著作の多くが映像化されている人気作家ハイスミスの
日記とインタビューをもとにしたドキュメンタリー。
彼女と恋愛関係にあった女性たちがハイスミスを語ります。
創作秘話もあるかなと思いましたが
やはり恋愛生活中心でしたね。
でも朝からオレンジジュースのジン割りをグイグイ飲んで
あの文章をお書きになってたのならすごいことです。
世間からサスペンス作家と認識されることにはご不満だったよう。
内容ばれ
でも見ていて腑に落ちたことが色々あって、
母が再婚するため祖母の元に預けられて育ったが
ハイスミスは美しい母のことが好きだった、
ただ、母から愛を返してもらえることはなかった、とか。
それとインタビューを見ていて
ややミソジニー思想をお持ちっぽいなと感じたのですが、
彼女がものすごい漁色家だったこと、
ノートにこれまで付き合った女のランキングを書いていた
(これは映画内には出てこないけど)らしいこと、
女の振り方が酷いこと、
異性装を好んだこと、等々も、あー…という感じ。
なんとか母の望むような娘になろうと、
精神科を受診し、男性との性行為を無理に行い、
最終的には母と絶縁、
きっとすごい苦しみがあったと思うので、
好きに生きなさったらよいのですが。
(それとお若い時の写真を見るとモテモテなのはとても理解できる/笑)
テキサスで周囲の人からのミソジニーやレイシズムを浴びて育ち
晩年それがじわじわと沁みだすのは本当に怖いな…と思った。
リプリーがハイスミス自身だという発想はなかったので
その視点で再読したら、まるで違った風に感じられるかもしれない。
インタビューに彼女の猫が映っていますが
ドルルルルル…と鳴っていてかわいい。