■またまた民主党らしい後味の悪い「ノーサイド」の一言で締め括られた代表選挙が終わり、一夜明けて本日30日の午後には衆参両院で野田佳彦新代表が第95代内閣総理大臣に選出されたようです。今回の党代表選の主役は海江田ゴウキュウ万里さんだったような気がします。この人が鳩山サセテイタダク元首相の「未練」とクラッシャー小沢の「怨念」を呼び覚まして濃縮するような動きを見せたことで、民主党内には菅アルイミ前首相がニンマリするような「反小沢」のどす黒い気運がむくむくと湧き起こり、決選投票では一挙に大爆発してしまったようなものでしょう。不思議なことに「反鳩山」という言葉は一度も聞いたことがありませんが、同様に「菅降ろし」はあっても「反菅」と書かれた政治記事を読んだ記憶がないのは何故なのでしょう?結党時に大金を投じたオーナーとして鳩山サセテイタダク元首相は別格扱いなのかも知れませんが、菅アルイミ首相の方は余りにもコロコロと言う事が変わるので、何に反発してよいのか分からなくなってしまって敵対勢力が結集する機会が無かったとしか思えませんなあ。本当に不安で不愉快な449日間でありました。
菅内閣は30日午前の閣議で総辞職した。菅直人首相の後継となる野田佳彦民主党代表は30日午後の衆院本会議で首相に指名されるが、組閣はずれ込む方向。それまでは憲法の規定により菅内閣が「職務執行内閣」を務める。菅首相は昨年6月8日に就任し在職日数は8月30日で449日。現行憲法下で首相を務めた30人の中では、大平正芳氏(554日)に次ぐ19番目の長さとなる。野党から内閣不信任決議案が提出され、6月2日の採決直前に退陣の意向を表明。実際の退陣まで約3カ月居座る異例の展開となった。
2011年8月30日 産経ニュース
■日本語で忌み嫌われる四と九が組み合わさった449日という数は菅アルイミ内閣を象徴していますが、最後の最後まで唐突な決定と軽率な言動は衰えることを知らず、次の政権にとっては決して有り難くない置き土産をちまちまと作り続けていたのでした。大事な課題は何も解決できず、小さな棘になって後々毒が出て来そうな置き土産ばかりのように見えるので、野田新首相は菅アルイミ内閣が食い散らかした政策のテーブルを片付けて掃除することから仕事を始めねばならず、これは瓦礫の除去や放射性物質の洗浄作業に似たようなものでしょうなあ。ご苦労様なことであります。
細野豪志原発事故担当相がまとめた原子力規制行政の見直しに関する政府の最終案の全容が11日、明らかになった。経済産業省から原子力安全・保安院を分離し、内閣府の原子力安全委員会などと統合して新設する「原子力安全庁」(仮称)を環境省の外局に設置すると明記した。12日にも関係閣僚会合で決定し、15日に閣議決定する方針。
2011年8月11日 産経ニュース
■新代表の選挙騒ぎに掻き消されてしまった感がありますが、この環境省の外局として誕生する新組織には多くの難点が指摘されております。本来ならば米国を見習って完全に独立した機関として多くの専門家を結集させねばならないはずなのに、誰の差し金かは知りませんが最初から行政府の中に組み込む話になっていたようです。電力会社の下請け組織同然だった保安院は何の責めも受けずに新組織の中核に移入され、原子力ムラはぬくぬくと温存されて生き延びたも同然。「原子力安全庁」なる仮称からも、「原子力は安全に決まっている」という安全神話がしぶとく生き延びている疑惑を感じてしまいますぞ。いっそのこと「原子力危険監視庁」とか「原子力禁止庁」とか、菅アルイミ首相の置き土産らしい唐突感溢れる名称にした方が良かったかも?
菅直人首相は12日昼、民主党の石井一副代表らと官邸で会食し、自身の退陣後に関して「(自然エネルギーの)バイオマスをやっていきたい。前首相として邪魔にならない程度に活動したい」と述べた。公債発行特例法案の衆院通過については「次の人に背負わせると重荷になるので良かった」と語った。民主党の当選1回議員十数人が同席した。
2011年8月12日 産経ニュース
■ご相伴に預かった1年生議員達はタダ飯が食えるからのこのこ出向いたのか?腐っても鯛とて総理大臣との会食が嬉しくて参加したのか?中には本気で菅アルイミ首相を尊敬している変わり者も紛れ込んでいたのでしょうか?「バイオマスをやりたい」のは勝手ですが、議員を辞めてお遍路を終わらせてから実業家にでもなるのか?それとも臆面も無く「前総理大臣」として議員を続けて法案作りに精を出すおつもりか?「邪魔にならない程度」などと遠慮せずに大いに頑張って活動してみれば良いでしょう。誰も協力しないでしょうから、邪魔になるような存在感は決して望めないでしょう。総理大臣の椅子にしがみ付いていたから「邪魔」だったのですよ、と誰か教えてあげればよいものを……。
……安全庁の設置は原子力の「規制と利用」を分離させるのが狙い。原発を推進してきた経済産業省から、規制を担当する原子力安全・保安院を分離し、内閣府原子力安全委員会、文部科学省の放射線モニタリングの司令塔機能などと統合する。
「事故発生時の初動対応その他の危機管理」を重要な役割と位置づけ、危機管理対応の専門官を新設する。環境相の助言・諮問機関として「原子力安全審議会(仮称)」を置き、原子力規制行政の中立性を保つ方針だ。
来年4月以降は「第2段階」として、12年末までかけてさらに組織を強化する方策を検討。新たに制定するエネルギー基本計画や事故調査・検証委員会の報告などを踏まえ、組織を改編する。新組織では人事の独立性にも留意した。安全庁長官には官僚出身者だけでなく、民間有識者も含め幅広く人選をする方針。経産省内で原発を推進する資源エネルギー庁と、規制する保安院との間で人事異動が行われ、「なれ合いになる」と問題視されてきた。安全庁では、他府省から来た幹部職員を元に戻さない「ノーリターンルール」を徹底させる。……
■菅アルイミ内閣が描く構図は原発推進役は経済産業省に集中させて核エネルギーの「利用」を進める一方で、これまで同省と文科省に分かれて住み着いていた原子力ムラの住人を新組織に移住させて原子力を「規制」させるという対立関係になるわけですなあ。でも、頑として「メルトダウン」を認めなかった保安院と爆発事故は起こらないとタカを括っていた安全委員会、そしてSPEEDIを宝の持ち腐れにしてしまった文科省が環境省内に引っ越して来たからと言って急に君子豹変して原発安全神話を投げ捨てて原子力の危険性を真剣に考え始めるとは信じられません。保安院が移住するのなら、それまで丸投げ仕事を請け負っていた怪しげな独立行政法人や電力会社からの派遣社員達も一緒にくっ付いて行かないと仕事は出来ないでしょうに?!
■百害あって一利なしの税金泥棒・無駄飯喰らいだった保安院の責任を明らかにして廃止することもなく、またぞろ新たに諮問機関として「原子力安全審議会(仮称)」を作ったところで、「原子力規制行政の中立性」など保てる筈もなく、クラッシャー小沢が無罪放免となる来年4月に「第2段階」の組織改編などやっている暇があるのでしょうか?またまた党を真っ二つに割って血みどろの政治抗争が始まり、5箇月後の本物の代表選挙に向けて大混乱が起こっている可能性が高そうですからなあ。愚かな政争を横目に原子力ムラは強かに蘇生して以前に増して原発安全神話をあの手この手で広めようとし始めるような気がしますし、役人に「ノーリターンルール」など押し付けても直ぐに抜け道を作って天下り互助会が作られて元の木阿弥にならねばよいのですが……。
安全庁の参考になったのは脱原発を進めるドイツ。チェルノブイリ原発事故を受け、86年に環境と原子力規制行政を一本化する「連邦環境・自然保護・原子力安全省」を設置した。安全規制の基本政策を策定する一方、実務は州政府が担う。米国の「原子力規制委員会」(NRC)は独立性が高く強力な権限を持つ。5人の委員と約3000人の職員で構成、放射線被害から公衆の安全と環境を守るため、地方組織が設置されている。英国は環境省が原発規制を担ったが、現在は雇用・年金省の下部機関「保健安全委員会」が、原発を含むすべての産業の安全規制を行う。規制機関が上部環境省に比べ、大きくなりすぎたのが理由とされる。
8月15日(月) 毎日新聞
■チェルノブイリ原発事故の後、日本だけは安全神話に磨きを掛けて今回の大事故の遠因となったと言われておりますから、四半世紀遅れで日本は真面目な原発行政を始めることになります。こんな重大な政策変更を菅アルイミ首相の置き土産仕事でやってしまって良いのでしょうか?きちんと国会でみっちり議論して自民党政権時代からの罪と垢をしっかり削り落とし、国民的議論を経ておかないと後々トンデモないことになるかも知れません。8月15日に靖国神社に参拝にも行かず菅アルイミ内閣はこんな事をしていたことをよく覚えておきましょうぞ。
菅内閣は30日午前の閣議で総辞職した。菅直人首相の後継となる野田佳彦民主党代表は30日午後の衆院本会議で首相に指名されるが、組閣はずれ込む方向。それまでは憲法の規定により菅内閣が「職務執行内閣」を務める。菅首相は昨年6月8日に就任し在職日数は8月30日で449日。現行憲法下で首相を務めた30人の中では、大平正芳氏(554日)に次ぐ19番目の長さとなる。野党から内閣不信任決議案が提出され、6月2日の採決直前に退陣の意向を表明。実際の退陣まで約3カ月居座る異例の展開となった。
2011年8月30日 産経ニュース
■日本語で忌み嫌われる四と九が組み合わさった449日という数は菅アルイミ内閣を象徴していますが、最後の最後まで唐突な決定と軽率な言動は衰えることを知らず、次の政権にとっては決して有り難くない置き土産をちまちまと作り続けていたのでした。大事な課題は何も解決できず、小さな棘になって後々毒が出て来そうな置き土産ばかりのように見えるので、野田新首相は菅アルイミ内閣が食い散らかした政策のテーブルを片付けて掃除することから仕事を始めねばならず、これは瓦礫の除去や放射性物質の洗浄作業に似たようなものでしょうなあ。ご苦労様なことであります。
細野豪志原発事故担当相がまとめた原子力規制行政の見直しに関する政府の最終案の全容が11日、明らかになった。経済産業省から原子力安全・保安院を分離し、内閣府の原子力安全委員会などと統合して新設する「原子力安全庁」(仮称)を環境省の外局に設置すると明記した。12日にも関係閣僚会合で決定し、15日に閣議決定する方針。
2011年8月11日 産経ニュース
■新代表の選挙騒ぎに掻き消されてしまった感がありますが、この環境省の外局として誕生する新組織には多くの難点が指摘されております。本来ならば米国を見習って完全に独立した機関として多くの専門家を結集させねばならないはずなのに、誰の差し金かは知りませんが最初から行政府の中に組み込む話になっていたようです。電力会社の下請け組織同然だった保安院は何の責めも受けずに新組織の中核に移入され、原子力ムラはぬくぬくと温存されて生き延びたも同然。「原子力安全庁」なる仮称からも、「原子力は安全に決まっている」という安全神話がしぶとく生き延びている疑惑を感じてしまいますぞ。いっそのこと「原子力危険監視庁」とか「原子力禁止庁」とか、菅アルイミ首相の置き土産らしい唐突感溢れる名称にした方が良かったかも?
菅直人首相は12日昼、民主党の石井一副代表らと官邸で会食し、自身の退陣後に関して「(自然エネルギーの)バイオマスをやっていきたい。前首相として邪魔にならない程度に活動したい」と述べた。公債発行特例法案の衆院通過については「次の人に背負わせると重荷になるので良かった」と語った。民主党の当選1回議員十数人が同席した。
2011年8月12日 産経ニュース
■ご相伴に預かった1年生議員達はタダ飯が食えるからのこのこ出向いたのか?腐っても鯛とて総理大臣との会食が嬉しくて参加したのか?中には本気で菅アルイミ首相を尊敬している変わり者も紛れ込んでいたのでしょうか?「バイオマスをやりたい」のは勝手ですが、議員を辞めてお遍路を終わらせてから実業家にでもなるのか?それとも臆面も無く「前総理大臣」として議員を続けて法案作りに精を出すおつもりか?「邪魔にならない程度」などと遠慮せずに大いに頑張って活動してみれば良いでしょう。誰も協力しないでしょうから、邪魔になるような存在感は決して望めないでしょう。総理大臣の椅子にしがみ付いていたから「邪魔」だったのですよ、と誰か教えてあげればよいものを……。
……安全庁の設置は原子力の「規制と利用」を分離させるのが狙い。原発を推進してきた経済産業省から、規制を担当する原子力安全・保安院を分離し、内閣府原子力安全委員会、文部科学省の放射線モニタリングの司令塔機能などと統合する。
「事故発生時の初動対応その他の危機管理」を重要な役割と位置づけ、危機管理対応の専門官を新設する。環境相の助言・諮問機関として「原子力安全審議会(仮称)」を置き、原子力規制行政の中立性を保つ方針だ。
来年4月以降は「第2段階」として、12年末までかけてさらに組織を強化する方策を検討。新たに制定するエネルギー基本計画や事故調査・検証委員会の報告などを踏まえ、組織を改編する。新組織では人事の独立性にも留意した。安全庁長官には官僚出身者だけでなく、民間有識者も含め幅広く人選をする方針。経産省内で原発を推進する資源エネルギー庁と、規制する保安院との間で人事異動が行われ、「なれ合いになる」と問題視されてきた。安全庁では、他府省から来た幹部職員を元に戻さない「ノーリターンルール」を徹底させる。……
■菅アルイミ内閣が描く構図は原発推進役は経済産業省に集中させて核エネルギーの「利用」を進める一方で、これまで同省と文科省に分かれて住み着いていた原子力ムラの住人を新組織に移住させて原子力を「規制」させるという対立関係になるわけですなあ。でも、頑として「メルトダウン」を認めなかった保安院と爆発事故は起こらないとタカを括っていた安全委員会、そしてSPEEDIを宝の持ち腐れにしてしまった文科省が環境省内に引っ越して来たからと言って急に君子豹変して原発安全神話を投げ捨てて原子力の危険性を真剣に考え始めるとは信じられません。保安院が移住するのなら、それまで丸投げ仕事を請け負っていた怪しげな独立行政法人や電力会社からの派遣社員達も一緒にくっ付いて行かないと仕事は出来ないでしょうに?!
■百害あって一利なしの税金泥棒・無駄飯喰らいだった保安院の責任を明らかにして廃止することもなく、またぞろ新たに諮問機関として「原子力安全審議会(仮称)」を作ったところで、「原子力規制行政の中立性」など保てる筈もなく、クラッシャー小沢が無罪放免となる来年4月に「第2段階」の組織改編などやっている暇があるのでしょうか?またまた党を真っ二つに割って血みどろの政治抗争が始まり、5箇月後の本物の代表選挙に向けて大混乱が起こっている可能性が高そうですからなあ。愚かな政争を横目に原子力ムラは強かに蘇生して以前に増して原発安全神話をあの手この手で広めようとし始めるような気がしますし、役人に「ノーリターンルール」など押し付けても直ぐに抜け道を作って天下り互助会が作られて元の木阿弥にならねばよいのですが……。
安全庁の参考になったのは脱原発を進めるドイツ。チェルノブイリ原発事故を受け、86年に環境と原子力規制行政を一本化する「連邦環境・自然保護・原子力安全省」を設置した。安全規制の基本政策を策定する一方、実務は州政府が担う。米国の「原子力規制委員会」(NRC)は独立性が高く強力な権限を持つ。5人の委員と約3000人の職員で構成、放射線被害から公衆の安全と環境を守るため、地方組織が設置されている。英国は環境省が原発規制を担ったが、現在は雇用・年金省の下部機関「保健安全委員会」が、原発を含むすべての産業の安全規制を行う。規制機関が上部環境省に比べ、大きくなりすぎたのが理由とされる。
8月15日(月) 毎日新聞
■チェルノブイリ原発事故の後、日本だけは安全神話に磨きを掛けて今回の大事故の遠因となったと言われておりますから、四半世紀遅れで日本は真面目な原発行政を始めることになります。こんな重大な政策変更を菅アルイミ首相の置き土産仕事でやってしまって良いのでしょうか?きちんと国会でみっちり議論して自民党政権時代からの罪と垢をしっかり削り落とし、国民的議論を経ておかないと後々トンデモないことになるかも知れません。8月15日に靖国神社に参拝にも行かず菅アルイミ内閣はこんな事をしていたことをよく覚えておきましょうぞ。