■大物政治家には「支援団体」が付いているのが常ですが、献金スキャンダルでも発覚しないかぎり、新聞の政治記者たちは政官財の癒着などという便利で抽象的な表現を使って済ませてしまい、特に巨大な信者組織を持っていると豪語しているような新興宗教団体の資金と動員力が、どの政治家や政党と持ちつ持たれつの関係にあるのかを報道しようとはしないようです。あれこれ突き回すとマスコミ商売に支障が出ることも多いらしく一種のタブー扱いになっているようですから、今回、幸福実現党の旗揚げという椿事?が起こっても、相手にせずに黙殺するしか対処方法は無かったのかも知れません。
■「幸福の科学」という新興宗教団体が単独政権を目指して全選挙区に候補者を立てる!と宣言したことよりも、長年、自民党を支援して来た事実を暴露してしまった事の方が重大な話のはずなのに、この点もマスコミは大きく取り上げようとはしませんでした。一般の有権者は「人柄」だの「業績」だの、素人には絶対に分からない得たいの知れない物を手掛かりに投票行動をしている場合が多いのですが、もしも、自分が指示しようと思う政治家が自分の好みに合わない信仰集団と深く結びついていると分かったら、自ずと投票行動にも変化が出るはずなのに、日本は変なところだけ「政教分離」が徹底しているようであります。
衆院選をめぐり、消費税廃止や憲法改正などを掲げ、小選挙区と比例代表に計337人を擁立したが当選者が出なかった幸福実現党は31日、「立候補者名、党名の定着・浸透が不十分で、政権交代選挙の前では通用しなかった」などとするコメントを発表した。選挙区によっては同党の母体「幸福の科学」の信者数にはるかに届かない得票数があったことを明らかにし、「信者の信仰と政治選択に分離がある」と分析した。
■こうした現象も言いようによっては「政教分離」の変種とも言えそうですが、日本中の宗教団体の公称信者数を合計すると全人口の三倍になるという説もありますから、積極的に勧誘活動をしている団体の場合は登録されている名前の頭数を票数に置き換えては行けないようです。それは麻生コロコロ首相の街頭演説に動員された人たちの多くが、本番では民主党に投票したのと似たような話でしょう。
同党は「選挙戦を通じ、既存政党に変わる“新しい選択”としての『幸福実現党』への国民のご期待を肌で強く感じることができた」としたが、来年の参院選への挑戦については「慎重に検討を重ね、適性ある候補者を選び、事前の選挙活動を充実させていきたい」と述べるにとどめた。一方、今回の衆院選を日本が直面する課題にビジョンを示す戦いだったと位置づけ、「正論が国民に十分には理解されなかったが、国難への警鐘を鳴らしたという点で、宗教政党としての重要な使命は果たし得た」と強調した。同党は今年5月に結党。都議選に続いて臨んだ衆院選で初の議席獲得を目指していた。
8月31日 産経新聞
■「国難」と聞きますと日蓮宗系の団体を思い出す人が多いでしょうが、かつてのオウム真理教も「人類救済」やら「国難近し」を声高に喧伝したものです。自作自演の毒ガス攻撃から史上初の都市を狙った大規模テロにまで暴走した悟りと救済の三文芝居の幕開けが国政選挙でした。連日、テレビを中心とするマスコミに顔と名を売った教祖様が、少年時代からの野望を思い出しての政界進出でしたが、結果は全員落選。田原総一郎さんが仕切る『朝まで生テレビ』でオウム真理教と宗教問答をしたのは奇しくも幸福の科学でしたなあ。
■今回の自民党大惨敗の裏側で、巨大な組織票を動かせる幾つかの宗教団体がどんな変心をしたのか?官僚組織と同じく風の変化に合わせて民主党に鞍替えした団体もあったはずですし、近代国家に不可欠の「政教分離」の原理が、日本では信教の自由と混同されて故意に曲解されている節がありますから、オウム真理教で懲りたと言って幸福実現党を最初から敬遠無視したりせずに、日本の報道機関にはもう少し誠実に情報を集めて提供して欲しいと思いました。ラジオで大川総裁が絶叫調の政見放送を一度聴いたくらいでは、これまでの自民党政権との関係など何も分かりませんでしたからなあ。
■幸福の科学側は、割と冷静に自民党以上の大惨敗を受け止めているようですから、今のところは「嵐の前の静けさ」ではないか?などと勘繰らなくても済みそうなのですが……。
■「幸福の科学」という新興宗教団体が単独政権を目指して全選挙区に候補者を立てる!と宣言したことよりも、長年、自民党を支援して来た事実を暴露してしまった事の方が重大な話のはずなのに、この点もマスコミは大きく取り上げようとはしませんでした。一般の有権者は「人柄」だの「業績」だの、素人には絶対に分からない得たいの知れない物を手掛かりに投票行動をしている場合が多いのですが、もしも、自分が指示しようと思う政治家が自分の好みに合わない信仰集団と深く結びついていると分かったら、自ずと投票行動にも変化が出るはずなのに、日本は変なところだけ「政教分離」が徹底しているようであります。
衆院選をめぐり、消費税廃止や憲法改正などを掲げ、小選挙区と比例代表に計337人を擁立したが当選者が出なかった幸福実現党は31日、「立候補者名、党名の定着・浸透が不十分で、政権交代選挙の前では通用しなかった」などとするコメントを発表した。選挙区によっては同党の母体「幸福の科学」の信者数にはるかに届かない得票数があったことを明らかにし、「信者の信仰と政治選択に分離がある」と分析した。
■こうした現象も言いようによっては「政教分離」の変種とも言えそうですが、日本中の宗教団体の公称信者数を合計すると全人口の三倍になるという説もありますから、積極的に勧誘活動をしている団体の場合は登録されている名前の頭数を票数に置き換えては行けないようです。それは麻生コロコロ首相の街頭演説に動員された人たちの多くが、本番では民主党に投票したのと似たような話でしょう。
同党は「選挙戦を通じ、既存政党に変わる“新しい選択”としての『幸福実現党』への国民のご期待を肌で強く感じることができた」としたが、来年の参院選への挑戦については「慎重に検討を重ね、適性ある候補者を選び、事前の選挙活動を充実させていきたい」と述べるにとどめた。一方、今回の衆院選を日本が直面する課題にビジョンを示す戦いだったと位置づけ、「正論が国民に十分には理解されなかったが、国難への警鐘を鳴らしたという点で、宗教政党としての重要な使命は果たし得た」と強調した。同党は今年5月に結党。都議選に続いて臨んだ衆院選で初の議席獲得を目指していた。
8月31日 産経新聞
■「国難」と聞きますと日蓮宗系の団体を思い出す人が多いでしょうが、かつてのオウム真理教も「人類救済」やら「国難近し」を声高に喧伝したものです。自作自演の毒ガス攻撃から史上初の都市を狙った大規模テロにまで暴走した悟りと救済の三文芝居の幕開けが国政選挙でした。連日、テレビを中心とするマスコミに顔と名を売った教祖様が、少年時代からの野望を思い出しての政界進出でしたが、結果は全員落選。田原総一郎さんが仕切る『朝まで生テレビ』でオウム真理教と宗教問答をしたのは奇しくも幸福の科学でしたなあ。
■今回の自民党大惨敗の裏側で、巨大な組織票を動かせる幾つかの宗教団体がどんな変心をしたのか?官僚組織と同じく風の変化に合わせて民主党に鞍替えした団体もあったはずですし、近代国家に不可欠の「政教分離」の原理が、日本では信教の自由と混同されて故意に曲解されている節がありますから、オウム真理教で懲りたと言って幸福実現党を最初から敬遠無視したりせずに、日本の報道機関にはもう少し誠実に情報を集めて提供して欲しいと思いました。ラジオで大川総裁が絶叫調の政見放送を一度聴いたくらいでは、これまでの自民党政権との関係など何も分かりませんでしたからなあ。
■幸福の科学側は、割と冷静に自民党以上の大惨敗を受け止めているようですから、今のところは「嵐の前の静けさ」ではないか?などと勘繰らなくても済みそうなのですが……。