米林宏昌監督による、スタジオポノック第一作。
原作は1971年発表の「小さな魔法のほうき」 メアリー スチュアート。
田舎の大叔母と暮らす事になって引っ越してきたメアリは、
不器用で失敗ばかりしてしまう女の子。
そんな彼女が黒猫に案内されて、7年に1度しか咲かないという
夜間飛行の花を見つけた事をきっかけに、
雲の中の魔法大学へ招き入れられ、
そしてその大学の秘密を知ってしまう…というあらすじ。
相変わらず背景が素晴らしくて、
大叔母様のお庭とか、後半出てくる小さなお家の部屋の内装とか、
校長先生の部屋のマジックアイテムとか、最高です。
ピクニックのサンドイッチとか、夕飯のワンプレートとか小道具もいい。
(ベイクドビーンズ以外は、あれは何だろう…
別皿に盛られていた白い何かはマッシュポテト…?)
自分が大嫌い!とか人間サイテー!とか、かつての米林さんのヒロインと違い、
今回はそこまで激しい癖はなくて、赤毛がヤダーとか、自分のドジでへこむとか、
随分可愛らしい感じです。
そこにみんな大好き魔法学校要素と、
相手役の少年の声に神木隆之介さん、主題歌SEKAI NO OWARI、等々、
獲りにきたな!と思いました。そういう姿勢は嫌いじゃない。
オチばれ
軽いサプライズがあって、それはマーニーと同系統なんですが
たぶん米林さんがお好きなんだろうな、この型が。
表現的には、無効魔法を回転運動のエネルギーで表現してたのが
面白かったのと、あと最初に魔法大学に入った時に、
(まだあの段階では良い場所か悪い場所かは確定してなかったので)
ただただ奇妙な音がしてたのがよかった。
変身魔法の実験動物は、ポケモン的なツルポヨしたデザインだったので、
あそこは忘れがたい微グロな動物、お子様が大人になっても覚えているような
デザインでもよかったのではないかと思いました。
魔女は、最初に落下して箒を失って、
何とかしてあの小さな屋敷の場所まで移動して隠れ住んで、
やがて結婚して、あの場所に戻ってきたんだと思うんですが、
腐海の胞子のように、
7年ごとに「夜間飛行」を見つけて駆除しておいたら根絶できたのでは…
という気はちょっとしました。
(それとも花が咲いている事自体ご存じなかった?)
長髪ピーターが大変なイケメンだったのですが、1秒で消えた。
まさに幻だった…。