映画の豆

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「チャレンジャーズ」

2024年06月16日 | 恋愛映画

ゼンデイヤさんが魔性の女で、
男子テニスプレイヤー2人を手玉にとって
弄ぶやつかなーと思っていたら、かなり違いましたね…。
新時代の恋愛映画を見ているわ…という気分になりました。

ジョシュとマイクは「ファイア&アイス」と呼ばれる
名コンビのテニスプレイヤーだった。
しかし女子ジュニアの天才プレイヤー、タシと出会い、
彼女を同時に好きになって、彼らの友情は変化していく…
というあらすじ。

少しねたばれになりますが、
夏目漱石「こころ」のお嬢さんが、
Kと先生をビンタして、「まぐわえ」と言う、てきな内容です。

ルカ・グァダニーノ監督。
なんか「サスペリア」におけるサスピリオルムが
今回のタシなのか?という気がする。
あと今回初めて気付いたが
作品の恋愛表現傾向がどことなくポリアモリーっぽいような。

ラストまでばれ

タシの描写がよくて、
彼女はテニスによって対戦相手と一瞬にして相互理解ができる
テニスのミュータントにしてテニスの鬼、テニス教の教祖。
彼女にとってテニスは人生でありすべて。
テニスのために人を殺してもよいとさえ言う。
それとゼンデイヤさんの手足の長さ、
天才テニスプレイヤーという説得力があった。
どこに打っても打ち返されそう。
胸のすぐ下が足。腹の面積が狭い。

タシにとってジョシュは自分のなかの畜生を肯定してくれる相手。
タシにとってマイクは自分の中の善性を引き出してくれる相手。
そしてジョシュとマイクは
「俺たちはヘテロ!友情フォーエバー!」
と思い込んでいる両想いのバイ。
私くらいになると最初でもうピンときましたね。ほほ。
最初って言うか、「マイクに自慰を教えたのは俺!」
って話をジョシュが始めた時にニュータイプのSEが鳴った。

ラストシーン、ポカーンとした人が多かったら
どうしようと心配になりましたが、
友情、決別、からの怒り、憎しみ、そして
自分でも気付かなかった愛への覚醒、愛の成就、
というのをテニスを通じて完成させた世紀のベストバウトを
己の手で創造したタシは、
「わしが育てた…」と思ったはずです。
つらい日々も、あのタシの理想のテニスを完成させるためにあったんだよ…。
タシと同じ顔で拍手したよ心の中で。

不満というほどではないが
視聴者の集中を切らさないために、
大音量音楽をチャカポコ鳴らす頻度が高い気がしたので
もう少し静かに頼む。
ボール視点のカメラワークは酔うのでできればやめてほしい。

三角関係もダブルヒロインも当て馬もハーレムも
全然ドキドキしないし(私は)好きじゃないんですが、
3人全員から自分以外の2人に対して
性愛の対象として矢印が出ていて、
なおかつ3人とも面白い人なら引き込まれる、
ということが分かりました今回。



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