映画の豆

映画の感想をだらだらと。
本サイトは
http://heme.sakura.ne.jp/333/index.htm

「ジュマンジ ネクスト・レベル」

2019年12月15日 | サバイバル系

前作から数年後。それぞれ違う道に進んだ4人だが、
命懸けのゲームを乗り越えた絆で、今もSNSを通じて繋がっている。
しかし仲間たちの華々しい生活に気遅れを感じ、
また大学生活を楽しんでいる様子のマーサからも距離を置いたスペンサーは、
ジュマンジ世界の強い自分に魅力を感じ、帰省の際に出来心でゲームを起動してしまう。
しかしゲームは正常に作動せず…というあらすじ。

今回は予告にもあった通りスペンサーのおじいちゃんとその友達も
ゲームに強制エントリーされて、うまい具合に変化になってます。
相変わらず4人とも友達思いのいい子達。特にベサニー!
誰が見ても楽しめますが、前作を見てないと話が分からないかも。

ラストばれ

ドウェイン・ジョンソンによるダニー・デヴィートの真似、
一番最初が一番うまくて、あとはドウェイン・ジョンソンだった(笑)
ジャック・ブラックは安定のジャック・ブラック。
でもやっぱりベサニーのジャック・ブラックが一番魅力的な気がする。

メインはおじいちゃん2人の和解と別離で、
しかも音楽がヘンリー・ジャックマン氏だったので、
新たな扉が開いてしまうところでした。あぶなかった。
異種間のあれこれはもうちょっと大人になってからにします…。
しかしスペンサーの問題
現実のコンプレックスからのゲーム依存は
根本的な解決をしているとは言い難いので、何とかした方がいい。
あとスペンサーが暗い家の中をウロウロしていると
ペイモンが出そうなのでやめてほしい(ヘレディタリー)。

ノラの店のノラ、ジュマンジのおばさんなの!?
ネットで見るまで気付かなかった。

予告で見た、ジュマンジ世界がバグっておかしくなりつつあるシーン、
(ダチョウが無限増殖したり、喋りがスクラッチ気味になったり)
が全部カットされて差し替わってた。
相当改変されたんだな。



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「T-34 レジェンド・オブ・ウォー」

2019年12月09日 | バトル映画

特に見るつもりはなかったのですが
SNSで高評価だったので見た。
こういうアンテナから漏れてしまう良作を
ギリギリキャッチできるのがインターネットのありがたいところです。
「ハンターキラー 潜航せよ」が好きな人は、この映画もお好きな筈。

T-34を操る天才指揮官が
たった一両の戦車でナチスの三号戦車隊をバチボコにするが、虜囚となり
敵方の指揮官に粘着され、それでも誇りを失わない彼の戦いを描いた、
天才総愛され映画です。
序盤の遮蔽物を上手く利用した撤退戦で、
「この映画おもしろいわ!」って確信しました。
砲弾発射と被弾の瞬間のスーパースロー撮影っぽい特殊効果も
とてもよかった。

ロシアの映画なので、使用言語はロシア語およびドイツ語です。
ロシア映画は、ロシアのアベンジャーズ「ガーディアンズ」
を見た時「……うん、がんばれ」って思ったんですが、
今回エンタメ的に完全にハリウッドに並んでます。
ナメてて申し訳なかった。

本当は天才戦術家が活躍する局面などないほうがいいんですが
(と、ヤン提督がむかし言ってた)
エンタメとしてやっぱり天才無双は盛り上がりますね。
心の中で何度か「ウラー!!!!!!」って叫びました。
(兵器カッコイイエンタメなので、苦手なひとはご注意)

私が見たのは40分カットされている版だったので
完全版も見たいです。

内容ばれ

ナチスの戦車乗りの大佐が
好敵手を捕えて従わせるのに舞い上がっちゃって
めっちゃソワソワしていた。
やつの趣味はたぶん蝶々のコレクションとかだと思う。
肝心の主人公くんは女子と恋に落ちたりしてて
大佐の話とか全然聞いてなかった。片想い…。
「内臓がちぎれろ」って慣用句なのかな?
それとも主人公くんオリジナル?

戦車は前後面は固いけど、側面はそうでもないとか
(キャタピラがあるから?)
被弾したら装甲は平気でも中の人にはすごい衝撃があるとか
色々べんきょうになりました。

唯一の不満は、敵の追撃があるかもしれない夜営で
主人公が女子と森の中でまぐわい始めたところですね。
インテリジェンスの数値が下がるからやめて!
そういうのはアホとか新人、みたいなキャラクターにやらせて!
というか無理に恋愛をねじ込まなくてもいいよ…恋愛大好きか…。

「T-34 ナチスが恐れた最強戦車」
という似たタイトルの映画があるので、注意。


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「ドクター・スリープ」

2019年12月02日 | ホラー映画

原作「シャイニング」映画「シャイニング」
原作「ドクター・スリープ」映画「ドクター・スリープ」
どれも見ていない人に向けて書くので
ガチ層はラストばれまで飛ばして大丈夫です。

それぞれ見出しを付けてねたばれしますが
原作と映画を間違えないようご注意ください。

スティーヴン・キングという作家がいます。
モダンホラーの帝王と呼ばれており、
映画化された作品は多すぎてちょっと数が把握できませんが、
2回映像化された作品は「シャイニング」「IT」「キャリー」
「ペット・セメ(マ)タリー」などがあります。
毛色は違いますが青春映画「スタンド・バイ・ミー」なども彼の作品です。
そしてスタンリー・キューブリック監督、彼も映画界の巨匠で
亡くなって20年経ちますが今も世界中に信者が多いです。
「2001年宇宙の旅」「時計じかけのオレンジ」
「フルメタル・ジャケット」などが有名ですね。
そんなキングの原作小説をそんなキューブリックが映画化しました。
どちらも天才です。
「シャイニング」はどちらにとっても代表作の1つとなりましたが
問題が発生しました。
キングは光のふじょしでしたがキューブリックは闇のふじょしだったのです。
(ふじょしじゃない)
キングは世界に邪悪はあるが友愛と善も確かにある、というスタンス、
対するキューブリックは蟻を見るような冷静な視点で世界を描写します。
2つの「シャイニング」は全然違いますがどっちも素晴らしい。
小説の「シャイニング」を私は今も読み返しますし、
どんな監督がどんな技術を使ってもキューブリックの撮った
オーバールックが一番美しいと思います。
あの熱で視界がぼやけている時のような色と、狂気の圧。
でもキングはキューブリックの「シャイニング」が大々々々々嫌いで(笑)
エッセイでもインタビューでも数十年ずっと悪口を言ってました。

原作「シャイニング」ラストばれ
人と違う能力を持つ少年ダニーは、
狂気の父親に追われ、命の危機に瀕し
同じ能力の持ち主で休暇中のコック、ハロランに助けを求めます。
ハロランはホテルが邪悪な場所であると警告をくれた人物で
ホテルから遠く離れた場所にいましたが、
少し会話しただけの少年を助けるために
真冬のホテルに命懸けで乗り込み母子を助けます。

ホテルに巣食うう邪悪な何かは、仕事に挫折したアル中の父親に、
「父権を回復したければ女房と子供を厳しく躾けろ(殺せ)、
そうすれば皆から尊敬を受ける」と囁きます。
しかし小説の父親ジャック・トランスは最後にそれを、はねのけ
ホテルを爆発させて妻子を守ります。

映画「シャイニング」ラストばれ
しかしキューブリックのシャイニングでは。父親はホテルの意思に
あるいはアルコールに負けて、最後まで妻子を殺そうと奮闘し、
結局は凍死してホテルの邪悪なものの一部になります。
そしてオーバールックホテルは無傷で残ります。
少年を助けるために来たコックのハロランは、
なぜかアル中の父親の一撃で死亡します。

そんな訳で怒ったキングは自分で脚本を書いて
「シャイニング」を再映像化しました。
結果は、文章向きの場面と
映像向きの場面は違うということがよく分かります。

そして「シャイニング」続編の「ドクター・スリープ」です。
ホテルから生き延びて母に育てられたダニーは
いつしか父と同じくアルコール依存に陥っていた。
しかし彼は友人と出会い、更生する事ができた。
時を同じくして、超能力を持つ子供の生命を吸って生きる集団が、
ひそかに獲物を探していた…というあらすじ。

ダニーを演じるのはユアン・マクレガー。
人生の辛酸を舐め尽くした目が実に良かったです。
蹴られるのを待っている感じ。

子供を拷問して殺すシーンと、手の先がズタボロになる描写があります。
それとげろが何回か。

小説は当然小説版の続編ですが、映画は映画版の続きです。
父親、ハロラン、ホテル、3点の違いをどうするのか?と思ってましたが

原作「シャイニング」ラストばれ
映画「シャイニング」ラストばれ
映画「ドクター・スリープ」ラストばれ

なんと、その差異を活かして、
シャイニングのラストを「ドクター・スリープ」に合体させた。
(言うまでもなくジャック=ダニーですね)
あとバケモンにはバケモンをぶつけんだよ!とばかりに
ホテルの霊をラスボスにぶつけた!
これはいいアイディアだったと思います。
(ホテルの霊は真結族ではないですけど、空気を読んで口から吸引したのでしょう)
それと例のボウルルームで、例のカウンターを挟んで対峙する
ジャックの亡霊とダニー。
(映画、原作両方の「シャイニング」で
生前のジャックは、前の管理人とカウンターを挟んで対峙しています。
前の管理人は家族を惨殺して死んでおり、つまり亡霊です)
ここは最高でした。アルコールをすすめてくるジャック。
「人の精神は黒板、そして酒は黒板消しだ」
という原作冒頭の文言。素晴らしかった。

映画は中盤までは比較的原作に忠実、
ただし後半は全く違います。
ライフルで一斉掃射とか、ビリーやお父さんが殺されたりとか、
2人でホテルに乗りこんだりとか、ああいうのはない。
(原作のホテルは焼失しているので)

原作とはアブラの人種が違う、たしかビリーも。でもまあ納得。
ダニーの協力者は数が減りました。真結族も減った。
原作にあった近親者からの性虐待話は削られ、
ダニーのアル中生活は短縮で随分マイルドです。
原作にで出てきたアベンジャーズやハリポタの会話は当然なくなるとして、
結構大きな役割だったゲームオブスローンズの
デナーリスのくだりもなくなり、代わりに
「RWBY」というアメリカのアニメのエメラルドというキャラクターになりました。
オーバールックはとてもよく似てた、しかしなんか狭かった。
幅と高さは同じように思えたが、何だろう。奥行?
237号室の女は、冒頭の出張販売はよかったが
あまりにも登場回数が多く、マスコットキャラクターみたいだった。
ちょっとキングユニバース展開をにおわせるセリフがあった(笑)
あ、ラストが違うので、タイトル「ドクター・スリープ」の意味がほぼ無い。

それはどうだろう、と思った点は、
原作のダニーはアブラの年齢を考慮して、
彼女の父親と母親に事情と今後の方針を全部説明して、
そしてアブラには危険が全く及ばないような計画を立てました。
でも映画のダニーはわりとそのあたり無頓着だった事、これが1点。
映画のダニーは過去に一度助けを求めた人物ハロランが無残に殺されているのに、
危険な場にビリーを葛藤なく連れていくだろうか?
そのビリーが亡くなって、あんな風にキビキビと目的を果たせるだろうか?
それは人生を時系列で追った場合、あまりにも人の心がなさ過ぎて
架空の人間丸出しすぎやしないだろうか、と思った点、以上2点です。
30年以上まったくメンテナンスしなかったボイラーとか
そういうのは些末なことなのでもういい。

原作「ドクター・スリープ」ラストばれ
映画「ドクター・スリープ」ラストばれ
原作でのダニーは友人、理解者に恵まれ
大切な役割を負って今後も生きていきます。
原作では誰も死にません。もちろんダニーも!
キング、光のふじょしよ…(ふじょしじゃないって)。

映画を気に入った方には原作おすすめですよ。
「シャイニング」「ドクター・スリープ」まとめて読んでも、
そんなに長くないですし。


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