■地味ながらなかなか面白い業績を残した小渕総理の時代を知ろうと、その関連の本を読めば、必ず出て来る言葉が有ります。それが「恒久減税」です。「永代供養」の「永代」と、自民党が約束した「恒久」と、さてさて、どちらが長いでしょう?これは高等数学の「無限問題」にも通じる、非常に面白い頭の体操ですぞ!そんなまともな「日本語」の問題は無視されて、何故か今年の六月から日本国の「恒久
」が終了しました。それを決定した自民・公明政権は「増税ではない」と言い張っています。「恒久」と「100年安心」と、二つ並べると、どうもこの政権は時間感覚が壊れているとしか思えませんなあ。
6月から始まった「住民税増税」をめぐって、自治体がパニックになっている。新潟県五泉市では、「住民税が上がると生活できなくなる」「オレに死ねというのか」と職員が住民にナイフを突きつけられる事件が起きている。三位一体改革によって、これまで所得額によって5%、10%、13%の3段階だった住民税は、6月から一律10%に統一される。これで年収500万円の標準家庭は年額6万円、年収700万円なら9万7500円の増税になる。さらに、定率減税の全廃が加わり、年収700万円なら4万1000円、1000万円なら8万9000円の増税分が上乗せされるから、あっと言う間に10万円超の増税になってしまう。
■この時期ですから、別にナイフを振り回さなくても良さそうです。しっかり「選挙」に参加して、立会い演説会や街角演説にも小まめに出掛けて、どんなに忙しくても力の限りに「ターゲット議員」に向かって罵詈雑言の野次を投げ付ける。物体を投げると犯罪になりますし、「名誉毀損」になるような個人的なネタは現金です。その代わり「年金はどうする!」「またウソをつくのか?」「いい加減にしろ!」この程度の事を大声で叫んでも、警官が飛んで来ることはないでしょう。ただ、強力な「支援団体」がガードを固めている某政党の候補者に向かう時には、ちょっとした逃げ足の速さが必要かも?でも、その政党を熱心に応援している人達は、あらゆる縁を頼って電話や手紙で必死の選挙運動を展開する事で有名ですから、応援依頼電話が来たら、迷惑がらずに新聞記事などを存分に利用してぐちぐちだらだらと、「あれはどうなるのか?」「その根拠は何か?」「それは本当か?」などなど、じっくりねっとりと質問攻めにするのも良いかも知れませんなあ。
各自治体は先週、確定申告をしている住民に対して「納税通知書」を一斉に郵送。増税額を知った住民が役所にドッと押しかけ、どの役所にも苦情電話が殺到し、仕事にならない状態に陥っている。
「1日に1400本の問い合わせの電話があります。住民税増税については広報してきたつもりですが、実際の増税額を知って驚かれているようです」(東京・杉並区)「1日に200人近くの区民の方が役所に来られています。計算式をお見せして納得していただくしか……」(世田谷区)……安倍政権は住民税増税に対する国民の反発が強まらないように「住民税の増税は所得税の減税とセットです」と盛んにPRし、定率減税の全廃に触れようとしなかった。それが逆に混乱を招いているという。「サラリーマンは6月25日の給料日に住民税の増税を実感するはずです。このまま参院選に突入すると考えたら恐ろしい」(自民党関係者)……
6月21日 日刊ゲンダイ
■このように、正確には「恒久減税」と呼ばなければならないのに、「定率減税」という言葉に変わっているのです!これは「日刊ゲンダイ」だけが、いい加減なメディアだという話ではありません。何故か日本中の大手メディアは一斉にこの言い換えを採用しているのです。平時の政治は税制とほぼ同義です。米国が英国に対して独立戦争を仕掛けたのは「増税」に対する怒りが原因でしたし、チャイナの歴代王朝が倒されたのは正規の税金以外に腐敗役人が好き勝手に税金を要求したからです。他にどれ程重要な政策が有ろうと、納得いかない税制を実施する現政権を追放するのは、民主政治の常道です。
■保存しておいたちょっと古いネタを取り上げていますが、リアル・タイムの世界では、宮澤元総理が死去しました。日・漢・英・仏語を自在に操る大正デモクラシーの教養人として育ち、東大法学部以外の高等教育機関を一切認めない明治以来のエリート官僚主義の権化みたいな人でしたが、宮澤さんが歴史に刻まれるのは、サンフランシスコ講和条約の裏交渉や議員会館で暴漢と立ち回りを演じた逸話ではなく、長く続いた自民党単独政権の最後の首相になったというこの一点でしょう。弔問に駆けつけた安倍総理は、きっと背中に冷たい汗が流れたに違いありません。これはきっと前兆だ!と思ったのではないでしょうか?
■でも、あの時のように甘いの辛いの固いの柔らかいの、何でも有りのごった煮政権が出現するのだけは勘弁して貰いたいものですなあ。あの時も「改革」という虚しい言葉が錦の御旗になって、結局は泥舟の社会党を逃げ出した人、消滅した民社党からの亡命者、自民党内の権力闘争に敗北した元田中派の議員などなど、どう考えても一つの集団など構成できるわけもない政権が出来てしまった、実に恥ずかしい時代でしたなあ。
■これほど無茶クチャな政権を倒すためには、野に下って冷や飯の不味さに驚愕した自民党の残党は、手段を選ばず「数は力だ!」の田中角栄さんの教えを守って、死に体だった社会党の死肉を漁って村山政権という笑うに笑えないトンデも内閣を作ってしまったのでした。政治ネタを得意とする四コマ漫画の作者や新聞の風刺がを描いている人にとっては大助かりでしょうが、第二の細川政権だけは勘弁して欲しい!
」が終了しました。それを決定した自民・公明政権は「増税ではない」と言い張っています。「恒久」と「100年安心」と、二つ並べると、どうもこの政権は時間感覚が壊れているとしか思えませんなあ。
6月から始まった「住民税増税」をめぐって、自治体がパニックになっている。新潟県五泉市では、「住民税が上がると生活できなくなる」「オレに死ねというのか」と職員が住民にナイフを突きつけられる事件が起きている。三位一体改革によって、これまで所得額によって5%、10%、13%の3段階だった住民税は、6月から一律10%に統一される。これで年収500万円の標準家庭は年額6万円、年収700万円なら9万7500円の増税になる。さらに、定率減税の全廃が加わり、年収700万円なら4万1000円、1000万円なら8万9000円の増税分が上乗せされるから、あっと言う間に10万円超の増税になってしまう。
■この時期ですから、別にナイフを振り回さなくても良さそうです。しっかり「選挙」に参加して、立会い演説会や街角演説にも小まめに出掛けて、どんなに忙しくても力の限りに「ターゲット議員」に向かって罵詈雑言の野次を投げ付ける。物体を投げると犯罪になりますし、「名誉毀損」になるような個人的なネタは現金です。その代わり「年金はどうする!」「またウソをつくのか?」「いい加減にしろ!」この程度の事を大声で叫んでも、警官が飛んで来ることはないでしょう。ただ、強力な「支援団体」がガードを固めている某政党の候補者に向かう時には、ちょっとした逃げ足の速さが必要かも?でも、その政党を熱心に応援している人達は、あらゆる縁を頼って電話や手紙で必死の選挙運動を展開する事で有名ですから、応援依頼電話が来たら、迷惑がらずに新聞記事などを存分に利用してぐちぐちだらだらと、「あれはどうなるのか?」「その根拠は何か?」「それは本当か?」などなど、じっくりねっとりと質問攻めにするのも良いかも知れませんなあ。
各自治体は先週、確定申告をしている住民に対して「納税通知書」を一斉に郵送。増税額を知った住民が役所にドッと押しかけ、どの役所にも苦情電話が殺到し、仕事にならない状態に陥っている。
「1日に1400本の問い合わせの電話があります。住民税増税については広報してきたつもりですが、実際の増税額を知って驚かれているようです」(東京・杉並区)「1日に200人近くの区民の方が役所に来られています。計算式をお見せして納得していただくしか……」(世田谷区)……安倍政権は住民税増税に対する国民の反発が強まらないように「住民税の増税は所得税の減税とセットです」と盛んにPRし、定率減税の全廃に触れようとしなかった。それが逆に混乱を招いているという。「サラリーマンは6月25日の給料日に住民税の増税を実感するはずです。このまま参院選に突入すると考えたら恐ろしい」(自民党関係者)……
6月21日 日刊ゲンダイ
■このように、正確には「恒久減税」と呼ばなければならないのに、「定率減税」という言葉に変わっているのです!これは「日刊ゲンダイ」だけが、いい加減なメディアだという話ではありません。何故か日本中の大手メディアは一斉にこの言い換えを採用しているのです。平時の政治は税制とほぼ同義です。米国が英国に対して独立戦争を仕掛けたのは「増税」に対する怒りが原因でしたし、チャイナの歴代王朝が倒されたのは正規の税金以外に腐敗役人が好き勝手に税金を要求したからです。他にどれ程重要な政策が有ろうと、納得いかない税制を実施する現政権を追放するのは、民主政治の常道です。
■保存しておいたちょっと古いネタを取り上げていますが、リアル・タイムの世界では、宮澤元総理が死去しました。日・漢・英・仏語を自在に操る大正デモクラシーの教養人として育ち、東大法学部以外の高等教育機関を一切認めない明治以来のエリート官僚主義の権化みたいな人でしたが、宮澤さんが歴史に刻まれるのは、サンフランシスコ講和条約の裏交渉や議員会館で暴漢と立ち回りを演じた逸話ではなく、長く続いた自民党単独政権の最後の首相になったというこの一点でしょう。弔問に駆けつけた安倍総理は、きっと背中に冷たい汗が流れたに違いありません。これはきっと前兆だ!と思ったのではないでしょうか?
■でも、あの時のように甘いの辛いの固いの柔らかいの、何でも有りのごった煮政権が出現するのだけは勘弁して貰いたいものですなあ。あの時も「改革」という虚しい言葉が錦の御旗になって、結局は泥舟の社会党を逃げ出した人、消滅した民社党からの亡命者、自民党内の権力闘争に敗北した元田中派の議員などなど、どう考えても一つの集団など構成できるわけもない政権が出来てしまった、実に恥ずかしい時代でしたなあ。
■これほど無茶クチャな政権を倒すためには、野に下って冷や飯の不味さに驚愕した自民党の残党は、手段を選ばず「数は力だ!」の田中角栄さんの教えを守って、死に体だった社会党の死肉を漁って村山政権という笑うに笑えないトンデも内閣を作ってしまったのでした。政治ネタを得意とする四コマ漫画の作者や新聞の風刺がを描いている人にとっては大助かりでしょうが、第二の細川政権だけは勘弁して欲しい!