国立印刷局の工場から収入証紙が持ち出された事件で、埼玉県警捜査2課と大宮署は27日、国立印刷局滝野川工場印刷1課準備係長、山野辺弘道容疑者(59)(東京都北区豊島)を業務上横領容疑で逮捕した。調べによると、山野辺容疑者は、同局王子工場(同区)に勤務していた2002年4月~03年10月にかけ、「損紙」として廃棄される埼玉県収入証紙計400枚(80万円相当)を横領した疑い。今年4月、さいたま市内の金券ショップに持ち込んで換金していた。山野辺容疑者は、このほか約700万円分の証紙を換金。自宅のゴルフバッグ内にも約300万円分の証紙を隠していた。山野辺容疑者は当時、工場で廃棄される証紙や切手などを管理・裁断する責任者だった。調べに対し「1人になった時に(損紙を)抜いた。住宅ローン支払いや教育にかかる費用が必要だった」と供述しているという。
読売新聞 - 7月28日
■国立印刷局という固い職場に勤めていても、「住宅ローンや教育費」が足りないのですなあ。北朝鮮の国家的偽札犯罪を追求しなければならない日本で、不良品の「損紙」を抜き取って換金しなければ生活が出来ない人が居る!日本銀行のジョークには、「ウチは不景気でボーナスは現物支給なんだ」というのが有りましたなあ。庶民の軽口にも「刷り損なった札でも良いから少し回してくれないかなあ」などというのも有りました。本当に「現物」を持ち出してしまったら洒落になりませんなあ。
京都市東山区の浄土宗(総本山・知恩院)の宗務庁で多額の使途不明金が発覚した問題で、浄土宗が使い込みを認めていた会計担当の男性職員(50)を26日付で懲戒解雇したことが27日、分かった。内部調査の結果、使途不明金は約7億4500万円に上ることが判明。元職員は「大豆や金などの商品先物取引に使い込んだ」と話しているという。浄土宗によると、元職員は財務局で出納係をしていた1997年ごろから9年間、僧侶が加入している共済会の積立金などを流用。今年4月の異動の際に業務の引き継ぎをせず、内部調査で不正が判明、使い込みを認めた。
共同通信 - 7月28日
■諸行無常の修行をしているはずのお坊さんが「共済組合」に加入してるのも面白い?のですが、お布施を「先物取引」に投げ込むお寺の職員と言うのも面白い。世俗には「坊主丸儲け」という悪口が有りますが、その儲けを更に掠め取る輩が居るのですなあ。
福岡県内の無職少女(16)が、拾った他人の保険証を悪用し、住民基本台帳カードを偽造していたことが県警の調べでわかった。少女は4月に遺失物横領容疑で逮捕されており、県警は25日、カードに絡んだ詐欺などの容疑で福岡地検に追送検した。県警によると、未成年者による住基カードの偽造は全国で初めて。芸能プロダクションに入った後、18歳以上であることを証明できるものの提出を求められ、犯行を思いついたという。…少女は昨年2月、沖縄県糸満市の女性(21)が福岡市内で落とした保険証を拾って届け出ずに所持。その後、東京都渋谷区に引っ越して、女性になりすまし「渋谷区に住所を移したい」と糸満市役所に保険証のコピーを郵送して転出届を取り寄せ、同年12月15日、同区役所で年齢と名前は女性、顔写真は自分という住基カードを発行させた疑い。
読売新聞 - 7月28日
■どうして「18歳以上」である事を証明しなければならなかったのか?未成年では出来ない労働条件を提示されていたという事なのでしょうか?人気の無い住民基本台帳カードですが、こういう利用法?が有るのは始めから分かっていた事です。カードの発行過程で本人確認が不十分な手続きが行われるのですから、カードの便利さを宣伝する前に、こうしたIT時代に相応しくない古めかしい事務処理を根本から見直しておかねばなりませんでしたなあ。今回は大した罪でもない年齢詐称だけで済みましたが、このカードはいくらでも悪用できる代物なのですから、早急に手を打たないと単なる維持経費が掛かり過ぎるだけの問題では済まなくなりますぞ。
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