夏季休暇までに委員会は候補者を5人までに絞り、そのリストをアカデミーのほかの会員に提示する。そして夏季休暇中に全会員は5人の作品を読破することが「望ましい」とエングダール氏はいう。9月には長期間におよぶ全体協議が行われ、投票が始まる。投票は無記名で、候補者1人に対する投票が過半数に達するまで行われるが、通常は2回目の投票までで決まる。……「規則は非常に厳しい。わたしが代表になってからはさらに強化した。公の場で作者について議論することは許されていないし、本を持っている姿を見られてもいけない。もし人前で話すならば、作者名を符丁で話す」とエングダール氏。……
2007年10月10日 AFP/Francis Kohn
■文学作品を通して異文化を理解するのは世界を平和にする効果があります。戦時中に「適性言語」などと言い立てて焚書まがいの弾圧や摘発に精力を傾けた大日本帝国と、開戦直後に日本語学習者を急募して徹底的に鍛え上げた米国との対照が有名ですが、日本は幕末から翻訳大国になる財産を築き上げて来た歴史がありますから、本来なら日本政府が翻訳文化を振興するための国際的な賞を創設してちょっと大きな賞金でも付けて、原作者と翻訳者を賞讃するような粋な制度を作ったらどうでしょう?小さな賞は既に運営されているかも知れませんが、国家規模で異文化理解を進めると同時に、相手国の文化を賞讃することで商売抜きの外交が展開できるかも知れませんぞ。
■さてさて、チャイナで家族が拉致され、ノーベル平和賞の候補になった胡佳さんに関する続報が入りました。
2008年10月23日、欧州連合(EU)の欧州議会は中国の人権活動家・胡佳氏に人権擁護の貢献者に送られるサハロフ賞を授与した。24日付で英BBC放送中国語版が伝えた。サハロフ賞はソ連の物理学者にして反体制運動家、市民運動家として活躍したアンドレイ・サハロフ氏を記念して1988年に創設されたもの。今年のノーベル平和賞有力候補と言われながらも落選した胡佳氏に贈られた。米国も胡佳氏への授与に賛同していたといわれており、欧州及び米国は協力して中国に人権問題改善を進めるよう強力なメッセージを送ったと見られる。
■旧ソ連の反体制運動家だったサハロフ博士の名前が付いた賞とは!欧米もなかなか手の込んだ事をするものですなあ。北京政府は中ソ対立の時期はありましたが、あれは当時の毛沢東がお手本として敬愛して止まないスターリンをソ連が否定した!というので喧嘩しただけのことで、ソ連が完成した人権弾圧システムはそっくり移植されて今の現役!ですからなあ。旧ソ連で「水爆の父」と呼ばれる業績を持ち、その一方で平和人権運動に夫婦で関わったサハロフ博士の名前を、日本の若い世代は知らないかも知れませんが、北京政府はよーく知っていますから、受賞の報せを聞いて激怒!
一方、中国政府は国家政権転覆扇動罪で懲役刑を受けている胡佳氏は犯罪者であるとの姿勢を取っている。外交部の秦剛報道官は先ごろ「もしサハロフ賞を胡佳氏に授与すれば、欧州諸国の中国への内政干渉及び司法主権の侵害にあたる」と強く批判している。
10月25日 Record China
■環境悪化の現状を報道しただけで「国家政権転覆煽動剤罪」になってしまうような場所で、よくもIOCは五輪大会を開催できたものです。妖怪サマランチは大会後に「絶賛!」して北京政府の自画自賛の提灯持ちまでやって帰ったのですから、サハロフ賞の件では何もコメントできないのでしょう。ノーベル平和賞の候補に関しても部外者みたいな顔をして無視しているくらいですから、五輪大会が国際平和や人権問題とは何の関係もない興行商売になっている何よりの証拠でしょう。本来ならノーベル平和賞の選考よりも、五輪大会の開催地を選ぶ事の方が、やり方さえ間違えなければ世界平和に大きく貢献できるはずなのですが、閉鎖された気味の悪い利権組織になってしまったIOCにはそんな役目は期待できそうもありません。
■ここでチャイナで唯一人のノーベル平和賞を貰った方の来日のニュース!残念ながら北京政府はこの授賞に今でも文句を言っていますし、更に残念なのは1989年に「世界平和やチベット宗教・文化の普及に対する貢献」が高く評価されて、ノーベル平和賞が送られたのに、それを伝えた日本の朝日新聞が同年10月7日の社説で、「チベットの緊張を高めるおそれさえある。そうなれば『平和賞』の名が泣こう」と変な言い掛かりをつけて北京政府に同調した事でありました。チベットの緊張が高まるとすれば、授賞を喜ぶチベット人に対する監視と圧力と「教育」が強化され、それに反発する動きが生まれるからで、問題は喜ぶチベット人の側にあるのではなく、ノーベル平和賞が平和を乱すのでもありません。
チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世が31日から8日間の日程で日本を訪問する。ダライ・ラマは北九州市と東京都内で講演するほか、記者会見も予定されている。……ダライ・ラマの訪日は福岡県仏教連合会設立35周年を記念したもので、11月4日に北九州市で、同6日には都内でそれぞれ講演。日本滞在中、超党派の国会議員でつくる「チベット問題を考える議員連盟」のメンバーとの会見も検討しているという。ダライ・ラマはチベット暴動後の今年4月、訪米途中に日本に立ち寄ったが、本格的な訪日は昨年11月以来。ダライ・ラマの特使と中国側との協議が今月末に開催されるとの見方も出る中、発言に注目が集まりそうだ。
2008年10月22日 時事通信
■そうです。4月に訪問されたのに成田空港に「軟禁」状態に置いて知らん振りしたのは福田ホイホイ首相でしたなあ。安倍元首相の奥さんが夫の代理ということで会見しただけでした。麻生総理は金融危機への対応と国会対策と選挙準備で忙しい!という理由で丁重に無視するのでしょうか?日本国内での講演などを皆様のNHKが中継するかどうか?以前は教育テレビで特別に講演と質疑応答の様子を放送したことがあったのですが……。
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雲来末・風来末(うんらいまつふうらいまつ) テツガク的旅行記
五劫の切れ端(ごこうのきれはし)仏教の支流と源流のつまみ食い
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2007年10月10日 AFP/Francis Kohn
■文学作品を通して異文化を理解するのは世界を平和にする効果があります。戦時中に「適性言語」などと言い立てて焚書まがいの弾圧や摘発に精力を傾けた大日本帝国と、開戦直後に日本語学習者を急募して徹底的に鍛え上げた米国との対照が有名ですが、日本は幕末から翻訳大国になる財産を築き上げて来た歴史がありますから、本来なら日本政府が翻訳文化を振興するための国際的な賞を創設してちょっと大きな賞金でも付けて、原作者と翻訳者を賞讃するような粋な制度を作ったらどうでしょう?小さな賞は既に運営されているかも知れませんが、国家規模で異文化理解を進めると同時に、相手国の文化を賞讃することで商売抜きの外交が展開できるかも知れませんぞ。
■さてさて、チャイナで家族が拉致され、ノーベル平和賞の候補になった胡佳さんに関する続報が入りました。
2008年10月23日、欧州連合(EU)の欧州議会は中国の人権活動家・胡佳氏に人権擁護の貢献者に送られるサハロフ賞を授与した。24日付で英BBC放送中国語版が伝えた。サハロフ賞はソ連の物理学者にして反体制運動家、市民運動家として活躍したアンドレイ・サハロフ氏を記念して1988年に創設されたもの。今年のノーベル平和賞有力候補と言われながらも落選した胡佳氏に贈られた。米国も胡佳氏への授与に賛同していたといわれており、欧州及び米国は協力して中国に人権問題改善を進めるよう強力なメッセージを送ったと見られる。
■旧ソ連の反体制運動家だったサハロフ博士の名前が付いた賞とは!欧米もなかなか手の込んだ事をするものですなあ。北京政府は中ソ対立の時期はありましたが、あれは当時の毛沢東がお手本として敬愛して止まないスターリンをソ連が否定した!というので喧嘩しただけのことで、ソ連が完成した人権弾圧システムはそっくり移植されて今の現役!ですからなあ。旧ソ連で「水爆の父」と呼ばれる業績を持ち、その一方で平和人権運動に夫婦で関わったサハロフ博士の名前を、日本の若い世代は知らないかも知れませんが、北京政府はよーく知っていますから、受賞の報せを聞いて激怒!
一方、中国政府は国家政権転覆扇動罪で懲役刑を受けている胡佳氏は犯罪者であるとの姿勢を取っている。外交部の秦剛報道官は先ごろ「もしサハロフ賞を胡佳氏に授与すれば、欧州諸国の中国への内政干渉及び司法主権の侵害にあたる」と強く批判している。
10月25日 Record China
■環境悪化の現状を報道しただけで「国家政権転覆煽動剤罪」になってしまうような場所で、よくもIOCは五輪大会を開催できたものです。妖怪サマランチは大会後に「絶賛!」して北京政府の自画自賛の提灯持ちまでやって帰ったのですから、サハロフ賞の件では何もコメントできないのでしょう。ノーベル平和賞の候補に関しても部外者みたいな顔をして無視しているくらいですから、五輪大会が国際平和や人権問題とは何の関係もない興行商売になっている何よりの証拠でしょう。本来ならノーベル平和賞の選考よりも、五輪大会の開催地を選ぶ事の方が、やり方さえ間違えなければ世界平和に大きく貢献できるはずなのですが、閉鎖された気味の悪い利権組織になってしまったIOCにはそんな役目は期待できそうもありません。
■ここでチャイナで唯一人のノーベル平和賞を貰った方の来日のニュース!残念ながら北京政府はこの授賞に今でも文句を言っていますし、更に残念なのは1989年に「世界平和やチベット宗教・文化の普及に対する貢献」が高く評価されて、ノーベル平和賞が送られたのに、それを伝えた日本の朝日新聞が同年10月7日の社説で、「チベットの緊張を高めるおそれさえある。そうなれば『平和賞』の名が泣こう」と変な言い掛かりをつけて北京政府に同調した事でありました。チベットの緊張が高まるとすれば、授賞を喜ぶチベット人に対する監視と圧力と「教育」が強化され、それに反発する動きが生まれるからで、問題は喜ぶチベット人の側にあるのではなく、ノーベル平和賞が平和を乱すのでもありません。
チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世が31日から8日間の日程で日本を訪問する。ダライ・ラマは北九州市と東京都内で講演するほか、記者会見も予定されている。……ダライ・ラマの訪日は福岡県仏教連合会設立35周年を記念したもので、11月4日に北九州市で、同6日には都内でそれぞれ講演。日本滞在中、超党派の国会議員でつくる「チベット問題を考える議員連盟」のメンバーとの会見も検討しているという。ダライ・ラマはチベット暴動後の今年4月、訪米途中に日本に立ち寄ったが、本格的な訪日は昨年11月以来。ダライ・ラマの特使と中国側との協議が今月末に開催されるとの見方も出る中、発言に注目が集まりそうだ。
2008年10月22日 時事通信
■そうです。4月に訪問されたのに成田空港に「軟禁」状態に置いて知らん振りしたのは福田ホイホイ首相でしたなあ。安倍元首相の奥さんが夫の代理ということで会見しただけでした。麻生総理は金融危機への対応と国会対策と選挙準備で忙しい!という理由で丁重に無視するのでしょうか?日本国内での講演などを皆様のNHKが中継するかどうか?以前は教育テレビで特別に講演と質疑応答の様子を放送したことがあったのですが……。
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