旅限無(りょげむ)

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やっと辞めます菅総理 其の七

2011-08-30 15:54:38 | 政治
■またまた民主党らしい後味の悪い「ノーサイド」の一言で締め括られた代表選挙が終わり、一夜明けて本日30日の午後には衆参両院で野田佳彦新代表が第95代内閣総理大臣に選出されたようです。今回の党代表選の主役は海江田ゴウキュウ万里さんだったような気がします。この人が鳩山サセテイタダク元首相の「未練」とクラッシャー小沢の「怨念」を呼び覚まして濃縮するような動きを見せたことで、民主党内には菅アルイミ前首相がニンマリするような「反小沢」のどす黒い気運がむくむくと湧き起こり、決選投票では一挙に大爆発してしまったようなものでしょう。不思議なことに「反鳩山」という言葉は一度も聞いたことがありませんが、同様に「菅降ろし」はあっても「反菅」と書かれた政治記事を読んだ記憶がないのは何故なのでしょう?結党時に大金を投じたオーナーとして鳩山サセテイタダク元首相は別格扱いなのかも知れませんが、菅アルイミ首相の方は余りにもコロコロと言う事が変わるので、何に反発してよいのか分からなくなってしまって敵対勢力が結集する機会が無かったとしか思えませんなあ。本当に不安で不愉快な449日間でありました。

菅内閣は30日午前の閣議で総辞職した。菅直人首相の後継となる野田佳彦民主党代表は30日午後の衆院本会議で首相に指名されるが、組閣はずれ込む方向。それまでは憲法の規定により菅内閣が「職務執行内閣」を務める。菅首相は昨年6月8日に就任し在職日数は8月30日で449日。現行憲法下で首相を務めた30人の中では、大平正芳氏(554日)に次ぐ19番目の長さとなる。野党から内閣不信任決議案が提出され、6月2日の採決直前に退陣の意向を表明。実際の退陣まで約3カ月居座る異例の展開となった。
2011年8月30日 産経ニュース 

■日本語で忌み嫌われる四と九が組み合わさった449日という数は菅アルイミ内閣を象徴していますが、最後の最後まで唐突な決定と軽率な言動は衰えることを知らず、次の政権にとっては決して有り難くない置き土産をちまちまと作り続けていたのでした。大事な課題は何も解決できず、小さな棘になって後々毒が出て来そうな置き土産ばかりのように見えるので、野田新首相は菅アルイミ内閣が食い散らかした政策のテーブルを片付けて掃除することから仕事を始めねばならず、これは瓦礫の除去や放射性物質の洗浄作業に似たようなものでしょうなあ。ご苦労様なことであります。


細野豪志原発事故担当相がまとめた原子力規制行政の見直しに関する政府の最終案の全容が11日、明らかになった。経済産業省から原子力安全・保安院を分離し、内閣府の原子力安全委員会などと統合して新設する「原子力安全庁」(仮称)を環境省の外局に設置すると明記した。12日にも関係閣僚会合で決定し、15日に閣議決定する方針。
2011年8月11日 産経ニュース 

■新代表の選挙騒ぎに掻き消されてしまった感がありますが、この環境省の外局として誕生する新組織には多くの難点が指摘されております。本来ならば米国を見習って完全に独立した機関として多くの専門家を結集させねばならないはずなのに、誰の差し金かは知りませんが最初から行政府の中に組み込む話になっていたようです。電力会社の下請け組織同然だった保安院は何の責めも受けずに新組織の中核に移入され、原子力ムラはぬくぬくと温存されて生き延びたも同然。「原子力安全庁」なる仮称からも、「原子力は安全に決まっている」という安全神話がしぶとく生き延びている疑惑を感じてしまいますぞ。いっそのこと「原子力危険監視庁」とか「原子力禁止庁」とか、菅アルイミ首相の置き土産らしい唐突感溢れる名称にした方が良かったかも?


菅直人首相は12日昼、民主党の石井一副代表らと官邸で会食し、自身の退陣後に関して「(自然エネルギーの)バイオマスをやっていきたい。前首相として邪魔にならない程度に活動したい」と述べた。公債発行特例法案の衆院通過については「次の人に背負わせると重荷になるので良かった」と語った。民主党の当選1回議員十数人が同席した。
2011年8月12日 産経ニュース 

■ご相伴に預かった1年生議員達はタダ飯が食えるからのこのこ出向いたのか?腐っても鯛とて総理大臣との会食が嬉しくて参加したのか?中には本気で菅アルイミ首相を尊敬している変わり者も紛れ込んでいたのでしょうか?「バイオマスをやりたい」のは勝手ですが、議員を辞めてお遍路を終わらせてから実業家にでもなるのか?それとも臆面も無く「前総理大臣」として議員を続けて法案作りに精を出すおつもりか?「邪魔にならない程度」などと遠慮せずに大いに頑張って活動してみれば良いでしょう。誰も協力しないでしょうから、邪魔になるような存在感は決して望めないでしょう。総理大臣の椅子にしがみ付いていたから「邪魔」だったのですよ、と誰か教えてあげればよいものを……。


……安全庁の設置は原子力の「規制と利用」を分離させるのが狙い。原発を推進してきた経済産業省から、規制を担当する原子力安全・保安院を分離し、内閣府原子力安全委員会、文部科学省の放射線モニタリングの司令塔機能などと統合する。
「事故発生時の初動対応その他の危機管理」を重要な役割と位置づけ、危機管理対応の専門官を新設する。環境相の助言・諮問機関として「原子力安全審議会(仮称)」を置き、原子力規制行政の中立性を保つ方針だ。
来年4月以降は「第2段階」として、12年末までかけてさらに組織を強化する方策を検討。新たに制定するエネルギー基本計画や事故調査・検証委員会の報告などを踏まえ、組織を改編する。新組織では人事の独立性にも留意した。安全庁長官には官僚出身者だけでなく、民間有識者も含め幅広く人選をする方針。経産省内で原発を推進する資源エネルギー庁と、規制する保安院との間で人事異動が行われ、「なれ合いになる」と問題視されてきた。安全庁では、他府省から来た幹部職員を元に戻さない「ノーリターンルール」を徹底させる。…… 

■菅アルイミ内閣が描く構図は原発推進役は経済産業省に集中させて核エネルギーの「利用」を進める一方で、これまで同省と文科省に分かれて住み着いていた原子力ムラの住人を新組織に移住させて原子力を「規制」させるという対立関係になるわけですなあ。でも、頑として「メルトダウン」を認めなかった保安院と爆発事故は起こらないとタカを括っていた安全委員会、そしてSPEEDIを宝の持ち腐れにしてしまった文科省が環境省内に引っ越して来たからと言って急に君子豹変して原発安全神話を投げ捨てて原子力の危険性を真剣に考え始めるとは信じられません。保安院が移住するのなら、それまで丸投げ仕事を請け負っていた怪しげな独立行政法人や電力会社からの派遣社員達も一緒にくっ付いて行かないと仕事は出来ないでしょうに?!

■百害あって一利なしの税金泥棒・無駄飯喰らいだった保安院の責任を明らかにして廃止することもなく、またぞろ新たに諮問機関として「原子力安全審議会(仮称)」を作ったところで、「原子力規制行政の中立性」など保てる筈もなく、クラッシャー小沢が無罪放免となる来年4月に「第2段階」の組織改編などやっている暇があるのでしょうか?またまた党を真っ二つに割って血みどろの政治抗争が始まり、5箇月後の本物の代表選挙に向けて大混乱が起こっている可能性が高そうですからなあ。愚かな政争を横目に原子力ムラは強かに蘇生して以前に増して原発安全神話をあの手この手で広めようとし始めるような気がしますし、役人に「ノーリターンルール」など押し付けても直ぐに抜け道を作って天下り互助会が作られて元の木阿弥にならねばよいのですが……。


安全庁の参考になったのは脱原発を進めるドイツ。チェルノブイリ原発事故を受け、86年に環境と原子力規制行政を一本化する「連邦環境・自然保護・原子力安全省」を設置した。安全規制の基本政策を策定する一方、実務は州政府が担う。米国の「原子力規制委員会」(NRC)は独立性が高く強力な権限を持つ。5人の委員と約3000人の職員で構成、放射線被害から公衆の安全と環境を守るため、地方組織が設置されている。英国は環境省が原発規制を担ったが、現在は雇用・年金省の下部機関「保健安全委員会」が、原発を含むすべての産業の安全規制を行う。規制機関が上部環境省に比べ、大きくなりすぎたのが理由とされる。
8月15日(月) 毎日新聞 

■チェルノブイリ原発事故の後、日本だけは安全神話に磨きを掛けて今回の大事故の遠因となったと言われておりますから、四半世紀遅れで日本は真面目な原発行政を始めることになります。こんな重大な政策変更を菅アルイミ首相の置き土産仕事でやってしまって良いのでしょうか?きちんと国会でみっちり議論して自民党政権時代からの罪と垢をしっかり削り落とし、国民的議論を経ておかないと後々トンデモないことになるかも知れません。8月15日に靖国神社に参拝にも行かず菅アルイミ内閣はこんな事をしていたことをよく覚えておきましょうぞ。

やっと辞めます菅総理 其の六

2011-08-30 15:24:47 | 政治
■原発事故から5箇月も経って、福島圏内の子供たちが内部被曝していました、などと重大な事を発表する菅アルイミ内閣には危機管理能力はまったく有りません。自分は頑張っているのに国民に分かって貰えないなどという泣き言は誰も聞いてくれませんし、原発事故から1週間は眠れなかったなどと苦労話を披露しても、何でも自分がしゃしゃり出て事態を悪化させるくらいなら担当部署に任せて最後の責任を取る時までは枕を高くして眠っていた方が良かっただろうと皮肉を言われるのが関の山。大震災と原発事故、復興は進まず電力不足がエネルギー危機を呼び、そこに円高が襲い掛かって日本の将来は真っ暗だ!と国民は不安を募らせているというのに、「子供手当て」だどうしたこうした、次の民主党代表は誰にしようか?等々、国民にとってはどうでもよい事で国会が動かない。

■「犬死はしない」などと犬に対して失礼だ!と愛犬家に叱られるような遠吠えをしていた菅アルイミ首相も、脱原発と再生可能エネルギーで支持率が上向くかと淡い夢を見ていたものの、就任以来の無能無策ぶりに愛想を尽かした国民の心は遠く離れて戻っては来ませんでした。市民運動家出身というのも単なる看板でしかなかったことが、大震災と原発事故の対応ぶりが証明してしまいました。本来ならば痒い所に手が届く「さすがは菅さんだ」と被災者の皆さんが涙を流して感動・感謝する現場感覚にぴたりと適合した施策が連発されるはずが、初期対応の初動で躓いてから手持ちの情報を隠蔽し続けた上に事故直後のデータ収集を怠り、責任の所在と指示命令系統を混乱させるだけの本部濫立を命じる一方で訳の分からない記者会見を官房長官に続けさ、自分が引き起こした国会のネジレ現象に手足を縛られて大連立だのマニフェストの見直しだのと復旧・復興に逆行する事ばかりに精力を注がざるを得なくなり、自分の存在自体が最大の風評被害だとまで言われるようになったら、唐突に脱原発!再生可能エネルギー!を持ち出してまるで原発事故が収束したかのように不気味な前のめり政治に突き進む姿は墓場をうろつくゾンビそのものでありました。

■民主党の代表選挙も日程が決まり、どうやら2日間で政策論争を終わらせて投票をすることになるのだそうですが、急いでやるべきことは先送りで時間を掛けねばならぬことは拙速。何をやらせてもチグハグな民主党という集団は何処までも素人集団のようですなあ。


細野豪志原発事故担当相がまとめた試案は、菅直人首相の意向に沿って、経済産業省と原子力安全・保安院の「分離ありき」が優先した。地球温暖化のため原発を推進してきた環境省の外局として「原子力安全庁」(仮称)を新設するなど課題を多く抱えている。…… 

■原発の安全基準の見直しよりも先に東京電力を税金を使って救済する仕組みを作った菅アルイミ内閣が新しい原発監視組織を作ったところで経産省の官僚が番人を務める原子力ムラは微動だにしないでしょう。


首相は東京電力福島第1原発事故の発生以来、原子力を規制する立場にある原子力安全・保安院が規制に消極的だと強い不満を持っていた。5月18日の記者会見では「原子力を進めている資源エネルギー庁とチェックする保安院が、ともに経産省にある原子力行政のあり方を根本的に見直さないといけない」と述べた。…… 

■昔の橋本行革で役所の頭数だけ減らした皺寄せで原子力ムラはそれ以前よりも強固で濃密な組織になったと言われていますから、政権交代用マニフェストで原子力行政の改革を少しでも言及しておけば良かったものを、原発事故が起こるまで民主党政権は地球温暖化ガスを削減する切り札として原発を高く評価して新設計画まで進めていたのでしたなあ。菅アルイミ首相もベトナムに原発プラントを売り付けて得意満面でした。福島第一原発の大事故によって「考えが変わった」と個人的な感想を述べていますが、一国の総理大臣として何がどう変わったのか、歴史的な名演説で聴かせて欲しかったのですが……。


細野試案は、保安院のほか、内閣府にある原子力安全委員会や文部科学省の関係部局も一つの組織に統合させた。「脱原子力依存」を掲げ、原発推進より規制に重点を置きたいとする首相の強い意向を反映させた内容にもなり、巨大な規制官庁が誕生することにもなる。「安全庁」が環境省の監督下になることで、安全規制と原発事故発生の初動対応が一元化されるというメリットはある。だが、経産省内からは「原子力行政が、菅首相の一言だけで簡単に変えられるものか」(幹部)との批判も出ている。さらに環境省はこれまで原子力行政には直接的には関与してこなかったため、実効性を疑問視する声もある。…… 

■マニフェストの目玉だった「国家戦略局」も看板倒れで終わってしまった民主党に新しい組織の立ち上げと運営など無理に決まっています。その証拠に経産省の原発行政トップ三人組は更迭ではなく「人心一新」の順送り人事でお手盛り辞任を自らの意思で取り仕切って菅アルイミ首相の面子は丸潰れになっておりますし、経産省や文科省などの所管部署が激しく抵抗しているという話も出ていませんから、官僚の目から見て何も変わらないことが分かっているのでしょうなあ。


民主党の政務三役経験者は「行政改革全体の中で議論すべき内容だ。規制部分だけ急にまとめても意味がない」と問題視する。輿石東参院議員会長も「急ぐべきはそういうことではない。新しい(政権の)体制に入ることが最優先すべき問題だ」と指摘したように、退陣表明した菅首相の都合だけで原子力行政の組織改編が進むのは避けなければならない。
2011年8月3日 産経ニュース 

■こんな重大な政治課題でも菅降ろしにネタに使われるようでは民主党はいよいよ終わりです。菅アルイミ首相は業績の破片でも歴史に残そうと必死なのでしょうが、鼬の最後っ屁みたいに迷惑な置き土産を慌てて作ったりすると後で官僚たちが好き放題に悪用する可能性がありますから、行政組織の切り張りは余程の知恵と経験が無い者がやっては行けない危険な仕事なのですが、自信過剰の病気が治らない菅アルイミ首相の唯我独尊姿勢は誰にも治せないようです。かと言って菅アルイミ首相の暴走を押し留める気概と力のある政治家が民主党内には皆無だというのも困ったことであります。


細野豪志原発事故担当相は5日、東京電力福島第1原発事故を受けた原子力規制行政の見直しに関する試案を正式発表した。経済産業省から原子力安全・保安院を分離し、内閣府の原子力安全委員会などと統合し「原子力安全庁」(仮称)を新設をする。平成24年4月の発足を目指す。安全庁の所管府省は環境省と内閣府の両論併記とした。環境省の場合は環境相の所管とする。内閣府の場合は担当相を配置するため内閣法を改正して閣僚枠を増やす必要がある。閣僚間では内閣府を主張する意見が多いという。 

■何かと言うと辞任するまでは「責任を果たす」と繰り返していた菅アルイミ首相は、何の根拠もなしに後継内閣が自分の名前と業績を後生大事にして継承してくれると素朴に信じているとは思えません。いくつもの問題を秘めていると今から危惧されている自然再生エネルギー法案を強引に成立させて、脱原発依存の端緒として最終的には脱原発を達成する未来を見通して自分が突破口を開いたのだ!といつまでもエネルギー行政の権威として政界の何処かに居座ろうとでも考えているとしか思えません。与野党共に菅降ろしの一点でのみ「大連立」は実質的に成立したようなもので、似たような名前の法案を準備していたこともあって野党第一党の自民党も極僅かな修正を要求しただけで法案に賛成するようですが、決定的な情報が隠蔽されたまま原発事故の真相は不明で、安全基準の見直しも未着手、事故収束の「一定のメド」などまったく立たないまま、今頃になって事故現場周辺の土地には人が住めないと公式に発表するという乱暴で拙速な政治手法で原子力行政の見直しなどが出来るのでしょうか?この8月5日の段階では新しい監督機関の所属先は両論併記でありました。


また、第三者的な立場から助言や意見を言う「原子力安全審議会」(仮称)を設置。安全庁はデータ公表の遅れが問題になった緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)など環境モニタリングに関する司令塔機能も担う。当面の組織規模は500~600人の見込み。政府は来週にも閣議決定。組織改編に必要な法案は来年の通常国会に提出する。また、原子力政策の転換や原発事故の検証、人材育成など中長期的な課題を踏まえた第2段の見直し案を24年末をめどにまとめる。
2011年8月5日 産経ニュース 

■「24年の末」に民主党という政党が消滅している可能性が高く、SPEEDIの取り扱いに関して重大な過失があったことを素直に認めようとさえしない菅アルイミ内閣が、とうとう事故から現在に至るも作れなかった「司令塔」をハリボテながら形だけは作って自分の業績として誇りたいだけなら虚しいばかりでありますなあ。

やっと辞めます菅総理 其の伍

2011-08-21 16:33:07 | 政治
■他に重大な問題は無いのか?!と聞いてみたいほど、マスコミは民主党の次期代表は誰か?という、最早、国民にとってはどうでもよい話を延々と報道しているようであります。菅アルイミ首相と言えば8月18日にパナソニックの省エネルギー住宅を視察して「楽しかったよ」と御満悦だったそうですし、翌19日は枝野幸男官房長官や仙谷由人官房副長官、それに外相と文科相まで引き連れて国立競技場に出向き、なでしこジャパンの選抜試合を観戦したのだそうです。よほど国会が暇なのか?!と揶揄したくなる光景でありますが、試合前に両チームの選手と握手して、「菅直人首相です」と言った途端にあちこちから「ブー」の嵐が起こり、メーンスタンドでは一人の男が立ち上がり「菅、帰れぇ~」と罵声を浴びせたとの報道がありました。競技場が一体になって「帰れ」コールをしなかったのはちょっと残念ですが、それは日本人の惻隠の情で何の業績も残さずに官邸を追い出される惨めな政治家に恥を掻かせてみても詮無いことと皆が思っていたのかも知れませんし、熱心に?野次を飛ばしてくれた人以外からは完全に無視されていたというのが実態なのでしょうなあ。

■褒め言葉以外は鼓膜を揺らしても大脳の言語中枢まで届かない特異体質を持った菅アルイミ首相のことですから、野次など聞こえなかったのでしょうし、お供の正副官房長官も絶対に自分が野次られているとは考えもしない人達ですから、次の選挙で国民の落胆と絶望と怒りと恨みをみっちりと教えて差し上げねばなりますまいなあ。過去の内閣でも国民栄誉賞の授与を決めた内閣は、その授賞式の後には必ず内閣支持率が下落するというジンクスめいたデータがあるそうですが、菅アルイミ内閣の場合は支持率が下がる要因が山ほどあるのですから、特に栄誉賞の授与が影響を及ぼしたわけではないでしょう。誰にも歓迎して貰えなかったからなのか?サッカーの試合は前半だけ観ただけで菅アルイミ首相は「用事がある」と言って帰ってしまったそうです。一体、何をしに来たのかいなあ?とサッカー協会の人達も呆気に取られて10人以上もの強面のSP達に囲まれて会場を去る首相を見送ったそうですが、やっぱり税金の無駄遣いだと思ったのか?それとも、腐っても鯛、日本の総理大臣を迎えて無事に帰ってくれて一安心だったのか……。要するに誰にも喜ばれなかったサッカー観戦だったのは間違いないところでありましょう。やる事が無いのなら税金の無駄遣いをしないで大人しくしていればよいものを……。


みんなの党の渡辺喜美代表は8月2日の党役員会で、菅直人首相夫人の伸子さんが国会審議で涙ぐんだ海江田万里経済産業相を「泣くような人に大臣は務まらない」「あなた(菅首相)が泣いたら別れる」と揶揄したことについて、「今の政治に泣いているのは国民の方だ」と批判した。
2011年8月2日 産経ニュース 

■このニュースが流れた頃は、本当に泣きたいような気分になったものですが、政権与党としての評価が地に落ちてしまった民主党の次期代表選を巡るポスト菅競争の浅ましさを見せつけられますと、国民はもう笑い始めているのではないでしょうか?国会議場内でアノ号泣事件を起こしてしまった海江田経産相ですら、クラッシャー小沢にすがり付いてでも総理大臣になりたい!と臆面もなくしゃしゃり出て来るようでは、『週刊文春』が名づけた「また馬鹿のかお」そのままの、愚かしくも滑稽な総理大臣になりたい病の患者の品評会みたいになりそうであります。

■「辞めると言った覚えはない!」などと盗人猛々しく開き直って脱原発運動の旗手になって政権の延命を図ろうとした菅アルイミ首相の姿を見て民主党のある幹部は「今の首相は政治家ではない。一市民運動家に戻ってしまった」と嘆いているそうなのですが、単なる偶然なのか菅アルイミ政権の最末期に大震災の被災地に米田吉誉なる偽医者が出現してちょっとした騒ぎになっております。報道を信じれば、この偽医者はボランティア詐欺の常習者だった可能性もあるようです。市民運動とボランティア、求めた物は権力と助成金と分かれますが、どちらも人の善意を踏み付けにして自分の欲得だけを優先させても良心の呵責などまったく感じない異常な感性を持っている点は共通しているような気がします。どちらもテレビなどのマスコミを自分の都合の良い時だけ利用したというのも似ているようですが、まんまと利用されるマスコミも少しは反省した方がよいでしょうなあ。

やっと辞めます菅総理 其の四

2011-08-15 15:44:16 | 政治
■ペテンに掛けられて一時は逆上した鳩山サセテイタダク前首相も、今度は騙されないぞ!と少しは頭を使って動き始めているようですが、そもそも民主党の結党時に鳩山兄弟が自腹(子供手当て)を切って二人で15億円だかの資金を作り、そこに一銭も身銭を出さずに幹部面して紛れ込んで来たのが菅アルイミ首相で、鳩山サセテイタダク首相が自民党との対決を考えてクラッシャー小沢を抱き込もうとした時には大反対しておいて、自分が代表になったら焼けぼっ杭に火を点けて民主・自由党の合流を実現して手柄を独り占めしたのも菅アルイミ首相だと言われておりますからなあ。

鳩山由紀夫前首相は2日昼、国会近くのそば屋で弟の鳩山邦夫元総務相(無所属)と向かい合った。鳩山、小沢両氏は不信任案採決後、微妙な距離が生じたが、今はすっかり修復した。小沢氏は鳩山グループを「同盟軍」と呼ぶ。
「民主党と自民党の両執行部は菅、小沢、鳩山切りをしようとしているぞ」邦夫氏がこう警告すると、由紀夫氏は何食わぬ顔でこう打ち明けた。
「次の首相には小沢さんと『反増税路線』の人物を担ぐつもりだよ」その視線の先には民主、自民両党の反主流勢力の結集があるのか。邦夫氏はいろいろと水を向けたが、由紀夫氏はそれ以上は口をつぐんだ。…… 

■「反増税」は結構なのですが、相も変わらず財源に無頓着なのは困ります。自分の政権の支持を失った原因が沖縄の普天間基地問題だけだと思ったら大間違いで、『マニフェスト』に並べた政策を実行するための財源確保がまったく絶望的になった段階で国民は政権交代を悔やみ民主党政権を見棄てたのだと思われます。その証拠に菅アルイミ首相は一度も「無駄遣いを止めて特別会計から予算を組み直す」という民主党が愛用していたキャッチフレーズを使ったことがなく、その一方で消費税の引き上げだの復興税だの増税路線をひた走って来たのでありました。確かタバコ税が引き上げられたの菅政権が誕生して間も無い2010年10月1日でしたなあ。


小沢氏らと距離を置く民主党中間派も「菅降ろし」の動きを加速させた。首相の即時退陣を求める署名活動を続ける吉良州司、長島昭久両衆院議員ら「国益を考える会」は、お盆前に首相に退陣要求を突き付ける構えだ。集まった署名は約50人。目標の100人にはまだ遠いが、小沢系グループがほとんど署名していないことを考慮すると決して少なくない。吉良氏は10日発売の月刊誌「Voice」に寄せた論文に悲壮な決意をにじませた。
「首相の政権運営には『国家の危機』を感じる。閣内統治できない人に国全体の統治などできるわけがない」「政党のしがらみを乗り越える覚悟も持っている。日本を復興させるためならばあらゆる選択肢を排除しない」-。吉良氏ら若手・中堅の熱意に触発されたのか。その後見人である仙谷由人官房副長官もいよいよ参戦する腹を固めたようにみえる。2日昼、仙谷氏はあまり接点のなかった1年生議員6人を首相官邸に招き、ハンバーグを振る舞った。生臭い話は一切なく「相手への謝り方」など議員心得を切々と説いたというが、首相に当てこすったといえなくもない。…… 

■綱領も無い寄り合い所帯と悪口を言われ続ける民主党ですから、自民党さえ驚くほど乱暴で残酷な言葉が飛び交う「菅降ろし」が起こっても不思議ではないのですが、それにしても自分達の党代表に対して「国家の危機」を感じるとまで言うのなら同じ政党に所属している必要などないと思うのですが……。すっかりマスコミに姿を見せなくなった仙谷ノーコメント官房副長官は、一体、何を考えているのやら。フィクサー気取りで暗躍している心算かも知れませんが、怨念だけは誰よりも強い菅アルイミ首相に足元を掬われて藁にも縋りたい窮地に追い込まれてクラッシャー小沢の手を握るようなことにでもなったら、いよいよ民主党は空中分解かも?


脱小沢路線の仕掛け人である仙谷氏と小沢氏の関係修復は難しい。とはいえ、岡田克也幹事長らが描く平和的な退陣シナリオに首相が応じる様子はなく8月末のタイムリミットは刻一刻と近づく。「菅降ろし」の一点だけで両者が手を組む可能性はあるのか。民主党は「合従連衡」の時代に入った。
2011年8月3日(水) 産経ニュース 

■「合従連衡」という言葉はチャイナの戦国時代に秦の始皇帝を打倒する目的で天下の策士が大活躍した時代に生まれたものだそうですから、今の民主党の空騒ぎに使うのは不適当ではないでしょうか?因みに蘇秦が燕王に進言した政策が「合従」で、燕・趙・斉・魏・韓・楚の六箇国が縦(南北)に同盟を結んで西方の強国・秦に対峙する戦略。それに対して張儀という秦の宰相が考え出したのが「連衡」の策で、一つの国と衡(東西)に同盟を結んで「合従」を破って各国を孤立させて各個撃破して秦が天下を統一するという戦略。歴史を見れば蘇秦の「合従」策が張儀の「連衡」策に敗れたのですが、消極的な同盟は脆く、強壮な軍隊と強烈な権力への意志を持った相手には勝てないことなのでしょうなあ。野田財務大臣が次期総理を目指して自民党との「大連立」を考えているそうですが、蘇秦の「合従」策みたいな結果になりはしないかと他人事ながらちょっと心配。逆に張儀の「連衡」策のように民主党を割って新党を結成した新勢力が「各個撃破」に成功すれば政界再編が実現するような予感もするのですが……。

やっと辞めます菅総理 其の参

2011-08-15 15:43:40 | 政治
■気まぐれ場当たり的な発言が多く、実りがほとんどない不思議な1年2箇月。そう言えば2011年1月5日午前に開かれた年明け初の閣議で、環太平洋経済連携協定(TPP)への参加問題を念頭に、「国を開き、『平成の開国』を断固やる!」と言い出し、同月30日には呼ばれてもいない?ダボス会議に割り込んで「開国」を10回以上も繰り返してTPP参加を世界中に発信して参加するかどうか6月をメドに結論を出すと約束して来たのでした。大震災と原発事故が起こる前から党内から反対意見が出て玩具に飽きた子供のように「平成の開国」も「農業再生と開国の両立」も語らなくなったのでありました。『マニフェスト』に謳った個別所得補償制度とTPPとの関係もウヤムヤになって内政・外交ともに信頼を失って文字通りの政策漂流が続いております。

■「強い経済」「強い財政」「強い社会保障」の3点セットもいつの間にやら何処に仕舞い込んでしまったらしく、「最小不幸社会」の実現と一緒に消えてしまったようです。首相に就任する前には「自由主義と社会民主主義を統合・融合した第三の道」とかいう遠大な構想らしきものも話していたようですが、2回も改造した内閣から「第三の道」への入り口は見付からなかったようです。脱厳罰解散もせず、思いつき解散もしないまま、不毛な菅降ろし騒動の中で民主党から「第三の総理」が誕生することだけは確かなようですが、嗚呼、またかいなあ?と被災民の皆さんだけでなく多くの国民は酷暑・節電の中で嘆息しているに違いありません。

■どうやら震災復興を進める上で野党の協力が得られないから、というのが菅降ろしの最大の理由だったようですが、そもそも国会がネジレてしまったのは政権交代後に菅アルイミ首相が挑んだ参院選挙で議席を激減させてしまったからで、その責任逃れをするために閣僚ポスト等を餌に共犯者を大量に増やして責任の水増し工作で党内を抑え込もうなどと強引な手法を取ったばかりに、何の実績も残せないまま2回も内閣改造を行なう自転車操業状態に陥ってしまったのでした。よほど政権与党の住み心地が良いと見え、ポスト欲しさに政権批判を控えていた議員たちも、さすがに支持率が低下して危険水域に入ったと見るや次の選挙が心配になって後継候補も決めないまま、一斉に菅降ろしに走り出したのですから政治空白はますます進んで無色透明、無政府・無内閣状態になってしまったのかも?

■国会をネジレさせた参院選に幹事長として挑んで大敗した責任を問わずに官房長官に抜擢してくれた菅アルイミ首相への恩義も忘れ果てた枝野幸男官房長官は、6月8日の記者会見で、菅政権の1年間の成果について、「この1年で飛躍的に大きな成果を挙げたというようなことになっていない部分が多いのは間違いないと思っている」と相も変わらず持って回った弁護士口調で、1年間の菅アルイミ内閣に「成果なし」と素直に認めてしまっているくらいですから、誰にも惜しまれず、慰労もされずに追い出されてしまうのも当然でありましょう。菅アルイミ首相が総理の椅子にしがみ付いて醜態を晒して政治を停滞させ続けていれば、民主党自体の支持率が奈落の底に転げ落ちて行きますから、苦笑しながら我慢していられない人が出て来るのは当然であります。


民主党の鳩山由紀夫前首相が海江田万里経済産業相に対し、3日の原子力損害賠償支援機構法案の成立後、直ちに辞任するよう促したことが分かった。……鳩山氏は1日、海江田氏に電話で「原子力損害賠償支援機構法案が成立したら辞めるべきだ」と強く辞任を促したという。
2011年8月3日(水) 毎日新聞 

■やはり止めを刺すには旧トロイカの残り2人鳩山・小沢が手を組んで鳩山サセテイタダク前首相は内閣崩壊を仕掛け、クラッシャー小沢の方は不信任案の再提出を匂わせての燻り出しという内と外からの挟み撃ち作戦が浮上して、菅アルイミ首相も荷物をまとめ始めたように見えましたぞ。


「菅直人首相を辞めさせないと代表選はないんだぞ。『ポスト菅』の連中がどれだけ真剣に『菅降ろし』をやるのか。俺はそれをジッと見ているんだ」民主党の小沢一郎元代表は1日に続いて2日も東京・赤坂のきのこ料理店に中核グループ「一新会」の面々を招集した。刺し身をつまみながら小沢氏はこうも漏らした。「俺たちに菅降ろしをやらせておいて果実だけ取るのは駄目だ!」「ポスト菅」候補は知名度アップに躍起だが、100人を超える小沢系の支持がなければ代表選を制することは難しい。これに目をつけた小沢氏は「ポスト菅」レースを「菅降ろし」レースに変えてしまおうと考えたようだ。小沢氏は6月2日の内閣不信任決議案採決が失敗に終わったことを今も悔いている。「次は失敗は許されない」。そう考えるといつもは3合と決めている日本酒は4合、5合とかさを増した。「お盆までに首相が辞めなかったら動かないといけないな…」…… 

■腹立ち紛れに酒量を増やすのは身体に宜しくありません。いざ!という時に脳梗塞など起こさないように用心した方がよいでしょう。それにしても「お盆まで」とはクラッシャー小沢も随分と慎重ですなあ。今更後悔しても仕方がないのですが、土壇場で不信任案に賛成しなかった真の理由が未だに不明なのは不気味であります。「次は失敗しない」というからには一撃必殺のトドメを刺す秘策が練られているということなのでしょう。新聞やテレビはポスト菅レースの下馬評をネタに大はしゃぎを始めているようなのですが、それもクラッシャー小沢の活躍如何に関わっているというのは何処か皮肉な物を感じるのですが……。

やっと辞めます菅総理 其の弐

2011-08-14 16:21:54 | 政治
■1月14日、年明け早々に2度目の内閣改造。前回改造から118日後の改造で歴代最短記録!変な新記録をたくさん作った菅アルイミ内閣でありますが、何と言っても改造の目玉は後に「ただちに健康に影響を及ぼさない」と連日言い続けることになる枝野官房長官が惨敗した参院選時に幹事長だった責任も取らずに史上最年少(46歳)で就任したこと、そして、経済財政担当大臣に不倶戴天の政敵だった与謝野が就任した玉突き事故で海江田万里さんが経済産業大臣に押し出されてしまったことであります。まさか、あんなに苛められることになろうとは!?そうそう、仙谷ノーコメント前官房長官が「柳腰外交」で不信任決議を受けて辞任した兼務の法務大臣に江田ベンキョウチュウ五月前参議院議長が就任しました。参議院議長経験者の入閣は史上初!よほど厳しい人材払底状態だったのでしょうなあ。閣僚11人が留任したのは歴代最多記録!

■珍妙な新記録を作った第二次改造内閣に、またしてもセンスの悪い名前を付けて恥を掻くかと思いきや、菅アルイミ首相は黙して語らず枝野官房長官が老壮青のバランスが取れた「実務強力推進内閣」と命名。勿論、絵に描いたような名前負け内閣でしかなったのですが……。この不要不急の第二次改造で馬淵澄夫国土交通大臣の訪米予定が取り消され、片山善博総務大臣は出張先のマレーシア出張から緊急帰国するわ、自見庄三郎金融担当大臣は英国に行ってイングランド銀行総裁と会談する直前に緊急帰国するわ、前原誠司外務大臣は韓国に行って李明博大統領と会談するはずが延期。いかに外交を軽視しているかがよく分かるドタバタ劇でありました。

2月9日にやっと党首討論が開催されて菅アルイミ首相は「社会保障と税の一体改革」に協力しろ!と居丈高に迫ったものの、自民党の谷垣総裁からは「政権公約の見直しをしてからだ。マニフェスト違反の片棒を担げ、八百長相撲を一緒に取ってくれみたいな話には乗れない」と時宜を弁(わきま)えた嫌味を言われ、逆に解散総選挙をやれ!と攻められ、公明党の山口代表からも厳しい批判を受けて菅アルイミ内閣はネジレ国会の呪縛から逃げられない窮地に追い込まれてしまいました。

3月4日の参議院予算委員会で前原誠司外務大臣が韓国籍の女性から献金を受けていたことがバレて同月7日に辞任。そして、その2日後の3月9日に菅アルイミ首相の資金管理団体が2006年と2009年にパチンコ店を経営する金融機関の元理事の在日韓国人から計104万円の献金を受け取っていたことが、皮肉にも裏の盟友関係にある朝日新聞の取材でバレてしまいます。前原外相の辞任という前例もあるので、自民党・公明党・みんなの党は菅アルイミ首相に辞職を求めようと一致団結!いよいよ菅アルイミ首相も年貢の納め時かと思われたのに、天の配剤か悪魔の冗談か?シドロモドロの国会答弁に終始していた3月11日の午後に東北地方太平洋沖地震が発生!この未曾有の天災を心底喜んだのは日本広しと言えども菅アルイミ首相ただ一人だったかも?続いて起こった原発事故が深刻化していた3月14日に違法献金計104万円をこっそり返却していた菅アルイミ首相でありました。

■菅アルイミ首相は「緊急災害対策本部」に就任して物を投げたり怒鳴り散らしたりしながら、「原子力災害統合対策本部」「福島原発事故対策統合連絡本部」「震災ボランティア連携室」「電力需給緊急対策本部」など、自分でも全体を掌握し切れない複雑怪奇な組織濫立状態を作り出し、中でも「被災者生活支援特別対策本部」の本部長になった松本龍防災相は精神を病んで自滅してしまったのでした。

3月29日には内閣官房参与が6人追加されて最大15人に膨れ上がって他の本部群と共に「船頭多くして船山に登る」と揶揄されて、1箇月後の4月29日にはガチガチの原発推進派だった小佐古敏荘(こさこ としそう)内閣官房参与が涙の辞任会見を開いて世間を驚かせたものでした。

4月12日、震災対応で自然休会状態となっていた国会審議が再開したものの、最初に民主党が仕掛けたのが国民新党のご機嫌を取るための「衆院本会議で郵政改革を審議するための特別委員会の設置」法案だったので、自民党は「震災対応と郵政民営化に何の関係もない!」と当たり前に激怒して国会はずっとくるくると空転し続けることになりました。

■菅アルイミ首相は本当の発電能力を知らないまま、「節電啓発等担当大臣」という奇怪なポストを作って仕分けパフォーマンス人気の再現を願い蓮舫行政刷新担当大臣を任命したのでしたが、原発推進政策を死守するための脅迫としか思えない計画停電騒動が起き、合理性に掛ける心情的な節電運動により熱中症患者が続出したのですが、担当大臣は何の説明責任も果たさないまま何処かに去ってしまいましたなあ。被災地のボラッティア活動を支援するとて首相補佐官に任命された辻元清美衆議院議員は、本来の仕事をせずに脱原発を菅アルイミ首相に熱心に吹き込んでいたの噂が流れておりましたなあ。震災・原発事故対応の話を掘り返していると気分が滅入ってくるばかりなので、その後の菅アルイミ内閣の右往左往ぶりは別の機会に思い出そうかと思います。

やっと辞めます菅総理 其の壱

2011-08-14 16:21:17 | 政治
■あれこれと一般大衆受けを狙った政策を食い散らかした揚句、すべての後始末を後継内閣に丸投げすることになりそうなのに、妙にさばさばした表情になった菅アルイミ首相は、何とかの一つ覚えで「(無力の)全力」「(無意味な)責任」を最後の最後まで連発して与野党すべてに包囲されていよいよ首相官邸から引越しすることになった由。2010年(平成22年)6月4日に第94代内閣総理大臣に指名され6月8日に就任してから1年2箇月余、この人は何をしたのでしょう?ただ総理大臣の椅子に座っていただけのような空疎な印象しか残せない、実に奇妙な時間だったような気がしますなあ。

■クラッシャー小沢と争った代表選挙の時には「クリーンでオープンな党運営」や雇用政策の重視を訴えていた菅アルイミ首相でしたが、副総理兼国家戦略担当大臣だった時期に河本某という在日韓国人から104万円の違法献金を受け取っていたり、石岡亨・松木薫を欧州から北朝鮮に拉致した結婚目的誘拐容疑で国際手配を受けている森順子容疑者の長男森大志が所属する政治団体「市民の党」(東京、酒井剛代表)から派生した政治団体「政権交代をめざす市民の会」に計6250万円の政治献金を行っていたことがバレてしまったからには、「クリーンな党運営」など最初から無理だったことが分かります。「オープンな党運営」は親小沢議員を苛め抜くことだったのもバレてしまいましたなあ。

■さてさて、2010年の6月から菅アルイミ首相の「業績」を少し振り返ってみましょう。
6月11日に亀井静香国民新党代表が郵政改革法案の通常国会提出見送りに激怒して金融担当大臣・郵政改革担当大臣を辞任したのも懐かしい話で、亀井代表が最後まで菅アルイミ首相を支持する立場だったのは皮肉でもありましたが、首相を辞する直前に郵政見直し法案を国会に提出して見せたのは形ばかりの恩返しだったのかも?

■7月11日の第22回参議院議員通常選挙で菅アルイミ首相が唐突に「消費税引き上げ!」と喚き始めて与党が過半数を割り、誰も惨敗の責任を取らないままネジレた国会が民主党を悩ませ、被災地の皆さんを苦しませ、国民全体から希望を奪った行きました。
8月10日には韓国併合100年目だというので韓国への謝罪を盛り込んだ談話を閣議決定。翌8月11日には15年ぶりとなる1ドル84円台に突入して、1年後の菅アルイミ首相の退陣確実となってみたら76円台!結局、円高に対して無力な内閣だったわけであります。財務大臣経験者が首相になっていたのに残念なことでありました。まあ、「乗数効果」も「消費性向」も知らない無能な素人大臣だったことはバレていたのですが……。

■9月7日、尖閣諸島近海で海上保安庁の巡視艇と中国の漁船が衝突!酒乱船長がが故意に巡視艇にぶつかったと判断して船長を逮捕して船も拿捕したものの、9月24日に船長を丁重に釈放してチャーター機で帰ってしまいましたなあ。今年の年7月21日に那覇検察審査会が公務執行妨害罪、外国人漁業規制法違反、建造物損壊罪で起訴議決をしたものの、同じ審査会がクラッシャー小沢に強制起訴を決めた時とはまったく違う他人事みたいな反応を見せた菅アルイミ首相でありました。

■9月17日、惨敗した参院選の反省もなく内閣改造が行なわれまして、参院選で落選していた千葉景子法相は68日という留任居座り新記録を作ってやっと辞任。留任中の7月28日には「死刑廃止を推進する議員連盟」に所属しているのに突如として死刑執行命令を出して見せたのは「適任者だから」と留任を正当化してくれた菅アルイミ首相への恩返しに内閣支持率を少しでも上げたいと思ったからか?何でも改造内閣は「412人内閣」「有言実行内閣」だそうでしたが、前の内閣は「奇兵隊内閣」とか何とか言っていた記憶があります。

■9月24日、国連総会の一般討論演説で総額85億ドルの途上国支援策と温室効果ガスの25%削減目標を表明。勿論、再生可能エネルギーの話ではなく原発新設、輸出もどんどん、という話でありました。同日、国内ではこんにゃくゼリーの「形と硬さ」の基準を決めるプロジェクトチーム「こんにゃく入りゼリー等の物性・形状等改善に関する研究会」が発足。市民運動家出身の首相には、こういう仕事の方が向いていたのでしょうなあ。

■10月4日にブリュッセルで開催されたASEM首脳会議の場で、拝み倒して温家宝首相と約25分間の「懇談」をしたとて大喜び。

■10月15日、代表選で公約した「国家公務員の総人件費2割削減」をあっさりと撤回!
11月16日には韓国政府に対して旧朝鮮総督府経由で日本に渡った朝鮮王室儀軌など計1205冊の図書の「引き渡し」について国会承認を求める閣議決定。同月19日には永住外国人への地方参政権(選挙権)付与について「憲法上の国民主権の原理と必ずしも矛盾するものではない」とする答弁書を閣議決定!この種の問題には異様に熱心な菅アルイミ内閣でありました。
12月25日のクリスマス、菅アルイミ首相は「たちあがれ日本」に連立政権への参加を打診したもののプレゼントは拒否回答でしたが、年明けの内閣改造では与謝野馨が抜け駆けして入閣。

■11月13日の夕方、横浜で開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)でロシアのメドベージェフ大統領との会談開始を15分遅らせて北方領土訪問強行の引き金を引いて?までして頼み込んでチャイナの胡錦濤国家主席とわずか22分間の日中首脳会談を実現!全世界に俯いてメモをぼそぼそ読む菅アルイミ首相を睥睨する胡錦濤国家主席の堂々たる姿を大宣伝してあげました。

不思議に暇な菅総理 其の伍

2011-08-03 16:14:35 | 政治
■総理大臣は孤独で情生の報がなかなか得られないものだとも聞きますが、それを逆手に取って知らぬ存ぜぬを決め込み、自分の都合のよい時だけの記者会見を開いては政策を食い荒らして延命工作に熱中しているのが今の菅アルイミ首相なのかも知れません。それでも実質的な政治空白がいつまでも続けられるはずはなく、あちこちから限界の軋み音が上がりだしているようでもあります。

「わが家なんか、私よりも伸子の方が能力が高いんです。そんな女性はどこにでもおられる」菅直人首相は2日、男女共同参画に関する要望のため官邸を訪れた堂本暁子前千葉県知事らへのあいさつで、女性の能力を評価するのに伸子夫人を持ち上げてみせた。菅夫婦の力関係を暴露するような発言に、堂本氏らもつい吹き出した。首相はまた「節電も家庭では女の人がより参加しているのではないか。社会を下から支え合う社会のためにも皆さんの男女参画は極めて大きい」とも述べ、女性の社会進出の重要性を盛んに強調した。
2011年8月2日 産経ニュース 

■女性運動に熱心に取り組んで誰もが認める業績を残して政界を引退していた市川房江さんを担ぎ出し、選挙運動を手伝う振りをして支援者名簿を強奪して自分の選挙基盤を作り上げたと言われる菅アルイミ首相は、今でも「女性の社会進出」の話題になると饒舌になるようであります。しかし、それすらも権力を手に入れるための方便だった可能性がありそうです。所詮は女性票を掠め取るためのウソだったのかも?


保育所入所待ちが50人以上いた、全国101市区町村の合計保育所待機児童数が今年4月までの1年間で減少したのは、多くの自治体で保育所定員の大幅増に取り組んだ成果だ。しかし、削減効果が保育所定員増加幅の5分の1程度にとどまる自治体も少なくない。思うように待機児童が減らない背景には、三つの「壁」が浮かび上がる。政府は先月27日に関係閣僚で合意した新たな子育て支援制度「子ども・子育て新システム」によってさらに解消を図る意向だが、その実現性は大きく揺らいでいる。……定員が増えると預けるのを諦めていた人の保育ニーズを掘り起こし、申し込みが急増するためとみられる。……名古屋市は10年度から潜在需要を考慮し定員を576人増やしたが、待機児童数は倍増以上の1275人に膨らんだ。真の需要を見誤るとかえって待機児童が増える典型例だ。…… 

■政権交代用『マニフェスト』には「縦割り行政になっている子どもに関する施策を一本化し、質の高い保育の環境を整備する」と明記され、具体策として「小中学校の余裕教室・廃校を利用した認可保育所を分園を増設する」とか「保育ママの増員」などが掲げられているのですが、鳩山サセテイタダク前首相の代では何も実現せず、菅アルイミ内閣になってからは「幼保一体化」なる乱暴な政策が突如として出て来たことがありましたなあ。


……定員を600人以上増やし、待機児童173人をゼロにした秋田市は、例年2億~3億円だった保育施設整備費を10年度は7億8000万円に増やした。一方、予算が確保できず、定員増を見送った大阪府茨木市は待機児童が165人に倍増した。…… 

■秋田県は全国学力テストで好成績を残していますから、教育には熱心に取り組んでいるようですが、他の地方自治体と同様に財政は決して楽ではないはずです。国と地方自治体との政治的住み分けを「地方主権」の一言で具体的なビジョンもないまま混乱さただけの民主党政権の責任は重大と申せましょう。


……「0~2歳の壁」の問題もある。……3歳以上は空きが出ている。幼稚園など他の選択肢もあり、0~2歳児に比べ需要が少ないからだ。それでもいったん2歳児を受け入れると翌年には3歳児クラスに持ち上がることを想定せねばならず、年齢ごとの定員はバランスをとらざるを得ない。10年4月の全国の待機児童(2万6275人)のうち、82%が0~2歳児だ。…… 

■こうした実態を菅アルイミ首相は把握しているのか?「政治主導」を謝罪も反省も説明もしないまま方向転換して財務官僚の軍門に下ったのは衆知の事実ですが、元々、言葉自体が間違っていると言われていた「地方主権」の面倒臭さに嫌気がさしたのか、震災復興の大事業でさえも地方に丸投げして知らん顔しているくらいですから、待機児童問題などもう頭の隅にも残っていないかも知れませんぞ。


……保育所が自宅や職場から近いに越したことはない。しかし、そこまで目配りした上での定員増は難しい。定員を220人増やしながら待機児童が4倍に膨れた那覇市では、「本人の希望通りの地域に空きがないことも影響している」と話す。……待機児童解消策の切り札として政府は「子ども・子育て新システム」を13年度にもスタートさせる意向で、保育サービスを受ける子ども(09年度215万人)を14年度は241万人に増やす目標も立てている。しかし、目玉の幼稚園と保育所を一体化する「総合施設」は待機児童の8割を占める0~2歳児の預かりを義務づけておらず、「0~2歳の壁」を崩すインパクトに欠ける。また、見通しの立たない税と社会保障の一体改革による消費税増税が大前提で、実現性そのものが危ぶまれている。…… 

■厚労省と文科省とを「政治主導」で結び付けられると簡単に考えてしまった民主党の罪は重く、待機児童の潜在需要を無責任に掘り起こしてしまった揚句に予算も付けられずに見棄ててしまうことになりそうです。鳩山サセテイタダク前首相は「命を守りたいのです!」と叫んで最初の所信表明演説をしたのですが、震災・原発事故以後の菅アルイミ首相の言動からは似たような物はまったく感じられません。


政府は当初、幼稚園と保育所をすべて一体化し待機児童を解消する考えだった。ところが幼稚園団体などの反発で断念し、一転、幼稚園の存続を認めた。「総合施設」も3歳以上しか受け入れない幼稚園からの移行に配慮し、0~2歳児の預かりを義務づけなかった。その「穴埋め」策として、政府は保育士が少人数の子を預かる「保育ママ」事業の拡充を目指す。だが、09年度に手がけたのは77市区町で利用者は約2600人。保育所定員の0・12%に過ぎない。……新制度の本格実施までは自治体独自の取り組みが続く。だが、財源難の折、保育所増設を支えてきた「安心こども基金」も存続の保証はない。東大阪市の担当者は「国は早く道筋を示してほしい」と不満を漏らす。
2011年8月3日(水) 毎日新聞 

■こうした実態を見て見ぬ振りをして国会では「子ども手当て」をどうするこうすると馬鹿馬鹿しい喧嘩をしているのであります。もう誰も民主党の『マニフェスト』に書かれていた絵空事の実現など考えていはいないのに、民主党は意地になって国会を空転させるばかりで、それを我が意を得たりと自分の延命工作に組み込んでニンマリしている菅アルイミ首相夫妻は、食い歩いている暇があったら夜も子どもを預けて必死で働いて頑張っている母親達の実情をつぶさに見て歩いたら如何でしょう?

不思議に暇な菅総理 其の四

2011-08-03 13:24:41 | 政治
■「原発に凄く詳しい」菅アルイミ首相は外交、特に日米関係に関してはまったく何も御存じないらしいので次のニュースを聞いても、「へえ」と他人事みたいに無視してしまったのでしょうなあ。これは菅アルイミ首相が長野県で愚にもつかない話をした翌日の7月31日に報道されたものです。

日米両政府は、昨年の日米安保条約改定50周年を機に策定することで合意していた新たな「日米共同宣言」のとりまとめを断念する方向となった。……日本の政局混迷によって9月上旬の菅首相訪米が中止となることが濃厚なうえ、米側が重視する環太平洋経済連携協定(TPP)への参加について日本側が検討を先送りし、経済分野での連携強化を打ち出しにくくなったことなどが理由だ。新宣言は、日米同盟のさらなる強化の象徴となるはずだったが、日本側の政治の機能不全によって、ついに白紙に戻る事態となった。…… 

■原発を止めて全国で1万人以上もの節電熱中症患者を出しても見舞いの言葉もなく、生産現場は電力不足に加えて急激な円高に悲鳴を上げているというのに世界規模の経済対策会議の開催を呼び掛けるでもなく、勿論、沖縄の基地問題を解決する気などさらさらない菅アルイミ首相は現地に一度も足を運びませんし、米国には行きたくても行けない孤独な役立たず総理の生活が続いております。


新たな共同宣言の策定は、昨年11月、横浜でアジア太平洋経済協力会議(APEC)が開かれた際に菅首相とオバマ大統領が会談して合意した。〈1〉安全保障〈2〉経済〈3〉文化・人的交流――の3分野について、同盟の次の50年の基本方針を示す文書を作るとし、両政府当局者は、9月上旬の菅首相の訪米時に両首脳が発表する段取りを描いていた。
2011年8月1日(月) 読売新聞 

■3分野のどれ一つを取っても菅アルイミ首相が「凄く詳しい」と啖呵を切れるものはなさそうです。こんなに大事な「基本方針」を作れない無能・無力な総理大臣が、まだ居座って何をしようというのでしょう。いつ仮免許を卒業して本免許になったのかは存じませんが、仮免総理が任命した死刑制度を「勉強中」と平然と言ってのける随分と老けた学生みたいな法務大臣を任命した責任を問う声さえ出て来ない国会という場所も変なのですが……。「基本合意」が作れなければ(1)安全保障では東シナ海の緊張、(2)経済では為替問題と財政問題、そして貿易制度がまったく停滞して身動き出来なくなってしまうでしょう。これも役人を「オオバカ」呼ばわりして身の程知らずの「政治主導」で無邪気にはしゃいだ無能な総理大臣に対する官僚群が仕掛けたサボタージュだとしたら、エライことであります。


中国国家海洋局は30日までに、福島県沖の海水から中国近海の300倍を超える放射性物質セシウム137を検出したと発表した。ストロンチウム90は10倍を超えたほか、セシウム134も検出。「福島県の東から東南方向の西太平洋は明らかに原発事故の影響を受けている」としている。
 同局は福島第1原発事故の海洋への放射能汚染状況を調査するため、6月16日から7月4日まで海洋観測船を派遣。大気と海水、海洋生物のデータやサンプルを採取した。中国が観測結果を公表するのは初めて。同海域の大気には異常はなかったという。 
2011年7月31日(日) 時事通信 

■こうした隣国の厚い友情は有り難くて涙が出そう……などという事は金輪際ありません。どうしてこんなデータを他国から出して貰わねばならないのでしょう?民主党は「情報開示」を金看板にしていたのに原発事故以来、稚拙で強引な情報の隠蔽と操作ばかり繰り返しております。親切ごかして世界中に風評を広げて日本の漁業を壊滅させてしまおうと誰かさんが画策しているのかも知れませんぞ!


31日午前7時25分ごろ、沖縄県・尖閣諸島の魚釣島から北北西約61キロで、中国の海洋調査船「北斗」が航行しているのを海上保安庁の航空機が確認した。海保は日本の排他的経済水域(EEZ)で同意のない海洋調査は認められないと警告。調査船は応答しないまま、午後4時30分ごろにEEZを出た。尖閣諸島周辺では、中国の漁業監視船が30日に魚釣島沖の日本の接続水域を一時航行したが、海洋調査船が確認されたのは今年初めて。
第11管区海上保安本部(那覇市)によると、北斗は船尾からワイヤのようなもの4本を引きながら航行。11管は同船が海洋資源を調査したとみている。中国の海洋調査船が尖閣諸島沖で確認されたのは昨年3月で、1隻が久場島の北北西沖の日本のEEZを航行していた。
2011年7月31日(日) 時事通信 

■「魚釣島から北北西約61キロ」で放射性物質の調査をしていた筈もなく、菅アルイミ内閣の「柳腰外交」に付けこんで我が物顔で領海を侵して柳腰の限界まで捻じ曲げてみようと試しているとも思えますが、またしても菅アルイミ内閣は最前線の海上保安庁に責任を丸投げして知らん振り!ますます長野県に出掛けてヨタ話をして貴重な1日を潰してしまった31日が惜しまれますなあ。


今月26日に行われた日中防衛次官級協議で、中国人民解放軍の馬暁天副総参謀長が、南西諸島への陸上自衛隊配備計画や、海上自衛隊による東シナ海での警戒・監視活動の強化方針を問題視し、「日本は危険な方向に向かっている」と批判していたことが分かった。これに対し、中江公人防衛次官は、「陸自の配備は日本防衛の空白地域をなくす意味がある。特定の国を想定していない」と説明した。また、「専守防衛という日本の防衛政策の基本方針に変わりはない」と反論した。複数の政府関係者が30日、明らかにした。…… 

■終日訪ねて来る者もなく一人寂しく公邸に佇んでいた菅アルイミ首相にも、この情報は届いているに違いありません。「柳腰外交」を訂正するわけにも行きませんから、防衛関係の専門家を呼ぶ気もなかったのでしょうか?


会談は、防衛省で約4時間行われた。この中で、馬氏は、陸自配備は中国をけん制するものだとの認識を示した。日本が新たな「防衛計画の大綱」(防衛大綱)や、先月の日米共同声明で、東シナ海や南シナ海で海洋活動を活発化させている中国を念頭に、「脅威」や「懸念」を表明している点についても、「我々には何ら懸念されるようなことはない。南シナ海問題は(中国と周辺国との)2国間の話であり、米国は関係ない」と主張した。
中江氏は、馬氏に対し、中国の軍事活動の透明性向上に向けた一層の取り組みを求めた。
2011年7月31日(日) 読売新聞 

■「懸念」するかしないかは日本が決めることで、自ら「心配するな!」と決め付けるのはチャイナの流儀なのでしょう。それでも「アメリカを呼び寄せないでね」と弱音とも本音とも取れる主張ではあります。こんな事を言われるのも新しい日米関係の「基本方針」が作れないほど日本外交が衰弱しているからなのでしょうなあ。菅アルイミ内閣が誕生してから、日本の海や島は日に日に危うくなっております。それだけでも政権返上する十分な理由になると思うのですが……。民主党が開けた外交の大きな穴の数々を、仮に政権再交代があったのしても新政権が埋め戻すのは大変な作業になりそうです。嗚呼

不思議に暇な菅総理 其の参

2011-08-03 13:12:13 | 政治
■さて、そんな激動の1週間が過ぎまして、福島原発も収束は遠く地震と津波の被災地では苦しい生活が続いているというのに、7月30日の「首相動静」を覗いてみたら仰天してしまいましたぞ!

首相動静(7月30日)

午前8時現在、公邸。朝の来客なし。
午前中は来客なく、公邸で過ごす。
午後も来客なく、公邸で過ごす。
31日午前0時現在、公邸。来客なし。
時事通信 7月31日(日)0時3分配信 

■土曜日だからのんびり休日を過ごしたというだけの話で済むのか?打ち合わせや相談事をする相手も現われなかったのは、何か重大な事柄をじっくり一人沈思黙考するために面会謝絶にしていたのか、単に「原発解散」「暴発解散」の脅しが効き過ぎて数少ない側近たちも地元に帰って選挙の幻に怯えて必死の形相で再選のお願いをして歩いていたのか?それとも都内に残って仕事をしていた閣僚や議員は誰も菅アルイミ首相と相談する用件がまったく無かったのか?米国の国債が暴落するかも知れぬと急激な円高が進んでいたのに財務大臣とも会わず、チャイナでパクリ新幹線が大事故を起こしたのに国交省やJRの専門家とも会わず、勿論、放射性セシウム汚染の広がりが牛肉から米へと進み国民が不安の中で大騒ぎしているのですから農林省にも重要な用事が有る筈なのに、菅アルイミ首相は誰にも会わず何処にも出掛けない土曜日を過ごしていたのでした。

■またこの日には米国で、使用済み核燃料の処分のあり方を検討していた有識者委員会から受け入れ能力の高い「中間貯蔵施設」や「最終処分場」の建設をオバマ大統領に提言する中間報告というとても大事な発表があったのです。5月9日付けの毎日新聞が「核処分場:モンゴルに建設計画 日米、昨秋から交渉 原発ビジネス拡大狙い」というスクープ記事を掲載して、その後も7月に他紙が後追い記事を書いていたと思いますが、推進派は勿論のこと脱原発であろうと減原発であろうと、高レベル廃棄物の最終処分は必ず解決しなければならない大問題ですから、財務省の思惑に乗せられて東電と銀行と株主を増税で救済する支離滅裂な仕組みなど作っている暇があったら、「一定のメド」に最終処分を検討する専門組織作りでも入れたら如何なものでしょう?そんな事を考えていたら、翌日曜日は打って変わって菅アルイミ首相は忙しく動き出したのであります。


首相動静(7月31日)

午前10時現在、公邸。朝の来客なし。
午前11時26分、公邸発。
午後1時45分、長野県茅野市の諏訪東京理科大学着。同46分、理事室へ。
午後1時47分、福山哲郎官房副長官が入った。同49分、田坂広志内閣官房参与が加わった。同57分、全員出た。
午後2時22分、同室を出て、同24分、621教室へ。「みんなのエネルギー・環境会議」に出席し、あいさつ。
午後3時37分、同室を出て、同38分、理事室へ。同43分、同室を出て、同45分から同47分まで報道各社のインタビュー。「きょうのシンポジウムの感想を」に「非常に前向きで建設的な議論がなされていた」。同48分、同所発。
午後7時27分、公邸着。
午後7時30分から同9時50分まで、江田五月法相、民主党の津村啓介、藤田一枝両衆院議員ら。
1日午前0時現在、公邸。来客なし。
2011年8月1日(月) 時事通信 

■菅アルイミ首相は6月15日の夜、国会内で行われた「再生可能エネルギー促進法の早期制定を求める集会」に呼ばれもしないのに飛び入りして、かの有名な「国会には『カンの顔だけは見たくない』という人が結構いる。そういう人たちには『本当に見たくないのなら、早くこの法案を通した方がいい』と言おうと思いまーす」という暴言をジョークか猥談でも楽しむかのようなニヤニヤ顔で叫んだのでありました。それから1箇月半、今度は長野県茅野市に出掛けて何を言うのやら、と心配していましたら、嗚呼、やっぱり「薬害エイズ」の思い出話を持ち出して原発政策を論評したのでした。これが反原発運動をしている市民運動家や評論家などの口から出たのならば傾聴にも値しましょうが、総理大臣がこんな他人事みたいな話をしている場合なのでしょうか?菅アルイミ首相はそのままトンボ返りで東京の公邸に戻り、震災と原発事故に続いて豪雨に襲われて「避難は6箇所目」と肩を落としている被災者がいる福島県西部には足を向けなかったのでした。一体、何がそんなに忙しいのやら……。


菅直人首相は31日、長野県茅野市で開かれた原発や再生エネルギーに関する会議で、今後のエネルギー政策に関し「大きな方向性としては原子力に対する依存度を低減させる」と重ねて表明した。同時に短期、中期、長期の3段階でエネルギー政策を見直す政府方針に触れ「工程表をきちんとつくる」と強調した。経済産業省原子力安全・保安院のやらせ問題に関し「私が厚生相の時の薬害エイズの構造とそっくりで、根本的な問題だ」と指摘。「国民の安全を担当する厚生省が天下りをして、逆にメーカーの利益を尊重する薬務行政になっていた。安全性を国民の立場でチェックしなければならない保安院が、推進する側のお手伝いをしている」と批判した。
2011年7月31日 産経ニュース 

■原発事故が起こってから、日本の原発行政の闇が次々と暴かれまして、国民は少々食傷気味になっているくらいに膨大な情報が噴出しております。その中で「薬害エイズの構造とそっくり」な官・産・学・マスコミの共犯関係は3月末には日本中の人々が知っておりましたぞ。そんな話を被災地にも行かずに長野くんだりまで出掛けて披露して公邸を半日も留守にしてしまう総理大臣とは何なのでしょうなあ。もしも本気で「3段階でエネルギー政策」を策定するのなら任期はぐっと延びて来年夏まででも足りなくなりそうですが……。

不思議に暇な菅総理 其の弐

2011-08-02 16:10:50 | 政治
■さてさて、菅アルイミ首相夫妻が梯子酒ならぬ梯子メシを怪しいイタリア人と楽しんだ夜から1個月後の7月27日のお話であります。

衆議院厚生労働委員会は、東京電力福島第一原発の事故を受けて、放射線の健康への影響について専門家から参考人質疑を行い……参考人質疑には、放射線や食品安全、それに原子力などの専門家ら6人が出席しました。……東京大学先端科学技術研究センター教授の児玉龍彦氏は「放射線による障害を考えるときは放射線の総量を見るが、政府や東京電力からは今回の福島第一原発から出た放射線の総量がどれくらいであるかはっきりした報告がない。放射線は幼い子どもにとって非常に危険で、政府は子どもを守るために全力を尽くしてほしい」と述べました。
2011年7月27日 NHK 

■これはお上品なNHKの報道ですが、児玉教授の舌鋒は実に鋭く激しい「怒り」を爆発させていたのであります。既に「満身の怒り」の映像はユーチューブで20万回以上も再生されて現在も怒りを共有する人たちが増えている由。大震災以後、天皇陛下のお言葉を拝聴して以来、久々に心に響く真実の言葉を聞いた思いが致します。東京大学にも御用学者でないエライ先生が存在するのでありますなあ。児玉教授は一刻も早く「測定と除染」に全力を傾注せよ!という至極当然の仕事を政治に求めているのですが、菅アルイミ内閣には人間の耳と心を持っている人が居ない模様です。

■そして、児玉教授が「満身の怒り」で「政府は、一体、何をしているのですかあ!」と血涙を絞るように叫んだ翌日。政府が何をやっているのかがよく分かる象徴的な小さな出来事がありました。


国民新党の亀井静香代表が28日、郵政改革法案を審議入りさせない民主党に激怒して……「あんた、今日中に付託すると約束しただろ? 午後5時までにやらなかったら補佐官を辞任する」亀井氏は28日朝、菅首相に電話でこう通告した。慌てた菅首相は国民新党の自見庄三郎郵政改革担当相の目の前で、民主党の岡田克也幹事長に電話で審議入りを指示するパフォーマンスも演じたが、自民党の反発を懸念する岡田氏から色よい返事はなかった。
菅首相は同日午後、「5日の付託は責任を持つ。最後のお願いだ」と亀井氏に電話で懇願して事なきを得たが、亀井氏からは「1週間の執行猶予だ。約束を破ったら決定的な対決に入るぞ!」と再び脅される始末だった。
2011年7月29日 ZAKZAK 

■これほど卑屈な態度を取らねばならなくなったのも自分が先頭に立って参議院選挙でボロ負けして国会が捩れてしまったからであります。選挙後には菅アルイミ首相を含めて誰も責任を取らなかったのに、こんな時だけは「責任を持つ」のですなあ。やはり震災復興や原発事故の対応よりも政権維持が大事だということがよく分かります。菅アルイミ首相が美食家だと聞いたことはありませんが、総理大臣になったのだからと奥さんにオネダリされての食道楽にしても、そんな暢気なことをしていられるのも、毎晩、悪夢に魘(うな)されもせずぐっすり安眠できるのも唯一の仕事が政権維持と自分の延命だけだからかも?


民主党の安住淳国対委員長は2日午前、国会内で国民新党の下地幹郎国対委員長と会談し、自民党の反発で審議日程が決まっていない郵政改革法案について、衆院郵政改革特別委員会で審議入りすることを5日までに決める方針を伝えた。
2011年8月2日(火) 産経新聞 

■この対応の速さは電光石火と申せましょうなあ。こんな事だけは素早い菅アルイミ内閣であります。捩れた参議院で否決される可能性が高いのに、僅かな議席を借りたいばかりに他の重要法案より先に審議を進めざるを得ない民主党政権は、やはり参議院選挙に敗北した段階で実質的に終わっているのでしょうなあ。

■亀井代表から脅迫電話を受けて菅アルイミ首相が顔面蒼白になったのは28日で、その翌日に海江田経産相の号泣事件が起こるのであります。


20分以上問い詰められた末の涙でした。海江田経済産業大臣が耐え切れずに涙を流しました。「忍」の姿勢では今回は耐え切れなかったようです。
海江田経済産業大臣:「こらえてください、お願いします、頼みます」
自民党・赤沢亮正衆院議員:「私は国民のためにこらえられないです。総理がまさに条件を出して、それができるまでは辞めないと言うから、そのことで国民は皆、迷惑を被っているんです。同じ手法を海江田大臣が取られることないでしょ」
海江田経済産業大臣:「何度もお答えしてますが、(出処進退は)自分で決めさせて頂きます」
自民党・赤沢亮正衆院議員:「大臣は今、本当につらいのは理解しますけど、しかしながら、そういう精神状態で閣僚を務められて、この国の将来が本当に安心できるか国民は心配してるんですよ。この国が本当にどうなるんだと、そういう身に自分を置かないようにきちっとやって頂きたい」
再生可能エネルギー法案の審議をする委員会で、自民党議員からいつ大臣を辞めるのか、菅総理と同じじゃないかと20分以上も問い詰められ、海江田大臣は我慢ならなかったようです。しかし、「手のひらに『忍』の文字を書くぐらいなら、辞めてから発言すべき」と自民党の批判のボルテージは収まりそうにありません。
2011年7月29日 テレビ朝日 

■海江田経産相が号泣した理由は「菅総理と同じだ!」の一言だったという説があるようですが、確かに今の日本で「お前は菅総理とそっくりだな!」と言われて大喜びする人は居ないでしょうなあ。まあ、どんな口喧嘩であろうと国会以外でそんな事を言ったら、言った方も恥ずかしくなってしまいましょうが……。

■同じく7月29日に与党・民主党を含む超党派の拉致議連が、中井元大臣による北朝鮮高官との極秘会談や菅総理大臣の資金管理団体による巨額献金問題を追及する調査委員会の設置を決めたそうです。北朝鮮拉致事件の容疑者と深い関連がある怪しい団体に合計6250万円もの税金を横流ししたことが本当なら、正にフザケルナ!という話になりましょうし、小泉劇場を稚拙に模倣して平壌電撃訪問で国民をあっと言わせて支持率アップを狙うなど言語道断の暴挙ですからなあ。残念ながら強制捜査権は無いものの調査委員会には頑張って頂きたいものであります。

不思議に暇な菅総理 其の壱

2011-08-02 16:10:16 | 政治
■米国の国債が暴落するのしないのと世界中は先進国の借金上積み競争に巻き込まれて右往左往しておりますが、専門家が解説に使う「消去法」による円買いというムチャクチャな話を聞く度に、今の菅アルイミ政権の延命とぴったり重なっているような印象を受けます。大震災が発する直前の3月初旬には既に命脈が付き掛けていた菅アルイミ政権でしたが、「国難だあ!」の一言で政局を語る者は国賊扱いされ、テレビを中心に「日本は一つだ」の大運動が起こり南北戦争に際してリンカーンが語った「急流を渡っている時に馬を換えるな」という歴史的な金言?が見事に悪用されて、我慢強い日本人は駄馬を承知で現政権に震災からの復旧復興と原発事故の対応を期待したのでした。

■間も無く震災から5箇月になろうと言うのに、菅アルイミ首相は日本中でただ一人、否、奥さんも加えると二人、妙に元気なのであります。しかも妙に暇そうに見えるのは実に不思議ですなあ。


菅直人首相は31日夜、民主党の江田五月法相、藤田一枝衆院議員ら菅グループのメンバーと首相公邸で懇談した。出席者によると、首相は、赤字国債発行に必要な特例公債法案について「成立しないと誰が首相になっても苦労する。(国会会期末の)8月31日までにできず9月にずれ込んでも、自分の段階でまとめたい」と述べ、今国会で成立しない場合の続投を明言した。…… 

■禍を転じて福と為すは言いますが、未曾有の国難を自分の延命に利用し尽くす所存のようであります。この「誰が首相になっても」に菅アルイミ首相の本音が透けて見えているような気がしてなりませぬ。野党ばかりでなく党内からも「辞めろ」コールが湧き起こっても、差し当たり次期総理として自分の背後に迫って来る者が居ない。それは次期総理に相応しい政治家の名を問うた世論調査の結果を見ても常にドングリの背比べなのですから、権力の妄執が見せる幻想とばかりも申せませんが……。


首相は6月2日の党代議士会で、東日本大震災の復興や福島第1原発事故の収束に「一定のめどが付けば若い人に責任を引き継ぎたい」と退陣を表明。同27日の記者会見で「一定のめど」の判断として、2011年度第2次補正予算、再生エネルギー特別措置法案、特例公債法案の成立の三つを挙げた。しかし、その一方で「私自身は辞めるという言葉を使ったことはない」などと、退陣時期を明確にしないため、自民党などは「3条件を満たしても辞める保証はない」と首相への不信感を募らせ、公債法案成立に応じる条件をつり上げていた。
3条件のうち、2次補正は既に成立。自然エネルギーで起こした電力を電力会社に買い取らせるエネルギー法案については、野党も基本的に評価しており、焦点は公債法案の行方となっている。首相としては残り会期が1カ月となり、同法案が成立しない場合の続投を明言することで、野党をけん制する狙いがあるとみられる。 
2011年8月1日(月) 時事通信 

■苦笑交じりに国民の口に膾炙(かいしゃ)した「一定のメド」よりも「責任を引き継ぐ」という言葉の意味の方が重要かも知れません。これを「辞意」と報道機関が一斉に解釈して発信したのですが、就任以来、一度も為政者の筆頭として「責任」を全うしたことがない矛盾だらけの思いつき・食い逃げ首相から「責任」を引き継げる筈もなく、「若い人」がクラッシャー小沢以外を意味するという穿った読み解き方をする人もいたようですが、「誰か適当な人に」では延命目的のウソが透けて見えてしまうし、「閣僚経験者」などの具体的な条件を付けたら政治記者は下馬評記事作りに熱中し始めて自分の影が一瞬で薄くなると考えた菅アルイミ首相が党内にごろごろしている若手一年生議員の同情を買って不信任案賛成の炎を消し止める切り札にしたのではなかったか?タチの悪い意味不明の辞意表明モドキを投げつけて、愚かな党員・議員にその謎解きをさせて時間を稼ぎ、その間に次の一手を考えれば辞任の時期はどんどん先に延ばせる、何とも恐ろしいバルカン政治家の計算力であります。菅アルイミ首相は大嫌いだけど与党議員の地位は大好き!もたもたしている間に閣僚になれちゃうかも?要するに選挙は怖いし大嫌いだ!という圧倒多数の党内世論が菅アルイミ首相を空中楼閣に安住させてくれているだけのことなのですが……。


菅直人首相が7月31日夜に江田五月法相ら民主党菅グループの議員と首相公邸で懇談した際、海江田万里経済産業相を厳しく批判していたことが1日、出席者の話で分かった。……海江田氏が7月21日の参院予算委員会に、「忍」の字を左手に書いて臨んだことが話題になり、首相は「経産省には腹に据えかねることがたくさんあり、海江田氏にも思うところがある。俺だってこらえている」と強調。「執務室に『忍』の字が飾ってある」と明かした。途中からは首相の伸子夫人も会話に参加。同29日の衆院経産委で、野党に即時辞任を迫られた海江田氏が涙を見せたことがやり玉に挙がり、伸子夫人は「泣くような人に大臣は任せられない」と断じると、首相に向かって「あなたが泣いたら別れるわよ」と冗談を飛ばしたという。
一方、首相は「自民党は解散させようとしてくるが、その思惑には乗らない」と、早期の衆院解散も改めて否定したという。 
2011年 8月1日(月) 時事通信 

■やはり、菅アルイミ首相は「解散しない」から民主党の代表で居られるのですなあ。経産相が国会の場で号泣するほど追い詰められているのを笑っている首相夫婦という図は何とも不気味なものがあります。そんな調子で被災地や避難所で苦労している皆さんの様子をテレビで見て下劣な冗談でも言い張っているのではありますまいな?!「泣くような人に大臣は任せられない」なら、自分の亭主が無能な総理大臣を続けていることをどう思っているのでしょう?大統領夫人でもないのに、日本のマスコミが無責任に「ファースト・レディ」などと持ち上げているから、勘違いも甚だしい首相夫人が続出するのかも知れませんが、今回の「ファースト・レディ」は旦那に負けず劣らず憲政史上最悪のようであります。是非、前代未聞の夫婦列席で記者会見を開いて貰いたいものです。


……東日本大震災直前に発覚した在日韓国人からの違法献金疑惑に続き、首相の資金管理団体が拉致事件容疑者の親族関連団体に多額の政治献金を行っていたことも発覚。さらに、閣内での調整もないまま思いつきで打ち出した「脱原発」宣言にも、あるイタリア人の影がちらつく…。6月29日夜、首相はすし店、焼き肉店とはしごし、3軒目にイタリア料理店へと向かった。そこで首相や伸子夫人とテーブルを囲んだのは、長年「反原発」を唱えてきた弁護士で、ジャーナリストの肩書も持つイタリア人、ピオ・デミリア氏だ。……首相とは20年来の家族ぐるみの付き合いだという。首相はデミリア氏が東日本大震災の被災地を回り書いた著書「放射能という津波」の母国での出版を祝おうと、わざわざ駆けつけたのだ。…… 

■一体、どんな胃袋をしているのかは存じませんが、食い道楽の一夜を過ごしていたこの6月29日という日は、「忍」の海江田万里経済産業相が午前中に定期検査で停止中の九州電力玄海原発2、3号機の再稼働に理解を求めるため佐賀県玄海町を訪問して岸本英雄町長らと会談していたのです。そして首相夫妻が飲み食いを始めた頃にはトラブル続きだった福島第1原発の放射性物質を含む汚染水の浄化システムが再び停止して現場は大騒ぎをしていたのです。普通の神経の持ち主なら「何も喉を通らない」はずなのですが……。


「首相には『日本も脱原発を決めたイタリアと同じく、原発の是非を国民投票でやりなさい』と言った」デミリア氏は首相との会合についてこう証言する。「その場では政治的な会話は何もなかった」とも語るが、首相はこの日以降、「脱原発」へとアクセルを踏み込んだ。デミリア氏はどんな人物か。かつて日本に住む外国人に義務付けられていた指紋の押捺を外国人記者として初めて拒否し、何度も日本への再入国の許可を取り消されたのは有名だ。 さらに、イタリアの極左テロ組織「赤い旅団」との関係も指摘されている。過激派「赤軍派」の元議長、塩見孝也氏によると、「本人から、『赤い旅団』メンバーの弁護をしたという趣旨の話を聞いた」という。これに関し、デミリア氏本人は真っ向から否定する。…… 

■北朝鮮に続いてイタリアの過激派ともコネクションがあるような人物がよくぞ日本の総理大臣にまで昇り詰めたものであります。菅直人という政治家について日本のマスコミは真面目に情報を集めて報道していたのでしょうか?鳩山サセテイタダク前政権の時代に自民党の安倍政権が動かし始めた憲法改正を含めた国民投票制度の設置案がほんの少し前進したものの、菅アルイミ内閣になったらそんな話は無かったことにされてしまった観がありましたが、たとえイタリアの過激派からの入れ知恵であろうと、国民投票制度を作って唯一の政治的業績として辞めるのも一つの手かも知れません。


首相の人脈には北朝鮮につながる「闇」も見え隠れする。首相や民主党側から、拉致事件で国際手配されている森順子容疑者とよど号ハイジャック犯の故田宮高麿元リーダーを両親に持つ長男が所属する政治団体の派生団体に、総額で2億円以上の献金が行われてきたことが判明した。「首相が多額の寄付をした団体の代表者は、マルクス・レーニン主義者であることを隠してはいない。思想的には極左だ。極左と民主党が切っても切れない関係にある」。自民党の礒崎陽輔氏は7月7日の参院予算委員会でこう迫っている。さらに首相には平成元年、北朝鮮の元工作員で拉致実行犯、辛光洙(シングァンス)容疑者の助命・釈放嘆願書に署名した過去もある。在日韓国系金融機関の元男性理事から計104万円の献金を受けていた問題では、東京地検に立件の可否を問われる事態になっている。公安関係者は「首相をはじめ反権力を掲げる市民運動家出身の政治家は極左関係者につけ入られやすい。思想的に偏った人物とばかり会っているのも疑問だ」と警鐘を鳴らす。首相と外国との不透明な関係は今後、さらに追及されそうだ。
2011年8月1日(月) 産経新聞 

■こんなに怪しい人脈なのに、アノ田中角栄元首相の人脈で大騒ぎしたマスコミが当時に比べれば何も追及していないも同然なのは何故でしょう?田中金脈は日本の政治を大きく歪めた金権政治の温床であったかも知れませんが、菅人脈は日本そのものを危うくする怪しい闇が巣食っているような気がしてなりません。もしかすると菅アルイミ首相にとってはレーニンもマルクスも金日成も、そして「革命」も学生運動も労働運動も女性解放運動も、すべては自分が総理大臣になるために利用した踏み台でしかなかったのかも知れないのですが……。

標的としての菅アルイミ首相 其の壱拾壱

2011-08-01 06:29:01 | 政治
■とうとう外交まで玩具にし始めたとなると菅降ろしは急がねばならない国家的な事業になりそうです。玩具にすると言いますと、「社会保障と税制の一体改革」などという大き過ぎる課題を掲げてしまって身動きが取れない菅アルイミ内閣は、陰でこそこそと税金を玩具にしている節があります。

政府は26日、集団予防接種を巡るB型肝炎訴訟の和解金支払いについて、今後5年間で約600億~8000億円を臨時増税して財源に充てる方向で検討に入った。早ければ週内決定を目指す。増税項目は8月以降の政府税制調査会で詰めるが、所得税が有力視されているほか、たばこ税を組み合わせて充てる案も浮上している。……B型肝炎に感染しながら発症せず、提訴していない人への給付金など約3000億円の支払いは当面は増税対象から除外。さらに厚生労働省が所管する予算の見直しで1000億~2000億円程度を捻出し、増税幅を圧縮する方針だ。
2011年7月27日(水) 毎日新聞 

■菅アルイミ首相にとっては忘れなれない古巣の厚労省が抱え込んだ補償問題ですから、増税してでも給付したい気持は分かります。しかし、苦しい時のタバコ税増税は勘弁して欲しいものであります。タバコ撲滅に情熱を燃やす小宮山洋子議員などは「1箱1000円まで増税の余地がたっぷりあるわ」とか何とかコロコロ声で言いそうですが、何に使われるか分からない税金がタバコにばかりぎっしりと詰め込まれるのは不平等だと思いますなあ。かと言って復興税の標的にされている所得税に更に臨時増税分を上乗せしたら大変なことになりそうです。そもそも、小宮山議員は2003年4月の石井紘基議員の死去に伴う衆議院議員補欠選挙に参議院から鞍替えして立候補した時、「石井の遺志を受け継ぐ」と誓って東京6区で当選したはずなのに石井紘基氏が残した貴重な資料類の整理さえしていないのではないでしょうか?と八つ当たりもしたくなります。外国人参政権のも大賛成の女性闘士として御活躍ですが、疑惑の迂回献金事件に名前が挙がっているようですから、菅アルイミ首相共々、真相究明に潔く協力して欲しいものであります。間違ってもタバコ増税分から政党助成金に化けて山分けされたカネから北朝鮮ルートに資金が流れていないこと祈るばかりです。


仙谷由人官房副長官は27日、広島市内で開かれた連合(古賀伸明会長)のセミナーで「自然エネルギーの比重を上げるための施策は必要だが、『言いっ放し』や『任せっ放し』が世間の批判を浴びている。わが政権のつたなさだ」と述べ、思いつきで「脱原発」などを相次いで打ち出す首相の政治姿勢を批判した。「1年前には『脱化石燃料』社会を早く作ろうと言っていたが、これに『脱原発』を重ねるとどうエネルギーを調達すればいいのか」とも発言。「新たなシステム作りをどうすれば実現できるかを鮮明に分かってもらえる政府、それを構成する議員集団を早急に作らなければならない」と述べ、首相退陣後の政府・与党の新たな枠組みづくりに意欲を示した。
2011年7月27日 産経ニュース 

■不倶戴天の敵同士のはずなのに、仙谷ノーコメント官房副長官とクラッシャー小沢が同じ発言をほぼ同時期にしておりますぞ!29日の夜、大阪府堺市で開かれたパーティー会場で何かと注目される海江田大臣が「民主党は全員野球ができていない。議員が気持ちを一つにし、国難に当たることができないことに大きな原因がある」と菅アルイミ首相の政治姿勢を当てこすると、同席したクラッシャー小沢も「無責任な思い付きで受けだけを狙う発言をする人がいることが党の人気を悪くしている」と同調したのだそうです。周囲からは「思い付きだ!」と揶揄の大合唱が響き、御本人は「矛盾はない」と意地になって発言の一貫性を強調しているのですが、本当は財源も無いのに「生活が第一」だと『マニフェスト』に並べた公約は、本当に「思いつき」の羅列だったのではなかったのでしょうな?!何だか目糞、鼻糞を笑うような寂しい当て擦り合戦しか聞こえて来ませんが、そんなことで菅アルイミ首相の首に鈴が付けられるのでしょうか?「それなら俺が……」などと、進まぬ復興や原発事故対応に絶望し義憤に駆られて節電の暑さで短慮を起こして危ない物を持って総理大臣の首に鈴を付けに行ってしまう若者が出て来ないことを切に望みます。驕れる者も久しからず、でありますからなあ。論より証拠、節電の暑苦しさと政治の停滞で民主党の国対委員長が就任9日間で辞任した松本龍前復興相に続いて民主党名物?の暴言病に罹ってしまったようなのです。どんなに菅アルイミ首相が頑張って居座ろうとしても内閣自体もそれを支えるはずの党執行部も長くはなさそうです。
 

民主党の安住淳国対委員長は30日、テレビ東京の番組に出演し、同党の小沢一郎元代表や鳩山由紀夫前首相が党執行部のマニフェスト(政権公約)見直しを批判していることに対し「2人は政局的な意味で言っている。米軍普天間飛行場(の県外移設)は鳩山政権で実行できなかった。小沢氏も幹事長の時、ガソリン税の暫定税率維持でマニフェストと違うことをやった」と反論した。さらに安住氏は、党代表選出馬に意欲を示す馬淵澄夫前国土交通相を念頭に「知名度を上げるための人ではなく、政治的キャリアを積んだ方々に代表選をやっていただきたい」と挑発。批判の矛先は東日本大震災の被災地の知事らにも向き、「国からお金をもらい、自分は言いたいことを言い、できなかったら国の責任にして泥をかぶらない」と言い切った。地元・宮城が壊滅的打撃を受けながら、国会で野党との難しい交渉を担う安住氏。テレビ番組で当たり散らしつつ、「党に遠心力が働いている。団結力がないと野党との交渉はうまくいかない。やっぱりストレスがたまる…」と苦しい胸中をのぞかせた。
2011年7月30日(土) 産経新聞 

■被災者でもある安住国対委員長には御同情申し上げますが、残念ながら民主党内には「政治的キャリアを積んだ方々」などほとんど見当たりません。かつて厚労省でちょっと名を上げたことになっている菅アルイミ首相でさえ「仮免」発言をしていたくらいですし、政権交代以前に大臣を経験した人や議員立法の実績を持つ議員もほとんど居ないのではないでしょうか?

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標的としての菅アルイミ首相 其の壱拾

2011-08-01 06:28:39 | 政治
■稚拙な秘密外交ゴッコはあっと言う間に尻尾を出して、ウソにウソを重ねて恥の上塗りが続いている模様です。

中野寛成拉致問題担当相は26日の記者会見で、民主党の中井洽元拉致問題担当相が中国・長春で北朝鮮の宋日昊・朝日国交正常化交渉担当大使と極秘接触したことについて、「中井氏から『ない』と報告を受けた」と述べた。中野氏は25日に中井氏に電話で問い合わせしたところ「生まれ故郷の長春をやっと訪問することができた」と答え、北朝鮮側との接触を否定したという。また、政府の拉致問題対策本部の職員が中井氏に同行していたことには「職員を海外へ出張させたことはない」と述べた。
2011年7月26日 産経ニュース 

■第一報が流れた翌日に「極秘接触は無かった」、外務省から出向中の職員の同行も否定する騒ぎになりました。最初から簡単にバレルような稚拙なウソをどうしてつくのでしょう?それが秘密外交の鉄則だとでも思っているのでしょうか?何をやってもドジな政党だなあ、と情けなく思える話なのですが、野党第一党の自民党は黙って引き下がるわけにも行かず、あわよくば内閣不信任案の出し直しの材料にしようかと頑張り始めたようなのですが……。


菅直人首相は26日午前の衆院東日本大震災復興特別委員会で、中井洽元拉致問題担当相が北朝鮮の宋日昊・日朝国交正常化交渉担当大使と中国で極秘に接触していたことについて「全く承知していない」と否定した。拉致問題解決のための自らの訪朝については「そうした予定なり準備を進めていることは全くない」と語った。みんなの党の柿沢未途氏の質問に答えた。
2011年7月26日 産経新聞 

■「全くない」のは「過去にも全く無かった」とは違う意味を持つ発言ですし、接触の有無も「承知していない」と言うのも後で動かぬ証拠を突きつけられたら「忘れていた」と答えて逃げるための布石か?


菅直人首相の北朝鮮訪問に向け、中井洽元拉致問題担当相が中国・長春で北朝鮮の宋日昊(ソン・イルホ)・朝日国交正常化交渉担当大使と極秘接触した問題で、中井氏が訪中前に政府首脳と会い、交渉方針を事前調整していたことが27日、分かった。複数の日朝関係筋が明らかにした。政府は一切の関与を否定しているが、実際は首相官邸が「二元外交」を主導していたことになる。関係筋によると、政府首脳と中井氏の会談は7月中旬に都内で行われた。政府首脳は、北朝鮮が拉致問題で譲歩し、進展があれば首相の「延命」につながるとの考えを示し、中井氏に期待感を表明。「8月上旬までに日本政府として状況を見極めたい」との旨を伝えたという。…… 

■「政府首脳」とは菅アルイミ首相以外に該当者はいませんから「承知していない」というのはウソになります。7月半ばの段階で北朝鮮側が「譲歩して進展がある」可能性があったのか?!中井担当相が極秘情報を入手していたとしたら極秘交渉の中身が是非とも知りたくなりますなあ。


また、中井氏の極秘接触には北朝鮮側の意向を伝える仲介者がいたことも判明した。北朝鮮は仲介者を通じ昨年末から中井氏ら複数の与党議員との接触を開始した。外務省がこの動きを把握したのは今春になってからで、すでに数回の接触が行われていた。国会議員ルートを通じた北朝鮮との交渉はリスクが大きく、過去に失敗例が多いことから、外務省は仲介者の動きを警戒していたという。一方、中野寛成拉致問題担当相は27日の衆院外務委員会で「中井氏の要請を受け、休暇を取って中国を訪問した職員がいる」と述べ、政府の拉致問題対策本部事務局職員の同行を認めた。職員は通訳や案内を行い、旅費は自ら支払ったという。海外渡航に必要な許可申請はしていなかった。職員は事務局に「中井氏が言ったこと以外に申し上げることはない」と詳しい説明を拒んだという。中井氏は27日、自らが本部長を務める民主党拉致問題対策本部役員会で「(訪中は)ふるさとを見て泣いて帰ってきただけだ」と説明し、宋氏との接触を重ねて否定した。
2011年7月28日 産経ニュース 

■「泣いて帰って来た」のだけは本当で、交渉が決裂した上に逆に押し込まれて「泣きっ面に蜂」だったのかも知れませんぞ。同行者の存在と宋氏との接触、いつまで知らぬ存ぜぬで通せるのでしょう?野党側からは件の職員を引っ張り出して吊るし上げようとする動きもあるようですから、逃げ切れるのか?


中井洽元拉致問題担当相が訪中し、宋日昊(ソン・イルホ)朝日国交正常化交渉担当大使と会談した問題に絡み、中野寛成拉致問題担当相は29日、閣議後会見で、中井氏に同行した内閣府の拉致問題対策本部職員の処分を検討する考えを示した。中野氏は「休暇を取って同行したということで問題ないと思う」としながらも「(内閣官房の内規で)外国への渡航許可が必要であったのを失念していたのは問題。所管する部門で処分を検討されるものと思う」と話した。同本部によると、内規では一般職員が海外渡航する場合は渡航先などを申請し承認を得なければならず、違反した場合、重い時は懲戒処分の対象となる。
2011年7月29日(金) 毎日新聞 

■TBSテレビのカメラが7月29日に同行した職員の姿を捉えて「前に大臣をやっていらして、そのときの部下でしたから、長春に行くので通訳兼案内で来てくれないかと。休暇を取って行きました」との証言を撮っております。どうして渡航許可を申請しなかったのか?手続きする暇もないほど急な出国だったのか?拉致被害者の皆さんからは期待と不安が入り混じった複雑な言葉が漏れ伝わっていると聞きますと、慣れない外交で一発逆転を狙って空振りした菅アルイミ内閣の罪は人騒がせな「鼬の最後っ屁」だけでは済みますまいなあ。どうやら懲戒処分を受けることになりそうな通訳兼案内役を仰せ付かってしまった職員も気の毒ですが……。


仙谷由人官房副長官が8月下旬に中国訪問を検討していることが26日、分かった。政府関係者が明らかにした。北京で行われる日中友好目的の国際シンポジウムに参加する。シンポジウムには日本側から自民党の石破茂政調会長や加藤紘一元幹事長らも参加予定で、仙谷氏は今後の国会運営をめぐり石破氏らと接触するとみられるほか、中国政府の要人との会談も行う方向だ。
2011年7月27日(水) 産経新聞

■ちゃんと尖閣問題やガス田問題、さらには航空母艦の進水と釘を刺して置かねばならない重大問題が山積している時に開催される国際シンポジウムですから、石破政調会長あたりから国益に叶う発言があったらよいなあとほのかな希望を持ちたいところですが、酒乱暴走衝突船長を不起訴処分にして帰国させてしまった張本人の仙谷ノーコメント官房副長官は、誰を相手にどんな発言をして得意の「柳腰外交」を展開して見せるのやら……。まさか、自分の首を差し出して自民党との大連立を画策した仙谷ノーコメント官房副長官が自分を差し置いて訪中する!と怒りで何も見えなくなった菅アルイミ首相は独断で平壌電撃訪問を思い立ったのではありますまいな?!