今年3月には、名門大出身と偽っていた塾講師23人が警察当局に摘発されるなど、教育業界でも学歴詐称の横行が指摘される。ソウル市教育庁は、市内の塾や予備校講師約4万人について、学歴調査を開始。検察当局も学歴詐称を専門に捜査する特捜チームを設置し、今年12月まで集中的に取り締まる方針を決めた。
■この辺の話になりますと、日本でも対岸の火事とは思えなくなって来ます。営業用のハッタリだと割り切って、本人と経営者とがグルになって商売してしまう事は有り得る話ですからなあ。塾講師が警察に摘発されるとは、随分と徹底していますが、日本でも影響が出て来るのでしょうか?でも、出身大学の名前だけを看板にして生徒を集めていた時代は終わっているようにも思えますが……。元暴走族、元ヤンキー、元劣等生など、マイナスを売り物にしてしまうのが今の日本ですから。
こうした一方で、ソウルの人材サービス会社「エンターウエイパートナーズ」は8月から、海外大学出身者を採用しようとする企業や教育機関を対象に、学歴が本当かどうかを調査するサービスを始めた。初日から韓国企業や大学から問い合わせが殺到し、「業務がストップするほどだった」(同社)という。同社は「今後、企業の採用にあたっては学歴チェックが当たり前のことになる」と、大幅な注文増を見込んでいる。今回の騒動で、韓国メディアからは「韓国社会の学歴至上主義が問題だ」と自省を促す論調も出ている。
2007年8月18日 読売新聞
■日本で言えば「興信所」の仕事ですが、プロの調査を通さないと相手の学歴が信用できない社会というのも、随分と息苦しい話です。最初から、学歴を過大に意識せず、目の前の本人を判断するようになれば解決するようなものです。「これでも、○○大学出身だ」などと自慢されても、直近の問題や課題を解決する能力が無ければ、何の意味も有りませんからなあ。「学閥」などという非生産的な集団を後生大事にしている困った人達が、企業の利益や税金を浪費して組織防衛に走るような本末転倒は許されるものではありません。工業製品でさえも、当たり外れが有るのですから、同じ大学を卒業したからと言っても、まったく同じ規格で製造された商品のような訳に行きません。どんな大学でも、入学するまでの努力と在学中の精進が肝腎です。
大学の卒業論文やリポートの執筆を有料で請け負う代行業者が登場し、波紋を広げている。学生がインターネット上で見つけた資料をリポートなどに引き写す「コピー&ペースト」が教育現場で問題となっているが、これを上回る究極の「丸投げ」で、文部科学省は「事実とすれば、到底認められない行為」としている。ネット検索大手のグーグルも、「こうした代行は不正行為にあたる」と判断、代行業者のネット上の広告掲載を禁止する措置に踏み切った。
■日本社会にワードプロセッサーが登場した頃に卒業論文を書き上げた者としては、キーボードの横に資料を山積みにして入力しては編集・校正を続ける絶望的な労苦を思い出しますなあ。コピーとペーストの機能以上に、ネット上の検索機能は隔世の感が有る革新的な技術です。資料検索とコピー&ペーストを「論文執筆」だと思い込んでいる学生も多いのではないでしょうか?そちらの方が、もっと恐ろしい話です。
「国立大の学生・院生を中心としたチームなので安心の品質」「6年で740件の代行実績」。ある代行業者のホームページ(HP)には、そんなうたい文句が並ぶ。別の業者のHPは「社員は学生時代に必要最低限の勉強量で優やAを取ってきた精鋭ぞろい」とアピールしている。
8月18日 読売新聞
■担当する生徒の顔も分からないマスプロ授業を続けているなら、何処の大学も同じようなものです。レポートを提出させても、文字数や紙数しかチェックしないような手抜き講義をしている有名大学なら、在籍する意味はあまり無いでしょうなあ。「友人との出会い」だの「サークル活動の思い出」「アルバイトの楽しさ」などと吹聴する人も多いようですが、少なくともそんな学生生活しか送らなかった人には教員になって欲しくはないですなあ。「大学は楽しいぞ!」の意味がまったく違うメッセージが日本中の小中学校に蔓延してしまいますから……。
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2007年8月18日 読売新聞
■日本で言えば「興信所」の仕事ですが、プロの調査を通さないと相手の学歴が信用できない社会というのも、随分と息苦しい話です。最初から、学歴を過大に意識せず、目の前の本人を判断するようになれば解決するようなものです。「これでも、○○大学出身だ」などと自慢されても、直近の問題や課題を解決する能力が無ければ、何の意味も有りませんからなあ。「学閥」などという非生産的な集団を後生大事にしている困った人達が、企業の利益や税金を浪費して組織防衛に走るような本末転倒は許されるものではありません。工業製品でさえも、当たり外れが有るのですから、同じ大学を卒業したからと言っても、まったく同じ規格で製造された商品のような訳に行きません。どんな大学でも、入学するまでの努力と在学中の精進が肝腎です。
大学の卒業論文やリポートの執筆を有料で請け負う代行業者が登場し、波紋を広げている。学生がインターネット上で見つけた資料をリポートなどに引き写す「コピー&ペースト」が教育現場で問題となっているが、これを上回る究極の「丸投げ」で、文部科学省は「事実とすれば、到底認められない行為」としている。ネット検索大手のグーグルも、「こうした代行は不正行為にあたる」と判断、代行業者のネット上の広告掲載を禁止する措置に踏み切った。
■日本社会にワードプロセッサーが登場した頃に卒業論文を書き上げた者としては、キーボードの横に資料を山積みにして入力しては編集・校正を続ける絶望的な労苦を思い出しますなあ。コピーとペーストの機能以上に、ネット上の検索機能は隔世の感が有る革新的な技術です。資料検索とコピー&ペーストを「論文執筆」だと思い込んでいる学生も多いのではないでしょうか?そちらの方が、もっと恐ろしい話です。
「国立大の学生・院生を中心としたチームなので安心の品質」「6年で740件の代行実績」。ある代行業者のホームページ(HP)には、そんなうたい文句が並ぶ。別の業者のHPは「社員は学生時代に必要最低限の勉強量で優やAを取ってきた精鋭ぞろい」とアピールしている。
8月18日 読売新聞
■担当する生徒の顔も分からないマスプロ授業を続けているなら、何処の大学も同じようなものです。レポートを提出させても、文字数や紙数しかチェックしないような手抜き講義をしている有名大学なら、在籍する意味はあまり無いでしょうなあ。「友人との出会い」だの「サークル活動の思い出」「アルバイトの楽しさ」などと吹聴する人も多いようですが、少なくともそんな学生生活しか送らなかった人には教員になって欲しくはないですなあ。「大学は楽しいぞ!」の意味がまったく違うメッセージが日本中の小中学校に蔓延してしまいますから……。
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