、チャイナの街角では無意識に実行されている現実の現象です。党批判も皆でやれば怖くないのかも?でも、天安門広場に集まった学生達も、最初は数の多さと支持者の声に自信を深めていたのですから、御用心、御用心。