旅限無(りょげむ)

歴史・外交・政治・書評・日記・映画

どっちもどっち 其の弐

2007-07-31 12:31:38 | 政治
今回の大勝で参院の党所属議員は109人になり、衆院の党所属議員113人とほぼ肩を並べるまでになった。参院の党内での比重は増し、その結果、参院に集中する労組出身議員の発言力も相対的に増すとみられ、議長選出にも影響を及ぼしている。民主党は30日、輿石氏の任期満了に伴う議員会長選挙について、今月31日、8月1日の2日間に立候補を受け付け、8月6日投票とすることを決めた。輿石氏が立候補を見送れば、議長ポストに意欲を示したことを意味するため注目される。
7月31日 毎日新聞

■大敗したとは言え、安倍首相の「戦後レジームからの脱却」というスローガンは国民に支持されています。せっかく大勝した民主党の内部で、「55年体制」丸出しの革新勢力の内部抗争を再演したら、条件付ながら勢いで民主党に投票した多くの国民は白けてしまいます。下手をしたら次の衆議院選挙では総スカンを食わせるくらいに腹を立てるかも知れません。自民党内には、それを大いに期待している人も多いでしょう。自民党が民主党の空騒ぎを「他山の石」として結束したら、総選挙は大逆襲が成功するでしょう。

■その自民党側にも火種はたくさん取り込まれているようです。


自民党比例代表で弁護士の丸山和也氏(61)が30日未明に当選した。
……30日午前3時すぎに東京・六本木の事務所に姿を現した丸山和也氏に笑顔はなかった。……30日午後、都内で取材に応じた丸山氏は自民党の歴史的大敗に目はつり上げ、こうまくし立てた。「特別、自民党の政策がおかしかったということではない。が、大臣のレベルは話にならない」閣僚の不祥事が続出し、逆風の中で戦った丸山氏は、任命権者である安倍首相にも怒りをぶつけた。

■御本人が「自民党と書かずに丸山和也と書け!」と選挙演説でも叫んでいたくらいですから、舛添さんの人気取り用の身内批判とは別の話でしょう。


「(首相は)僕が言うことをどれだけ聞けるのか?僕は首相より年上。彼らに頼まれて出て、こうして当選した。官邸にもの申す権利はあると思う。党内部からドンドン批判していく」

■今は亡きレオナルド熊さんの名作コントに、首相官邸を強引に訪れる群馬県人というのが有りました。相棒の石倉三郎さんは皮のコートを着た守衛さんで、ニッカポッカに半纏姿の熊さんが「俺は首相の知り合いだ」と言い張って官邸に入ろうとするのですが、熊さんが主張していたのが、「選挙の時に握手されて、投票をお願いされた」から、自分は首相と深い関係を持っているというものでした。「頼まれて」立候補したと丸山さんは本気で怒っているとしたら、何処か社会常識が欠けているとしか思えませんなあ。陣笠と呼ばれる1年生議員である上に、タレント枠で当選した人には「仕事」も「使命」も「力」も有りません。


選挙中はヘロヘロになりながら戦った。暑さで体重は減り続け、週刊誌には「行列のできない丸山弁護士」と書かれ、心を痛めた。「やり切った」という自負があるだけに自民党、安倍首相のふがいなさには大きくため息をついた。

■候補者は皆、大変な思いをして走り回るのが当然なのに、丸山さんは自分だけが苦労したような勘違いをしているようですなあ。変な人を農水相に任命して自殺事件を起こし、その後任はもっと変な人だったという安倍首相は「任命責任」を追及されているわけですが、教育再生会議の座長だったヤンキー義家さん、拉致対策専門だった中山恭子さん、選挙権も持っていない丸川さんなど、今度は「出馬要請」の責任まで追及されそうな安部首相ですが、その最初の火種になるのは丸山さんみたいですなあ。「誰がこんな奴を出馬させたんだ?!」という騒ぎになったら安倍首相はアウトでしょう。


首相の続投には賛成するが「後がないくらいの気持ちでやれ」と不退転「不退転」迫るの覚悟を迫る。「後継者がいないからやるのではダメ。それでは衆院選も厳しくなる。なりふり構わずやるくらいじゃないと」初登院後の直接会談も要求した。……「首相をしかれる議員になる」決意は固い。
7月31日 スポーツ報知

■「俺は首相に頼まれた男だぞ」と、丸山さんはいつまで言い続けられるか、「首相を叱る」というのがどんな事なのかを知るまで、どれくらいの時間がかかるか、これはちょっとした見物です。もしも、社民党あたりから「頼まれた」ら、ほいほいと鞍替えしてしまうかも?

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どっちもどっち 其の壱

2007-07-31 12:31:16 | 政治
■選挙の時だけぺこぺこするのが政治家というものですが、いくら大勝した民主党の渡部恒三さんが「勝って驕らず」と言ったところで、当選!大勝!の興奮が冷めたら、地べたを見つめて下げていた頭がくるりと向きを変えて偉そうにふんぞり返ってしまう小物が多いようで……。小沢代表は「雲隠れ」は1日だけで、2日目には元気に党本部に出て来たようです。参議院選挙の勢いを温存して安部政権を追い詰めて、既に噂が出ている衆議院の解散選挙での圧勝を目指して相談が始まっているのだそうです。でも、何もやっていない内からあまり先走るとエライことになりますぞ。

自民党の青木幹雄、民主党の輿石東(こしいしあずま)両参院議員会長は30日、国会内で会談し、参院議長を慣例通り第1会派から選ぶことで合意した。民主党から初の参院議長誕生が確実となった。同党内では輿石氏と江田五月・前参院議員会長を軸に調整が本格化している。

■ここまでは順当な話です。自民党は参議院の議長席を奪われることを何よりも怖れていました。悪夢が本当になってしまったのですから、青木さんなどは目の前が真っ暗なのでしょうなあ。でも、この議長席が民主党の自滅を早める原因になるかも知れません。


旧社会党出身の輿石氏は与党との協調を重んじるタイプで、青木氏ら自民党有力者との太いパイプを背に影響力を増してきた。参院選で野党が歴史的な勝利を収めた直後だが、民主党にとって今回の議長人事は、「55年体制」的な国会運営から脱却できるかも占う指標となる。……自民党が惨敗した29日夜、与野党逆転がなかったかのように輿石氏と青木氏は出演したテレビ番組でエールを送り合った。輿石氏は周囲に「勝ったからといって相手の弱みにつけ込むようなことはしない」とも漏らす。輿石氏は労組出身で、小沢一郎代表を昨年4月の代表選でいち早く支持し、現在も小沢氏を支える旧社会党グループに属する。今後、参院での国会運営がカギを握るなか「小沢氏も輿石さんの言うことは拒否しない」(中堅幹部)との見方が党内ではもっぱらだ。

■「55年体制」の下では、貧乏な社会党が国会でゴネる度に自民党から料亭で御馳走して貰ったり、裏金を貰ったりしていた事はもうばれております。そんな馬鹿馬鹿しい出来レースを知っているくせに日本の新聞社はイデオロギー対立を演出して、まるで日本に社会主義政権が生まれるかも知れないぞ!と煽っていた新聞も有ったくらいでしたなあ。自民党と社会党の談合体質が公になったのは、田中角栄さんが倒れた後、自民党・政界のドンに祭り上げられた金丸信さんに仕掛けられた平壌招待の謀略でした。社会党の田辺誠さんとは選挙区も同じで「国対政治」という奇怪な慣習によってベタベタの関係になっていた二人は、ソ連崩壊が近付いた1980年代末から社会党の極左と自民党の国家主義者を切り捨てて、穏健な「二大政党制」を構想し始めます。ここで注意しておくべき事は、金丸信さんが一番可愛がっていたのが小沢一郎さんだったという事実です。最も熱心に「二大政党制」を主張しているのも小沢さんですなあ。

■1990年に、平壌の謀略にまんまと乗せられた日本社会党に乗せられた金丸さんは、田辺誠さんと仲良く訪朝団を結成して団長に祭り上げられて、朝鮮民主主義人民共和国を訪問してしまいます。実質的な団長気取りだった田辺さんは、スケジュールに無かった謎の金丸・金日成会談から弾き出されて間抜けなピエロ役を演じて激怒したのは笑える図でした。秘密会談の内容は一切公開されていない上に、『南北朝鮮分断後45年間についての補償』という文書を自民党・社会党・朝鮮労働党の名前で作ってしまったのでした。後に、刻印の無い金の延べ棒が金丸邸から発見されたりしますが、一体、何を相談のしたのやら……。その後、拉致事件が発覚して社会党は国民から見棄てられましたが、泥舟から逃げ出した連中が民主党に逃げ込んだというわけです。

■後から入って来た小沢さんが、社会党出身の年寄りと仲が良いというのは、なかなか意味深な話です。そう言えば、小沢さんは北朝鮮問題や拉致問題に関して発言しませんなあ。


……江田氏は科技庁長官などを務めた経歴とクリーンなイメージから、もともと議長候補の本命とされてきた。さらに今回の参院選で、地元の岡山選挙区で自民党の片山虎之助参院幹事長を破る立役者となり「議長就任の大義名分ができた」(若手参院議員)という見方もある。しかし、江田氏は、市民政党を掲げた社民連元代表という経歴から、特に旧社会党グループの労組出身議員に拒否感があり、参院内での基盤が強いとは言えない。

■日本の保守勢力は、保守合同によって自民党という巨大な入れ物が用意されていたので、何だか一枚岩のような錯覚を生んだくらいでしたが、革新左派勢力は共産党と社会党、そこから飛び出した民社党と分裂状態でしたし、その何処にも入りたくない人達はあれこれと小さな集団を作っていたのでした。案外、自民党とは裏金などで仲良く付き合えたのに、似た様な主張をしていた革新仲間は小さな違いを誇大に扱って喧嘩ばかりしていました。有名な反原爆運動も分裂したままですし、労働組合の中でも抗争事件が起きるのも同じ構図です。

選挙一日後 其の四

2007-07-31 08:45:59 | 日記・雑学
国民新党から参院選比例代表に立候補し、落選が確実となった元ペルー大統領、アルベルト・フジモリさん(69)は30日午前3時(現地時間29日午後2時)過ぎ、軟禁状態にあるチリの首都サンティアゴの自宅で「日本で選挙運動ができず残念な結果になった。これからも日本と世界のために頑張りたい」と日本語で敗戦の弁を述べた。今後の政治活動については「これからゆっくり考えたい」と語った。
7月30日 毎日新聞

■昔、ハリウッド映画で『タワーリング・インフェルノ』という超大作パニック映画がありまして、主演がポール・ニューマン、スティーブ・マックィーン、フェイ・ダナウェイで、ウィリアム・ホールデンとジェニファー・ジョーンズの『慕情』コンビまで出て来る豪華なキャスティングが話題でした。そこに、フレッド・アステアも出演していて古くからのファンを大喜びさせたものです。ハリウッドの巨人アステアは、アカデミー賞の助演男優賞にノミネートされたので、受賞会場に昔と変わらぬ恰好よい正装姿で出席していたのです。しかし、結果は「落選」!アステアの名前の大きさを知っていれば、こんな馬鹿な仕打ちは有り得ない話なので、世界中の映画ファンは激怒したとか……。

■一国の大統領を務めた人を引っ張り出して「落選」させるとは、実に失礼な話です。たとえ、ペルーの内政問題がいろいろと取り沙汰されていようと、信義の問題として言い訳は出来ません。国民新党の綿貫さんは「武士道精神」を喧伝していたくせに、これはどういうことでしょう?騒がせ屋の亀井さんが勝手にやった事なのかも知れませんが、これは酷い話です。ペルーの反フジモリ派からカネでも貰って大恥を掻かせてやる陰謀だったら辻褄は合いますが、決してそんな事ではないでしょう。どこのマスコミも問題にしていませんが、ペルーとの関係も含めてこの「落選」をあまり軽く見ない方が良いような気がしますなあ。


比例選で公明党の草川昭三副代表(78)が落選した。草川氏は衆院8期を務めた党の重鎮。2000年の衆院選(愛知6区)で落選したが、01年の参院選比例選にくら替えして当選した。青木参院議員会長ら自民党幹部と太いパイプを持ち、自公連立与党の選挙、国会運営などでの協力体制づくりに貢献してきた。公明党は内規で国会議員の定年を66歳としており、草川氏は、今回の選挙には出馬せず、引退する方向だったが、党執行部が「草川氏の経験と人脈が必要だ。集票力もある」と判断、特例扱いで出馬した。
7月30日 読売新聞

■安部首相の留任を公明党は早々と認めていますが、各地の出口調査を見ると自公の選挙協力があちこちで破綻していた事が判明しております。本来は、個人の政治信条に従って行われる秘密選挙なのですから、誰かさんの指示に従って票の束があっちに行ったりこっちに来たりするのは異様な事です。俗に「無党派層」とか「浮動票」とか、何だか悪い物のような扱いをされる自由に動き回る票の方が民主政治の基本でしょう。何があろうと特定の政党を支持するという固定票のほとんどが「組織票」と呼ばれるのですから、これは裏側では談合や怪しい献金、権力の匙加減が濫用される利権の温床になる危険が有ります。

■民主党が大勝したのですから、「浮動票」を投じた見ず知らずの人達は置いてけ堀を食わされて、労働組合からの圧力に民主党が振り回される可能性があると心配する声が出て来るのは当然の話です。単なる偶然なのでしょうが、参議院の選挙が終了するのを待っていたように小田実さんが死去しました。全盛期には左派政党や元気な労働組合の人達とも共闘した経歴が輝いていたのでしたが、北朝鮮ルポを書いたばかりに晩年は尾羽を打ち枯らして、細々と文芸評論を続けていたそうです。別に安倍首相が強行採決などしなくても、戦後レジームの一部は風化して崩れて消えて行くのでしょうなあ。時代の変化に合わなくなっているのに、既得権益を守ろうとする困った人達のお蔭で、公金が無駄遣いされている分野が問題なのですが、今回の大勝で国政調査権を手に入れた民主党の若手が張り切っていますが、どうなる事やら……。

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選挙一日後 其の参

2007-07-31 07:57:32 | 日記・雑学
参院選当選者を出身分野別に見ると、トップは地方議員の25.6%(31人)で、議員秘書10.7%(13人)、官僚9.9%(12人)などが続く。大勝した民主党は地方議員が33.3%(20人)で最多。逆に、労組幹部は前回の28.0%(14人)から15.0%(9人)に減り、同党の労組依存度が低下……。自民党も地方議員が最も多く27.0%(10人)。大きな人材供給源である中央官僚は、比例代表選で農業や医療団体などが担いだ官僚候補が落選し、前回の20.4%(10人)を下回る13.5%(5人)にとどまった。

■「地方議員」というのも要注意で、最近もテレビ朝日あたりが、公金を流用して「研修・見学」の名目で変態団体旅行を楽しんでいる田舎のスケベ爺の恥ずかしい写真や被害者の証言を集めて追及する企画を連発しているようですし、その前は「政務調査費」という怪しいカネの使い道を掘り起こして東京都内の或る区議は団体で辞職する騒ぎまで起きたようですぞ。年に2箇月弱ぐらいしか会議が開かれないし、中央からの指示に従ってバカみたいに借金を作っていれば良いだけの暇な仕事に高額な給与をお手盛りで決めている困った地方議員も多いようですからなあ。民主党には、まだ9人も労働組合からの成り上がりが紛れ込んでいるのは問題です。大小の労働組合が集めて使っている組合費というのも伏魔殿らしいですからなあ。大組織の幹部クラスになると、大いなる勘違いをして贅沢三昧に耽っている愚か者も多いとか……。


タレントやスポーツ選手出身の候補は5人が当選。元民放アナウンサーの丸川珠代氏(自民)、女子プロゴルファー横峯さくら選手の父・良郎氏(民主)、元Jリーグ選手の友近聡朗氏(無所属)らが初当選を果たした。……時事通信社

■その他にも気になった候補者の票数を集めてみました。


山東昭子さん  201,343票、西岡武夫さん 150,799票。

橋本聖子さん  220,451票、又市征治さん 217,990票。

■もう終わっている4人組。社民党の又市さんは、選挙直前に議員宿舎にややこしいマッサージを呼んだとか呼ばないとか、週刊誌に書かれて裁判沙汰になっていましたなあ。タレント議員の草分けだった山東さんは、今回は落選するだろうとのもっぱらの評判でしたが、20万票も取ったのですなあ。テレビ草創期から熱烈なファンという高齢者がまだまだ元気だということでしょうか?国民の半分以上は名前も顔も知らないでしょうからなあ。


義家弘介  221,343票

田中康夫  454,566票

横峯良郎  210,519票

■虚像が膨れ上がっている三人組。義家さんは自己陶酔型の人格らしく自分が作り出してテレビが膨らませたイメージに酔っているような印象が強いですなあ。「ヤンキー・センセイ」だそうですが、選挙戦後半では、すっかり「ヤンキー」顔になっていたのが気になります。今回の立候補が、本当に安倍首相からの強い要請だったとしたら、あの「教育再生会議」を設置したのは単なる人気取りのポーズだったことになりますし、逆にヤンキー義家さんの希望だったのなら、会議の座長を放り出しての出馬という事になります。どちらにしても、不真面目な二人には違いありません。

■田中康夫さんは、今度は「国会の内視鏡」になるのだそうです。口から入るのか肛門から入るのか、ちょっと楽しみな話です。でも、逆に内視鏡を突っ込まれて私生活スキャンダルでぼろぼろにならないように気を付けた方が良いかも?横峯さんは、自分から自民党でも民主党でもどっちでも良かったと言っているのですから、与党・野党の区別も分からない人のようです。小沢戦略では使い捨ての投票要員でしかないのに、大物ぶっているのは滑稽です。飽きるのも早そうです。


舛添要一 466,495票

中山恭子 383,145票

川口順子 258,969票

佐藤正久 250,237票

山本一太 530,114票

■自民党の気になる5人組です。舛添さんは、「100萬票」に届かなかったのは閣僚の失言と年金問題だと言い張っているようですが、自分自身が口で言うほど活躍していない現実を認めた方が良いでしょうなあ。中山さんは参議院の陣笠議員になどなってしまったら、拉致問題とは関係のない雑務に忙殺されてしまうのは目に見えているのに……。ヤンキー義家さんと同じで、安倍首相が引っ張り出したのなら、拉致問題全面解決に対する「鉄の意志」などというものは薄っぺらなものだという事です。政治評論家の三宅裕之さんから「ポン子」と呼ばれていた無能な外務大臣でしたが、何処から25万票も湧いて来るのか、実に不思議な話です。御本人が何を考えて立候補したのかもさっぱり分かりません。

■佐藤隊長が防衛とテロ特措法に集中して活動出来るかどうか、そこが問題です。かつての源田実さんのような怪しい大物になるのか、プロレスラー議員と同じような軽い存在になってしまうのか……。群馬県の山本一太さんは、安倍首相の応援団として大車輪の活躍を見せたのに、大した論功行賞の対象にはならなかった人です。その距離感が自分の身を助けたようなものでしょう。

選挙一日後 其の弐

2007-07-30 21:02:10 | 日記・雑学
丸山和也さん 269,946票

■この色黒の口の悪い男は、島田紳助さんのテレビ番組に出演して人気者になった弁護士だそうです。その番組を知らないので、どんな弁護をする人なのかは知りませんが、日本テレビの奇怪な「愛は地球を救う」というチャリティー番組で、何度も週刊誌が疑惑を書き立てられている超長距離マラソンを走ったのだそうですなあ。24時間も膨大な電力を浪費する価値が有るのかどうか?最終的に募金に回る金額と製作費との比率はどうなっているのか?現場で募金を横領しているという噂は本当か?など、子供を騙すような恐れが有る番組ですが、中でも番組のフィナーレに必ず間に合う100キロマラソンというのは、プロレス中継よりもリアリティが有るものなのか?

■丸山さんは、弁護士が笑いを取る不思議なテレビ番組で名を売り、本当なら大変な100キロマラソンに出て、その後は東京都知事選に出るとか出ないとか小さな騒ぎを起こしてスポーツ新聞の紙面を飾ったのだそうです。都知事選に立候補すれば見事にドベ落選だったでしょうが、出馬直前に訳の分からない理由で立候補を見送ったとか……。昔、アントニオ猪木さんは同じ様な騒ぎを起こして、10億円だか20億円だかの裏金を自民党から貰って出馬を見送ったなどという黒い噂が有りましたが、丸山さんならそんな大金を用意しなくても大丈夫だったでしょう。丸山(男)さんも丸川(女)さんも、恐るべき上昇志向の強い人格だと週刊誌などには書かれているようですから、名誉と権力を求める以外に参議院選挙に立候補する理由が有るのかどうかは不明です。

■報道によりますと、何だか与党の総裁選挙に出るような話をして歩いていたようですなあ。1年生議員の身分に憤慨してさっさと辞めた大橋巨泉さんや田嶋さんの後を追うような事になりはしないか?と心配です。「自民党は嫌いだけど利用する価値は有る」と公言していたそうですから、下手をすると弁護士資格もそんな物だと思っているかも知れませんぞ。司法の分野に居た丸山さんが、立法府に移って「法律の専門家」を誤解して無茶な事を言い出さないか、ちょっと心配です。でも、乱暴な島田紳助さんの仲良しだそうですから、吉本興業所属の弁護士になれば済むだけかも知れません。


川田龍平さん 683,629票

■この数字は感動ものです!前長野県知事で、マスコミを自家薬籠中のものとしてペラペラ喋る田中康夫さんが得たのが「458,211票」でやっと当選して、日本テレビのワイド・ショーで毎日立派なコメントを述べ続けていた有田芳生さんが「159,814票」で落選しているのですから、組織もマスコミも道具に使えない川田君が手作り選挙で当選したのですから立派です。もっともっと、マスコミが川田さんの第一声を放った場所が、今や国民的憎悪の的になっている厚労省の玄関先だった!という事実を大々的に報道していれば、楽々と100万票を越える圧倒的勝利を得られたのではないでしょうか?

■もっと言えば、岡山でちょっと恥ずかしい学芸会を開催して「姫の虎退治」が効いたのなら、「龍の馨退治」をマスコミがCG仕立てで囃し立てていたらどうなったでしょう?因みに、馨は元社保庁長官・元全国社会保険協会連合会副理事長・元社会保険診療報酬支払基金理事長・元医薬品被害救済研究振興調査機構理事長・元社会保険健康事業財団理事長で、現職は財団法人復光会非常勤理事長の正木馨さんです。この人が社保庁長官になっていた時に手書きの基本台帳を焼き捨てさせたのは有名な話ですが、社保庁に天下りする前は、危険な血液製剤を認可し続けた元厚生省薬務局長というエライ人だったのです。川田さん達に言わせれば、立派な大量殺人罪の容疑者という事になります。現田園調布在住の老人です。第一声が厚労省の門前での「宣戦布告」だったとしたら、最後の挨拶は是非とも田園調布の正木邸の門前は無理でも、田園調布の駅前でやって欲しかったですなあ。

■風の噂ですが、この正木容疑者と安倍首相とが姻戚関係に有るという説が有るそうです。正木馨さんの奥さんと、森永製菓の森永剛太会長の奥さんが姉妹で、その森永会長と森永製菓の元会長の松崎昭雄は義兄弟になっていて、その松崎昭雄さんの長女のアッキーこと昭恵婦人という関係だそうです。つまり、森永一族の女系で義理の兄弟になっているという事ですから、立派な親戚です。「介護の安部」で売り出そうとした理由がこの辺りに有ったのかも知れませんなあ。何だか森永製菓のエンゼル・マークが無気味に見えて来そうな話で、お菓子が薬臭く感じてしまいそうです。何はともあれ、川田議員には厚労省という化け物ドラゴンを退治して貰いたいものです!旧厚生省時代には、「殺せえ省」などと悪口を言われていましたが、現厚労省になっても「殺そう省」に聴こえて仕方がないのですから……。

選挙一日後 其の壱

2007-07-30 21:01:42 | 日記・雑学
■変な選挙でしたなあ。確かに参議院の議席は与野党が逆転してはいるのですが、安部首相は最初から辞任しないと名言していましたし、それにお墨付きを与える周辺からの発言が続出していて、その代表が小泉前首相で、「安倍さんが辞めたら自民党は大変な事になっちゃう」という彼らしい含みの有る短いフレーズでした。「自民党をぶっ壊した」人の言葉は重い!小泉さんは自民党を独裁体制に作り変えることを「ぶっ壊す」と表現して見せただけで、決して「消滅させる」という意味で叫んでいたのではありません。

■小沢さんの自由党と鳩山さんの民主党が合流するという時、「エッ?それじゃあ自由・民主党になっちゃうの?」という名言を吐いた小泉さんですから、自由民主党が大分裂して「民主党と国民新党」になってしまうビジョンが見えているのかも知れませんなあ。参議院の重鎮と呼ばれる人達が落選し、枯れ木の賑わい候補がぽつぽつと当選したのですから、実質的に参議院の自民党は無くなったようなものです。単に過半数を失っただけでなく、貧すれば鈍するで公明党との選挙協力を双方共に破ってしまった事が明らかになっているので、集票マシーンのつっかえ棒も無くなってしまったということです。

■衆議院を通過する重要法案が民主党の好き放題に参議院で止められてしまう構造が出来上がってしまったわけですが、その象徴が自民党の参議院幹事長のタイガー片山さんの落選でしたなあ。


片山虎之助 403,783  
姫井由美子 451,185

■こうして並べて見れば、「姫の虎退治」は4万8000票差で実現したことが分かります。郵政解散選挙の前、つまり、平沼さんの後援者からも票が貰える2001年の参院選では、501,383票を得ていたそうですから、10万票近い票が逃げ出したというわけです。田舎の事ですから、成人10万人分の反感と無関心を察知するのは簡単です。片山さんは幹事長の身なのに自分の選挙区から一歩の外に出られず、誰の応援にも行かなかったそうですなあ。恐ろしい事に、2005年のいわゆる郵政民営化(怨念)選挙の結果を見ると、堂々の無所属で立候補した平沼赳夫さんは、「99,931票」という無気味な数字が見えます。つまり、次期総理とまで言われていた平沼さんを素浪人に落とした怨念が強烈に残っていて、親分の平沼さんが「応援する」ポーズを取っているのに応じて、僅かに1000人ほどがタイガー片山さんに投票したとすれば、ぴたりと計算が合うわけですなあ。

■ならば、今回の歴史的惨敗は、「小泉郵政解散」が大きな原因とも言えそうです。個別に投票数を分析して見れば、それが一層明らかになるかも知れませんが、そんな暇も有りませんので、ちょっと気になっていた候補者の票数を確かめてみることにしました。


丸川珠代さん 691,367票
保坂三蔵さん 647,016票

■比較してみれば、天国?と地獄との差は4万票強というわけです。本来ならば落選間違いなしだった丸川さんが滑り込んだのは、安倍首相の熱心な応援……ではなくて、最後の最後に仁王立ちで応援演説をした石原慎太郎さんが引き出した莫大な票が有ったからでしょうなあ。それなら、石原軍団が荒唐無稽な刑事アクションものを放送していたテレビ朝日との関係も透けて見えるではありませんか。何とも大規模なバック・アップのお蔭様だったわけですなあ。可哀想なのは保坂さんで、組織票をまとめたら楽勝だと思っていたのでしょう。因みに、2001年の参議院選挙で保坂さんが集めた票を見ると、1,407,437票という莫大なものでした。まさか、アホな大臣の失言と社保庁の犯罪という自分とは何の関係も無い理由で、40万票も減ってしまうとは想像もしなかったでしょう。きっと、最初は余裕シャクシャクで丸川さんに10万票くらい分けて遣ろうか?ぐらいの事は考えていたかも知れませんなあ。

■仮に保坂さんに行くべき40万票が丸川さんに流れたとすれば、丸川さんは30万票にも満たない数で大恥を掻いて落選していた可能性が有るわけです。大東京に潜んでいた丸川さんの「知名度」が30万人くらいだったとすれば、穏当なところでしょう。それくらいのテレビ朝日マニアは存在しているでしょうからなあ。同じように、テレビが大好き!という日本人が選出した初当選と言えば……。

さあ、開票だ! 其の七

2007-07-30 02:39:36 | 政治
……丸川氏は1日2回程度の街頭演説をこなし、残りの時間は企業回りや政策の勉強などに費やしている。街頭での露出度がきわめて低いのだ。そのせいか、ある世論調査では5位付近に低迷しているという、まさに“予想外”の結果も。もっとも陣営に言わせれば、「アナウンサーといえども、全くの新人候補だ。今からかなりの回数の街頭演説をこなして、公示のときに声が出ませんではまずいから」(関係者)。……テレビでおなじみの丸山和也弁護士が自民党から比例代表で出馬することを表明したが、この余波も丸川氏を襲っている。実は「丸川」を「丸山」と間違えられるなど……選挙対策本部長に平沢勝栄内閣府副大臣を投入。平沢氏と言えば「自民党内でも指折りの選挙に強い議員」として知られているだけに、「美女と野獣」(陣営幹部)のコンビでなんとか選挙戦を乗り切ろうとの戦略なのだ。

■テレビ朝日の番組で名前を売って貰っている平沢さんが抜擢されたのなら、朝日新聞が応援している社民党や民主党ではなく自民党から立候補した丸川さんは出身企業から支援されていたことになりますなあ。まあ、丸川も丸山も、大した違いは無いのですが……。


……「平沢氏の地盤は葛飾区など下町だが、その下町は保坂氏の牙城。平沢氏の投入で保坂票を切り崩そうとする思惑もあるのだろう」さらに、陣営にとって重要なのが今後、丸川氏をどういうイメージで売り出していくかだが……「丸川氏には結婚を前提に付き合っている男性がいるが、陣営としては『結婚云々の部分はあまりはっきりさせず、“恋多き女性”というイメージを打ち出していく』方針のようだ。しかし、将来はこんな母親を目指し、当選したらこういう角度で女性問題に取り組みたい、と直球勝負で訴えたほうがいいはずなのだが…」
2007年6月25日 産経新聞

■この程度の扱いだった丸川候補でした。各週刊誌も、勘違い上昇志向ムスメを戒めるような、虐めて楽しむような記事を並べていたものです。


住民票の移し忘れから参院選に投票できなかった自民党の東京選挙区候補で元テレビ朝日アナウンサー、丸川珠代氏(36)が18日、初めて“謝罪演説”した。……江東区の門前仲町駅前で行った街頭演説で「この度は皆様に私のことでご迷惑をおかけいたしまして、本当に申し訳ございませんでした」と約30人の聴衆に向けて謝罪。その後、約4分間演説したが、何に対しての謝罪なのかは語らなかった。2007年7月19日 産経新聞

■何を言っているのかさっぱり分からない演説しか出来ないけれど、可哀想なオ嬢チャンだからと同情が集まるのも分かりますが、それだけで当選してしまうというのは、何とも恐ろしい選挙区ですなあ。一体、何を期待しての投票行動だったのか、本当に不思議です。分かり易く考えれば、「反保坂」の票と「親自民」の票が合体して行き場を失って「丸川」に雪崩れ込んだ化学変化当選としか思えません。


「5番目のイス」に滑り込むのは誰だ-。首都決戦は、当落線上に複数の候補者が並ぶ全国最激戦区となっている。各メディアの世論調査では、追い風を受ける民主の2人と自民、公明の両現職が先行。これを東京HIV訴訟元原告の川田龍平氏(31)=無所属=、元テレビ朝日アナウンサー・丸川珠代氏(36)=自民=らが追う展開となった。川田氏は丸川氏を強く意識しての選挙戦。自民への逆風をもろに受ける丸川氏も必死だ。「出てきたデータだと、保坂さんのところにも、そんな余裕はない」。

■これが7月28日段階の報道です。こんな土壇場になって保坂さんの苦戦が判明するのですから、自民党の選挙に対する戦闘力は無くなっているとしか思えません。それなら、自民党の選挙のプロから離れていた丸川さんにもサプライズの可能性が有った事になります。もしも、保坂陣営が親切に最初から選挙戦の指導をしていたら、見事に共倒れになったことでしょう。


投票日まで1週間を切った23日、丸川氏の選対会議に顔を出したある議員は、渋い表情を見せた。“最終手段”が「難しくなった」と言うのだ。丸川陣営には当初、現職の保坂陣営との間で、相互調整があるだろうとの見方があった。組織を持つ保坂氏に大幅なリードがあれば、「各議員の後援会など『読める票』の一部を丸川に」という手法だ。しかし、逆風で自民の票自体が減っている状況で、保坂票の分け前は期待できない。「うちはうちで頑張るしか…」選対本部長の平沢勝栄衆院議員は苦しそうに話した。保坂氏の陣営も「1票もあげない」と必死の組織固めだ。

■自民党からも公明党からも見棄てられ、落選確実とマスコミから陰口をたたかれていたのでした。テレビ朝日時代にも看板番組を持っていない、ピンぼけの安倍首相が御執心というだけの候補者でした。やはり、判官びいき現象としか解釈のし様が有りませんなあ。保坂さんが吉良上野介と重なり、虐められる丸川さんが浅野のバカ殿にでも見えたのでしょうか?


「地上戦」の保坂氏に対し、知名度を生かした空中戦で勝負するという支持層の「住み分け」も難航。陣営間の感情的な溝も残る。ある都選出の国会議員の秘書は、丸川氏の選対会議で「うちの代議士は保坂先生しかやらないと言っている」と断言した。選挙戦中盤には、転入届を怠っていた丸川氏に選挙権がなく、これまで投票に行っていなかったというまさかの失態も発覚。平沢氏は「これからってときに…考えられないエラーだ」と怒りをあらわにした。さらなる逆風を自爆で招いた丸川氏は、街頭で号泣するしかなかったが、これも裏目に。陣営関係者は「有権者の前で泣くな、と言ったんだけど」とため息だ。

■「猿は木から落ちても猿だが、政治家は選挙に落ちたらオシマイだ」と言われますから、当選するためには何でもやるのが政治家です。鈴木ムネオという人は、最初に交通法規を無視して暴走族の真似をして走行中の自動車から上半身を乗り出して選挙運動をして当選しました。全国に同じ交通法違反が氾濫したのでした。「土下座」という世界的にも珍しい屈辱的な姿勢を晒して当選した阿呆候補が出て来ると、あちこちで土下座候補者が出現したものです。これからは、意味も無く泣く、ただ泣きじゃくる、そんな候補者が増えそうですなあ。丸川さんは、これからの政治活動の場で、「泣け!」「今日は泣かないのか!」と言われ続けるのでしょうなあ。それを楽しみに当選させた有権者が多かったのなら、ちょっと気味が悪い話です。


それでも「7番目の当選圏外から、最後尾が見えてきた」と平沢氏。初めての選挙で、デッドヒートのど真ん中に放り込まれた丸川氏は、26日には定番だった白いスカートからパンツにはき替え“お嬢様路線”を完全払しょく。足の感覚がなくなるまで歩き回り、握手を続けている。関係者が丸川氏の気持ちを代弁した。「自民以外から出ていれば、楽々当選できた人だ。でも仕方ない、出ちゃったんだから」
7月28日8時5分配信 スポーツ報知

■スポーツ新聞だからと言っても、「自民以外なら楽々当選」などと、気楽な事を書いては行けません。一体、何処の政党から立候補したら楽勝だったというのでしょう?社民党でしょうか?民主党でしょうか?朝日新聞とテレビ朝日が全面的にヤラセ応援をするとでも言うのでしょうか?それは選挙法違反ですぞ。丸川さんは、この異様な選挙で自民党から東京選挙区に立候補したからこそ当選したのです。次の選挙で消えるという点では、タイゾー君のお仲間です。明日から、丸川さんは「唯一の安部チルドレン」と呼ばれるのでしょうか?複数形を使うのは『エヴァンゲリオン』と同じ誤用なのですが……。オシマイ

さあ、開票だ! 其の六

2007-07-30 02:38:03 | 政治
■丸川さんの当選は、ウソでも冗談でもなく、本当らしい!驚きましたなあ。

参院選で激戦の東京選挙区。最後の5議席目を自民候補の現職・保坂三蔵氏(68)と新人・丸川珠代氏(36)が争う“共食い”の情勢になり、2期12年の実績を誇る保坂さんが涙をのんだ。30日午前0時15分過ぎ、事務所に姿を現した保坂氏は「申し訳ありません」と頭を下げ、支援者と握手をしながら壇上に。「与党の逆風は承知していたが、有権者に思いは届いていると思っていた」と敗戦の弁を述べた。丸川氏の擁立については「2人当選というのが党の命令だから…」と悔しそうな表情を隠さなかった。

■「党の命令」というのは安倍首相の注文を意味します。小泉人気の異常な熱気の中で幹事長をやっただけの安倍さんは、選挙戦術を見誤りましたなあ。結局は思い込みが強いだけの世間知らずだった事がバレてしまいました。それも、最悪の場合「1議席確保」というセイフティーネットは張って置いたはずが、まさかベテランが落選して海の物とも山の物とも分からない、下手をしたら女タイゾー君になってしまうかも知れない丸川さんが単独当選するとは、安倍首相は大ショックでしょう。今更、議席を取り替える訳にも行かないし……。上昇志向が異様に強いと定評のある丸川さんですから、小池百合子さんを追い抜こうと無茶な事をやり始めるのは目に見えています。それをコントロールなど出来ない安部さんです。小泉さんが刺客選挙で残した、妙に気ばかり強い女性軍団に、更にややこしい要素が加わってしまいました。

■マドンナ旋風の風で自分の党が風化して消えて行った旧社会党を思い出してしまいます。もう世代交代の流れを止められない自民党にとって、次の生き残りを懸けた目玉は「女性首相」しか残っていません。まるで米国の民主党みたいですなあ。小泉勘違いチルドレンが大騒ぎを始めたら、青木さんも古賀さんも、誰も重石になれませんから、目も当てられない黄色い声と陰湿なイジメが横行する変な「大奥」状態が出現しそうです。将軍も居ないのに「大奥」だけが生まれたらどうなるのでしょう?男議員はどうなるか?全員が「茶坊主」になるでしょう。河内山宗俊は出て来そうもありませんから、実に気味の悪い化け物屋敷みたいになりそうですなあ。


自民党は定数改正で改選数が1つ増え「5」の参院選東京選挙区に、9年ぶりに2人を擁立。当時は共倒れの憂き目をみただけに、今回は組織力を背景に「地上戦」で臨む保坂氏に対し、知名度を生かした「空中戦」で浮動票を狙う丸川氏。同党は両者の相乗効果でそろって当選をもくろんでいた。結局、2人擁立による相乗効果はなかった。「1ラス1が2にならず、1のままで、同じ自民党支持層を食い合っていただけだ」。ベテラン都議は吐き捨てた。
7月30日1時16分配信 産経新聞

■自分の選挙権が有るのか無いのかも分からない、変な東大卒業の丸川さんが当選して、2期12年の「実績」を持っているはずの保坂さんが落選したのですから、安倍首相も公明党の太田代表も叫び続けた「実績と実行力」はどうなってしまうのでしょう?応援団長という「貧乏籤」を引かされた平沢勝栄さんも、当選挨拶の時に不機嫌でした。それもそのはずで、平沢さんは安部首相も知らなかったほど知名度低かった「丸川さんを当選させた」のではなく、磐石の大勢でトップ当選するはずだった「保坂さんを落選させた」張本人にされてしまうでしょうからなあ。丸川さんも、ずっと「保坂さんを落とした女」と言われ続ける運命です。何とも巡り合わせに恵まれない人のようですなあ。テレビ朝日を袖にしたついでに、他局で商売道具に使っている細木センセイにでも運命鑑定して貰いますかな?否、別のスピリチュアル系の番組で訳の分からない前世話で癒して貰いましょうか?「保坂さんを落とした」という枕言葉は付いて回りますからなあ。非科学的な厄落としや厄除けをしておかないと、国会という恐ろしい場所で生きては行けませんぞ。

■もしかしたら、ちょっと自民党にお灸を据えてやろうと思った自民党支持者が、ほんの出来心で組織選挙に背を向けてみた、その上にテレビだけが情報源というお気楽組が便乗した結果がこれかも知れません。保坂さんの落選と丸川さんの当選、さてさて、どちらが不思議でしょう?これは難しい問題ですなあ。


夏の参院選に東京選挙区から自民党公認で出馬する元テレビ朝日アナウンサーの丸川珠代氏(36)。安倍晋三首相から直々に出馬要請を受けるなど、当初メディアの注目度は高かったが、ここにきて“埋没感”が漂い始めている。組織票はもう1人の自民党候補、保坂三蔵参院議員(68)がガッチリと握っているため、丸川氏は浮動票狙いとならざるをえないが、存在感の薄さは致命的。果たして秘策はあるのか-。

■これが6月25日段階の報道でした。「浮動票」膨らんで「組織票」が逃げたということらしいのですが、日本人の10人に1人が暮らしている東京で、こんな事が起こるというのですから、自由民主党は完全に支持基盤を失っているようですなあ

さあ、開票だ! 其の伍

2007-07-30 01:19:22 | 政治
今回の改選は選挙区73、比例代表48の計121議席。29日午後11時25分現在、民主は55議席を獲得、自民は29議席にとどまっている。……29の1人区で、自民が群馬、和歌山、山口で議席を確保。しかし、岡山で自民の片山虎之助参院幹事長が民主新人に、青木氏の地元・島根で自民現職が国民新の新人に敗れた上、徳島、香川、愛媛、高知の四国4県で全敗。このほか、青森、岩手、秋田、山形、栃木、三重、滋賀、奈良、鳥取、長崎、熊本、宮崎、沖縄などでも民主や野党系無所属候補に敗れ、大きく負け越した。

■見事に全国で敗北です。最初はマスコミを使って「空中戦」を挑んで日本全国の「制空権」を握って一挙に大勢を決してしまおうと浅はかに思った安倍首相は、自分の不人気を若干「予感」して数日間で戦術を転換しました。全国行脚、その中で真新しい作業着姿で迷惑に違いない田植え機運転をして見せたりしました。憲法9条の改正を旗印にタカ派で売り出したのですから、しっかりと「悠紀(ゆき)の国」=今上天皇は秋田県、「主基(すき)の国」=今上天皇は大分県を念頭に、ちゃんと泥に足を入れて手で植えねばなりません!どうして、佐賀県小城市三日月町の田圃で機械に跨って見せねばならなかったのか?さっぱり分かりません。全国行脚は見事に逆効果を積み重ねていた事を、御本人はまったく気付かなかったようですなあ。


18の複数区のうち、2人区は自民、民主が議席を分け合った。3人区は民主が2人を擁立した埼玉、神奈川、愛知で自民、公明両候補と激戦を展開。愛知では公明現職が落選した。公明候補が参院選の選挙区で落選したのは平成元年以来18年ぶり。5人区の東京は、民主が2人の当選を決め、残りを自民2人、公明、共産、無所属の候補が競り合っている。

■ここに出て来る「自民2人」が保坂さんと丸川さんです。都や区の議員を総動員して組織票を固め、公明党との談合も進めて当選確実と思われていた保坂さんが落選!これは自民党と公明党との間に大きな疑心暗鬼を生む種になるはずなのですが、これだけボロ負けしてしまったら誰も文句は言えないでしょうなあ。


比例代表は自民が前回の15議席を下回る見通しだが、民主は前回の19議席を上回る20議席台を獲得しそうだ。公明は前回の8議席には届かない可能性が強い。共産は前回の4議席、社民も2議席の確保が微妙。国民新、新党日本は議席を獲得できるかが焦点だ。
7月30日0時7分配信 産経新聞


■日付が変わって、7月30日の午前零時半、トンデモない当確が出てしまいました。5人区の東京で、何と何と、あの丸川珠代さんが5番目の当選者になってしまいましたぞ!一体、誰がどんな理由で投票したのでしょう?テレビ業界出身の女性だからでしょうか?あまりにもポカが目だって可哀想だったから同情票が湧き出したのでしょうか?これには大いに驚きましたぞ!「地上戦」の保坂参三さんが落選……この人、某共産主義者と名前が似過ぎていますなあ……してしまい。オマケか悪い冗談としか思われなかった丸川さんが当選。最初は、テレビでの「知名度」で争った「丸山弁護士」にも劣っていると実感したテレビ朝日出身の丸川さんは、自分の名前を知っている国民の少なさに絶望したそうです。「丸の後には山ではなくて川と書いて下さい」などと、とても国政選挙とも思えない馬鹿馬鹿しい演説をしていたド素人だったのでした。

■これは、「絶対値」の問題だったとしか思えません。証券取引法違反の容疑者ホリエモンだろうと、庶民ではなく単なるアホな素人でしかないタイゾー君だろうと、マスコミが面白おかしく取り上げ続けた「絶対量」が有効に働く事が有るのです!これは今後、勘違い候補の大増殖現象を呼びそうです。実際のマスコミで働く「女子アナ」であろうと、その予備軍や他のメディアで活躍している才色兼備の巨大な女性軍の中に、きっと今頃、「あの程度で当選?」それこそ、最近の局所的流行語を使えば「ドンダケー」と絶叫している素敵な女性達が唸るほど存在していることでしょう。

■まあ、東京5人区の第四位に川田龍平君が当選したようなので、オマケの意味さえもない第五位に丸川さんが入ったところで、どうでも良いようなものですが……。でも、さっき泣いたカラスがもう笑うという恐ろしい言葉も有りますから、当選したからには「国会議員」バッヂを胸に付けた自分の姿を鏡に映して酔っ払い始めたら、誰も止められませんぞ!一説には、テレビ朝日に勤務していた頃、エレベーターの「上がる」ボタンしか捺さないオンナと呼ばれていたとか……。そんな勘違い女性を、これから6年間も参議院議員に任命しようと思った人が、10万人以上も居たのは驚きです。バカでドジで長所などまったくない勘違いオンナを、かさに掛かって虐めていたのが保坂候補、このような分かり易い構図が作られたとしたら、丸川さんのビックリ当選も納得出来ます。しかし、非常に嫌な予感のする当選ですなあ。

■新党日本は、辛くも1議席を確保して、長野県知事をクビになってフリーターだった田中康夫さんは目出度く参議院に職を得ました。選挙特番で、唯一の候補者みたいな有田さんが選挙運動がまったく出来ない木偶の坊だった事を暴くドキュメンタリーを某民放が放送していましたなあ。日本テレビの午後のワイドショーでてきぱきとソツなくコメンテイターをやっていても、やはり全共闘崩れの悪い癖で、上から物を見て、上から物を言うことしか出来ないのかも知れません。あんな無様な姿を晒してしまって、またワイドショーで稼ぐことが出来るのでしょうか?他人事ながら、ちょっと心配です。木偶の坊なら、徹底的に木偶の坊を強調して、年下の田中康夫さんに怒鳴られたり殴られたりしている姿を晒していれば、根性・辛抱・克己心に感動する同情票が集まって当選したでしょうに!?丸川さんの恥さらし程度でも同情票は集まりのですからなあ。


29日投開票された参院選で、民主党の菅直人代表代行は、小沢一郎代表が「遊説疲れのため2、3日静養する」と述べ、数日は公の場に姿を現さないことを明らかにした。菅氏はテレビ番組のインタビューに答え、「医師から静養を勧められた。多分そう遠くない時期に出てくると思う」と説明した。
7月29日23時32分配信 毎日新聞

■これは実に嫌な予感のする話です。「心臓に爆弾を抱えている」「ペースメーカーを埋め込んだ」「欧州の医師に定期的に治療を受けている」と噂の絶えない小沢さんですが、実に拙いことに名古屋場所で優勝した朝青龍が、診断書を偽造してモンゴルに勝手に帰っていたばかりか、中田英寿君とサッカーを楽しんでいた事実が明らかになって大騒ぎしている時ですからなあ。名古屋場所の優勝よりも、参議院選挙の大勝はもっと大きな出来事です。まったく顔を出さず、電話インタヴューも受けられない。そんな「ガラス細工」みたいな政治家に政権交代だの政界再編だの、そんな荒っぽいことを期待など出来ません。空疎な言辞しか吐かない安部さんか、自分の気が向かないと喋らない幼稚な小沢か?などと聞かれても、困ってしまいます。演説が下手だの、人前で喋るのが嫌いだの、そんな事を真顔で言っているような政治家は要りません。

■「サッカーをやるなら巡業に出ろ!それが無理なら入院しろ!」という朝青龍の親方(大ちゃん)が言ったのと同じ事を、民主党の誰かが小沢さんに言えないようですなあ。妙に他人行儀で、小沢さんが何処で何をしているのか、菅さんも鳩山さんもまったく知らない。「小沢の雲隠れ」は政党破壊の前兆ですぞ!党首になって政党を解散すると、政党助成金を丸々独占出来るのだそうですなあ。

さあ、開票だ! 其の四

2007-07-30 01:05:44 | 政治
■午後10時20分、いよいよ安倍首相がテレビ朝日のインタヴューに応えました。聞き手は田原総一郎さん。「どうして国民はこんなに怒っているのだろう?」と水を向けて言質を取ろうとしましたが、「私の国造り」を続行するという新たな決意を述べている安倍さんです。田原さんは、「年金の問題は社保庁だけの問題で責任だ」と言いながら、国民の怒りは「政治とカネ」、特に赤城農水相の疑惑が自民党大敗の真の原因だと言い張っていました。でも、それは違うでしょう?ぬらぬらしている気持ちの悪い赤城さんは大嫌いなのは分かりますが、国民の赤城農水相の問題なと大して気にしていないのではないでしょうか?最初から注目もしていない田舎の無名な政治家でしかないのですからなあ。

■年金問題は、確かに社保庁の大罪だったのですが、問題が噴き出し始めた時、この選挙戦で何処の選挙区からも応援の依頼が来なかった柳沢厚労相と並んで、「年金は大丈夫」と言い続けた安倍首相に国民は怒っているはずです。柳沢さんが「お呼びでない」のに、どうして安倍首相だけが選挙戦で活躍などできるでしょう?謹慎でもして見せれば、少しは得票数を上げられたかも知れないくらいです。田原さんは、インタヴューが途中で切れてしまった後、「赤城なんかは辞めるに決まっている」と言い放ってしまいましたが、さてどうでしょう?まさか、大参議院選挙の大敗の結果をあんな小粒な政治家一人に全責任を負わせるのも変な話ですぞ。


安倍首相(自民党総裁)は29日夜、テレビ朝日の選挙報道番組で、参院選の結果について「手応えはあったと思っているので、大変残念な結果になったと思っている」と述べた。その上で「国民の声を厳粛に受け止め、反省すべきは反省しなければならない。改革を進め、新しいスタートを切るためにも、これからも総理大臣として責任を果たしていかなければならない」と述べ、続投の意向を表明した。
7月29日23時34分配信 読売新聞

■「反省すべき点」は何なのか?御本人がさっぱり分かっていないようです。「反省」「改革」「使命」「国造り」「責任」この順番で敗戦の弁をあちこちの民放テレビで喋っている安倍首相ですが、相当の文章家でも、自分で恥ずかしくなるくらい支離滅裂な文章しか組み立てられない語彙と語順です。それをメチャクチャだと感じられない程度の理解力しかない首相なのですから、明日からの政局をあれこれと質問されても、何も答えられないのは当然の事です。


比例選に民主党から出馬した横峯良郎氏(47)が初当選を決めた。女子プロゴルファー・さくらさんの父親で、「さくらパパ」の愛称で知られる横峯氏は、小学生らにゴルフを教えている経験から「学校の教育、親の教育を変えていく」と教育問題を中心に訴えた。地元・鹿児島では選挙区と連動した運動を繰り広げたほか、テレビのバラエティー番組出演などで得た知名度を生かし都市部でも浸透。幅広い層から支持を集めた。
7月29日23時45分配信 読売新聞

■大勝したからと浮かれていると、民主党も墓穴を掘る危険があります。先の小泉さんが強行した郵政解散選挙でぞろぞろと誕生したサプライズ議員、その代表がタイゾー議員ですが、その他にもぎらぎらと生臭い女性議員も誕生したのでした。それと同じ様に、大勝した時には必ずノイズが紛れ込むのは避けられません。既に、週刊誌では「地元」の証言として、未成年の娘を使って違法な「賭けゴルフ」を続けていた疑惑が出ている横峯さんですからなあ。教育だのスポーツだの、大風呂敷を広げると危ないのではないでしょうか?御本人が大きな誤解をしている場合、社民党の田嶋さん、民主党の大橋巨泉さんのように、数ヶ月で党と喧嘩して飛び出したりしそうな心配もあります。「庶民感覚」だの「主婦の視点」だの、これまでどれほど投票者は騙されたことか……。

■あまりにも一方的な勝負になってしまったので、長尺の特別番組を企画したテレビ各局は大変に困っているようです。敗将の安倍さんはNHKと民放を順繰りに引っ張りまわされ、水に落ちた「死んだ犬」役を演じていました。司会役があれこれと言質を取ろうとして、手を変え品を変えて突き回しましたが、安部さんは見栄えのしない「判子」を捺したような面白くもおかしくもない答えを繰り返すばかりでした。もう、「矢でも鉄砲でも持って来い!」の気分になって、やっと「美しい日本」という言葉を使えた安倍さんでした。年金問題でぼろぼろになった事実は消せないので、今更、「本当の私は『介護の安部』なのだ」とは口が裂けても言えない、嗚呼、可哀想な安倍さん……。本当は、コムスンのコブラ・ヘッドを引き連れて全国を行脚して高齢者から歓呼の声で迎えられるはずだったのに……。


……自民党は勝敗を左右する1人区で民主党や野党系無所属候補に相次いで敗れるなど、歴史的大敗を喫した。公明党も3年前の前回の獲得議席13を下回り、与党は過半数を大きく割り込んだ。一方、民主党は与党批判票を取り込み、前回の50議席を大幅に上積みし、参院では第1党になる。だが、安倍晋三首相は同日夜、記者団に続投の意向を表明。一方、自民党の中川秀直幹事長は辞意を表明した。


■文字通り、裸の王様になって出直すと言っている安倍さんです。「王子様」ブームなのですから、父親が福田派のプリンスだったのですから、「○○王子」と持て囃されても良い立場だったのに、一時的に奥さんとのツー・ショットが御祝儀相場で愛用されもしましたが、今となっては世間知らずのアホ夫婦としか見えないことになりそうです。


今後、法案は衆院で可決されても、参院では民主が賛成しなければ可決されず、成立がきわめて困難な状況となり、安倍首相は今後、厳しい政権運営を迫られる。首相は同日夜、「われわれの国づくりはスタートしたばかりだ。これからも首相として責任を果たしていく」と表明。中川幹事長は参院選惨敗について「幹事長に責任があるのは間違いない」、青木幹雄参院議員会長も自らの責任について「当然、覚悟している」と述べた。


この際、「全裸王子」とでも名乗ったらどうでしょう?父親の代からのシガラミと、自分の総裁選での論功行賞で組み立てた内閣が、発足当初から「全国指名手配リスト」とまで言われたものでした。案の定、三人が去り、その内の一人はこの世からも去ってしまいました。ホラー好みの人達ならば、即座に「呪われた」を冠にしてストーリーが書けそうなくらいです。中川幹事長と青木幹雄さんが去ったら、本当に「少年官邸団」しか周辺に残りませんぞ。

さあ、開票だ! 其の参

2007-07-29 22:19:33 | 政治
■テレビ朝日は、丸川裏切り者元キャスターモドキを吊るし上げた直後、午後9時25分から川田龍平君を独占インタヴューでした。丸川さんのズッコケ選挙戦ミニ・ドキュメントの手法を応用したら、選挙戦の第一声を厚労省の玄関先で上げたという快挙を再放送するはずですが、古館さんの個人的な好みなのか、しみじみと「皮算用」を語り合ったのでした。頑張れ、龍平!天敵正木馨を追い詰めろ!と応援したくなりますなあ。インタヴューでは、当選したらアフリカの飢餓・貧困・HIV問題に取り組みたいのだそうです。

第21回参院選(改選数121=選挙区73、比例代表48)は29日投開票が行われ、毎日新聞の調べでは午後8時30分現在、当選を確実にしたのは自民19、民主34、公明5、共産2、社民1、国民新党0、新党日本0、諸派0、無所属3となっている。
7月29日20時17分配信 毎日新聞

■このままの勢いだと、ダブル・スコアで安部政権はボロ負け必至!数字と形だけの上では二大政党制が成立しているわけですが……。日本テレビでは、元テレビ朝日の名物番組の『サンデープロジェクト』の司会だかキャスターモドキをやっていた島田紳助さんが選挙特番に出ています。何と、眼鏡を掛けていますぞ!名作『男はつらいよ』の1975年製作の『葛飾立志篇』に、大学で考古学を研究している樫山文枝さんに恋した寅さんが、「勉強するから眼鏡を掛ける」という独自の論理で行動して見せる場面が有ります。それを、ふと思い出す島田紳助さんの眼鏡姿でした。どんな暴力事件を起こしても、視聴率さえ取っていれば問題無いのがテレビ局で、そんな反社会的な業界を育てているのが視聴者だというのは皮肉な話ですなあ。その島田紳助さんのテレビ番組で顔と名前を売った丸山某弁護士も自民党から立候補しているそうですが、どうなのでしょう?


自民党の中川秀直幹事長は29日夜の民放番組で、参院選惨敗について「幹事長に責任があるのは間違いない」と述べ、辞任の意向を表明した。
2007年7月29日 21時23分 産経ウェブ

■この発言が「辞任」を意味しているかどうかは微妙でしょう。午後9時50分、島根の青木、参議院を「ミキオ・ハウス」とまで呼ばせた自民党参議院会長がテレビ朝日のインタヴューに出ました。妙にすっきりした表情が印象的で、以外に饒舌だったのは断腸の思い、忸怩たる思い、いろいろと有るのでしょうなあ。地元の島根県でも民主党候補が断然有利の状況です。安倍首相の責任も赤城農水相の問題も、コメントを避けるのに必死でしたなあ。そして、午後10時10分、何と、タイガー片山さんが早々と「敗戦の辞」を述べてしまいました。参議院幹事長の身でありながら、一歩も選挙区の岡山を離れられず、平沼赳夫さんの無気味な予言通りに「落選」となったようです。小泉さんの「自民党をぶっ壊す!」「刺客選挙」の二段構えの攻撃で、自民党は本当にぼろぼろになっていたのです。御本人は、何を考えているのか、郵政民営化に賛成した候補者に限って応援演説に歩き回ったとか……。


安倍首相(自民党総裁)は29日夜、今回の参院選の結果に関連し、首相公邸で記者団の「引き続き政権を担当する考えか」との質問に対し、「はい」と述べ、引き続き政権を担当する意向を表明した。
7月29日21時58分配信 読売新聞

■事の重大性を認識するのに、随分と時間がかかる安倍首相ですから、周辺からの根拠に乏しい「続投論」に気分が高揚しているのか、単純に誤解しているのか、参議院選挙の大敗と自分の政権運営とは無関係だと思っているようです。それなら、始めから「参議院の独立性」を言い張って応援など一切しなければ良かったのです。本当に面白い総理大臣です。


29日投開票された参院選で、与党(自民・公明)の当選者数が参院の過半数維持に必要な64議席を割ることが決定的になったことを受け、公明党の北側一雄幹事長は同日午後9時20分ごろ、テレビ番組のインタビューで「小泉、安倍の改革路線そのものが否定されたわけではないと認識している」と述べ、安倍首相の退陣は必要ないとの意向を示した。
7月29日22時5分配信 毎日新聞

■自民党が公明党におんぶに抱っこかとばかり思っていたら、ここまで公明党が骨がらみになっていたのか?!と驚くような発言です。ご高齢の名誉会長さんからの指示なのかも知れませんが、これは随分と思い切った、はっきり言ってしまえば先走った妄言かも知れませんぞ。こんな事を言って首相辞任とでもなったらどうするつもりのでしょう?

さあ、開票だ! 其の弐

2007-07-29 21:24:25 | 政治
香川選挙区(改選定数1)では、民主党の新人で温泉施設運営会社長の植松恵美子氏(39)の初当選が確実になった。5選を目指した現職の真鍋賢二氏(72)(自民=公明推薦)は及ばなかった。……環境庁長官を務めたベテラン真鍋氏と、若さを前面に打ち出して変革を訴える植松氏による事実上の一騎打ち。自民地盤の強固な香川で、有権者の審判が注目された。真鍋氏は「環境問題の専門家」「当選すれば参院議長候補」とアピールする一方、「民主が過半数を取れば、地方への補助金は削減される」と危機感をあおる運動を展開した。

■やっぱり、田舎の選挙は「補助金」が切り札だと思っているから負けるのでしょうなあ。小泉時代から地方切捨てが決定し、安部首相は地方交付税を召し上げると言っているのですから、昔と同じ手法で選挙戦を挑めば、逆効果になるというサンプルみたいな選挙区です。


しかし、自民党内でも高齢、多選批判がくすぶり、当初から「保守地盤に頼るしかない防戦」(陣営幹部)を強いられた。800以上の団体、企業などから推薦を得たほか、閣僚クラスを頻繁に招いて業界団体などの締め付けを図ったが、与党への逆風や党内批判をかわせず、勢いに乗る植松氏に及ばなかった。
7月29日20時45分配信 読売新聞

■世代間の対立が生々しく現われたようですなあ。年金制度がぎりぎり生き延びられる間に老後を過ごせる団塊の世代と、その後の世代は負担は増加・支給は目減りが決定的で、最近の長崎親子保険金殺人事件が象徴するように、若者の「保険」で老人が充実した老後を送るのか?そんな不毛で悲しい気分が選挙民の年齢で下半分に淀んでいるような気もしますなあ。香川県でも、植松さんに政治的に期待する事など、それほど無いのではないでしょうか?安部政権に対する「不信任」の意味しか無いのなら、悪夢のような旧社会党のマドンナ旋風を思い出して暗澹たる思いに駆られますぞ。


東京選挙区(改選定数5)では、新人の大河原雅子氏(54)(民主)が、初当選を確実にした。……地域政党「東京・生活者ネットワーク」の都議として3期10年を務め、食の安全や環境問題に取り組んできた実績を訴え、主婦層や無党派層を中心に支持を得た。当初は、陣営内でも、知名度不足を懸念する声があったが、選挙戦に突入してからは、民主党への追い風に加えて、小沢代表や鳩山幹事長らが相次いで応援演説するなど、党の全面的なバックアップを受けて支持を広げた。
7月29日21時0分配信 読売新聞

■これはちょっとした驚きです。都議時代に、ふざけた「調査費」の使い方をしなかったからでしょうか?民主党にもマドンナ旋風が吹くのでしょうか?それだけは勘弁して欲しいですなあ。


沖縄選挙区(改選定数1)では、前参院議員の糸数慶子氏(59)(無所属=民主・共産・社民・国民新推薦)が、現職の西銘順志郎氏(57)(自民=公明推薦)を破り、2度目の当選を確実にした。……米海兵隊普天間飛行場の県内移設反対を訴えたほか、年金記録漏れ問題などで与党批判を展開。この3年で全県選挙が3度目という知名度の高さに加え、文部科学省が沖縄戦での集団自決の記述を修正した教科書検定問題も追い風となり、昨年11月の知事選、今年4月の参院補選と続いた野党候補の連敗に歯止めをかけた。……
7月29日20時23分配信 読売新聞


■久間さんが、「原爆しょうがない」発言の前に沖縄の基地問題でも軽率な事を言ったのも大きかったのでしょうなあ。落選した西銘さんは、経済界や仲井真弘多知事の全面的な支援を受けたのだそうですが、土着の宗教文化が豊かに残っている沖縄には創価学会の信者さんが少ないのかも知れません。『週刊現代』の恐ろしい記事では、原爆が落ちた場所は創価学会を虐めたからその報い……と名誉会長が言ったとか言わなかったとか……。沖縄地上戦はどんな因果応報の理屈で説明するのでしょう?

■それはともかく、午後9時15分、テレビ朝日は当選確実報道に続いて、中川自民党幹事長に「辞める?」インタビューをした後、「丸川候補」の特集を挟み込みましたぞ!さすがに、選挙権喪失スキャンダルの場面で、選挙対策責任者の平沢勝栄さんが「バカ臭くてやってられない」の怒り爆発発言部分はカットされていたようです。しかし、華麗な?テレビ朝日時代の「お宝」勘違い映像を繋ぎ合わせて、裏切り者を徹底的に晒し者にして見せる怨念制裁特集に仕上がっていたようです。この人は「国会議員になりたい!」しか言わない実に正直な候補者で、安倍首相直々に出馬要請したという事実を、天下御免の印籠を貰ったように錯覚する程度の政治感覚しか持ち合わせないオネエチャンでした。テレビ画面の古館さんは、「何処かに身を隠して開票速報を見ているのでしょう」などと、身も蓋もない事を言っておりました。悪趣味ですなあ。

さあ、開票だ! 其の壱

2007-07-29 21:07:40 | 政治
■最後の最後の選挙演説で、安倍首相はZARDの『負けないで』という唄を大音量で流したのだそうです。小泉さんがXジャパンをテーマ曲にして若(馬鹿)者をたぶらかしたのを真似したのでしょうなあ。Xジャパンという音楽グループからは、妙な新興宗教にカブレた問題児が現われたのですが、マスコミ操作が上手だった小泉さんは、その怪しい雰囲気を自分のイメージを傷つける危険が見えたら、さらりとテーマ曲を使わなくなったものです。それなのに、安倍首相は熱烈なファンも自殺を疑っている女性歌手の唄をテーマ曲にして見せたとは……。現役農水相が自殺し、その後任が生きているのか死んでいるのか分からない、時々、言動や姿が消える無気味な赤城さんですからなあ。周囲に知恵者が居ない安部首相ですから、こんな抹香臭い唄や人物がぴたりと身に付いてしまっています。気味が悪い?!

第21回参院選は29日午前7時から投票が始まり、一部を除いて午後8時で締め切った。……毎日新聞の出口調査によると、全体的に与党、特に自民党に厳しく、自民党は大敗を免れない情勢だ。自民党は焦点の1人区のうち群馬、和歌山、山口選挙区で優勢なものの、東北、四国、九州地方などでは軒並み民主党に大きくリードを許している。1議席はほぼ固めた複数区や比例代表を合わせても、全体では橋本政権下の98年参院選の44議席を下回るばかりか、40議席に届かない可能性も出てきている。……一方民主党は岩手、三重選挙区など1人区で自民党を圧倒、比例代表でも過去最高の20議席をうかがう勢いで、参院第1党になるのは確実な情勢……与党の公明党も、自民党の不振にひきずられた格好で、愛知、埼玉、神奈川選挙区などで苦しい戦いを続けており、目標だった13議席に届くかどうか微妙な情勢だ。
7月29日 毎日新聞

■世間では、民放テレビが一斉に選挙速報特番の大競争!フジテレビは柏崎刈羽原発が沈黙して電力不足が心配されているというのに、予定通りに「27時間」電力使い放題番組を強行していましたなあ。同じ口で震災被害者のための募金などを呼び掛けられるのがフジテレビらしいところです。さて、選挙速報の楽しみは、「丸川さんの落選をテレビ朝日のライブ番組で知りたい!」という悪趣味なものになっていまいます。番組冒頭からハイテンションの古館さんがスタジオで押さえた口調で「自民党大敗」の予感を楽しみつつ番組が始まったのですが、何と!丸川さんの選挙事務所のライブ映像からスタートでした。これは凄い!裏切り者!という叫び声がテレビ朝日に満ちている事が如実に分かりましたなあ。元同僚がマイクを突き付けて「敗戦の弁」を取ろうという企画のようです。

■「出口調査」という危険な情報戦に力を注いだらしく、何度か幻の当選を誤報してしまったNHKだけでなく、民放各局も「当選確実」の乱れ打ち状態になっているようです。


午後9時40分、自民党で舛添さんや中山恭子さんが当選確実。(日本テレビ)

■舛添さんは、東大とフランス留学を看板にして上手にマスコミに売り込んで「国際政治学者」という名前でご活躍なのですが、少しばかり政治学関連の本を読む人達の間では、国際政治を知りたい時にこの人の本を買う事はほどんどないという事実を、何故か多くの選挙民は知らないようですなあ。北朝鮮との戦いで、最も拉致被害者家族が頼りにしていた中山さんを出馬させたのが安倍首相本人で、やっと被害者家族の皆さんが、安倍さんは頼りにならない人だと分かったという悲劇が起こりました。中山さんの名前を書いた人は、参議院議員になるとバッヂを付けて平壌に乗り込めるとでも思ったのでしょうか?おそらく、上手く行っても外交部会のお飾り議員になって御仕舞いでしょうなあ。即戦力として実働部隊の核となっていた人を、有っても無くても同じと言われる参議院の檻に放り込んだ安倍首相の責任は大きいのです。


群馬選挙区(改選定数1)では、現職の山本一太氏(49)(自民=公明推薦)が、福祉団体代表の福田晃治氏(42)(国民新=民主推薦)ら2新人を破り、3選を確実にした。……自民党県議団などの組織に頼らず、街頭で有権者に直接訴える“都市型”の選挙戦を展開。テレビのバラエティー番組出演などによる知名度の高さも生かし、無党派層にも浸透した。改選定数が前回までの2から1になり、前回まで2人擁立の自民党が候補を山本氏に絞ったこともあり、他候補を寄せ付けなかった。……
7月29日20時34分配信 読売新聞

■群馬県にも新聞は届くし、テレビの電波も届いているのですが、中身よりも頻度が問題のテレビ・メディアの威力なのか、それとも公明党大明神(宗旨が違いますね。慣用句です)の底力なのか、一太さんは下手くそなロック調の唄をがなり立てて「安部支持!」を逸早く打ち出した安部政権のお稚児さんみたいな人ですから、安倍首相もバック・アップしたのでしょう。組閣の時に濫用した手法と同じ様に……。ですから、群馬県では安部政権支持が出たという事になりそうです。民主党が土壇場で分裂して自滅したというのが勝因とも言われているようです。何だか小沢体制の弱点がぽろりと露呈したような印象も有りますなあ。

とうとう選挙 其の弐

2007-07-29 13:56:26 | 政治
▽福島瑞穂・社民党党首 安倍政治に不信任を突き付ける選挙と位置付けてきた。国会では内閣不信任決議案を可決できなかったが、あす一緒に不信任案を可決しよう。不信任の理由は、人の命と暮らしを壊している、憲法9条を変えようとしているからだ。わたしたちは命を、暮らしを守る、9条を体を張って改正させない。

■少なくとも、北朝鮮による拉致被害者家族の生活を破壊した責任の多くを、旧社会党が負っているのは確かです。9条を守って拉致被害者を切り捨てるような素振りを見せるから、得票数が伸びないのでしょうなあ。社民党の議席が消滅するの場合、参議院が先か衆議院が先かという問題が出て来そうです。民主党が大勝したら、さらりと集団で難民となって漂着する振りをして吸収合併という流れでしょうか?


▽綿貫民輔・国民新党代表「悪い政治の流れを変えなければならない」「競争と共生のバランスのある国家、夢のある日本を造りたい」と主張してきた。行く先々で「国民新党頑張れ、自民党は何だ」という声が高まり、輪の広がりを肌に感じている。筋を通す政党、ぶれず、こびず、おごらず、魂の入った国民新党だ。

■神主さんが代表だけあって、選挙戦終盤は「精神論」に傾斜して行ったようですが、大丈夫でしょうか?随分とバラエティに富んだ候補者を擁立しているようですが、公約の中身も良い事づくめの欲張った内容になっているようにも思えます。本音は「郵政民営化の白紙撤回」という壮絶な目的を持っていたはずですが、さすがにそれでは誰も注目してくれないので、「ぶれず」の一言に抵抗勢力の誇りを滲ませるのが精一杯というところでしょうか。自民党が嫌いになった人達の受け皿として案外な戦いをして見せるかも?


▽田中康夫新党日本代表 大きな組織や大きなお金の都合で動く政治を続けるのか、きちんと生きている人間の希望を実現する政治にするのか。与党も野党も大きな組織や大きなお金に左右され、腰砕けの政策が続いてきた。できることしかやらないなどと言っているから、霞が関に牛耳られる既得権益の政治になる。そういう政治を改めねばならない。
2007年7月28日 毎日新聞

■全国遊説をしていた田中康夫さんは、長野県にも入ったのでしょうか?


総務省は28日、参院選投票日の2日前にあたる27日現在の期日前投票者数が881万9091人に上ったとの集計結果を発表した。前回04年参院選の同時期と比べ52.9%増で、前回の期日前投票総数の717万1390人を上回り、有権者の高い関心を裏付けた。最終的には1000万票を超え、投票総数の20%台に乗る可能性が高い。

■本当に1000万人の大台に乗るかどうかは微妙な情勢のようですが、各党党首が「最後のお願い」モードに入る前に投票を済ませてしまう人が増えると、選挙戦の風景が大きく変わるかも知れません。選挙用にあれこれと小技を繰り出してみても、既に「後の祭り」ということになれば、日頃の行いが重要になるわけですからなあ。


前回同時期と比べ、47都道府県すべてで増加した。最も高い伸びを示したのは(1)群馬(2.116倍)(2)秋田(1.966倍)(3)沖縄(1.956倍)(4)山形(1.955倍)(5)富山(1.911倍)の順。群馬は22日に投開票が行われた知事選と重なったためとみられる。22日時点で前回同時期より投票者数が減っていた宮崎、高知もその後盛り返した。

■群馬県は数億円の節約を計算していた同日選挙がダメになり、県の選挙管理委員会が困っているとの報道も有ったのが影響しているのでしょうが、自殺率が最も高い秋田県や失業率が高いままの沖縄の投票率の高さは何を意味しているのでしょう?『週刊新潮』最新号に紹介された話では、震災に襲われた上越地方では、期日前投票で自民党に入れると優先的に仮設住宅に入れる!という噂が流れていたとか……。それぞれの1人区でどんな流言が飛んでいるやら心配にもなりますなあ。


前回参院選で確定した期日前投票者総数は、投票総数の12.4%、05年の衆院選は同12.9%に当たる896万2911人。伸び率で試算すると今回は最終的には1000万票を超える勢いで、前回並みの投票率(56.57%)の場合でも、投票総数の20%台に乗る公算が大きい。増加の要因について総務省選挙部は「夏休みで早めに投票を済ませようとする人が多かったのと、期日前投票制度が広く知られるようになった影響ではないか」と分析している。
2007年7月28日 毎日新聞

■この総務省の分析は大間違いでしょう。正当性を欠いた会期の延長で、国民の中に湧き上がった怒りが純化されて結晶化し、反自民の投票行動を急がせたのが第一の理由で、自民党と公明党の支援者の方は大いなる危機感に襲われていたのが第二の理由でしょう。丁度、期日前投票の期間に新任の農水相が絶好のポカを連発してくれましたからなあ。あまり注目されていない農水相の地盤である茨城県で面白い動きが見られるかも知れませんぞ。

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とうとう選挙 其の壱

2007-07-29 13:56:02 | 政治
■期日前投票が前回の1・5倍に上っているとか、心配された「雨天中止」予告が出ていた隅田川の花火大会も、フジテレビの27時間テレビも、恙(つつが)無く終わったようですから、日曜日の投票率も前回よりも高くなりそうな予感がいっぱいです。

参院選は28日、選挙戦を終えた。各党首の「最後の訴え」は次の通り。
 ▽安倍晋三・自民党総裁 反省すべき点は反省をし、自民党を新しい政党に変えていく努力をもっとしなければいけない。改革実行力があるのは自民党だ。私たちは経済を成長させ、年金財政、介護、福祉という社会保障制度を守る。この選挙は改革を進めていくのか、逆行してしまうのか。それを決める選挙だ。
■最後の最後になって、「介護の安倍」の片鱗がちらりと出たようですなあ。年金制度という親亀の上にちょこんと乗った小亀の介護保険制度が、社保庁の大犯罪と無関係に存続するなどと誰が信じるのでしょう?「反省すべき点」が何なのかを言わない「反省」などというのも、言うだけ無駄というものでしょう。「経済を成長させ」る具体的な方策は皆無で、「社会保障制度」の根本が揺らいでいるのを放置し続けた責任にも言及しない首相を信頼する人は居ないでしょうなあ。「改革」の連呼は、安倍政権の空疎な実態を強調してしまうだけだと思われます。もしかしたら、自民党が勝利するためには安部首相がアホな閣僚を任命した責任を名目にして、辞任予告を出すべきだったのかも知れませんぞ。


▽小沢一郎・民主党代表 この島根県で勝利することは、我々が過半数を獲得できることとイコールだ。同時に今日の安倍政権の体質に見られるように、国民の生活を軽視した、国民一人一人の意見を軽視した、国家主義的な、権力主義的な政治の打破につながる。私自身も政治生命をかけてこの戦いに臨んでいる。

■「国家主義」「権力主義」は、自民党幹事長時代の小沢さんに付けられていた枕言葉だったような気がしますが、いつの間にやらリベラル派の衣装に身の丈が合って来たということなのでしょうか?いやいや、選挙のプロ中のプロだからこそ実践できる大芝居である可能性の方が大きいかも知れませんなあ。大勝したら、翌日から内部抗争が始まりそうな予感が強い民主党ですから、投票する人も一抹の不安が残るでしょう。


▽太田昭宏・公明党代表 今、日本はきわどいところにある。景気を回復させたのは公明党あってのことだ。長期展望のない民主党に任せて景気を腰折れさせてはならない。児童手当を拡充したのも公明党だ。庶民の生活が分からない民主党に託してはならない。今からの1票が日本の、公明党の勝利につながる。

■「景気を回復させたのは公明党」という話は初めて聞きましたが、円安や自動車産業の企業努力も、公明党のお蔭なのでしょうか?まさか、東京の一部に見られる土地バブルが公明党の仕業だったなどという事はないでしょうな?


▽志位和夫・共産党委員長 年金問題、増税、「政治とカネ」の問題があり、憲法を変えて戦争する国を作るという自民、公明の政治には愛想が尽きたというのが国民の思いだ。この内閣の政治モラルは最低だ。子供たちに道徳を語る資格はない。消費税増税には絶対反対、貧困と戦争から国民の命を守るのが共産党だ。

■御指摘の通りで、「愛想が尽きた」多くの国民が困っているのは、次の内閣を想像する材料が今の政界に存在しない事です。確かに、不祥事続出内閣しか作れない安倍首相には、「道徳を語る資格」は無いでしょうが、だからと言って共産党に有るとも思えませんぞ。