旅限無(りょげむ)

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アルイミ首相の「一定のメド」 其の伍

2011-06-09 06:23:01 | 政治
■殊勝な顔をして「死んだふり」延命を画策したものの、見事に目論見が外れてしまった菅アルイミ首相は何も出来なかった無為無策の日々を重ねて、とうとう1年もの長きに亘る鳩山サセテイタダク前首相よりも長い任期を記録できることになった由。これを喜んでいる人は民主党内でも少ないのではないでしょうか?「物言えば唇寒し」と申しますが、事ここに至れば何を言っても恥の上塗りにしかなりませんなあ。

菅首相は3日午後、参院予算委員会集中審議で、2日午後の民主党代議士会での発言について、自民党の山本一太・参院政審会長の「(マスコミ)各社が早期退陣と書いた。退陣表明でいいのですね」との質問に対し、「まさに(昨日の代議士会で)言った通り」と述べ、「メディアがどう表現するかまで、私がどうこうすることではない」と答えた。……山本氏は「内閣不信任決議案を否決するために、首相が使ったやり方は政治的な詐欺じゃないか。ひきょうで、姑息なペテンだ」と批判。菅首相は「そうした表現をされるのは適切ではない。(原発事故の対応など)一定のメドがつくまで責任を果たしたい」と反論した。
2011年6月3日(金) 読売新聞 

■「責任を果たし」に福島第一原発の現場に乗り込んでベント作業の邪魔をして水素爆発を早めてしまった疑惑がどんどん濃くなっているのに、まだ「責任を果たす」と言い張って首相の座にしがみ付くのは醜態と申せましょうなあ。3月11日午後7時3分に「原子力緊急事態宣言」を発令した時から菅アルイミ首相は夢にまでみた「独裁者」になっているのに、その絶大な権力の使い方をまったく知らなかったばかりにスタッフみたいな行動に終始してしまったのでした。従って日本国には原発事故の非常事態に立ち向かう最高司令官が今でも不在という悲劇が続いているわけであります。各省庁の権限で事故対応や震災復興の障害となる古い平時の規制をぱっぱと取り外すように指示を出し、さっさと野党と手打ちをして必要な特別法をちゃっちゃと成立させねばならなかったのに、「子ども手当て」がどうしたこうしたと内輪の痴話喧嘩に明け暮れてしまったのは残念至極。

■「社会全体で子どもを育てよう」というのは立派な理念でしょうが、皮算用した財源が見付からないのですから諦めるしかないでしょうに?!「国民の生活が第一」と連動する「子ども手当て」に固執するほど日本の子ども達が大切なら、詳細な放射能汚染の状況を発表して母子の安全を最優先にした避難誘導が発令されていなければなりませんでした。実質的に被災地の子供達は菅アルイミ政権に見棄てられておりますぞ!放射線に怯えながら「子ども手当て」を貰って誰が喜ぶのでしょうなあ?

■今朝6月8日のテレビに田上等という人物が出演していたようです。産経ニュースの報道によりますと、この方は昭和25年生まれで慶応大卒、父は民社党の田上松衛参院議員で在学中から市川房枝元参院議員の選挙にかかわり、菅直人首相と知り合い、社会市民連合の創設メンバーの1人で、昭和54年から衆院選などに計5回立候補するもすべて落選。平成3年から15年間、国民健康保険組合で働いたが18年に退職。借金も重ねた結果、約3年前から路上生活を送り、古本集めなどで生計を立てている。離婚した元妻との仲人は菅首相だったとの事です。テレビでは4000万円の借金が払えず自己破産したと報じておりましたなあ。

■横浜でホームレス生活を続けている田上氏が寄稿した文章がネット・ニュース上で注目を集めているのは、「三つ子の魂百まで」と言いますから菅アルイミ首相の政治家としての出自を知る上で貴重な証言となっているからなのでしょう。これも一種の「内部告発」かも知れません。東京電力も原子力安全保安院も現場で作業している人たちからの内部告発を握り潰して来たことも大事故の原因の一つですから、政治的大災害を最小限度に食い止めるためにも耳を傾けておく価値はありそうですぞ。


菅さん、内閣不信任決議案の否決ではあざとい手法で首がつながりましたが、本当にそれでいいんですか。「してやったり」と思ったのでしょうが、鳩山由紀夫前首相との辞任合意をほごにし、すぐに「辞めることを約束したわけではない」と言うなんて…。
 ペテン師と呼ばれて当然です。すぐにばれる嘘なんてしゃれになりませんよ。粘って時間稼ぎをしていればそのうち世論も付いてくると甘く考えていたふしがあるけれど、そんな延命策には誰もついてきやしません。いよいよ菅さんによって、日本の民主主義が壊されていくと感じました。…… 

■「民主主義が壊される」というのは只ならぬ危機感が込められた警告であります。この問題を考える時に忘れてならないのは、昨年6月11日の所信表明演説の冒頭で菅アルイミ首相が唐突に口にした「国会内閣制」という言葉です。菅アルイミ首相が個人的に師と仰ぐ政治学者の松下圭一という人の造語なのだそうですが、衆院総選挙で多数派となったら4年間の任期中は国民から白紙委任された権力を好き放題に振り回してもよいという独創的で実に乱暴な理屈なのだそうです。菅アルイミ首相自身も「議会制民主主義というのは、期限を区切った、あるレベルの独裁を認めることだと思っている。(中略)4年間なら4年間は一応まかせる」という意味だと御丁寧に解説してくれてもおりますから、菅アルイミ首相は本気で「俺は4年間は天下人だ!」と信じ込んでいる可能性があります。

■官僚が新しい情報や提言を告げると「俺は聞いてねえぞお!」と激高して咆哮するという噂も、自分がスターリンや毛沢東並の絶対権力者として日本を支配していると思い込んでいるからかも知れません。日本の民主主義は議会制民主主義で、内閣も議院内閣制の中で限定的な権力しか持っていないことをご存知ない首相が1年間も日本を迷走させているとしたら大変なことであります。困った隣人の北朝鮮は正式名称の中に「民主主義」が組み込まれておりましたなあ。


東京電力福島第1原発事故で何でも東電のせいにしたり、東電本店に怒鳴り込んだりしたのは、あなた独特の「合理性」からですね。みんな自己責任だと思っている。20年ほど前に私が自己破産したときも「自分の家を取られた不始末はお前の責任だ」と血も涙もなく突き放されました。それでも弁護士費用を立て替えてはくれましたが…。あなたと出会ったのは、市川房枝元参院議員の選挙を手伝ったとき。あなたが選対本部事務局長で私が会計責任者。4つ年上で頼もしく見えましたが、当時から国家観や哲学なんてものはありませんでした。…… 

■「お前の責任だ」発言に関しては詳しい事情が不明なので単なる私怨の可能性もありますが、「他人に厳しく自分に甘い」菅アルイミ首相ならばこれくらいの暴言は平気で吐きそうな気もします。「国家観や哲学」などという高級な物を菅アルイミ首相に求めたり期待している国民は皆無に等しいでしょうが、ここまで断じられますと西東京の有権者達はちょっと困ってしまうでしょうなあ。でも、民主党という政党自体が統一した国家観も哲学も無いからこそ政党としての綱領が作れないのでしょうから、菅アルイミ首相は民主党の代表として相応しいリーダーだという屁理屈も成り立ちそうです。


昭和51年の衆院選に初めて臨んだ際は私が選対本部事務局長を務め、次に参院選に挑んで惨敗した後、次はどうするのか語り合いましたね。あなたは「たとえ応援してくれる人がいなくなって、おれ独りになってもやる」と強気でした。いま、民主党内や野党からの「辞めろ」の大合唱にもめげない厚顔無恥な彼の姿に通じるものがあります。一度手にしたものは絶対、手放さない人です。…… 

■政党助成金制度も無かった時期に「応援してくれる人」が一人もいなくなっても選挙資金を何処から工面して来るつもりだったのか?違法に政治資金を集める方法を当時から使っていたのか?疑問がいろいろ湧きますが、それ以上に支持者さえも軽視する異常な権力志向はちょっと病的なものを感じますなあ。「厚顔無恥」という表現はまことに的確で、民主党への政権交代が起こってから日本が国際的な信用をどんどん無くして来た理由の一つを表わしているようにも思えます。


あなたは落選中、社会市民連合の代表となりましたが、口の利き方にはほとほとあきれていました。日ごろ手足となり応援してくれる年上の市会議員が事務所にきても、なぜか敬意を払おうとはしない。だから話はちっとも和まないんです。要は処世術がないのだと思います。昔から、よく怒鳴っていました。そのくせ都合が悪くなると「田上く~ん」とすり寄ってくる。ひいき目に見ても、政治家としては修業が足りない。…… 

■田上さんはこういう態度を間近に見ていながら、菅アルイミ首相から離れずに政治活動を続けていた理由が知りたいものですが、都合が悪くなると使ったという「田上く~ん」の言い方は一度聞いてみたい気もしますなあ。今回の偽装辞任発言から想像するのは簡単なのですが……。


私も昔は「菅さんが衆院議員になれば秘書になるのはおれだ」と思っていました。でも、結果が出ないと責任をすぐに「あいつが悪い」と人のせいにする性格が嫌になり、次第に距離を置くようになりました。「菅が将来、もし首相になったら日本人を辞める」という仲間が周りに少なくなかったことを、ご存じないでしょう。そんなあなたが首相になったのは国民にとっても不幸なことです。首相としての立ち居振る舞い、帝王学を学んだわけでもなく、たまたま自分のバイオリズムと世の中の周波数がかみ合ったからなれただけです。…… 

■仲間うちから「日本人を辞める」とまで言われる政治家というのも珍しいですが、こういう貴重な情報はもっと前に、遅くともあの政権交代が起こった選挙より前に教えて頂きたかった!そう簡単には日本人を辞められず、放射性物質で汚染された可能性が高い故郷も捨てられない多くの人々は、今頃になって菅アルイミ首相の恐るべき性格を教えて貰ってもどうしようもないでしょうが、マスコミから流れていた唯一の情報は「イラ菅」に関するものだけで、政治家として何より大事な責任を一人で追うことが出来ない人物だとは誰も教えてくれませんでしたなあ。


大型連休中、まだ多くの被災者が不便な生活を強いられている中であなたが家族水入らずで中華料理店に行ったというニュースがありましたが、出前を取ればいい話です。何を言われようと気にしない人だからしようがないけど、国民の生活が菅さんに「人質」に取られているように思えてくる。私だったら、自分の存在が果たして国民のためになっているのかを沈思黙考し、良心の呵責に耐えかねてすぐにでも首相の座は降りるんですけどね…。
2011年6月4日 産経ニュース 

■フランスで開催されたサミットの会場でも、とても1000年に一度の大災害に襲われ史上最悪の原発事故を起こしてしまった国の代表とは思えない気味の悪い「笑顔」を振り撒いておりましたし、突如として「1000万戸に太陽光発電装置を設置」などと言い出す始末で、それを言うなら「1000万個の高性能ガイガー・カウンターを全国に無料で配布」するのが先でしょう。確かに国民の生活は菅アルイミ首相が居座るための「人質」になってしまったのですから、正確な情報を求めるのは無理な話なのでしょうが……。

アルイミ首相の「一定のメド」 其の四

2011-06-08 15:41:08 | 政治
■少しは仕事らしい仕事をしておかないと……と菅アルイミ内閣の面々が本気で首相交代後の「再就職」を心配して頑張ったからでもないのでしょうが鬼より怖いIAEAに提出する報告文書が驚くほどてきぱきとまとめられていたようであります。中身は真摯な反省の意を表す文言が満ち溢れている由。北朝鮮の核開発問題が発覚するまでIAEAが最も力を入れていたのが日本が密かに核武装するのを監視するお仕事だったと聞きますから、もしも「怪しい!」と睨まれたら即座にウラン燃料が禁輸されて日本の巨大な原発ビジネスと莫大な利権が吹き飛んでしまうので、国民を平然と愚弄して情報を隠蔽する悪い癖のある電力会社や経産省も相手がIAEAとなると突如として非の打ち所の無い優等生に変身するのでしょうか?

■IAEAに恭順の姿勢を示し原子力発電の火は消さないように努めるのも大切な菅アルイミ首相のお仕事なのでしょうが、原発事故の真相を情報の透明化を謳った『マニフェスト』通りに国民に公開して的確な対応措置を迅速に取ることの方を本当は急いでやっておくべきでしたなあ。「辞めるなんて言ってないよ」と居座りを決め込もうとした菅アルイミ首相の周囲からは人々が去り寒々とした空気が漂っているようですが、官邸の外ではあちこちで生臭い皮算用談義が花盛りとか……。


菅直人首相はようやく、己の過ちを悟ったのか。
「東日本大震災の復興のめどが付けられれば、私は職に恋々とするつもりはないんです」
首相は4日夜、公邸で民主党の石井一副代表に切々と訴えた。ベテランの石井氏を招いたのは、復興基本法案、本格的な復興のための平成23年度第2次補正予算案、そして今年度予算の財源を確保するための特例公債法案の成立を「めど」に退陣することを発信するためだったのだろう。2日の内閣不信任案採決直前の党代議士会では「死んだふり」を決め込み、可決の流れを一気にひっくり返した首相。党内を二分する騒動は収まったかに見えたが、夜の記者会見で原発事故の「冷温停止」まで続投する意欲を示し、再び混乱の引き金を引いた。約束を破られた鳩山由紀夫前首相は首相を「ペテン師」と言ってなじった。…… 

■総理大臣に就任して間を置かずに菅アルイミ首相はかつての中曽根政権をみっちりと研究して長期政権の秘訣を熱心に探っていたという話があるようですから、「死んだふり」というのも中曽根首相が昭和61年の7月に仕掛けた史上2回目の衆参ダブル選挙の顰(ひそみ)に倣った乾坤一擲の逆転を狙った浅知恵だったのかも知れませんなあ。自分の任期が終わる更に1年後の参議院選挙まで何が何でも居座って、ねじれ国会を作ってしまった汚名を雪ぎ、それまでに目覚しい実績をたくさん作ってダブル選挙を仕掛けたら、きっと自分も中曽根大勲位と肩を並べる大政治家?と言われるだろうなあ、などと悪い夢でも見ているのかも知れませんなあ。とても正気の沙汰とは思えませんが……。某政治評論家などは菅アルイミ首相の勘違いは相当に深刻で、自分自身には小泉元総理以上のカリスマ性が備わっていると思い込んでいる節があるそうで、一世を風靡した小泉劇場に負けない熱狂が再び起こると神風頼みみたいなことを考えているとの説もあるようですから、妄想癖のある首相には即刻辞任の道しか残されていないでしょうなあ。


首相は4日午前には公邸で、「国のかたち研究会」(菅グループ)の津村啓介、本多平直両衆院議員の訪問を受けた。2人から「僕たち、いろいろあっても支えますから」と励まされて笑みを浮かべた首相は、自らの「続投宣言」がかえって逆効果になったことを悔やんだのか、こうつぶやいた。
「党のいろんな声をしっかり聞いていきたいんだ。やはり、コミュニケーションは大切だな」首相が書いた延命へのシナリオは、観客が期待した「退陣」という結末とは大きくかけ離れ、一斉にブーイングが上がった。首相は、退陣のタイミングを「一定のめどが立ってから」という言葉でしか説明しなかった。これが失敗のもとだった。「一定のめど」とは具体的にはいつなんだ-。与野党を問わず騒然となり、首相への不信感だけが募った。…… 

■「党のいろんな声」にはクラッシャー小沢とその一派からの声は含まれていないでしょうし、就任以来1年間、官邸で怒鳴り散らしてばかりいたことを棚に上げて今頃「コミュニケーションは大切だ」などと気が付いても、あまりにも遅い。こういう態度を「権力に恋々としている」と言うのでありましょうなあ。


鳩山氏が主張する「平成23年度第2次補正予算案の早期編成のめど」であれば、復興構想会議が1次提言を取りまとめる6月末ということになる。だが、首相が2日の記者会見で語った「原発の冷温停止」なら来年1月だ。……首相の「退陣偽装」とも言うべき言動に、鳩山氏のグループは、党規約改正による代表リコールを視野に、両院議員総会開催を求める署名活動を展開し、包囲網を狭めた。「日本人が世界に笑われていると思わなければダメだ。何としても、力ずくでも辞めてもらう」鳩山氏側近の中山義活経済産業政務官は4日のテレビ朝日番組で宣言した。…… 

■「日本人が世界に笑われている」などという事実は金輪際ないはずですぞ。今朝方も苦節12年の古川聡さんがバイコヌール基地からソユーズで飛び立ちましたし、キリンカップではサッカー戦士達が立派に戦っているではありませぬか?!震災・大津波の被災地で笑顔を作って耐えている多くの人々も過酷な任務に黙々と従事している自衛隊など関係者の皆さんも、世界から賞賛されることはあっても「笑われる」ことはありません。世界が笑っているのは民主党政権そのもので、笑いの対象になっている政党・内閣に属している人が言うのは実に奇怪な感じがしますなあ。まあ、鳩山サセテイタダク前首相の芸風と菅アルイミ首相の芸風はまったく違いますから、笑いの質は違ってはいるのでしょうが……。


「6月末退陣」へのカウントダウンが始まる中、枝野幸男官房長官が「居座るような気持ちは、首相には全くない」と述べるなど、閣僚や民主党執行部は収拾に躍起になった。首相の早期退陣が確実になったこの日、北海道白老町での「白老牛肉まつり」に駆けつけた鳩山氏は笑顔で軽口をたたいた。「永田町の話は、お肉がまずくなるからいたしません」
2011年6月5日 産経ニュース 

■白老町の人たちは鳩山サセテイタダク前首相の顔を見ながら牛肉を美味しく召し上がれるのでしょうか?肉が不味くなるような三文芝居を演じた御本人が、自分が永田町の外に立っているような話し方をするのは卑怯ではありますまいか?自由党との合併から民主党内を一つにまとめられなかった責任は鳩山サセテイタダク前首相が一身に背負わねばならないもののはずですぞ。どうして民主党の上層部は誰も彼もが責任を自分で負わずに仲間内でなすり付け合うのでしょう?御蔭で皆の顔が揃いも揃って泥だらけになっているようですぞ。

アルイミ首相の「一定のメド」 其の参

2011-06-08 06:11:03 | 政治
■東京電力は長年の政治献金と労働組合の力で民主党政権を押さえ込んでいるので法的処理やら国営化などで会社が解体されることなど無いと多寡を括っている節がありますが、さすがにIAEAは鬼より怖いらしく国会を空転させて知らん振りだった「注水中断」問題を、いよいよIAEAが乗り込んで来ると知ったらあっさり「自白」しておりましたし、今度はIAEAの閣僚会議に提出する報告書が必要だとて、原発から噴出した放射性物質の量をこれまたあっさりと2倍!だと白状したそうな。人間誰しも鬼より怖いものはあるもので、民主党ではやっぱり金持ちオーナーの鳩山サセテイタダク前総理はそれなりに恐れられているのかも知れません。お得意の「友愛政治」などは誰も本気で耳を傾けなくとも政治資金の御援助の方はしぶとく貰い続けねばならない議員が多いようであります。憧れ続けた総理大臣の椅子に座っていっぱしの独裁者を気取り、ぼんぼんオーナーを舌先三寸で煙に巻いて延命に成功したと得意になったのが運の尽きで、「金持ち喧嘩せず」が一変した鳩山サセテイタダク前首相は大魔神の形相になったとか……。

菅直人首相に早期退陣する気がさらさらないと知った鳩山由紀夫前首相の怒りはすさまじかった。
 「私の発言でみんな我慢して政党人として行動してくれたのに。不信任案に賛成すべきだった…」
3日午前、東京・田園調布の私邸前に姿を現した鳩山氏に笑顔はなかった。直後の夕刊フジのインタビューではさらに辛辣だった。……ただ、周到に延命戦術を練った首相に比べ、鳩山氏の「脇の甘さ」は否めない。
 5月31日夜、鳩山氏は公邸で首相との直談判で退陣を迫った。仲裁に入ったのが、平野博文元官房長官と北沢俊美防衛相だった。信頼する平野氏に確認書の原案を見せられた鳩山氏は「退陣という文言を入れてほしい」と求めたが、やんわり拒否された。
「そんなもん書かんでええですやろ。身内の話やんか…」…… 

■すっかり菅アルイミ首相の権謀術数に嵌められて大恥を掻かされた前首相は「みんな我慢して政党人として行動し」たと言い張っておりますが、直前まで不信任決議案に「賛成する!」と息巻いていた民主党議員達が、話が大甘の茶番劇で丸く収まったと議場に入る時のこぼれんばかりの笑顔と安堵の表情を見ていれば、「ああ、これで次の選挙の資金も推薦も心配ないなあ」との本音がぷんぷん臭い立っておりましたぞ。あれは決して「我慢して」いる顔ではありませんでしたなあ。正に「身内の話しやんか」という関西風の軽いノリで、各新聞社の政治記者たちがしかつめらしい顔をして報道していた「政局」が、どれほど軽薄で内向きで幼稚なものだったかを証明してしまったようなものであります。そもそも権力闘争の「仲裁」などという大任を経験もない前官房長官に頼む方がどうかしているのですが……。


2日午前、鳩山氏は「文書ができたので来てほしい」と官邸に呼び出された。鳩山氏が「第2次補正予算案の編成のめどがついたら身を捨てていただきたい」と求めると、首相は平身低頭に「分かりました。合意します」。それでも署名には「身内なんだから信用してください」と応じなかった。だが、代議士会での退陣表明は「一定のめどがついた段階で若い世代に責任を引き継ぎたい」と曖昧だった。一抹の不安を感じた鳩山氏は電話で念押しした。
 鳩山氏「いつまでに辞めていただけるんですか?」
 首相「あなたと会談で話したことに尽きる。それ以上でもそれ以下でもない…」
その数時間後、首相は記者会見で早期辞任をきっぱり否定する。鳩山氏が怒るのも無理はないが、実は平野氏は1日夜、仙谷由人官房副長官や北沢氏らと入念に打ち合わせていた。つまり確認書に関わった人物はほとんどが首相の“協力者”だったのである。…… 

■平野前官房長官は「二股膏薬」ではなかったのか?などと民主党レベルの下衆の勘ぐりもしたくなりますが、「第二次補正予算の編成のメド」などと言う曖昧な文言で交渉している事自体が間違いでありましょう。10兆円を超えると見られる二次補正ともなれば関係法案も多くなるでしょうし、財源問題もそう簡単には片付きそうにありません。その上、菅アルイミ首相は社会保障制度の抜本的改革と財政健全化政策とを同時に進めようと財務官僚の振り付けで裸踊りをし続けているのですから、辞任の時期など誰にも分かりません。こんな時だけはピントが合う発言をする渡部恒三さんも「鳩山君は頭がオカシイ」と言って、予算編成をした総理と国会で答弁して通過させる総理が別などというのは間違っている!との指摘は正しいと思われます。きっと鳩山サセテイタダク前総理は、今回の「文書」や穴だらけウソだらけの民主党『マニュフェスト』程度のすかすかなメモでも出来たら、「編成のメド」がついた!ということになると本気で思い込んだのでしょうなあ。そうなれば、菅アルイミ首相の1年間は、文字通り空っぽの空き缶政権だったことになるのですが……。


……3日の参院予算委員会でも首相は「文書以上の約束はない」と開き直った。強気の裏には首相なりの勝算があった。国会には同一会期に同一案件を審議しない「一事不再議」の原則がある。12月まで会期延長すれば内閣不信任案は再提出できない。野党は反発するが、復興の「大義」があるだけにいつまでも審議拒否はできない。復旧が進めば解散カードも行使しやすい。加えて内閣改造や連立をちらつかせれば延命は十分可能ではないか-。たとえ鳩山氏が党所属議員の3分の1の署名を集め、両院議員総会を開いても党規約に党代表のリコール規定はない。党規約を改定し、新代表を選んでも「首相が代表を兼ねる必要はない」とつっぱね、首相に居座ることはできる。…… 

■党の綱要も無い選挙互助会の寄り合い所帯と散々に悪口を言われて来た民主党ですから、党規定が穴だらけであっても決して不思議ではありません。しかし、震災対応のためには何としても6月22日の会期を延ばす必要があった時には早々に閉会して「逃げ切り」を図ろうとし、不信任案が危うく可決されそうになると12月まで延ばして「通年国会」と言い出す何も知らない何も出来ないアルイミ首相には呆れ返るばかりであります。この3箇月の間、何も決まらず何も動かず被災民は疲れ切っているのですから、それが更に半年も続くと聞いたら絶望は深くなるばかりでありましょう。国会という公の場で不信任案を否決しておいて、「身内」の寄り合いでしかない両院総会で首相を追い落とすなど税金と時間の無駄遣いそのものであります。


……「鳩山氏は御しやすい」とみる首相にとって残る危険分子は小沢一郎元代表だけ。首相は不信任案否決直後、岡田克也幹事長にこうささやいた。
「小沢を除籍処分にしろ」
岡田氏はすぐ実行に移したが、輿石東参院議員会長が「それならば俺はバッジを懸けて戦う!」と抵抗したため断念した。それでも秋まで政権を維持すれば小沢氏の政治資金規正法違反事件の公判が始まる。もはや動けまい-。ところが、首相のもくろみは崩れつつある。あまりに狡猾な手口は、不信任案を初めから否決するつもりだった中間勢力までも不信感を強めたからだ。早期退陣論は閣内にも広がった。口火を切ったのは松本龍環境相兼防災担当相。3日の記者会見で「一日も早く退陣した方がいい。(退陣は)6月いっぱいだというのが私の頭にある」と断じた。松本剛明外相も「6、7、8月というのが常識的な考え方ではないか」と述べ、新首相が9月に訪米すべきだとの考えを示した。玄葉光一郎国家戦略担当相は「首相は地位に恋々とする方ではない。必要なことはスムーズな移行だ」と自発的に退陣を促した。…… 

■菅アルイミ首相の思いつき発言とその後の迷走で大惨敗を喫したことが国会が捩れた原因で、その選挙を指揮したのが今の官房長官で、その後を継いだ岡田幹事長は地方選挙で連戦連敗……。従って民主党議員が最も恐れているのは総選挙で、国民はその総選挙を望んでいたのが震災前の悲しい政治状況でありました。代表・総理にまで献金疑惑が降って湧いたのですから多くの議員は次の選挙で落選すると本気で恐れたことでしょう。もしも、震災・津波・原発事故に自民党時代とはまったく違う見事な対処をしていれば総理大臣をとっかえひっ替えしなくても済んだのに……。マニフェストには「情報公開」と書いているのにやっているのは情報隠蔽と情報操作ばかり、地方分権と言いながら復旧復興作業を絶対に被災地の現場には任せないのですから、あの「政権交代」と大きな赤字が印刷されたマニフェストをもう一度引っ張り出して、現民主党政権からの「政権交代」を望む声が増えて行くのは止められないでしょう。次悪評高い菅アルイミ政権にトドメを刺した名声を我先にと争って追い落としが始まるのも、やっぱり選挙と延命のためなのでしょうなあ。

■自民党に居た堪れずに小さな政党の代表になってしまった舛添議員が、週末のテレビで民主党を「少年団と暴力団」と称していましたが、小沢グループが暴力団かどうかは不明なれど民主党自体は少年団と呼ぶに相応しい体たらくではありますから、いっそのこと菅アルイミ首相を追い落としたら抱き合わせでクラッシャー小沢も追い出したいと後先考えずに祈っている議員も少なからず居るようですから、そうなりますと議席数で政権を失うのは確実ということになって、小沢・菅抜きの大連立構想にしがみ付くしか選択肢は無くなるというわけでしょうなあ。


ある党幹部はこう嘆いた。
「せっかく不信任案を否決したのにオウンゴールしているよね」
自民党も首相の延命策を見抜き国会延長を阻止する方針に転じた。参院で首相の問責決議案を可決させ、首相が交代しない限り、予算執行に不可欠な特例公債法案などを宙づりにする構えだ。再燃した「菅降ろし」は以前よりも勢いが強い。鳩山氏は3日夕、小沢氏に電話した。
 鳩山氏「政治家同士の約束は必ず守らせます。しっかり決着をつけますから信じてください」
 小沢氏「わかった。しっかりやってください…」
 石原慎太郎東京都知事は3日の記者会見で、首相の座をめぐる飽くなき抗争をあざ笑った。
 「一定のめどって言ったら2年先の任期満了だよ。ふふふ…。せっかく手にした政権という宝物をそう簡単に手放すわけにはいかないだろ?」
2011年6月4日 産経ニュース 

■「落とし前をつける」「しっかりやれよ」と、何だかヤクザの抗争事件みたいになっておりますが、気が付いたらアホな親分の鳩山も小沢も菅アルイミ首相と一括して処分されて一挙に世代交代が進んでいるという流れになりそうなものですが、やはり鳩山のカネと小沢の票が無くなったら民主党政権はオシマイでしょうから、コップの中の離合集散がこれからも続くのでしょう。そんな事をしている場合ではないのですが……。

アルイミ首相の「一定のメド」 其の弐

2011-06-07 15:06:16 | 政治
■怒りが治まらない鳩山サセテイタダク前首相はぶら下がり取材だけでは言い足りないらしく、早々に夕刊紙の「独占取材」に応じておりました。

鳩山由紀夫前首相が3日午前、夕刊フジの独占インタビューに応じ、「ペテン師」「男として、人間として、あるまじき態度」「国難を乗り切れない」と吐き捨てた。対決姿勢を明確にした鳩山氏は今後、菅首相の早期退陣を目指して動くという。(夕刊フジ)
 ――菅首相は2日夜の記者会見で、来年1月までの続投を示唆した
 「とんでもない話だ。私は記者会見を見ておらず、同僚議員や記者から電話で聞いたが、あきれてものが言えなかった。東日本大震災や福島第1原発事故を抱える国難の時に、さらに国政を混乱させる気なのか」…… 

■鳩山家にも「呆れて物が言えない」という表現があることにはちょっとした驚きを覚えますが、「さらに国政を混乱させるのか?」という問いは御自身にも向けてみたら如何でしょうなあ?


 ――「俺は辞める気はない」と周囲に語ったとの報道もある
 「代議士会で、辞めると言ったではないか。退陣時期をはっきり言わなかったので、私がその後、確認文書の、(1)復興基本法の成立(2)第2次補正予算案編成のメドがついた段階での退陣-を披露した。菅首相も否定しなかった。不信任案採決直前だったので黙っていたとすれば、男として、人間として、あるまじき態度だ」…… 

■菅アルイミ首相は代議士会でただの一度も「辞める」とは言っておりませんぞ。「言った!言った!言った!」「言ってないよお。だったら何時言ったの?何年何月何日何時何分何秒に言ったの?」と、大昔の洟垂れ小僧時代に幼稚な口喧嘩をした苦く恥ずかしい思い出が甦って来ますなあ。「菅首相も否定しなかった」のは、腹の中で赤い舌を出して前首相の間抜け振りを嘲笑っていたのでしょうよ。まあ、それが感じられるからこそ鳩山サセテイタダク前首相は怒らセテイタダイテいるのでしょう。

 ――確認文書を交わした経緯は
 「党内の7、8割が『菅首相には辞めてほしい』と思っている。ただ、野党提出の不信任案に賛成することに、多くの議員が逡巡していた。党内で結論を出すべきと、菅首相に近い北沢俊美防衛相と、私の信頼する平野博文元官房長官で『退陣による収拾策』を話し合ってもらっていた」…… 

■「私の信頼する」平野元官房長官が現役時代にどんな仕事をしたのか?思い出してみれば北沢・平野コンビに密談させるようなことはしないはずなのですが、他に頼める人が居ないのでしょうなあ。菅アルイミ首相の方も怒鳴り散らしてばかりで誰も寄り付かなくなり、もっぱら北沢防衛相を相手に泣き言を聞いて貰っているという寂しい官邸の内部事情が漏れ出しておりましたなあ。


――直接会談の中身は
 「2日午前、官邸から『文書ができたので来てほしい』と呼ばれた。確認文書は、退陣の意義と時期を記したもの。第2次補正予算案編成のメドがついた段階とは、常識的に6月末ごろだ。私は『身を捨てて国民を救ってくれ』といい、菅首相は何度も『結構だ』と言った」…… 

■立会人の名も約定を結んだ当人達の署名も無く、成約の日時さえ記されていない一枚の紙切れを振り回して何を怒っているのでしょう?そもそも、あちこちのテレビ番組で晒し者になった件の「文書」は、要するに①民主党はバラバラだなあ。②悔しいから自民党への「政権交代」だけは嫌だよね。③少しは政権として仕事くらいしておこうよ。という意味の文言が事務的に並んでいるだけの紙っぺらではありませぬか?


「私は文書に『署名しよう』と言ったが、菅首相は『そこまではいいでしょう。私を信じてください』と言った。政治家同士の言葉は重い。時の首相であり、約束は守られると信じて、握手して別れた。もし、初めからだます気だったとすれば、許しがたい。『ペテン師』といわれても仕方ない」 

■おいおい、2年前に米国大統領に直接言ったの「トラスト・ミー(信じてください)」の約束を守りもしない人が「政治家同士の言葉は重い」などと言っては行けませんぞ。自分が「時の首相」だった1年にも満たない短い任期中に何回ウソをついたのでしょうなあ?ああ、問題は「初めから騙す気だったとすれば」という不純な動機が許せないという話なのですかな?自分の政治家としての無能を認識せずに思い付きでついてウソは許されるという理屈だとすれば、もっと恐ろしいことになりますが……。衆院選挙で大勝した時のマニフェストこそ『ペテン師』が作った詐欺商法まがいのパンフレットそのものだったのに、「約束は守られる」とまでは言いませんが、少しは自民党政権時代の負の遺産を清算してくれるかも?と淡い期待を抱いて投票した有権者たちこそ「許しがたい!」と怒っているのであります。


 ――小沢一郎元代表には?
 「会談後に電話で話した。小沢氏が『菅首相が退陣を確約したのか?』と聞いてきたので、私は『退陣時期を記した文書を交わした。首相本人が代議士会で話すと言っている』と伝えた。『鳩山はツメが甘い』といわれるかもしれないが、菅首相の言葉を信じた」…… 

■その通り「ツメが甘い」のです。それは総理大臣の重責を担っていた時に、何度も国民は確認しておりますし、公表された「文書」には何処にも「退陣時期」など明記されてはおりません。勝手に鳩山サセテイタダク前首相と前官房長官が自分達に都合のよいように解釈してぬか喜びしただけのことでしょう。


――党内の7、8割が「菅首相に辞めてほしい」と思う理由は
 「菅首相では、この国難は乗り切れない。他人の言うことを聞かず、イエスマンしか近くに置かない。意見した人間には怒鳴り散らして、徹底的に排除する。自分で責任は取らず、他人に押し付ける。この1年で、官僚は面従腹背になった。信頼関係が欠如している。震災・原発事故への対応が遅れているが、菅首相に大きな原因がある」
2011年6月3日 産経ニュース 

■鳩山政権の時代に「官僚との信頼関係」があったとは思えないのですが、この人の脳ミソには過去を勝手に美しいものに変えてしまう特殊な回路が組み込まれているようであります。確かに「他人の言うことを聞き過ぎ」「自分自身がイエスマンになってしまい」「意見した人には簡単に同意し」「徹底的に前言撤回する」という具合で菅アルイミ首相とはすべて反対の意味で無能な総理大臣ではありました。ただ一点違うのは、最後は開き直って「私は愚かだった」と愚直に認めて相手も国民も唖然として、腹を立てる気も失せてしまうという絶望的な手法が鳩山流だったということでしょうか?

アルイミ首相の「一定のメド」 其の壱

2011-06-07 15:05:17 | 政治
■急転直下で内閣不信任案が否決された政治劇は、その直後から茶番だったことが見え見えで鼻白んでしまいましたが、案の定、テレビ業界は大喜びで「さあ、どうなるのでしょうねえ」とこれ幸いに餌食にしておりますなあ。小耳に挟んだ永田町の噂話をちらちらと塗し付けては無責任な憶測話を並べ立て、それで報道番組が簡単に作れるのですから棚から牡丹餅ということでしょうか?政治資金規正法違反で命運が尽き掛けていた菅アルイミ首相が1000年に一度の大震災と津波と原発事故の発生で目出度く?延命できるかと思われたように、原発事故で露見した東電とマスコミとのどす黒い関係が、今度はアルイミ政権の命運が尽きる時期を占う下世話な揣摩臆測でうやむやになるとしたらマスコミ界としては一石二鳥なのかも知れませんが……。

■国内では「辞任表明」と報じられ、海外では「続投宣言」だと解釈された菅アルイミ首相の渾身の泣き落とし演説ではありました。メモも見ずに珍しく「てにをは」の手前で「うー、あー」などと言い淀むこともなく、問題の「一定のメド」という底の浅い謎を混ぜ込んだ延命嘆願は、ただの一度も「アルイミ」とは言わずに低姿勢のまま押し通して終わったのでした。もしも、いつもの口癖とは申せ「アルイミで一定のメドが付き次第……」と言っていたら、即座に延命・居座りの底意が暴露されたものを、菅アルイミ首相は必死で「アルイミ」の一言を絶対に言うまいと額に汗を滲ませて頑張り通したのでありました。

■かれこれ10日以上もブログを更新できませんでしたが、少しばかり仕事が立て込んで時間的な制約があったのも事実なのですが、そんな事よりも国の内外で歴史的な大転換を予感させる大きな動きが連続しており、1本のブログ記事にまとめ上げる前に、さらに大きな事件が起こるという具合で、頭の中は文字通り混沌状態でありました。それでも大震災と原発事故を乗り越えて行かねばならない国の民としては、どれほど馬鹿馬鹿しくとも政府の動向を第一に気に掛けておかねばなりませんから、「史上最低の総理大臣」の後に就任した「史上最悪の総理大臣」がとうとう1年間も在任してしまったという恐るべき現実から目を背けるわけにも参りません。それにしましても、日本の政治の悲喜劇は何処まで続くのか分からない泥沼状態でありますなあ。

■菅アルイミ首相が就任した1年前、テレビ東京で番組を持っているジャーナリストの田勢康弘氏が「三木政権の誕生時の印象に似ている」と語っていたことを思い出します。弱小政党出身で戦後の合従連衡の激流を泳ぎ渡って第66代内閣総理大臣に就任し、「政治とカネ」の問題を一枚看板にして「粘り腰」「二枚腰」で凄まじい三木降ろしの嵐に耐え続けた故・三木武夫さんと重なって見えたという田勢氏の勘は大したものだったようです。30数年前の田中金脈問題に揺れていた当時の政治状況下で「晴天の霹靂だ」と歴史に残る名言?を吐いてどさくさ紛れに総理大臣になった三木武夫さんは、自民党内の小さな派閥のリーダーであり異分子でもありましたが、田中金脈問題で危機感を募らせた自民党は一時凌ぎの煙幕にしようと当て馬同然の椎名裁定で三木総理を誕生させてしまったばかりに、後々、大変な苦労をすることになったのでした。

■菅アルイミ首相も党内での権力抗争に「政治とカネ」を利用してクラッシャー小沢を牽制しつつ、反小沢の風を一身に集めて民主党で二番目の総理大臣になったのでしたが、かつての年金「未納三兄弟」発言が、事務手続きのミスだったとは言え、自分にも未納期間があったと頭を丸めてお遍路さんに出掛けるハメに陥ったことがありましたが、やっと首相になったと思ったら外務大臣に不正献金問題が発覚して辞任する騒ぎが起こり、何と自分も同様の違法行為をしていた事実が発覚!もう「政治とカネ」の旗を揚げられなくなって万事休すかと思ったら、1000年に一度の大震災と史上最悪の原発事故が発生し、何だか嬉しそうな響きがあった「宿命」発言をして献金問題を勝手に水に流して知らん顔。しかし、怒鳴り散らすばかりで一国の首相としての責務はまったく果たせないまま、間も無く3箇月が過ぎようとしております。

■劇的な否決劇の日の夜から、鳩山サセテイタダク前首相が怒り心頭に発してマスコミの寵児になってしまいましたが、かつては米国大統領に「トラスト・ミー」と大嘘をついた御本人が、「人間、ウソをついては行けません」と言ったそうで、オバマ大統領は苦笑していることでありましょうなあ。自分自身も在任中に「たしかに私は愚かな総理かも知れません」と気味が悪いほど素直に認めた鳩山サセテイタダク前首相ですが、とうとう今度は「愚かな前首相」になってしまったようであります。


民主党の鳩山由紀夫前首相は3日午前、東日本大震災の復興などに「一定のめど」が付いた段階での退陣を表明した菅直人首相が来年1月ごろまでの続投を示唆したことについて「ペテン師まがい」と厳しく批判した。また、政府の緊急災害対策本部の副本部長を務める松本龍防災担当相は月内辞任を促し、自民党の谷垣禎一総裁らも早期退陣に追い込むため、菅政権と徹底対決する決意を示すなど、首相の退陣時期をめぐり混乱が拡大した。…… 

■こうして始まった実に馬鹿馬鹿しい永田町でのちっぽけな権力闘争が、今や日本で最も重大な関心事だとばかり、新聞もテレビも腰が引けた震災報道や無知を晒し続ける原発報道を放り出し、まさに水を得た魚のように嬉々として国会議事堂や首相官邸で広い集めたネタを捏ね合わせて連日連夜の報道合戦が展開されております。どうせ止めるのなら、大震災が発生した時でも原発で水素爆発が起こってしまった時にでも「私にはとても対処する能力はございません」と国民に謝って潔く辞任しておけば、菅アルイミ首相は歴史に大きくユニークな意味で名前が残ったのかも知れません。


鳩山氏は、内閣不信任決議案採決前の首相との会談に関し「(採決)直前に辞めると言い、否決されたら辞めないと言う。そんなペテン師まがいのことを時の首相がなさってはいけない」と強く反発し、月内の退陣を重ねて求めた。その上で、「党の規則の中で辞めていただくよう導いていかなければいけない」と述べ、首相の党代表の解任を目指し両院議員総会の開催を求めていく考えを明らかにした。都内の自宅前で記者団に語った。
 鳩山氏と支持グループの幹部はこの後、衆院議員会館で協議し、両院総会開催に向け、署名を集めていくことを確認した。松本防災相は閣議後の記者会見で「私の頭の中には6月いっぱいというのがある。めどは早く付けるべきだ」と語った。
2011年6月3日(金) 時事通信 

■御自分も普天間基地の移設問題では「国外、最低でも県外」と言い「腹案がある」とも言っていたのに結局はすべては時間の無駄で、元の木阿弥「やっぱり辺野古かも?」と日米関係の根幹を揺るがすような騒動を起こして起きながら問題をややこしくしただけで政権を投げ出してしまった大罪を犯したことをすっかり忘れておられるようですし、「首相を辞めたら政界を去る」と言ったかと思えば「やっぱり政治家は辞めない」と前言を翻すサセテイタダク前首相は、政界内で「1時間ごとに言うことが変わる」との定評を得ているとか……。鳩山流の前言撤回は病的な健忘癖は「ウソ」とは呼ばないことになっているようでありますなあ。