■将来に起こる大きな出来事の原因となる極小さな予兆を「蟻の一穴」と申しますが、北方領土には間違いなく日本人が暮らしていた事実があったことを揉み消されないように、「里帰り」を続けることには大きな意味があるでしょう。この細い紙縒(こよ)りのように細い絆が小さな穴を穿って外交的に大きな成果が得られるかも?と日本としては微かな期待も持てるわけですが、長々と「不法占拠」を続けている相手としては日本にメッセージを送る伝声管に利用できるようです。
6月上旬に再開が予定されていた北方4島への人道支援物資の輸送事業が、ロシア側との調整が間に合わないため、さらに延期されることが28日わかった。……今年1月、「出入国カード問題」で一度は中断。外務省では「手続きの上の問題があるわけではない」としているが、再開のめどは立っていないという。……外務省の委託を受けて、元島民団体「千島歯舞諸島居住者連盟」が……ビザなし交流や自由訪問などと同じチャーター船を使用しており、同連盟は、ビザなし交流などで使用する計画がない、6月1~4日で支援物資輸送を予定していた。連盟は「何がネックになっているかが分からない。今後については、外務省と協議したい」とする。同省ロシア支援室は、「ロシア側と6月中に実施することで合意していたわけではない」としている。
2009年5月29日 読売新聞
■「外務省の委託」なのに、同省の担当者が他人事みたいな話をしているのは解せませんなあ。下らない面子を気にして連盟の人達を虚仮(こけ)にするような保身を図っているのなら、相手に弱みを見せてしまうことになり兼ねませんぞ。この讀賣新聞の記事では「調整が間に合わない」のが遅滞の原因とされていますが、別の報道ではまったく違った原因が指摘されております。
北方四島を“管轄”するロシア極東のサハリン州政府が、四島住民に医療物資を届ける日本の人道支援について、経済発展した今のロシアには必要がなくなったとして受け取りを拒否する姿勢に転じたことが28日分かった。医療物資の人道支援は1月、国後島に上陸しようとした日本外務省職員らにロシアが出入国カードの提出を要求したため、中止に追い込まれていた。
■1月に発生した「出入国カード」事件は、実質的に医療物資の援助活動に対する拒否だったわけで、現場にいた外務省職員はその背景をしっかりと探る努力をしていたのでしょうか?もしかすると、一見小さな事件の裏側に「北方領土問題」を解決する糸口を発見?してしまったのかも知れませんなあ。その糸口を手繰って行ったら「3.5島返還論」が出て来たりして……。
州政府と州議会の機関紙「州報」は同日までに、ソ連崩壊で経済が混乱した1990年代を経て「今やロシアは大国の一員になり、ロシアに領土的要求を行う隣国から人道支援を受ける必要はなくなった」との見解を報道。日本による人道支援の「政治問題化」を避けるため、支援を拒否し、ロシア連邦政府が医療支援の肩代わりを検討すべきだとしている。
2009年5月28日 産経ニュース
■この機関紙の記事はとても興味深いものがあります。深読みすればクレムリンに対する嫌味、或いは脅迫や恫喝とも受け取れますからなあ。「今や大国の一員」という夜郎自大の話を枕にして、自分たちもその「大国の一員の一員だろ!?」とクレムリンに念押しをしている節があります。そして権威が動揺していると言われている現政権にとって致命傷となる「領土的要求」を自分達が身体を張って拒否して見せるんだぜ!という痩せ我慢の極致のような啖呵が聞こえて来るようです。要するに、これ以上「サハリン州」を継子(ままこ)扱いしていると、いろいろと支援してくれている日本からもっともっと多くの支援を貰うために「領土的要求」に応じてしまうかもね?とクレムリンを脅しているようにも読めるのではないでしょうか?少々夢見がちな深読みなのではありますが……。
6月上旬に再開が予定されていた北方4島への人道支援物資の輸送事業が、ロシア側との調整が間に合わないため、さらに延期されることが28日わかった。……今年1月、「出入国カード問題」で一度は中断。外務省では「手続きの上の問題があるわけではない」としているが、再開のめどは立っていないという。……外務省の委託を受けて、元島民団体「千島歯舞諸島居住者連盟」が……ビザなし交流や自由訪問などと同じチャーター船を使用しており、同連盟は、ビザなし交流などで使用する計画がない、6月1~4日で支援物資輸送を予定していた。連盟は「何がネックになっているかが分からない。今後については、外務省と協議したい」とする。同省ロシア支援室は、「ロシア側と6月中に実施することで合意していたわけではない」としている。
2009年5月29日 読売新聞
■「外務省の委託」なのに、同省の担当者が他人事みたいな話をしているのは解せませんなあ。下らない面子を気にして連盟の人達を虚仮(こけ)にするような保身を図っているのなら、相手に弱みを見せてしまうことになり兼ねませんぞ。この讀賣新聞の記事では「調整が間に合わない」のが遅滞の原因とされていますが、別の報道ではまったく違った原因が指摘されております。
北方四島を“管轄”するロシア極東のサハリン州政府が、四島住民に医療物資を届ける日本の人道支援について、経済発展した今のロシアには必要がなくなったとして受け取りを拒否する姿勢に転じたことが28日分かった。医療物資の人道支援は1月、国後島に上陸しようとした日本外務省職員らにロシアが出入国カードの提出を要求したため、中止に追い込まれていた。
■1月に発生した「出入国カード」事件は、実質的に医療物資の援助活動に対する拒否だったわけで、現場にいた外務省職員はその背景をしっかりと探る努力をしていたのでしょうか?もしかすると、一見小さな事件の裏側に「北方領土問題」を解決する糸口を発見?してしまったのかも知れませんなあ。その糸口を手繰って行ったら「3.5島返還論」が出て来たりして……。
州政府と州議会の機関紙「州報」は同日までに、ソ連崩壊で経済が混乱した1990年代を経て「今やロシアは大国の一員になり、ロシアに領土的要求を行う隣国から人道支援を受ける必要はなくなった」との見解を報道。日本による人道支援の「政治問題化」を避けるため、支援を拒否し、ロシア連邦政府が医療支援の肩代わりを検討すべきだとしている。
2009年5月28日 産経ニュース
■この機関紙の記事はとても興味深いものがあります。深読みすればクレムリンに対する嫌味、或いは脅迫や恫喝とも受け取れますからなあ。「今や大国の一員」という夜郎自大の話を枕にして、自分たちもその「大国の一員の一員だろ!?」とクレムリンに念押しをしている節があります。そして権威が動揺していると言われている現政権にとって致命傷となる「領土的要求」を自分達が身体を張って拒否して見せるんだぜ!という痩せ我慢の極致のような啖呵が聞こえて来るようです。要するに、これ以上「サハリン州」を継子(ままこ)扱いしていると、いろいろと支援してくれている日本からもっともっと多くの支援を貰うために「領土的要求」に応じてしまうかもね?とクレムリンを脅しているようにも読めるのではないでしょうか?少々夢見がちな深読みなのではありますが……。