……横流しされたのは同社の熊谷配工センター(埼玉県熊谷市)で昨年2月~今年1月に顧客から引き取ったテレビ、洗濯機、冷蔵庫計1594台。同センターが当時、不要家電の収集運搬を委託していた埼玉県内の貨物運送業者の関係者約10人が、顧客から徴収した1台2520~4830円のリサイクル料金などを着服したうえ、回収した不要家電を国内大手の中古品販売・輸出会社に売却していた。本来は、この業者などが回収した不要家電を同センターの集積場所に持ち込み、別の業者がメーカー指定の集積場所に運ぶ仕組みだった。
■すっかり「電気屋さん」の仕事から「修理」「修繕」の名前が無くなって、プロの技術や知識が消費者の身近から遠ざかってしまいました。買う→使う→捨てる、の間に「直す」という段階が消えてしまいました。「直すより買う方が安いですよ」と電気屋さんが言い出したはいつ頃のことだったでしょう?たった半として「中古品」になってしまう家電製品やコンピュータですから、何十年も使い続けるのは稀な話になってしまいましたなあ。でも、メイド・イン・ジャパンの「中古品」なら家電製品でも自動車でも、いくらでも買いたいと言う声は世界中に溢れているようです。日本では「廃車」なのに、同じ自動車が元気に走り回っている国が
割と近所にも有りますからなあ。
リサイクル状況に不審な点があったため、ヤマダ電機が今年1月に内部監査。顧客が家電購入の際に「不要家電がある」と答えながら、リサイクルに回っていないケースが2107件判明した。顧客への聞き取り調査の結果、このうち1594台は顧客が業者に不要家電を引き渡していた。顧客にリサイクル券を発行していた228台のほか、454台は業者が領収書を交付。残る912台も顧客が引き取り料を払ったとみられるという。
■この「リサイクル券」という代物を発行して監視?しているのが経済産業省が作った財団法人だそうです。日本中のリサイクル業者を監視することなど不可能ですから、得意の啓蒙パンフレット作りや誰も聞いてくれない広報活動などが主たる仕事ではないかと邪推もしたくなります。今回の事件も、ヤマダ電機が独自に内部調査した結果判明しているのですから、それも「聞き取り調査の結果」という限定付き!ならば、日本中のリサイクル業界の裏側はどうなっているのか?誰にも分からないのでしょうなあ。
ヤマダ電機は1594台すべてについて、リサイクル料金に相当する計約492万円を顧客に返還。経産、環境両省に横流しの事実を申告し、業者関係者を業務上横領などの容疑で告訴した。ヤマダ電機は「業者個人の小遣い稼ぎで、組織としての不正ではない。業者が不正に使ったリサイクル券の控えを廃棄していたため、把握できなかった」と釈明。リサイクル券の管理の徹底や業者の再教育など、再発防止策を講じたという。……
3月30日 毎日新聞
■IT技術が詰まった製品ともなれば、軍事的な意味も含めて外部への流出には神経を使わねばなりません。高性能の「無人ヘリコプター」も使いようで戦地での偵察から爆撃まで可能なのに、ほいほいと売ってしまう会社も有るのが日本で、輸送用のトレーラー・トラックを何処かの国に売ったら、引っ張っているのがミサイル発射装置だったとか、コンピュータの外付け装置となったら、各種の公文書の偽造やら偽札造りにも利用されているそうですからなあ。ご用心、ご用心。
海上自衛隊第1護衛隊群(神奈川県横須賀市)の護衛艦「しらね」乗組員の2等海曹が、護衛艦のレーダーのデータなどを記録したフロッピーディスクを自宅に持ち出していたことが29日、わかった。防衛省が秘密情報に指定している内容とみられる。秘密情報の持ち出しは禁じられている。……フロッピーディスクは、今年初め、神奈川県警が2等海曹の中国人の妻を入管難民法違反容疑で摘発し、自宅を捜索した際に発見、押収されたという。記録されていたのは、レーダーのデータや、通信関係の周波数などだったといい、同県警などで2等海曹からも事情を聞いている。
3月30日 読売新聞
■この種の事件に関して、日本のマスコミは扱いが概して小さくなってしまうのはどうしてでしょう?本当に平和憲法を守るのなら、
(仮想)敵国に侮られない努力を続けていなければなりません。平時でも情報戦は続いているのですから、ここで敗れ去れば、時到れば国益を増大させるために切羽詰った国は食い物に出来る国に手を出して来ますぞ!莫大な防衛予算を投じて装備を充実させ、将兵が訓練に励んでいるのも、相手に誤解を与えるような隙を見せないためでしょうに!軍事機密がぽろぽろ漏れ出ているような国ならば、さぞや実戦でもヘマを重ねるに違いない、と思われても仕方が有りません。まあ、相手の方が上だったというだけの事なのかも知れませんが……。「入管法で摘発された中国人の妻」というのが、何とも気になる話ですなあ。これには続報が有りました。
海上自衛隊第1護衛隊群(神奈川県横須賀市)の護衛艦「しらね」乗組員の2等海曹(33)が護衛艦情報などを持ち出した事件で、情報の中にイージス艦に関する記録が含まれていたことが30日、わかった。性能などにかかわる内容とみられる。日米相互防衛援助協定に基づいて米国から供与された武器の性能などは、防衛省が指定する秘密情報の中でも、最も秘匿性の高い「特別防衛秘密」に該当する。外部に漏えいすれば、同協定に伴う秘密保護法に抵触する可能性もあり、捜査当局で慎重に情報の分析を進めている。……今年1月、神奈川県警が2等海曹の中国人の妻に対する入管難民法違反容疑(不法残留)で、横須賀市内の自宅を捜索した際、護衛艦のレーダーのデータなどが入ったフロッピーディスクのほか、容量の大きいハードディスクが押収された。
3月30日 読売新聞
■入管法違反は、別件逮捕の可能性も有りますが、神奈川県警の1人仕事ならばお手柄でした。こういう場合は警視庁の外事課が動くのではないでしょうか?自衛隊内部には、「調査隊」から発展した「情報保全隊」が設置されているそうですが、今回の大事件には関わっていないのでしょうか?大容量のハード・ディスクにたっぷりとイージス艦の心臓部を解明する情報が満載されていたら、日本ばかりか米国の太平洋戦略が丸見えになりますぞ!これから、この2等海曹や「入管難民法違反容疑者」の中国人妻につていは、週刊誌が根掘り葉掘り調べ上げて報道するのでしょうが、大規模エンルギー政策交流団の皆様がお帰りになる前に報道して欲しいものですなあ。外交関係は良好であるに越した事はございませんが、願わくばフェアにやって貰いたいですからなあ。
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