映画の豆

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「羅小黒戦記」

2019年12月29日 | アニメ映画

SNSで話題になっていたので見に行った中国のアニメ。
本当に良かった。立ち見で、老体にはきつかったけど最後まで集中して見ました。

https://www.youtube.com/watch?v=CoDiVu016Dk&feature=emb_logo

評判通りよく動くんだけど、でも観終わってからこの映像を含む色々な予告を見ると
「このシーンもこのシーンも彼等は言いたい事を飲みこんで戦っている、
その良さがイマイチ伝わってこない!もどかしい!」って思うので、
細かいセリフや人物描写もとても上手かった。

中国のアニメの中ではこの作品はどういう位置なんだろう。
このレベルのアニメがボコボコあるならすごい。

人間の世界の片隅にひっそりと生きる妖精たち。
森で平穏に暮らしていた黒猫の妖精、羅小黒(ロシャオヘイ)は
土地開発で住処を追われ、人間を憎んで生きていた。
ある日、危ういところを同じ妖精のフーシーに救われた羅小黒は
彼らのグループに迎え入れられて安全な家を得るが…というあらすじ。

あらすじでも全然良さが伝わりませんが、
あまり書くとねたばれだからなあ。
バトルとキャラクター設定と時々入るコメディ絵が、
ものすごくジャンプで覇権とりそうな少年漫画テイストなので、お好きな方は是非。

オチばれ

これ最初から執行人視点だとごく普通のX-MENになってしまうので、
羅小黒(ロシャオヘイ)視点にしたのが大勝利だと思う。
それに加えて、4分の1ほどの時間を羅小黒(ロシャオヘイ)とムゲンの旅に充てて
ロードムービー風にしたのは、ものすごい大胆な構成だけど、めちゃくちゃ効いてる。
羅小黒(ロシャオヘイ)がムゲンへの警戒を解くのと、
観客がムゲンへの警戒を解くのがほぼシンクロして、
ラストバトルは羅小黒(ロシャオヘイ)と一緒に葛藤できた。
(おいしそうなものを食べるシーンが多い映画は好きです。肉まんと桃がおいしそうだった)

ムゲンの人物設定、アニメによくいる長髪達観系でしょ!って思ってたけど
もっと細やかで、たとえばセリフひとつとっても
羅小黒(ロシャオヘイ)に対して「偉い」って上から言わずに
「偉いと思う」ってぽつりと言うところとか、
仲間から尊敬はされているが微妙に距離を置かれているところとか、
たぶん設定はあれの3倍くらいあるんだと思う。魅力的なひとだった。

あとアクションもよかったけど
モブ執行人たちの能力発動シーンもよかった。
無意味にビルの屋上に立って執行人ごっこしたくなる!
というか中国の子供らは多分やってるよな!?

ジャンプで連載してたら、たぶんしばらく師弟執行人編が続いて、
途中からムゲン様の昔の弟子のメガネが出てきて、そのひとが実は闇堕ちしてて、
「お前はなぜあの人のそばにいられるんだ!?」って羅小黒(ロシャオヘイ)を拷問する話があって、
それから今回の映画の人達の脱走話、
あとムゲン様がなぜあんなに強いかという過去編からの
現在の妖精界で突如決定するムゲン様の処刑判決、
もちろんムゲン様側につく羅小黒(ロシャオヘイ)、
このあたりで2人の強さが逆転して、
それで最終編は、羅小黒(ロシャオヘイ)のもうひとつの人格が
人間を滅ぼすと決意して…という話ですね(この段落息つぎなしで)。

ところで霊域でのラストバトル、相手の意志を奪って操り人形にできるという設定の筈ですが、
どうしてそうしないんだろう…?ってちょっと不思議でした。
女性向けのアダルト同人誌がたくさん出てしまうからですかね、やっぱり。(息つぎなしで)



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