旅限無(りょげむ)

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冗談も過ぎるとホラーになる 其の九

2012-03-28 16:10:14 | 外交・情勢(アジア)
■「選挙は嫌だ!」の一点だけで繋がっている運命共同体の民主党が8日間に亘る合計40時間もの茶番劇がやっと終演したのだそうです。肌寒さが残る東京で国会が閉会した後、夜を徹しての長丁場、本来なら地元に帰って万が一の解散総選挙に備えてせっせと人気取りの売名行為に励まねばならない週末も党本部の地下室に籠って空疎な口喧嘩が続いていたそうです。さぞや光熱費が嵩(かさ)んだことでありましょうなあ。税金の無駄遣いは止めよう!という声はまったく出なかったようですし、震災復興や福島原発の後始末を優先させるべきではないか?!という声も出ず、この際だから党として安全保障政策を練り上げておくべきだ!という話にもならず、消費税をすぐ上げる、数年後にはまた上げる!という野田ドジョウ首相の私家版マニフェストに対して、反対派は具体的な対案も出さずに「今は上げるな!」のバカの一つ覚えを連呼していた由。そんな下らない集まりなら電気不要の真昼間に近所の公園でも借りて花見気分でわいわい勝手にやれば宜しい!

■次の選挙が怖くて夜も眠れないぽっと出の議員がイッパシの政治家を気取って田舎芝居を演じている間に、東京電力は傍若無人な電気料金の値上げを一方的に通告するわ、隣の韓国では北朝鮮の若い大将が大喜びするような腑抜けた外交祭りが終わって、いよいよ極東アジアの緊張度はドジョウならぬウナギ昇り状態であります。野田ドジョウ首相はトンボ返りの非礼を顧みず、「皆さんがダメだと言っている事を北朝鮮がしようとするのは悪いことだと思います」という小学生でも言える程度の短いスピーチをして戻って来た野田ドジョウ首相の影は限りなく薄かったので、会議が終わった後で「日本は参加したのか?」と海外メディアに言われてしまいそうです。日本の国民の多くも野田ドジョウ首相が「外遊」に出たことを知らないかも?

■「核サミット」のテーマに合わせて世界中が心配している福島原発の事故に関しても、駅前演説で鍛えた野田ドジョウ首相自慢の訳の分からないスピーチがあったそうです。原発事故を防ぐ方法は「想定外を想定すること」なのだとか……。何だか「右足が沈む前に左足を出し、左足が沈む前に右足を……」というインチキ水上歩行法を思い出すような人を馬鹿にした不誠実な発言をしてしまったとは思っていないのでしょうなあ。親分が「北朝鮮のミサイルより、原発事故より消費税の引き上げが心配だあ」という不埒な本音を隠そうともせずに下手くそな外交をしているから、手下共もそれに倣って恥の上塗りを続けておりますぞ。


24日付の中国共産党機関紙・人民日報(海外版)は、民主党代表団を率いて北京を訪れている輿石東幹事長の「日中間の誤解と困難は解決できる」と題する寄稿を1面に掲載した。
輿石氏はこの中で「日中間には政治の面で幾つかの誤解や困難がある」と指摘。「双方が両国間の相互依存関係を構築することを考え、中国と日本、アジアと世界のあすを考える」ことで解決できると強調した。 
2012年3月24日(土)17時14分 時事通信 

■輿石幹事長の頭の中には「憲法9条があれば世界は平和だ」と同様の逆立ちした論理回路が組み込まれているようです。どうして「明日を考える」と誤解と困難が解決できるのでしょう?そんなに簡単な話なら民主党の「明日」を考えてみたら如何でしょう?自分が閣僚に押し込んでしまった田中防衛大臣の「明日」の方を先に考えて上げないと自民党と公明党が問責決議を突きつけて来ますぞ!そしてチャイナは着々とガス田を占有して東シナ海を完全に支配下に置いて太平洋に出て来るでしょうし、南シナ海からインド洋へと支配地域をどんどん広げて行きましょうなあ。それもこれも北京政府が「明日を考える」からこそ強引に推し進めていることなのであります。

■民主党政権には震災からの復興という大事業は荷が勝ち過ぎていることは既に衆知の事実ではありますが、大震災と原発事故は世界中の人々が心配して同情して下さった大きな出来事でしたから、この災厄は日本一国だけの問題ではなく立派な外交テーマに格上げされていなければなりません。小さな記事でしたが民主党政権の外交能力が欠落していることを改めて証明する事実が明らかになりました。情けないことではありますが、これが今の日本の外交なのでありましょうなあ。


玄葉光一郎外相は27日の参院政府開発援助(ODA)特別委員会で、政府主催による11日の東日本大震災追悼式で台湾の代表者を冷遇したとの批判を受け、震災関連の追悼レセプションで台湾側出席者と会い、直接陳謝したと明らかにした。
追悼式後の12日に玄葉氏は各国からの支援に感謝を表明するレセプションを主催。台湾の駐日代表部に相当する台北駐日経済文化代表処の羅坤燦副代表と会い、「申し訳なかった」と陳謝した。追悼式に参列した各国代表者は指名により献花したが、羅氏は指名から外された。
2012年3月27日 産経ニュース 

■輿石・仙谷コンビが北京で熱烈歓迎されて有頂天になっている裏側には、外務大臣が台湾代表に平謝りしなければならなくなるような古臭いイデオロギーの偏向が存在しているのでしょう。何とも恐ろしい集団に政権を預けてしまったものであります。この実に恥ずかしい外交の失敗を遡って検証しておきましょう。話は大震災から10日余り後から始まります。


超党派の議員連盟「日華議員懇談会」(会長・平沼赳夫たちあがれ日本代表)は(4月)20日、都内で会合を開き、東日本大震災の慰問のため訪日している台湾の王金平立法院長(国会議長)に対し、義援金の提供や援助隊の派遣について感謝状を手渡した。
平沼氏は「頂いた好意を無にしないよう一日も早く復興を遂げたい」と謝意を表明。王氏は「台湾各界は日本の被災をわが身のことのように感じている。復興を全力で支援したい」と述べた。
台湾の官民からの義援金は約140億円で各国・地域の中で最多とされる。菅直人首相が11日に米英などの7紙に感謝広告を出した際に対象とならず、20日の国会で「台湾の人々は心を痛めている」(山谷えり子自民党参院議員)と指摘されていた。
王氏は対中交流団体「海峡交流基金会」の江丙坤理事長や企業トップらとともに、23日までの予定で訪日している。
2011年4月21日 産経ニュース 

■菅アルイミ首相が感謝広告から台湾の名を削ったのは確信犯だったに違いなく、御本人としては北京政府のご機嫌を損なわないように細心の注意を払った心算だったのでありましょう。「三つ子の魂、百まで」なのであります。まあ、カネと票を掻き集めてくれた鳩山・小沢コンビを切り捨てる計算高い冷酷さを外交に応用したとも申せましょうが……。


「ありがとう、台湾」。東日本大震災で多くの被災地支援を行った台湾に対し、日本在住の「有志一同」約6千人が3日付の台湾紙、聯合報と自由時報の2紙に、日本語を交えた感謝の広告を掲載した。台湾に謝意を伝えたいとする女性デザイナーが短文投稿サイト「ツイッター」などを通じて広告を提案。約240万円の広告掲載料を捻出するため、1口千円の募金を呼び掛けたところ、1900万円以上が集まった。差額は被災地へ義援金として送るという。
台湾からの義援金は先月27日までに約55億5千万台湾元(約157億円)に達している。
2011年5月3日 産経ニュース 

■菅アルイミ前首相が失礼千万な広告を掲載してから半月もしない間に義援金は10億円以上も上積みされておりました!愚かな首相・政府が感謝などしなくても台湾の人々は根に持たずに被災地の人々を心配してくれていたのであります。まるで国家としての格が違うと世界に宣伝してしまっているようなものでした。更に台湾からの義援金は積み増されて行ったのでした。

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