■北京五輪には世界中から観光客が大挙して押し寄せる!という皮算用をしていたチャイナは、鉄道ダイヤも大幅に改訂されて大量輸送に対応して大いに儲けようとしていたとか……。1970年代にも、ちょっとしたチャイナ観光のブームが有りまして、先見性に富んだ?日本の高校なども「修学旅行」に日中友好を取り入れ始めたのでした。そして、1988年に上海近郊で起こったのが高知学芸高校の教師と生徒73人が死傷した「正面衝突」事故でした。事故発生当時も日本中に「チャイナは危ない!」という危機感が満ち溢れましたが、その後の補償交渉には日本中があきれ返ったものでしたなあ。チャイナ側の提示額は1人当たり110万円!いくら何でも人命を安く見積もり過ぎているぞ!と日本国民が怒ったものですから、渋々、その後450万円まで引き上げて決着したそうです。あの国の人命が余りにも安い事を日本人は学んでいたはずなのに……。
28日付の東方網によると、山東省内で同日午前5時前に起きた列車衝突事故で死者が66人に増えた。けがをしたのは247人で、うち51人が重傷だという。けが人にフランス国籍の4人が含まれているとの情報もある。また北京市から山東省青島市に向かう列車の9両目から17両目が脱線し、最後尾の車両が同省煙台市から江蘇省徐州市を目指して走ってきた列車と衝突したことも分かった。
4月28日 サーチナ・中国情報局
■高知県の高校生たちが巻き込まれた事故も「正面衝突」、パンダ人気と皆様のNHKが日中共同で制作した『シルクロード』番組が大評判になっていた事を思い出しますと、今回の大事故には日本人が巻き込まれなかったのは不幸中の幸いではありますが、皆様のNHKが『青蔵鉄道』特集でチベット観光を煽り、間も無く来日する胡錦濤主席はパンダを2頭ほど連れて来るとか来ないとか……。流れた20年の歳月をどう考えるか?その間、日本の産業界が「空洞化」するほどチャイナへ生産拠点を移して酷い目に遭う企業が続出し、安くて危ない食料品を大量に輸入するようになった日本は、イチコロ餃子殺人未遂事件が起こるまで、本気で北京五輪を祝おうとしていたのでした。
■聖火リレーの騒動から少しばかり話が離れてしまったので、この辺で戻しましょう。
……北京五輪の聖火を乗せた専用機が28日午前0時20分、北朝鮮首都の平壌国際空港に到着した。……北朝鮮を五輪の聖火が訪れるのは……初めて。また、北京リレーの聖火リレーでは、18カ国目の開催地になる。……北朝鮮での抗議活動はありえないとするのが、一般的な見方だ。……中国国旗と北京五輪旗が振られている。プラカードには「中朝の伝統的な親善万歳!」と書かれている
4月28日 サーチナ・中国情報局
■1936年のベルリン大会から始まった聖火リレーですから、当時の半島は大日本帝国の領土でしたし、1940年と44年で世界大戦の騒ぎで大会自体が中止。戦後初となったロンドン大会は1948年に開催されましたが、日本は参加を認めらませんでした。何せ1946年5月3日に始まった「極東軍事裁判」が結審した年ですからなあ。1948年の11月4日から同月12日まで判決の言い渡しが行われたのでした。その年、朝鮮半島の南側に大韓民国が8月に独立、翌9月に朝鮮民主主義人民共和国が対抗して独立を宣言したのでした。つまり、オリンピックどころの話ではなかったわけです。
■次の1952年に開催されたオスロ大会はどうだったかと言うと、1950年6月25日に北朝鮮が越境攻撃して始まった朝鮮戦争が起こっていますから、これまたオリンピックどころではありませんでした。その後もあれこれとややこしい事が続きまして、対南工作が難しくなると日本人を拉致してスパイ教育要員にするという漫画みたいな大作戦を発動!ソウル五輪の開催が決まった時には大韓航空機爆破テロを仕掛けて大成功!……そんな国に聖火を運び込んで何をしようと言うのでしょう?嗚呼。
■北京政府の立場としては、世界の視線を気にして北朝鮮とは「他人の関係」の演出をするのも可能でしょうが、露骨に無視などすると、またまた、何処かで不思議な爆弾テロ事件が起こり兼ねませんから、極普通の隣国関係を言い訳にして通過させたまでの事でしょうが、チベットに対する大弾圧の直後に、一糸乱れぬ大歓迎芝居をやられるのは、本当は困ったことなのでしょう。世界中が「ラサと平壌は似ている」と感じてしまいますからなあ。
北京五輪の聖火は28日未明、ソウルから平壌に到着、午前10時すぎにリレーが始まった。……リレーは各地で抗議行動に見舞われたが、北朝鮮当局は中朝友好を強調するため市民を大規模動員し、国を挙げての歓迎ムードを演出した。……市内の主体思想塔広場で行われた出発式には北朝鮮ナンバー2の金永南最高人民会議常任委員長が出席。第1ランナーの朴斗翼氏(72)にトーチを手渡した。朴氏は1966年のサッカー・ワールドカップで北朝鮮の8強入りに貢献した国民的英雄。
■オリンピックに所縁のある「英雄」が居ないのはどうして?などと意地の悪い事を言っては行けません。闇の世界でテロ五輪などの悪趣味なイベントが有れば、相当の成績を残せるだろうなあ、などと想像しても行けませんぞ。北朝鮮のような国でしか熱烈歓迎を受けないのがチャイアンの「特色ある」五輪大会なのですから……。
聖火のルートは中朝友誼塔、中国大使館前、平壌大劇場、金日成広場、凱旋門などを通り、金日成競技場までの20キロ。著名スポーツ選手ら北朝鮮市民56人と中国大使館員ら計80人がランナーを務める。……中朝の国旗や花を手に、聖火を迎える沿道の市民は数十万人に上る見通し。北朝鮮当局者は「聖火は花の海を泳いでいく」と語っている。
4月28日 時事通信
■何とも目出度さ一色の演出でしょう。深刻な食糧危機も、シリアへ原爆技術を拡散させた物騒な闇商売も、将軍様の健康状態も、この際は全部忘れて隣国の五輪大会を祝う北朝鮮であります。そんな将軍様の国の対極に位置するのがフランスという市民革命発祥の国であります。馬鹿馬鹿しい噂話から始まった「不買運動」を苦々しく思っている時に、北京政府に物申すのを避けて、最も忠実な子分が聖火リレーを賑々(にぎにぎ)しく行おうとする直前に、しっかりと冷水をぶっ掛ける報道が流されております。上手ですなあ。案外、フランスでの拉致犯罪に関する報道が、プーチン大統領の「拉致は許せん!」発言に影響しているのかも知れません。
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雲来末・風来末(うんらいまつふうらいまつ) テツガク的旅行記
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28日付の東方網によると、山東省内で同日午前5時前に起きた列車衝突事故で死者が66人に増えた。けがをしたのは247人で、うち51人が重傷だという。けが人にフランス国籍の4人が含まれているとの情報もある。また北京市から山東省青島市に向かう列車の9両目から17両目が脱線し、最後尾の車両が同省煙台市から江蘇省徐州市を目指して走ってきた列車と衝突したことも分かった。
4月28日 サーチナ・中国情報局
■高知県の高校生たちが巻き込まれた事故も「正面衝突」、パンダ人気と皆様のNHKが日中共同で制作した『シルクロード』番組が大評判になっていた事を思い出しますと、今回の大事故には日本人が巻き込まれなかったのは不幸中の幸いではありますが、皆様のNHKが『青蔵鉄道』特集でチベット観光を煽り、間も無く来日する胡錦濤主席はパンダを2頭ほど連れて来るとか来ないとか……。流れた20年の歳月をどう考えるか?その間、日本の産業界が「空洞化」するほどチャイナへ生産拠点を移して酷い目に遭う企業が続出し、安くて危ない食料品を大量に輸入するようになった日本は、イチコロ餃子殺人未遂事件が起こるまで、本気で北京五輪を祝おうとしていたのでした。
■聖火リレーの騒動から少しばかり話が離れてしまったので、この辺で戻しましょう。
……北京五輪の聖火を乗せた専用機が28日午前0時20分、北朝鮮首都の平壌国際空港に到着した。……北朝鮮を五輪の聖火が訪れるのは……初めて。また、北京リレーの聖火リレーでは、18カ国目の開催地になる。……北朝鮮での抗議活動はありえないとするのが、一般的な見方だ。……中国国旗と北京五輪旗が振られている。プラカードには「中朝の伝統的な親善万歳!」と書かれている
4月28日 サーチナ・中国情報局
■1936年のベルリン大会から始まった聖火リレーですから、当時の半島は大日本帝国の領土でしたし、1940年と44年で世界大戦の騒ぎで大会自体が中止。戦後初となったロンドン大会は1948年に開催されましたが、日本は参加を認めらませんでした。何せ1946年5月3日に始まった「極東軍事裁判」が結審した年ですからなあ。1948年の11月4日から同月12日まで判決の言い渡しが行われたのでした。その年、朝鮮半島の南側に大韓民国が8月に独立、翌9月に朝鮮民主主義人民共和国が対抗して独立を宣言したのでした。つまり、オリンピックどころの話ではなかったわけです。
■次の1952年に開催されたオスロ大会はどうだったかと言うと、1950年6月25日に北朝鮮が越境攻撃して始まった朝鮮戦争が起こっていますから、これまたオリンピックどころではありませんでした。その後もあれこれとややこしい事が続きまして、対南工作が難しくなると日本人を拉致してスパイ教育要員にするという漫画みたいな大作戦を発動!ソウル五輪の開催が決まった時には大韓航空機爆破テロを仕掛けて大成功!……そんな国に聖火を運び込んで何をしようと言うのでしょう?嗚呼。
■北京政府の立場としては、世界の視線を気にして北朝鮮とは「他人の関係」の演出をするのも可能でしょうが、露骨に無視などすると、またまた、何処かで不思議な爆弾テロ事件が起こり兼ねませんから、極普通の隣国関係を言い訳にして通過させたまでの事でしょうが、チベットに対する大弾圧の直後に、一糸乱れぬ大歓迎芝居をやられるのは、本当は困ったことなのでしょう。世界中が「ラサと平壌は似ている」と感じてしまいますからなあ。
北京五輪の聖火は28日未明、ソウルから平壌に到着、午前10時すぎにリレーが始まった。……リレーは各地で抗議行動に見舞われたが、北朝鮮当局は中朝友好を強調するため市民を大規模動員し、国を挙げての歓迎ムードを演出した。……市内の主体思想塔広場で行われた出発式には北朝鮮ナンバー2の金永南最高人民会議常任委員長が出席。第1ランナーの朴斗翼氏(72)にトーチを手渡した。朴氏は1966年のサッカー・ワールドカップで北朝鮮の8強入りに貢献した国民的英雄。
■オリンピックに所縁のある「英雄」が居ないのはどうして?などと意地の悪い事を言っては行けません。闇の世界でテロ五輪などの悪趣味なイベントが有れば、相当の成績を残せるだろうなあ、などと想像しても行けませんぞ。北朝鮮のような国でしか熱烈歓迎を受けないのがチャイアンの「特色ある」五輪大会なのですから……。
聖火のルートは中朝友誼塔、中国大使館前、平壌大劇場、金日成広場、凱旋門などを通り、金日成競技場までの20キロ。著名スポーツ選手ら北朝鮮市民56人と中国大使館員ら計80人がランナーを務める。……中朝の国旗や花を手に、聖火を迎える沿道の市民は数十万人に上る見通し。北朝鮮当局者は「聖火は花の海を泳いでいく」と語っている。
4月28日 時事通信
■何とも目出度さ一色の演出でしょう。深刻な食糧危機も、シリアへ原爆技術を拡散させた物騒な闇商売も、将軍様の健康状態も、この際は全部忘れて隣国の五輪大会を祝う北朝鮮であります。そんな将軍様の国の対極に位置するのがフランスという市民革命発祥の国であります。馬鹿馬鹿しい噂話から始まった「不買運動」を苦々しく思っている時に、北京政府に物申すのを避けて、最も忠実な子分が聖火リレーを賑々(にぎにぎ)しく行おうとする直前に、しっかりと冷水をぶっ掛ける報道が流されております。上手ですなあ。案外、フランスでの拉致犯罪に関する報道が、プーチン大統領の「拉致は許せん!」発言に影響しているのかも知れません。
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