マイケル・ファスベンダー主演。
イギリス、アメリカ、フランス製作。
映像表現は凝っていて、ストーリーラインの簡略化などはありましたが、
割と直球のマクベスでした。びっくりした。
戦場と魔女の演出表現が面白かった。
しかし映画としてどうかと言われると、
数百年かけて進化してきた物語のノウハウ、
例えば登場人物を好きになってもらうためのエピソードを
序盤で重ねるであるとか、
前半でアイテムや会話を大量投入して
後半でそれを伏線として全部回収するであるとか、
それら一切合財を全部放棄するのは
映画の面白さにとってさすがに痛いなと思いました。
セリフの半分ほどが、あらすじの進行に関係ないというのも地味なダメージです。
そして添加物なしのナチュラルマクベスを追求するという事は、
30年前、50年前の作品が全く問題なく比較対象になってしまいます。
ズバリ言うとポランスキー監督のマクベスが先にあるので、
この路線は不利じゃないかと思います。
内容ばれ
マクベスの子の葬儀のシーンから始まるのですが、
そういえば劇中にあった、マクベス夫人が経産婦であるという内容のセリフ、
原典にも確かあったと思いますが、
物語内に子が登場しない事にこれまでなんの疑問も持ってませんでした。
素直に考えたら、小さいうちに亡くなった解釈になりますね。
マクベスの正面に立ったダンカン王が滅茶苦茶大きな人で、
誰このひと…って顔をよく見たらシューリス先生でした。